マネイロ知識ゼロでも
ただしい資産運用を

年収2000万円の節税対策完全ガイド|手取りを最大化するための工夫を徹底解説

年収2000万円の節税対策完全ガイド|手取りを最大化するための工夫を徹底解説

お金2026/02/24

    »3分でわかる!あなたに合った資産運用とは?

    年収2000万円という高い収入を得ていても、「税金の負担が重く、思ったほど手元にお金が残らない」と感じている人は少なくないでしょう。日本の所得税は累進課税制度を採用しているため、収入が増えるほど税率も高くなります。

    本記事では、年収2000万円の人が直面する税金の現実と、手取りを最大化するための具体的な節税対策を、会社員、個人事業主、経営者といった立場別に専門家の視点から詳しく解説します。

    自身の状況に合った最適な方法を見つけ、賢く資産を形成するための一歩を踏み出しましょう。

    この記事を読んでわかること
    • 年収2000万円の手取りは約1300万円で、所得税率の上昇や確定申告の義務化など税制上の変化がある
    • 会社員はiDeCoやふるさと納税、個人事業主は青色申告や小規模企業共済などが有効な節税策となる
    • 不動産投資や法人設立は大きな節税効果が期待できるが、リスクやコストを理解し専門家への相談が推奨される


    効率よくお金を増やしていきたいあなたへ

    将来必要となる老後資金を早期に可視化し、具体的な資産形成プランを立てましょう。マネイロでは、老後資金の不足額や最適な準備方法を把握できる無料ツールをご用意しています。

    老後資金の無料診断:老後に必要な金額が3分でわかる

    賢いお金の増やし方入門:貯金と投資でコツコツ増やす方法がわかる

    iDeCoシミュレーター:現在の年収で得られる節税効果がわかる

    年収2000万円の税負担はどれくらい重い?

    まずは、年収2000万円の人が実際にどれくらいの税金を納め、手取り額がいくらになるのか、具体的なシミュレーションと税制上の変化について見ていきましょう。

    年収2000万円の手取りシミュレーション

    年収2000万円の会社員の場合、税金や社会保険料を差し引いた後の手取り額は、およそ1300万円前後になるのが一般的です。つまり、額面の約35%、金額にして約700万円が控除される計算になります。

    具体的な控除の内訳は、扶養家族の有無など個人の状況によって変動しますが、独身または共働きの会社員を想定した場合の概算は以下の通りです。

    項目

    金額の目安

    金額の目安

    所得税

    金額の目安

    約370万円

    住民税

    金額の目安

    約160万円

    社会保険料(健康保険・厚生年金など)

    金額の目安

    約170万円

    合計控除額

    金額の目安

    約700万円

    手取り額

    金額の目安

    約1300万円

    一方で、個人事業主で所得が2000万円の場合、税負担はさらに重くなります。国民健康保険料の上限や個人事業税の負担があるため、手取り額は約1200万円程度と、会社員よりも少なくなる傾向があります。

    この所得水準になると、法人化を検討するほうが税制上有利になるケースが多くなります。

    年収2000万円を超えると何が変わる?

    年収が2000万円を超えると、税金の計算方法や利用できる控除制度にいくつかの重要な変化が生じます。

    1. 所得税率が高くなる

    日本の所得税は、課税所得が増えるほど税率が高くなる「累進課税制度」を採用しています。

    年収2000万円の場合、給与所得控除などを差し引いた後の課税所得は1800万円に届かないケースが多いですが、不動産所得や事業所得など他の所得があると、課税所得が1800万円を超える可能性があります。

    この場合、所得税の最高税率は33%から40%に上がります。住民税(約10%)と合わせると、所得の約半分が税金として徴収されることになります。

    2. 確定申告が必須になる

    通常、会社員は勤務先の年末調整で納税が完了するため、個人で確定申告を行う必要はありません。しかし、給与収入が年間2000万円を超える場合は、年末調整の対象外となり、必ず自分で確定申告を行わなければなりません。

