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付加年金はさかのぼって加入・納付できる?過去分の追納ルールと手続き方法

付加年金はさかのぼって加入・納付できる?過去分の追納ルールと手続き方法

年金2026/01/15
  • #老後資金

≫老後資金は足りる?あなたのケースで必要額を診断

付加年金の加入を忘れていたけれど、過去にさかのぼって加入できないだろうか?」「保険料を払い忘れた月があるけれど、今から納付できる?」といった疑問をお持ちではないでしょうか?

将来の年金額を少しでも増やしたいと考える方にとって、付加年金の遡及加入追納の可否は気になる点です。そこで本記事では、付加年金の「加入」と「納付」における、さかのぼりのルールについて詳しく解説します。状況に合わせて、最適な老後資金準備の方法を見つけるための参考にしてみてください。

この記事を読んでわかること
  • 付加年金の加入申込はさかのぼれないという原則
  • 過去の未納分は2年までさかのぼって納付できるルール
  • 今からでも年金額を増やすための具体的な方法


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付加年金はさかのぼって加入できる?

付加年金を過去にさかのぼって利用できるかという疑問は、2つのケースに分けられます。

  1. 加入申込そのものを過去にさかのぼって行えるか
  2. すでに加入しているが、払い忘れた過去の保険料を納付できるか

これら2つはルールが異なるため、混同しないように整理することが欠かせません。結論からいうと、1の「加入申込のさかのぼり」は原則としてできません。一方で、2の「過去の未納分の納付」は一定の条件下で可能となっています。

まずは加入のルールについて、詳しく見ていきましょう。

加入申込はさかのぼれるのか

付加年金の加入申込を過去の日付にさかのぼって行うことは、原則として認められていません。これは、付加年金が国民年金本体とは異なり、本人の意思で加入を申し出る「任意加入」の制度であるためです。

あくまで、手続きを行った時点からのスタートとなります。

申込月からの適用が原則

付加年金の納付は、市区町村役場や年金事務所に「国民年金付加保険料納付申出書」を提出し、申出が受理された日の属する月から開始されます。

例えば、2026年1月中に加入を申し出た場合、付加保険料を納付できるのは2026年1月分からです。過去の2025年12月分以前にさかのぼって加入し、保険料を納めることはできません。そのルールは、郵送で申出書を提出した場合も同様で、受付された日の属する月からの適用となります。

国民年金本体との違い

日本の公的年金制度において、20歳以上60歳未満のすべての国民は国民年金への加入が義務付けられています。これは本人の意思にかかわらず、20歳になった時点で自動的に加入者となる仕組みです。

一方、付加年金は国民年金に上乗せする形で提供される制度であり、加入は任意です。加入を希望する人が自ら申し出て初めて適用されるため、国民年金本体のように過去にさかのぼって自動的に加入者であったとみなす考え方は適用されません。その点が、加入申込をさかのぼれない理由の1つとなっています。

過去の未納分をさかのぼって支払えるのか

具体的には、納付期限から2年以内であれば、過去の未納分をさかのぼって納付(追納)することが可能です。これは「時効」の考え方に基づくもので、2年を過ぎると納付する権利が失われます。

過去の付加保険料は2年前までさかのぼって納付可能

すでに付加年金の加入手続きを済ませている方が、何らかの理由で特定の月の付加保険料を納め忘れてしまった場合はどうでしょうか。そのケースでは、国民年金保険料本体と同様のルールが適用されます。

付加年金にすでに加入している場合であれば、納め忘れた保険料は過去2年分までさかのぼって納付することが認められています。この仕組みを理解し、適切に手続きを行うことで、将来受け取る年金額を増やすことができます。

2年の時効ルール

付加保険料の納付期限は、国民年金保険料と同様に「納付対象月の翌月末日」と定められています。その納付期限から2年が経過すると、時効によってその月の保険料を納付する権利が消滅します。

