
総資産とは?個人・企業の定義から計算方法まで初心者向けに解説
≫将来の資産を増やす最適な方法は?あなたのケースで診断
「自身の総資産はいくらですか?」と聞かれて、すぐに正確な金額を答えられるでしょうか。また、企業の財務状況を評価する際に「総資産」という言葉は頻繁に出てきますが、その意味を正しく理解できていますか?
総資産は、個人や企業の経済的な規模や状況を示す基本的な指標ですが、純資産との違いが曖昧な人も少なくありません。
そこで本記事では、総資産の基本的な定義から、個人と企業それぞれにおける内訳、具体的な計算方法、そして企業の財務分析に活かすポイントまで、包括的に解説します。
将来の資産形成に向けて、まずは自身の資産状況を正確に把握することから始めてみましょう。
- 総資産と純資産の明確な違い
- 個人と企業の総資産の具体的な内訳
- 総資産を計算し、財務状況を分析する方法
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総資産とは?基本的な意味と定義
総資産とは、個人や法人が保有するすべての財産(資産)の合計額を指します。「持っているプラスの財産すべて」と考えると分かりやすいでしょう。
会計の世界では、企業が所有する現金、預金、売掛金、土地、建物といった、金銭的価値のあるすべてのものを合計した金額を意味します。総資産は、企業の財政状態を示す「貸借対照表(バランスシート)」という書類で確認することができます。
ただし、「総資産」という言葉は、個人の家計を考える場合と、企業の会計を見る場合とで、その内訳や捉え方が少し異なります。
どちらの立場から見るかによって意味合いが変わるため、それぞれの定義を正しく理解しておきましょう。
個人における総資産の定義
個人における総資産とは、その人が所有するすべての財産の合計価値を指します。これには、現金や預貯金、株式、投資信託といった「金融資産」だけでなく、土地や建物などの「不動産」、自動車や貴金属といった「実物資産」も含まれます。
重要なポイントは、総資産を計算する際には、住宅ローンやカードローンなどの借入金(負債)を差し引かないという点です。あくまで、所有しているプラスの財産の総額が個人の総資産となります。これにより、個人の経済的な規模を把握することができます。
企業における総資産の定義
企業における総資産とは、会計上の貸借対照表(バランスシート)に記載される「資産の部」の合計額を指します。これは、企業が事業活動を行うために所有・管理しているすべての財産を表します。
企業の資産は、その性質によって3つに分類されます。
- 流動資産: 1年以内に現金化または費用化される資産(現金、預金、売掛金、棚卸資産など)
- 固定資産: 1年を超えて長期的に保有・使用される資産(土地、建物、機械設備、ソフトウェアなど)
- 繰延資産: 支出した費用のうち、その効果が将来にわたって及ぶため資産として計上されるもの(創立費、開業費など)
これら流動資産、固定資産、繰延資産のすべてを合計したものが、企業の総資産となります。
総資産と純資産の違い
個人や企業の資産・財務状況を理解する上で、「総資産」と「純資産」は基本となる重要な用語ですが、しばしば混同されがちです。
以下の項目で、それぞれの定義と関係性をより詳しく見ていきましょう。
総資産=資産の合計額
総資産とは、企業や個人が保有する「金銭的な価値を持つすべての財産」の合計額のことです。「企業」と「個人」それぞれの具体的な対象資産は以下の通りです。
個人における総資産
個人の場合、家計において保有している「換金可能なすべての財産」の合計額を指します。
- 金融資産: 現金、預貯金、株式、投資信託、債券、積立型保険など