    注意点

    確定申告を怠ると、無申告加算税や延滞税といったペナルティが課されるため注意が必要です。

    3. 一部の所得控除が対象外になる

    年収が高くなることで、これまで利用できていた一部の所得控除が適用されなくなる場合があります。

    • 配偶者控除・配偶者特別控除: 納税者本人の合計所得金額が1000万円を超えると、これらの控除は適用対象外となります。
    • 住宅ローン控除: 控除を受ける年の合計所得金額が2000万円を超えると、この年は住宅ローン控除を利用できません。

    年収2000万円の会社員が今すぐできる節税対策

    年収2000万円の会社員は高い税負担に直面しますが、国の制度を賢く活用することで、手取り額を増やすことが可能です。ここでは、比較的誰でも始めやすく、着実な節税効果が期待できる方法を5つ紹介します。

    これらの制度は年末調整や確定申告で手続きが必要なため、仕組みを正しく理解しておくことが欠かせません。

    iDeCo(個人型確定拠出年金)で所得控除を最大化

    iDeCo(個人型確定拠出年金)は、老後資金を準備しながら強力な節税効果を得られる私的年金制度です。最大のメリットは、拠出した掛金の全額が所得控除の対象になることです。

    例えば、企業年金のない会社員の場合、年間最大27万6000円(月額2万3000円)まで拠出できます。(※)

    年収2000万円の人であれば所得税・住民税率が合計で43%(所得税33%+住民税10%)程度になるため、年間27万6000円を拠出すると、約11万8000円(27万6000円 × 43%)もの税金が軽減されます。

    さらに、iDeCoは運用期間中に得た利益(利子、分配金など)も非課税となり、将来年金や一時金として受け取る際にも税制上の優遇措置が受けられます。老後資金の準備と節税を両立できる、高所得者にとって優先度の高い制度といえるでしょう。

    ※2027年からiDeCoの掛金上限額が大幅に引き上げられる予定

    ふるさと納税で実質2000円の負担で返礼品を受け取る

    ふるさと納税は、応援したい自治体に寄付をすることで、この地域の特産品などの返礼品を受け取れる制度です。

    厳密には税金が直接安くなる「節税」とは異なりますが、寄付した金額のうち自己負担額の2000円を除いた全額が、所得税や住民税から控除(還付)されます。

    つまり、実質2000円の負担で、寄付額に応じたさまざまな返礼品を手に入れることができるため、お得な制度です。

    年収2000万円(独身または共働きと仮定)の場合、ふるさと納税の控除上限額の目安は年間約56万円です。この上限額の範囲内で寄付を行えば、自己負担を最小限に抑えながら最大限のメリットを享受できます。

    ポイントの解説

    会社員の場合、寄付先が5自治体以内であれば、確定申告が不要な「ワンストップ特例制度」を利用できるため、手続きも比較的簡単です。

    生命保険料控除・地震保険料控除を活用

    生命保険や地震保険に加入している場合、支払った保険料の一部を所得から控除できる「生命保険料控除」および「地震保険料控除」を利用できます。

    これらの控除は、年末調整で手続きが完了するため、会社員にとっては手軽な節税策の1つです。

    生命保険料控除

    2012年1月1日以降に契約した保険の場合、以下の3つの区分でそれぞれ最大4万円、合計で最大12万円の所得控除が受けられます。

    • 一般生命保険料控除: 死亡保険など
    • 介護医療保険料控除: 医療保険、介護保険など
    • 個人年金保険料控除: 税制適格特約が付加された個人年金保険


    地震保険料控除

    地震保険料として支払った金額に応じて、最大5万円の所得控除が受けられます。

    これらの控除額はiDeCoなどに比べると限定的ですが、必要な保障を確保しながら税負担を軽減できるため、加入している保険の内容を確認し、漏れなく申告することが大事です。