例えば、2026年1月1日の時点では、2年前の2023年12月分の保険料(納付期限は2024年1月末日)まではさかのぼって納付できます。しかし、2023年11月分以前の保険料は時効が成立しているため、納付することはできません。

未納期間がある場合は、早めに自身の納付状況を確認し、時効を迎える前に手続きを行うことが必須です。

遡及納付の手続き方法

過去の未納となっている付加保険料を納付するには、まず専用の申出書が必要です。手元に納付書がない場合や、期限が切れている場合は、お近くの年金事務所に連絡して申出書を手に入れる必要があります。

年金事務所に提出した納付書に基づいて後日送付される納付書を使用して、金融機関、郵便局、コンビニエンスストアなどで保険料を納付します。手続きは、お住まいの市区町村役場の国民年金担当窓口でも相談可能です。どの期間が未納になっているか不明な場合も、年金事務所で確認できますので、まずは問い合わせてみましょう。

納付できる期間の確認方法

付加保険料を含む国民年金保険料の納付状況は、「ねんきんネット」を利用して手軽に確認できます。ねんきんネットに登録すれば、24時間いつでもパソコンやスマートフォンから、これまでの納付記録や未納期間、そしていつまでさかのぼって納付が可能かといった詳細な情報を一覧で把握できます。

また、お近くの年金事務所の窓口で相談したり、ねんきんダイヤルに電話で問い合わせたりすることでも確認が可能です。

ポイントの解説

手続きの前に、まずは正確な納付状況を把握することが大切です。

例外的に遡及が認められる特殊なケース

付加年金の加入申込は、原則として過去にさかのぼることはできません。しかし、ごくまれなケースとして、行政側の手続きミスなど、本人に責任がない事情が認められた場合に、例外的な対応が取られる可能性はあります。

ただし、これらは極めて限定的なケースであり、一般的に適用されるものではないことを理解しておく必要があります。

災害等のやむを得ない事情

大規模な自然災害や、長期にわたる重篤な傷病での入院など、本人の意思ではどうすることもできない「やむを得ない事情」によって、期間内に手続きができなかった場合、特例的な措置が講じられることがあります。

国民年金保険料の納付に関しては、災害などを理由とした免除申請の特例が設けられることがあります。しかし、付加年金の任意加入申込において、そのような事情が遡及の理由として認められるかは個別の判断となり、適用される例は限定的と考えられます。

該当する可能性のある方は、年金事務所に事情を説明し、対応を相談してみるのがよいでしょう。

行政の手続きミスがあった場合

非常に稀なケースですが、例えば、加入の相談をした際に年金事務所や市区町村の窓口で誤った案内をされた、提出した申出書が行政側の不手際で長期間処理されなかったなど、明らかに担当機関側に過失があったと証明できる場合には、救済措置として遡及加入が認められることがあります。

そのような状況に該当すると思われる場合は、当時の状況を記録したメモや担当者名などを元に、年金事務所に相談することが第一歩となります。


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今から付加年金に加入するメリットと判断基準

過去にさかのぼって加入できないと知り、がっかりされた方もいるかもしれません。しかし、付加年金は将来の年金を増やす上でメリットの大きい制度であり、今から加入しても決して遅くはありません。

制度の仕組みを理解し、加入する価値があるかを判断することが大切です。

付加年金の基本的な仕組みと受給額

付加年金は、毎月の国民年金保険料に加えて月額400円の付加保険料を納めることで、将来受け取る老齢基礎年金に上乗せされる年金を増やす制度です。

上乗せされる年金額は「200円 × 付加保険料を納めた月数」で計算されます。例えば、10年間(120ヶ月)納付した場合、支払う保険料の総額は4万8000円(400円×120ヶ月)です。一方、受け取る年金額は年額2万4000円(200円×120ヶ月)となり、年金の受給を開始してわずか2年で支払った保険料の元が取れる計算になります。