- 実物資産: 持ち家(マンション・戸建て)、土地、自動車、貴金属など
企業における総資産
企業の場合、貸借対照表(バランスシート)の左側に記載される「資産の部」の合計金額が総資産にあたります。
- 流動資産: 現金、預金、売掛金、商品(在庫)など
- 固定資産: 土地、建物、機械設備、ソフトウェア、繰延資産など
これらすべてのプラスの価値を持つ財産を足し合わせたものであり、「企業が事業のためにどれだけの規模の財産を運用しているか」を示す指標となります。
企業・個人どちらの場合も、総資産の計算においては、借入金やローンなどの「負債」は一切差し引きません。例えば個人では、 住宅ローンが残っているマイホームであっても、その家の現在の価値(評価額)はすべて総資産としてカウントします。また、企業のケースでは、銀行から借金をして工場を建てた場合、その工場の価値はそのまま総資産に含まれます。
純資産=総資産-負債
純資産は、個人・企業が持つ総資産から、負債(借入金や買掛金など、返済・支払義務のあるもの)を差し引いて計算されます。
純資産 = 総資産 - 負債
計算式からもわかるように、純資産は「正味の財産」や「自己資本」とも呼ばれ、個人や企業が返済する必要のない、本当に自分のものといえる資産の額を示します。
企業の場合、株主からの出資金や、これまでの事業活動で得た利益の蓄積などが純資産の主な構成要素であり、純資産の額が大きいほど、財務の安定性が高い健全な企業であると評価されます。
「富裕層」を定義する際など、個人(世帯)の資産状況を測るのに用いられる指標に「純金融資産」があります。純資産との最大の違いは、純資産が家や車といった実物資産も含むのに対し、純金融資産はこれらを含まない点です。純金融資産は、あくまで「金融資産」であるのがポイントです。
個人の総資産に含まれるもの・含まれないもの
個人の総資産を正確に把握するためには、どの財産を資産として計上し、どれを含めないのかを正しく分類する必要があります。基本的には「金銭的価値があり、換金可能なもの」が資産に含まれると考えるとよいでしょう。
ここでは、総資産に「含まれるもの」と「含まれないもの、または判断が分かれるもの」に分けて、具体的な項目を解説します。
総資産に含まれるもの一覧
個人の総資産を計算する際には、以下の項目をリストアップして合計します。それぞれの資産は、時価や評価額など、現時点での金銭的価値で計算することがポイントです。
これらの資産をすべて洗い出し、それぞれの価値を合計したものが個人の総資産となります。
総資産に含まれないもの
総資産を計算する際には、以下の項目は含めないのが一般的です。これらを資産に含めてしまうと、現状を過大評価してしまう可能性があるため注意が必要です。
- 負債: 住宅ローン、自動車ローン、教育ローン、カードローンなどの借金は、資産ではなく負債です。総資産の計算からは除外します。
- 将来受け取る予定のお金: 公的年金や、現時点での退職金の見込み額は、まだ受け取ることが確定しておらず、すぐに現金化できるわけではないため総資産には含めません。
- 掛け捨て型の保険: 解約してもお金が戻ってこない掛け捨て型の生命保険や損害保険は、資産価値がないため総資産には含まれません。
これらの項目は総資産の計算には入れませんが、将来のキャッシュフローを予測するライフプランニングにおいては重要な情報となります。
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個人の総資産の計算方法
自身の総資産を把握することは、家計の現状分析や将来の資産形成プランを立てる上での第一歩です。計算は決して難しくなく、3つの簡単なステップで進めることができます。
