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65歳以上の社会保険料はいくら?年金から引かれる金額と負担の仕組み

65歳以上の社会保険料はいくら?年金から引かれる金額と負担の仕組み

制度2026/03/31
  • #老後資金

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65歳を迎え、年金生活が始まると「社会保険料がいくら引かれるのか」という不安を感じる人は少なくありません。

そこで本記事では、65歳以上の人が支払う社会保険料の種類金額の目安年金からの天引きの仕組みについて、分かりやすく解説します。

この記事を読んでわかること
  • 65歳になると介護保険料の支払い方法が年金からの天引きに変わる
  • 年金収入や住んでいるお住まいの地域などによって社会保険料の金額は異なる
  • 75歳になると後期高齢者医療制度に移行し医療保険制度が変わる


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65歳になると社会保険料の何が変わる?

65歳になると、社会保険制度においていくつかの重要な変更点があります。これらの変更点を事前にしっかり理解しておきましょう。

介護保険料が年金から天引きに

65歳に達すると、介護保険の被保険者区分が「第2号被保険者」から「第1号被保険者」に変わります。これにともない、介護保険料の納付方法が変更されます。

会社員などで給与から天引きされていた人も、原則として年金からの天引き(特別徴収)で納付する形に切り替わります。

公的年金の受給額が年間18万円以上の人が対象となり、年金支給時に介護保険料が天引きされます。

医療保険は継続するが75歳で制度が変わる

65歳から74歳までの間は、勤務先の「健康保険」に加入するか、退職後に「国民健康保険」に加入するか、元の会社の健康保険を「任意継続」します。

しかし、75歳になると、すべての人が原則として「後期高齢者医療制度」に移行します。

後期高齢者医療制度は、都道府県単位で運営される独立した医療保険制度であり、それまで加入していた国民健康保険や会社の健康保険からは脱退することになります。

保険料も個人単位で計算され、原則として年金から天引きされます。

会社員は厚生年金保険料が70歳まで継続

65歳以降も会社員として働き続ける場合、厚生年金保険料の納付義務は70歳まで続きます。

70歳に達すると厚生年金の被保険者資格を喪失し、それ以降は保険料を納付する必要がなくなります。

ただし、健康保険の被保険者資格は75歳になるまで継続します。

ポイントの解説

70歳以降も働く場合は「70歳以上被用者」として扱われ、年金額の調整(在職老齢年金)が行われるための手続きは必要です。手続きは企業が行うため、個人での手続きは不要です。

65歳以上の社会保険料はいくら?具体的な金額目安

65歳以上の人が支払う社会保険料は、主に「介護保険料」と「医療保険料(健康保険料または国民健康保険料、後期高齢者医療保険料)」の2種類です。

この2つの保険料の計算の仕組みと目安を理解することが重要です。

介護保険料の金額目安

65歳以上の介護保険料(第1号保険料)は、市区町村ごとに設定される「基準額」をもとに、本人の所得や世帯の住民税課税状況に応じて段階的に決定されます。

厚生労働省の「令和8年度 介護納付金の算定について(報告)」によると、令和6~8年度の全国平均の基準額(月額)は6225円となっています。

ただし、これはあくまで平均であり、所得が低い方は軽減措置によって負担が軽くなる一方、所得が高い方は平均額よりも高い保険料を納めることになります。

例えば、東京都新宿区の「介護保険料の決まり方」の場合では、所得段階に応じて月額1650円から3万8280円まで16段階に分かれています。

医療保険料の金額目安

65歳以上の医療保険料は、年齢によって制度が異なります。なお、2026年4月から、医療保険料に「子ども・子育て支援金」が上乗せされます。

(参考:子ども・子育て支援金制度について|こども家庭庁

65歳から74歳(会社員):健康保険料

64歳までと同様に、収入(正確には標準報酬月額・標準賞与額)に応じて保険料が決まります。保険料率は加入する健康保険組合や協会けんぽによって異なりますが、おおむね10%前後(従業員負担は約5%)です。