3年目以降はすべて利益となり、生涯にわたって受け取れるため、還元率が高い制度といえます。

加入を検討すべき人

付加年金への加入が推奨されるのは、主に以下の方々です。

  • 国民年金第1号被保険者(自営業者、フリーランス、学生、無職の方など)
  • 任意加入被保険者(60歳以上65歳未満で任意加入している方など)

ただし、以下の条件に当てはまる方は加入できません。

  • 国民年金基金に加入している方
  • 国民年金保険料の免除(全額・一部)、納付猶予、学生納付特例を受けている方

厚生年金に加入している会社員(第2号被保険者)やその被扶養配偶者(第3号被保険者)は対象外です。会社員と比べて老後の年金額が少なくなりがちな自営業やフリーランスの方にとって、手軽に年金を上乗せできる有効な手段となります。

年齢別の加入メリット

付加年金は、加入する年齢が若いほど納付期間が長くなり、将来受け取る年金額も増加します。各年代で60歳まで加入した場合のシミュレーションは以下の通りです。

加入開始年齢

60歳までの納付月数

60歳までの納付月数

支払う保険料総額

支払う保険料総額

上乗せされる年金額(年額)

上乗せされる年金額(年額)

20歳

60歳までの納付月数

480ヶ月(40年)

支払う保険料総額

19万2000円

上乗せされる年金額(年額)

9万6000円

30歳

60歳までの納付月数

360ヶ月(30年)

支払う保険料総額

14万4000円

上乗せされる年金額(年額)

7万2000円

40歳

60歳までの納付月数

240ヶ月(20年)

支払う保険料総額

9万6000円

上乗せされる年金額(年額)

4万8000円

50歳

60歳までの納付月数

120ヶ月(10年)

支払う保険料総額

4万8000円

上乗せされる年金額(年額)

2万4000円

どの年代から始めても、年金受給開始から2年で支払った保険料を回収できるという点は変わりません。たとえ50代から加入したとしても、十分にメリットがある制度といえるでしょう。思い立った時にすぐ始めることが、将来の安心につながります。

≫老後資金は足りる?あなたのケースで必要額をシミュレーション

付加年金以外で年金額を増やす方法

付加年金の遡及加入ができないとわかった方や、付加年金だけでは老後資金が不安だと感じる方のために、他にも将来の年金額を増やす方法はいくつか存在します。将来のライフプランや経済状況に合わせて、これらの制度の活用を検討してみましょう。

国民年金の任意加入制度

国民年金の保険料納付期間が40年(480ヶ月)に満たないまま60歳を迎えた場合、60歳から65歳までの間、国民年金に任意で加入して保険料を納めることができます。これにより、納付期間を40年に近づけ、老齢基礎年金の満額受給を目指すことが可能です。

また、60歳時点で老齢基礎年金の受給資格期間(10年)を満たしていない方は、70歳になるまで任意加入して資格期間を満たすこともできます。未納期間がある方にとっては、年金額を増やすための基本的な選択肢となります。

国民年金基金

国民年金基金は、自営業者など国民年金第1号被保険者のための、老齢基礎年金に上乗せする公的な年金制度です。付加年金と同時に加入することはできず、どちらかを選択する必要があります。

掛金は選択するプランや加入時の年齢・性別によって異なり、上限は月額6万8000円です。付加年金よりも多くの保険料を支払うことで、将来の年金額を増やすことができます。また、支払った掛金は全額が社会保険料控除の対象となるため、節税効果も期待できます。

注意点

ただし、一度加入すると原則として自己都合での脱退はできないため、長期的な視点での検討が必要です。

iDeCo(個人型確定拠出年金)

iDeCoは、自分で掛金を拠出し、自分で選んだ金融商品で運用して、60歳以降に年金または一時金として受け取る私的年金制度です。最大のメリットは、掛金が全額所得控除の対象になるなど、税制上の優遇措置が大きい点です。

付加年金との併用も可能で、国民年金第1号被保険者の場合、付加保険料とiDeCoの掛金を合わせて月額6万8000円まで拠出できます。運用次第で資産を増やせる可能性がある一方、元本割れのリスクもあるため、制度を理解した上での活用が求められます。

