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債券ファンドは買ってはいけない?よくある誤解と正しく判断する方法

債券ファンドは買ってはいけない?よくある誤解と正しく判断する方法

資産運用2025/12/25
  • #初心者向け

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債券ファンドは安全性の高い資産」と聞く一方で、「買ってはいけない」という意見もあり、どちらを信じれば良いか悩んでいませんか?安定した運用を目指したいけれど、本当に自分に合った投資先なのか判断に迷う方も多いでしょう。

そこで本記事では、債券ファンドが「買ってはいけない」といわれる理由から、その本来のメリット、そしてどのような人が投資を検討すべきかまで、分かりやすく解説します。自分にとって債券ファンドが必要かどうかを正しく判断し、納得のいく資産運用を始めましょう。

この記事を読んでわかること
  • 「債券ファンドは買ってはいけない」といわれる5つの理由
  • ポートフォリオを安定させる債券ファンドの本来の役割
  • 本当に避けるべき債券ファンドの具体的な特徴

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なぜ「債券ファンドは買ってはいけない」といわれる?

債券ファンドが「買ってはいけない」といわれる背景には、主に5つの理由が存在します。それぞれの理由について、具体的に見ていきましょう。

金利上昇で価格が下がるリスクがある

債券ファンドの価格(基準価額)が下落する要因として、市場金利の上昇が挙げられます。債券の価格と金利は、シーソーのような逆相関の関係にあります。

市場の金利が上昇すると、新たに発行される債券の利率が高くなり、すでに発行されている利率の低い債券の魅力は相対的に低下します。その結果、既存の債券の市場価格は下落します。

債券ファンドは多数の債券を組み入れているため、金利が上昇する局面では、ファンド全体の評価額が下がり、基準価額が下落する可能性があるのです。償還までの期間が長い債券を多く含むファンドほど、金利変動の影響を受けやすい傾向があります。その価格変動の感応度は「デュレーション」という指標で示されます。

手数料が高く利益を圧迫する

債券ファンドの運用には、信託報酬をはじめとするコストがかかります。その手数料はファンドを保有している間、継続的に資産から差し引かれるため、最終的なリターンを圧迫する要因となります。

債券はもともと期待リターンが低い金融商品であるため、手数料の割合が相対的に高くなりがちです。専門家が積極的に銘柄選定を行うアクティブ型のファンドでは、信託報酬が年率1%を超えることも珍しくありません。

利回りが低い状況で高い手数料を支払い続けると、運用益がほとんど残らない「手数料負け」に陥る可能性も指摘されています。そのため、コストを重視する投資家からは敬遠されることがあります。

インフレに弱く実質的な価値が目減りする

多くの債券は、購入時に利率が固定される「固定金利」です。これは、将来受け取れる利子の額が決まっている安定性がある一方で、インフレ(物価上昇)に弱いというデメリットも持ち合わせています。

例えば、年率1%の利回りを持つ債券ファンドに投資している状況で、世の中のインフレ率が2%だった場合を考えてみましょう。名目上は1%の利益を得ていますが、物価が2%上昇しているため、そのお金で買えるモノやサービスの量は実質的に減少しています。

そのように、インフレ率が債券の利回りを上回ると、資産の実質的な価値が目減りしてしまうリスクがあります。物価上昇局面では、債券ファンドの魅力が薄れる一因となります。

株式と比べてリターンが低い

債券ファンドは、その性質上、株式ファンドと比較して期待できるリターンが低い傾向にあります。債券は発行体が利益を上げても、投資家に支払われる利子はあらかじめ決められた範囲内であり、株価のように値上がりすることは期待しにくいからです。

そのため、債券を主な投資対象とするファンドの基準価額は、株式ファンドに比べて値動きが穏やかになります。これはリスクが低いというメリットの裏返しであり、資産を積極的に増やしたいと考える投資家にとっては、リターンの低さが物足りなく感じられる要因です。

長期的な資産形成を目指す場合、株式のリターンとの差が広がる可能性があるため、「買ってはいけない」という意見につながることがあります。

為替変動で「利子」が吹き飛ぶリスクがある(外国債券の場合)