65歳から74歳(会社員以外):国民健康保険料

前年の所得に応じて計算される「所得割」と、加入者全員が均等に負担する「均等割」の合計で決まります。保険料率は市区町村ごとに異なります。

75歳以上:後期高齢者医療保険料

こちらも「所得割」と「均等割」の合計で決まりますが、保険料率は都道府県ごとに設定されます。国民健康保険料と比較して、所得が同じでも保険料が安くなる傾向があります。

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年金から天引きされる社会保険料の仕組み

年金受給者の社会保険料は、原則として年金から自動的に差し引かれる「特別徴収」という方法で納付します。

これにより、金融機関などへ支払いに行く手間が省かれ、納め忘れを防ぐことができます。

注意点

ただし、すべての人が特別徴収の対象となるわけではなく、条件によっては自分で納付する「普通徴収」になる場合もあります。

特別徴収と普通徴収の違い

社会保険料の納付方法には「特別徴収」と「普通徴収」の2種類があります。

特別徴収

年金の支給時に、あらかじめ社会保険料が差し引かれて振り込まれる方法です。年間の年金受給額が18万円以上の人が原則として対象となります。

普通徴収

市区町村から送られてくる納付書を使って、金融機関やコンビニエンスストアで自分で支払う方法です。年金受給額が年間18万円未満の人や、年度の途中で65歳になった人などが対象です。

どちらの方法になるかは自動的に決まるため、被保険者自身が選択することはできません。

天引きが始まるタイミング

65歳になったり、他の市区町村から転入したりした場合、すぐに年金からの天引き(特別徴収)が始まるわけではありません。

特別徴収が開始されるまでには、通常、半年から1年程度の期間を要します。

準備期間中は、市区町村から送付される納付書や口座振替による「普通徴収」で保険料を納めることになります。

市区町村より特別徴収の開始通知が届き、その後は年金からの天引きに切り替わります。

年金から引かれるその他の項目

年金からは社会保険料だけでなく、税金も天引きされる場合があります。対象となるのは「所得税(および復興特別所得税)」と「住民税」です。

ただし、税金には非課税の基準があり、一定の所得以下の人は課税されません。

65歳以上で収入が公的年金のみ、単身世帯の場合などは、年金収入が205万円以下であれば所得税はかからず、155万円以下であれば住民税も非課税となるのが一般的です。

これらの金額を超えると、年金から税金も天引きされることになります。

会社員として働き続ける場合の社会保険料

65歳以降も会社員として働き続ける場合、社会保険への加入は継続しますが、年齢に応じて保険料の扱いが変わります。

給与と年金の両方から収入を得ることで、保険料の計算や納付方法が複雑になる点もあるので注意が必要です。内容について詳しく見ていきましょう。

健康保険料と介護保険料の扱い

65歳以上で会社に勤務している場合でも、75歳になるまでは会社の健康保険に加入し続けます。保険料は、これまでと同様に会社と従業員で半分ずつ負担する「労使折半」です。

ただし、介護保険料については、65歳になると第1号被保険者となり、年金生活者と同様に原則年金から特別徴収されます。

また、年金受給額が年間18万円未満の人などは普通徴収となり、納付書や口座振替を利用して保険料を納めます。

厚生年金保険料は70歳まで

65歳以降も会社員として厚生年金の適用事業所で働く場合、70歳になるまで厚生年金保険に加入し、保険料を納付し続ける必要があります。納めた保険料は、将来受け取る年金額に反映されます。