ポイントの解説

iDeCoの掛金は1000円単位で設定するため、付加保険料400円を納付している場合、iDeCoの実務上の上限は月額6万7000円となります。

繰下げ受給

老齢基礎年金は、原則として65歳から受給を開始しますが、本人の希望により66歳から75歳までの間に受給開始時期を遅らせることができます。これを「繰下げ受給」といいます。

受給開始を1ヶ月遅らせるごとに年金額が0.7%増額され、75歳まで繰り下げると最大で84%も年金額を増やすことができます。付加年金に加入している場合、繰り下げによって増額された老齢基礎年金と同じ増額率で付加年金も増額されるため、長生きに備える上で有効な選択肢となります。

ただし、受給開始までの期間は収入がなくなるため、健康状態や生活設計を考慮して慎重に判断する必要があります。

付加年金に関するQ&A

ここでは、付加年金に関するよくある質問とその回答をまとめました。

Q. 付加年金の加入を忘れており、5年前から加入していたことにしたいが可能?

できません。付加年金の加入申込は、過去にさかのぼって行うことはできません。制度のルール上、申出書が受理された月からの適用となります。

しかし、今から加入手続きを行えば、手続きを行った月の分の保険料から納付を開始することができます。過去の分は残念ながら対象外となりますが、将来受け取る年金額を少しでも増やすために、思い立った時点ですぐに手続きをすることが推奨されます。

Q. 付加年金に加入していて未納分がある場合、1年前の未納分を払える?

払えます。すでに付加年金の加入者である場合、納め忘れた保険料は納付期限から2年以内であれば、さかのぼって納付(追納)することが可能です。

1年前の未納分は2年の時効期間内ですので、問題なく納付できます。お近くの年金事務所に連絡し、未納期間分の納付申出書を提出し、その後に届く納付書により金融機関などで支払いを済ませましょう。

Q. 付加年金と国民年金基金は両方加入できる?

できません。付加年金と国民年金基金は、どちらも国民年金第1号被保険者のための年金上乗せ制度ですが、両方に同時に加入することは認められていません。どちらか一方を選択する必要があります。

国民年金基金に加入すると、その制度の中に付加年金相当部分が含まれているため、自動的に付加年金からは脱退する形になります。

ポイントの解説

一方で、付加年金とiDeCo(個人型確定拠出年金)は併用が可能です。

まとめ

付加年金のさかのぼりに関するルールについて解説しました。重要な点を以下にまとめます。

  • 加入申込のさかのぼりはできない:付加年金は、申し込んだ月からの適用が原則です。
  • 未納分の納付は2年までさかのぼって可能:すでに加入している場合、納め忘れた保険料は納期限から2年以内であれば追納できます。

過去にさかのぼって加入することはできませんが、付加年金は月々400円の負担で、受給開始後2年で元が取れる効率のよい制度です。今からでも加入するメリットは十分にあります。

老後の生活をより豊かにするための1つの選択肢として、付加年金への加入を検討してみてはいかがでしょうか。また、任意加入制度やiDeCoなど、他の制度と組み合わせることで、さらに手厚い準備が可能です。まずはご自身の年金記録を確認し、最適なプランを立てることから始めましょう。

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監修
山本 務
  • 山本 務
  • 特定社会保険労務士/AFP/第一種衛生管理者

東京都練馬区で、やまもと社会保険労務士事務所を開業。企業の情報システム、人事部門において通算28年の会社員経験があるのが強みであり、情報システム部門と人事部門の苦労がわかる社会保険労務士。労務相談、人事労務管理、就業規則、給与計算、電子申請が得意であり、労働相談は労働局での総合労働相談員の経験を生かした対応ができる。各種手続きは電子申請で全国対応が可能。また、各種サイトで人事労務関係の記事執筆や監修も行っている。

記事一覧

執筆
マネイロメディア編集部
  • マネイロメディア編集部
  • お金のメディア編集者

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