為替リスク」は外国株にも共通するものですが、期待リターンが低い債券ファンドにおいては、これが「致命傷」になりやすいという特徴があります。

例えば、年率3%の利回りが得られる外国債券ファンドを買ったとします。しかし、為替レートが購入時より10%円高に進んでしまうと、3年分の利子収入が一瞬にして帳消しになり、さらに元本割れを起こしてしまいます。

株式ファンドであれば、株価自体の大きな値上がりで為替差損をカバーできることもありますが、リターンが限定的な債券ファンドにはその「クッション」がありません。

債券=安全」というイメージだけで、為替ヘッジのない外国債券ファンドを購入すると、「リスク(為替変動)に見合ったリターンが得られない」という事態に陥りやすく、これが「買ってはいけない」といわれる大きな要因となっています。

債券ファンドのメリットと本来の役割

「買ってはいけない」と言われる一方で、債券ファンドには他の金融商品にはない重要な役割とメリットがあります。債券ファンドの価値は、単体でのリターンを追求することよりも、資産全体のバランスを整え、安定性を高める点にあります。

株式などのリスクが高い資産(攻めの資産)と組み合わせることで、ポートフォリオ全体の価格変動を緩やかにする「守りの資産」としての役割を担います。その本来の役割を理解することが、債券ファンドを有効に活用する大きなポイントとなります。

ポートフォリオの安定化に貢献

債券ファンドが持つ最大の役割は、ポートフォリオ全体のリスクを低減し、安定性を高めることです。一般的に、株式と債券の価格は異なる動きをする傾向があります。例えば、経済が不透明な局面で株価が下落する際、安全資産とされる債券の価格は上昇することがあります。

そのように値動きの異なる資産を組み合わせることで、一方の資産が値下がりしても、もう一方の資産がその損失を補う効果が期待できます。これを「分散投資効果」と呼びます。

日本の公的年金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)も、国内債券、外国債券、国内株式、外国株式の4つの資産に分散投資するバランス型の運用を行っています。

債券ファンドは、資産運用における「守り」の担い手として、ポートフォリオに安定をもたらす重要な存在です。

定期的な利子収入が得られる

債券ファンドは、組み入れている多数の債券から得られる利子(クーポン収入)を原資として、投資家に定期的な分配金を支払う仕組みを持っています。これにより、投資家は安定した収入(インカムゲイン)を期待することができます。

リタイア後の生活費の補填や、定期的にお金を受け取りたいと考えるインカム重視の投資家にとって、その特徴は大きな魅力となります。株式の配当金と合わせて、ポートフォリオからのキャッシュフローを安定させる役割を果たします。

ただし、後述するように分配金が元本を取り崩して支払われるケースもあるため、その内容は確認が必要です。

株式より値動きが小さく精神的負担が軽い

債券ファンドの基準価額は、株式ファンドと比較して価格の変動幅が小さい傾向にあります。これは、債券の価格が株式ほど景気や企業業績の変動に敏感に反応しないためです。

GPIFの運用実績を見ても、国内債券の収益率の振れ幅は、国内外の株式や外国債券と比べて一貫して小さいことがわかります。

市場が変動する局面でも、資産価値の急激な減少を避けやすいため、投資家の精神的な負担を和らげる効果が期待できます。価格変動に一喜一憂することなく、長期的な視点で資産運用を続けたい安定志向の投資家にとって、その特徴は大きなメリットといえるでしょう。

少額から分散投資できる

個人投資家が個別の債券、長期国債や特定の社債に投資しようとすると、最低購入単位が数百万円や1000万円以上になることがあり、多額の資金が必要となります。また、リスクを分散するために複数の債券を買い集めるには、さらに莫大な資金と専門知識が求められます。

一方、債券ファンドは、これらのハードルを解消してくれる金融商品です。投資信託の仕組みを通じて、個人では手が届きにくい多種多様な債券に、100円や1000円といった少額から手軽に分散投資することが可能です。