ここでは、自身の資産を「洗い出す」「評価する」「合計する」という具体的な手順を解説します。この手順に沿って、一度自身の総資産を計算してみましょう。
ステップ①:資産項目を洗い出す
まず、自身が保有している資産をすべて書き出す「棚卸し」の作業から始めます。漏れがないように、関係する書類を手元に集めるとスムーズです。以下は参照する資産の例です。
- 預金通帳、インターネットバンキングの残高画面
- 証券会社の取引報告書や残高証明書
- 保険証券や年に一度送付される契約内容のお知らせ
- 不動産の権利証、固定資産税納税通知書
- 自動車の車検証
これらの書類を参考に、金融資産、保険、不動産、その他の資産といったカテゴリに分けて、すべての資産をリストアップしていきましょう。
ステップ②:それぞれの評価額を調べる
次に、洗い出した資産項目ごとに、現時点での金銭的価値(評価額)を調べていきます。評価方法は資産の種類によって異なります。
- 預貯金: 通帳やインターネットバンキングで確認できる現在の残高がそのまま評価額となります。
- 株式・投資信託: 証券会社のWebサイトなどで、調査日の時価(市場価格)を確認します。
- 保険: 保険会社に問い合わせるか、契約内容のお知らせなどで、現時点での解約返戻金額を確認します。
- 不動産: 正確な時価の把握は難しいですが、固定資産税評価額を1つの目安としたり、不動産情報サイトの簡易査定を利用したりする方法があります。
- 自動車: 中古車買取サイトなどで、車種や年式からおおよその市場価格を調べます。
ステップ③:合計して総資産額を算出
最後に、ステップ②で調べたすべての資産の評価額を合計します。この合計額が、現時点での自身の総資産額となります。
総資産額 = (預貯金残高) + (有価証券評価額) + (保険解約返戻金額) + (不動産評価額) + ...
計算結果は、Excelやスプレッドシート、家計簿アプリなどに記録しておくのがおすすめです。
一度計算して終わりにするのではなく、年に一度など定期的に見直すことで、資産の増減を把握し、家計改善や資産運用の計画に役立てることができます。
企業の総資産の見方と分析のポイント
企業の総資産は、その会社の規模や財務状況を客観的に示す重要な指標です。投資家や金融機関、取引先は、この総資産の額やその内訳を分析することで、企業の健全性や成長性を判断します。
ここでは、企業の決算書の一部である貸借対照表から総資産を読み解き、それをどのように分析すればよいのか、基本的なポイントを解説します。
この視点を持つことで、投資判断や取引先の信用調査に役立てることができます。
貸借対照表のどこを見るか
企業の総資産は、決算時に作成される財務諸表の一つである「貸借対照表(バランスシート、B/S)」で確認できます。
貸借対照表は左右に分かれた構造になっており、左側の「資産の部」の一番下に記載されている合計額が、その企業の総資産です。
資産の部は、1年以内に現金化しやすい「流動資産」と、土地や建物など長期にわたって使用される「固定資産」、そして「繰延資産」で構成されています。
会計の基本的なルールとして、この左側の「資産の部合計」の金額と、右側の「負債の部」と「純資産の部」を合わせた合計額は、必ず一致するようになっています。
そのため、貸借対照表は「バランスシート」と呼ばれます。
総資産からわかる企業の規模と安定性
総資産の額は、その企業の事業規模を示す1つの目安となります。一般的に、総資産が大きいほど、多くの資産を事業に投下して活動している大規模な企業であると推測できます。
ただし、総資産が大きいからといって、必ずしも経営が安定しているとは限りません。なぜなら、資産の多くが銀行からの借入金などの負債によって賄われている可能性があるからです。