70歳に達すると、厚生年金の被保険者資格はなくなります。そのため、70歳以降は同じ会社で働き続けても厚生年金保険料を支払う必要はありません

保険料率は平成29年9月以降、18.3%で固定されており、これを会社と従業員で折半します。


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社会保険料を抑える方法と注意点

社会保険料の納付は法律で定められた義務ですが、保険料負担を間接的に軽減する方法があります。

支払った保険料は全額が所得控除の対象となるため、税金の負担を軽くすることができます。

また、所得が低い人向けの軽減制度や、支払いが困難になった場合の相談窓口も設けられています。制度を正しく理解し、活用することが大切です。

社会保険料控除で税負担を軽減

年金から天引きされた、あるいは自分で納付した国民健康保険料や介護保険料などの社会保険料は、全額が「社会保険料控除」の対象となります。

社会保険料控除は、所得税や住民税を計算する際に、課税所得から差し引くことができる所得控除の1つです。

これにより課税対象となる所得が減るため、結果として所得税や住民税の負担が軽減されます。

ポイントの解説

社会保険料が年金から特別徴収されていない場合、確定申告をすることで払い過ぎた税金が還付されます。

低所得者向けの軽減制度

国民健康保険や後期高齢者医療保険には、所得の低い世帯の負担を軽くするための軽減制度が設けられています。

世帯主と被保険者全員の所得の合計額が一定の基準を下回る場合、保険料のうち「均等割額」が7割、5割、または2割軽減されます。

この軽減措置は、申請が不要で、所得の申告内容に基づいて自動的に適用されるのが一般的です。

「年金収入のみで生活している」など、多くの人が対象となる可能性があります。住んでいる市区町村のWebサイトなどで、自身の所得が軽減対象になるか確認してみるとよいでしょう。

滞納のリスクと対処法

介護保険料や国民健康保険料を納付期限までに支払わずに滞納してしまうと、ペナルティが発生します。まず、納付期限の翌日から延滞金が加算されます。

滞納が1年以上続くと、介護サービスや医療機関を利用した際に、費用をいったん全額(10割)自己負担しなければならなくなります。

さらに滞納期間が長引くと、保険給付が差し止められたり、自己負担割合が引き上げられたりするなど、ペナルティはより重くなります。

災害や失業、収入の著しい減少など、やむを得ない事情で支払いが困難な場合は、保険料の減免や猶予を受けられる可能性があります。

支払えないからといって放置せず、速やかに住んでいる市区町村の担当窓口に相談することが肝となります。

65歳以上の社会保険料に関するよくある質問

ここでは、65歳以上の社会保険料に関して、よく寄せられる質問と回答をまとめました。

具体的な金額や手続きのタイミングなど、疑問解消の参考にしてください。

Q. 年金月額10万円だと社会保険料はいくら?

年金月額10万円(年収120万円)の場合、所得が低いため社会保険料の軽減措置が適用される可能性が高いです。

年間保険料の目安は、住んでいる地域によりますが、合計で2万円から4万円程度になることが多いでしょう。

Q. 65歳になったらすぐ年金から天引きされる?

いいえ、すぐには天引きされません。65歳になってから年金天引き(特別徴収)が開始されるまでには、通常半年から1年程度の期間がかかります

特別徴収開始までは、納付書などで自分で納める「普通徴収」となります。

Q. 会社員だと介護保険料は二重払い?

いいえ、二重払いにはなりません。65歳以上で会社員として働く場合、介護保険料は給与天引きされません。

介護保険料は、原則年金から天引きされるため、支払いが重複することはありません。

まとめ

65歳を迎えると、社会保険料の仕組みは現役時代から変わります。介護保険料は原則として年金からの天引きとなり、75歳からは後期高齢者医療制度へ移行します。

保険料額は年金収入・給与収入やお住まいの地域によって異なり、年金の手取り額に直接影響します。働き続ける場合は70歳まで厚生年金保険料の支払いが必要です。

また、社会保険料控除低所得者向けの軽減制度など、負担を和らげる仕組みも存在します。

これらの制度を正しく理解し、自身の状況に合わせた資金計画を立てることが、安心して老後を過ごすための第一歩となるでしょう。

年金手取り額や老後の生活費に不安を感じたら、まずはどのくらいの準備が必要か把握することが大切です。簡単な質問に答えて将来の不足額がわかるシミュレーションを試してみましょう。

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監修
西岡 秀泰
  • 西岡 秀泰
  • 社会保険労務士/ファイナンシャルプランナー

同志社大学法学部卒業後、生命保険会社に25年勤務しFPとして生命保険・損害保険・個人年金保険販売を行う。保有資格は社会保険労務士と2級FP技能士。2017年4月に西岡社会保険労務士事務所を開設し、労働保険・社会保険を中心に労務全般について企業サポートを行うとともに、日本年金機構の年金事務所で相談員を兼務。

記事一覧

執筆
マネイロメディア編集部
  • マネイロメディア編集部
  • お金のメディア編集者

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