これにより、投資初心者でも、国内外のさまざまな債券市場へアクセスし、リスクを抑えながら資産運用を始めることができます。


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買ってはいけない債券ファンドの特徴

すべての債券ファンドが投資に適しているわけではありません。「買ってはいけない」といわれるような、避けるべき特徴を持つファンドも存在します。

そこで以下では、長期的な資産形成の妨げとなりうる、具体的な5つの特徴を解説します。これらのポイントを押さえることで、より健全なファンド選びが可能になるでしょう。

1.販売手数料が3%以上かかる商品

販売手数料は、投資信託を購入する際に一度だけ支払うコストです。その手数料が高いと、運用を始める前からマイナスの状態からスタートすることになり、その後のリターンを圧迫します。

債券ファンドのように期待リターンが比較的低い商品において、3%を超えるような高額な販売手数料は致命的です。そのコストを取り戻すだけでも長い時間が必要となり、運用効率を著しく低下させます。

現在では、販売手数料が無料の「ノーロード」と呼ばれるファンドが主流になっています。特別な理由がない限り、高額な販売手数料がかかる商品は避けるのが賢明です。

2.信託報酬が年1%を超える商品

信託報酬は、ファンドを保有している間、毎日資産から差し引かれ続ける運用管理費用です。そのコストは長期になるほど影響が増すため、注意が必要です。

債券ファンドの期待リターンは、一般的に株式ファンドよりも低いため、高い信託報酬は利益をほとんど打ち消してしまう可能性があります。ひとつの目安として、信託報酬が年率1%を超えるような商品は、コストが高すぎると判断できるでしょう。

特定の指数に連動するインデックス型の債券ファンドであれば、信託報酬は年率0.1%台のものも多く存在します。アクティブ型であっても、コストに見合った付加価値があるかを慎重に検討し、高すぎる商品は避けるべきです。

3.複雑な仕組みで理解しにくい商品

「仕組債」や、デリバティブ(金融派生商品)を複雑に組み込んだファンドなど、投資家自身がその仕組みやリスクを十分に理解できない商品は避けるべきです。

これらの商品は、一見すると高い利回りを提示していることがありますが、その裏には特定の条件下で損失が発生するリスクが隠されている場合があります。例えば、株価指数や為替レートが一定の範囲を超えると、元本を割り込む可能性があるなど、通常の債券とはまったく異なるリスク特性を持っています。

投資の基本原則は「自分が理解できるものに投資する」ことです。内容が不透明で、どのような時に利益が出て、どのような時に損失が出るのかを明確に説明できない商品は、手を出さないのが賢明です。

4.過去の実績だけで選ばれている商品

ファンド選びの際に過去の運用実績(トータルリターン)を参考にすることは大事ですが、それだけで判断するのは危険です。なぜなら、過去の実績は将来の成果を保証するものではないからです。

債券ファンドのパフォーマンスは、金利環境に左右されます。過去に金利が低下する局面で高いリターンを上げていたファンドが、金利上昇局面に転換すると、一転してマイナスの成績になることも十分に考えられます。

過去の実績はあくまで参考情報とし、それ以上に、どのような債券に投資しているのか(国債、社債、先進国、新興国など)、平均的な残存期間(デュレーション)はどのくらいか、そしてコストは適正かといった、ファンドの中身をしっかりと確認することが必須です。

5.毎月分配型で元本を取り崩している商品

毎月分配金が受け取れるファンドは、定期的な収入が得られるように見えて魅力的ですが、その分配金の原資に注意が必要です。分配金には、運用で得た利益から支払われる「普通分配金」と、投資した元本の一部を払い戻しているに過ぎない「特別分配金元本払戻金)」の2種類があります。

運用が好調でないにもかかわらず高い分配金を維持しているファンドは、この特別分配金を支払っている可能性があります。これは、タコが自分の足を食べるのに例えて「タコ足分配」とも呼ばれ、実質的には資産を取り崩しているだけです。

分配金を受け取っていても、その分基準価額が下落するため、資産は増えていません。長期的な資産形成を目的とする場合、元本を取り崩している毎月分配型ファンドは避けるべきです。

2024年から始まった新しいNISAでは、資産形成に適さないという理由から「毎月分配型」の投資信託は除外対象となっています。 つまり、NISAの非課税メリットを活かしたい場合、そもそも毎月分配型は選択肢に入りません。長期的な資産形成を目指すのであれば、分配金を出さずにファンド内で再投資し、複利効果を高める「資産成長型」のファンドを選ぶのが鉄則です。