そこで、企業の効率性や安定性をより深く分析するためには、他の財務指標と組み合わせて見ることが鍵となります。
例えば、総資産をどれだけ効率的に売上につなげているかを見る「総資産回転率」という指標があります。この数値が高いほど、資産を有効活用できていると判断できます。
総資産と自己資本比率の関係
自己資本比率は、企業の財務の健全性を測るための代表的な指標であり、総資産に占める自己資本(純資産)の割合を示します。
自己資本比率 (%) = 自己資本(純資産) ÷ 総資産 × 100
この比率が高いほど、総資産を賄う資金のうち返済不要な自己資本の割合が大きく、借金への依存度が低いことを意味します。
そのため、自己資本比率が高い企業は、経営が安定的で倒産しにくいと評価されます。
業種によって平均値は異なりますが、一般的に30%以上が1つの健全性の目安とされ、50%を超えると財務状況は優良であると見なされることが多いです。
総資産の額だけでなく、この自己資本比率を併せて確認することで、企業の財務体質をより正確に判断できます。
総資産に関するよくある質問
ここでは、特に個人の総資産に関して多くの人が疑問に思う点について、Q&A形式で簡潔に解説します。
Q. 総資産が多ければお金持ちといえる?
必ずしもそうとはいえません。
総資産は所有する財産の合計額を示すため、その額が大きいことは1つの指標になります。しかし、その資産を形成するために多額の借金(負債)をしている可能性があります。
例えば、総資産が1億円あっても、住宅ローンなどの負債が9000万円あれば、実質的な財産である「純資産」は1000万円です。一方で、総資産が5000万円でも負債がなければ、純資産は5000万円となります。
本当の資産状況、つまり「お金持ち」かどうかを判断するには、総資産から負債を差し引いた純資産の額を見ることが重要です。
Q. 総資産はどのくらいの頻度で見直すべき?
最低でも年に1回、理想的には半年に1回程度の見直しが推奨されます。
株式や投資信託、不動産などの資産価値は常に変動しています。定期的に自身の総資産を見直すことで、資産状況の増減を正確に把握することができます。
これにより、ライフプランの変化(結婚、出産、退職など)に合わせて資産配分(ポートフォリオ)を調整したり、新たな資産形成の目標を設定したりすることが可能になります。年に1度、年末や年度末など時期を決めて行うのがよいでしょう。
Q. 総資産を増やすにはどうすればいい?
総資産を増やすには、主に以下の3つの方法があります。
- 収入を増やす: 本業でのキャリアアップや転職、あるいは副業を始めることで、資産の元手となる収入を増やします。
- 支出を減らす(貯蓄する): 家計を見直し、固定費や変動費の無駄を削減することで、貯蓄や投資に回せるお金を増やします。
- 資産を運用する: 貯蓄したお金を、NISAやiDeCoなどを活用して投資に回し、お金自体に働いてもらうことで資産の増加ペースを加速させます。
これら3つのアプローチをバランスよく実行することが、効率的に総資産を増やすための鍵となります。
まとめ
この記事では、「総資産とは?」という基本的な定義から、個人と企業における内訳、具体的な計算方法、そして企業の財務分析に活かすポイントまでを網羅的に解説しました。
重要な点をあらためて整理します。
- 総資産とは、個人や企業が所有するプラスの財産の合計額であり、事業や家計の規模を示します。
- 純資産とは、総資産から負債(借金)を差し引いた正味の財産であり、財務の健全性を示します。
- 企業の総資産は貸借対照表の「資産の部」合計で確認でき、自己資本比率などと合わせて分析することで、より深く経営状況を理解できます。
自身の総資産を正確に把握することは、現状を客観的に理解し、将来の資産形成やライフプランを立てるための不可欠な第一歩です。
まずは本記事で紹介したステップに沿って自身の資産を計算し、定期的に見直す習慣をつけることから始めてみてはいかがでしょうか。
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監修
高橋 明香
- ファイナンシャルアドバイザー/CFP®認定者
みずほ証券(入社は和光証券)では、20年以上にわたり国内外株、債券、投資信託、保険の販売を通じ、個人・法人顧客向けの資産運用コンサルティング業務に従事。2021年に株式会社モニクルフィナンシャル(旧:株式会社OneMile Partners)に入社し、現在は資産運用に役立つコンテンツの発信に注力。1級ファイナンシャル・プランニング技能士、一種外務員資格(証券外務員一種)保有。
執筆
マネイロメディア編集部
- お金のメディア編集者
マネイロメディアは、資産運用に関することや将来資金に関することなど、お金にまつわるさまざまな情報をお届けする「お金のメディア」です。正確かつ幅広い年代のみなさまにわかりやすい、ユーザーファーストの情報提供に努めてまいります。