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債券ファンドを買っても良い人・避けるべき人

債券ファンドは、すべての投資家にとって最適な選択肢というわけではありません。その特性から、投資目的やリスクに対する考え方によって、明確に向き不向きが分かれます。

ここでは、どのような人が債券ファンドの活用を検討すべきか、また、どのような人は他の選択肢を探すべきかを具体的に解説します。

債券ファンドが向いている人

債券ファンドは、以下のような特徴や目的を持つ投資家にとって有効な選択肢となります。

リスクを抑えて安定的に運用したい人

株式のような大きな価格変動を避け、比較的安定した運用を心掛けたい人に向いています。元本割れのリスクを完全にゼロにはできませんが、精神的な負担を軽くしながら資産運用を続けたい場合に適しています。

ポートフォリオのリスクを分散させたい人

すでに株式などのリスク資産を中心に運用しており、資産全体の値動きを安定させたい人にとって、債券ファンドは有効な分散投資先です。「守りの資産」として組み入れることで、ポートフォリオのバランスを改善できます。

少額から手軽に債券投資を始めたい人

個人で債券を購入するにはまとまった資金が必要ですが、債券ファンドなら数千円程度の少額から、多様な債券に分散投資が可能です。投資初心者や、まずは少しずつ始めたい人に適しています。

定期的な収入(インカムゲイン)を重視する人

分配金を通じて、定期的なキャッシュフローを得たい人にも向いています。ただし、分配金が元本を取り崩していないかを確認することが必須です。

債券ファンドを避けるべき人

一方で、以下のような人は、債券ファンド以外の選択肢を検討するほうがよいでしょう。

株式のように大きな値上がり益を期待する人

債券ファンドは、性質上リターンが限定的です。資産を積極的に増やしたい、ハイリスク・ハイリターンを求める投資家には物足りないでしょう。

短期的な売買で利益を狙いたい人

値動きが比較的小さいため、短期的な価格変動を利用して利益を上げるトレーディングには不向きです。長期的な視点での運用が基本となります。

NISAの非課税メリットを最大限に活用したい人

NISAの非課税メリットは、利益が大きいほど恩恵も増します。期待リターンが低い債券ファンドで非課税枠を使うよりも、より高いリターンが期待できる株式ファンドなどに投資するほうが、制度の恩恵を最大限に受けられる可能性があります。

注意点

ただし、これは「リスクを許容できる場合」に限ります。リタイア世代や、資産を守りながら運用したい方にとっては、NISA口座内で債券ファンドを持つことも有効な選択肢です。

手数料コストを極限まで抑えたい人

債券ファンドには信託報酬がかかります。少しでもコストを抑え、リターンを最大化したいと考える場合、信託報酬のかからない個別債券や預金などが選択肢になります。

債券ファンドの代わりになる選択肢

債券ファンドのデメリットを避けつつ、安定性を重視した資産運用を行いたい場合、いくつかの代替案が考えられます。個人のリスク許容度や資金の性質に応じて、これらの選択肢を検討することで、より自分に合った運用方法を見つけることができます。

ここでは、代表的な3つの選択肢「個人向け国債」「バランスファンド」「定期預金・普通預金」について、それぞれの特徴を解説します。

個人向け国債(変動10年)

個人向け国債は、国が発行するため安全性が高く、元本割れのリスクが低い金融商品です。「変動10年」タイプは、半年ごとに適用利率が見直される変動金利型であるため、市場金利の上昇に合わせて受け取れる利子が増える可能性があります。これにより、債券ファンドのデメリットであるインフレリスクにある程度対応できます。

また、債券ファンドと違って信託報酬などの運用コストがかからず、1万円から購入できる手軽さも魅力です。ただし、発行後1年間は原則として中途換金できない点には注意が必要です。安定性を最優先し、コストをかけずに運用したい場合の有力な選択肢です。

バランスファンド

バランスファンドは、国内外の株式や債券、REIT(不動産投資信託)など、複数の異なる資産クラスを1つのパッケージにした投資信託です。このファンドを1本購入するだけで、自動的に分散投資が実現します。

債券だけでなく株式なども含まれているため、債券100%のファンドよりも高いリターンが期待できる一方、株式100%のファンドよりはリスクを抑えることができます。資産配分の見直し(リバランス)も運用会社が行ってくれるため、投資家は手間をかける必要がありません。

「債券だけでは物足りないが、株式だけでは不安」という、ミドルリスク・ミドルリターンを目指す投資家にとって、有力な選択肢の1つです。

定期預金・普通預金

リスクを一切取りたくない場合、一番安全な選択肢は銀行の預金です。預金保険制度により、1金融機関あたり元本1000万円とその利息までが保護されるため、元本保証の安心感があります。

ただし、現在の低金利環境では、預金で得られる利息はごくわずかです。そのため、インフレ(物価上昇)が続くと、お金の価値が実質的に目減りしてしまうリスクは避けられません。

資産を「増やす」ことよりも「減らさない」ことを最優先する資金や、近い将来に使う予定が決まっているお金の置き場所として適しています。

債券ファンドに関するQ&A

ここでは、債券ファンドに関してよく寄せられる質問について、専門家の視点から簡潔にお答えします。購入のタイミングや個別債券との違い、損失の可能性など、投資判断の前に解消しておきたい疑問点を取り上げます。

Q. 債券ファンドを買うべきタイミングとは?

一般的には、市場金利が高い水準にあり、今後低下が見込まれる局面が有利とされます。金利が低下すると債券価格は上昇するため、値上がり益が期待できるからです。ただし、長期的な分散投資の一環として組み入れる場合は、タイミングを計らずに定期的に積み立てる方法も有効です。

Q. 債券ファンドと個別債券、どちらがいい?

確実にどちらが優れているということは一概にいえません。少額から手軽に分散投資をしたいなら債券ファンド、満期まで保有し元本の安全性を最優先するなら個別債券が適しています。ファンドは元本保証がなくコストがかかりますが、多様な債券にアクセスしやすいです。個別債券はまとまった資金が必要ですが、満期まで持てば額面金額が戻ってきます。

Q. 債券ファンドで損をすることはある?

はい、元本割れして損をする可能性はあります。債券ファンドは比較的安全性の高い金融商品の1つですが、それでも元本が保証されているわけではありません。市場金利の上昇、組入債券の発行体の信用力低下、外国債券に投資するファンドの場合は為替の変動など、様々な要因で基準価額が下落し、購入した価格を下回ることがあります。

まとめ

債券ファンドは買ってはいけない」という意見は、そのデメリット面を強調したものですが、一概にすべての投資家にとって不適切というわけではありません。具体的に、買ってはいけないといわれる代表的な理由には以下が挙げられます。

  • 金利上昇による価格下落リスク
  • 手数料による利益の圧迫
  • インフレによる実質価値の目減り
  • 株式に劣るリターン

一方で、債券ファンドにはポートフォリオ全体のリスクを抑え、安定させるという重要な役割があります。株式などの「攻め」の資産と組み合わせることで、「守り」の資産として真価を発揮します。

重要なのは、高すぎる手数料や複雑な仕組み、元本を取り崩す分配方針のファンドを避け、自身の投資目的やリスク許容度に合っているかを冷静に判断することです。この記事で解説したメリットとデメリット、そして役割を理解し、自身の資産運用に債券ファンドが必要かどうかを検討してみるとよいでしょう。

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監修
高橋 明香
  • 高橋 明香
  • ファイナンシャルアドバイザー/CFP®認定者

みずほ証券(入社は和光証券)では、20年以上にわたり国内外株、債券、投資信託、保険の販売を通じ、個人・法人顧客向けの資産運用コンサルティング業務に従事。2021年に株式会社モニクルフィナンシャル(旧:株式会社OneMile Partners)に入社し、現在は資産運用に役立つコンテンツの発信に注力。1級ファイナンシャル・プランニング技能士、一種外務員資格(証券外務員一種)保有。

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執筆
マネイロメディア編集部
  • マネイロメディア編集部
  • お金のメディア編集者

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