    医療費控除・セルフメディケーション税制

    1年間の医療費が多くかかった場合、確定申告を行うことで「医療費控除」または「セルフメディケーション税制」の適用を受け、税負担を軽減できます。

    これらはどちらか一方を選択して適用する制度です。

    医療費控除

    本人または生計を1つにする家族のために支払った年間の医療費が、原則として10万円を超えた場合に利用できます。控除額の計算式は以下の通りで、最大200万円まで控除が可能です。

    • (支払った医療費の合計額 − 保険金などで補填された額)− 10万円
    ポイントの解説

    病院での治療費や薬代だけでなく、通院のための交通費や特定の介護サービス費用なども対象となります。

    セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)

    健康診断などを受けている人が、対象となる市販薬(スイッチOTC医薬品)を年間で1万2000円を超えて購入した場合に利用できます。

    控除額は1万2000円を超えた金額で、最大8万8000円です。

    年間の医療費が10万円に満たない場合でも、市販薬の購入額が1万2000円を超えていればセルフメディケーション税制を活用できる可能性があります。

    住宅ローン控除で最大35万円の税額控除

    住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、住宅ローンを利用してマイホームを購入または新築・増改築した場合に、所得税が直接軽減される税額控除制度です。所得から一定額を差し引く「所得控除」よりも節税効果が高いのが特徴です。

    この制度では、毎年末の住宅ローン残高の0.7%が、所得税から最大13年間(中古住宅は10年間)にわたって控除されます。

    ただし、住宅ローン控除には所得制限があり、控除を受ける年の合計所得金額が2000万円以下でなければなりません。

    年収2000万円の会社員の場合、給与所得控除などを差し引くと所得が2000万円以下になるため対象となる可能性がありますが、副業収入などがあると所得が2000万円を超え、対象外となるケースもあります。

    初年度は確定申告が必要ですが、2年目以降は年末調整で手続きが可能です。

    注意点

    住宅の購入を検討している場合は、この所得制限に注意が必要です。


    効率よくお金を増やしていきたいあなたへ

    将来必要となる老後資金を早期に可視化し、具体的な資産形成プランを立てましょう。マネイロでは、老後資金の不足額や最適な準備方法を把握できる無料ツールをご用意しています。

    老後資金の無料診断:老後に必要な金額が3分でわかる

    賢いお金の増やし方入門:貯金と投資でコツコツ増やす方法がわかる

    iDeCoシミュレーター:現在の年収で得られる節税効果がわかる

    年収2000万円なら検討したい不動産投資による節税

    年収2000万円クラスの高所得者にとって、不動産投資はiDeCoやふるさと納税といった一般的な節税策を上回る、大きな節税効果が期待できる選択肢です。

    金融機関からの信用力も高いため、有利な条件で融資を受けやすく、レバレッジを効かせた資産形成と節税を両立できます。

    不動産投資がなぜ節税につながるのか、この仕組みと具体的な効果、そして注意すべきリスクについて解説します。

    不動産投資で節税できる仕組み

    不動産投資が節税につながる最大の理由は、「減価償却費」と「損益通算」という2つの仕組みを活用できる点にあります。

    1. 減価償却費:キャッシュアウトのない経費

    減価償却費とは、建物や設備の取得費用を、法的に定められた耐用年数にわたって分割し、毎年経費として計上する会計上の費用のことです。

    この費用の最大の特徴は、実際に現金が出ていくわけではない(キャッシュアウトを伴わない)にもかかわらず、税務上の経費として認められる点です。

    2. 損益通算:赤字を給与所得と相殺

    不動産投資の所得(不動産所得)は、家賃収入からローンの金利や管理費、そして減価償却費などの経費を差し引いて計算されます。

    減価償却費を計上することで、手元のキャッシュフロー(家賃収入からローン返済などを引いた額)は黒字でも、税務上の不動産所得が赤字になる状況を作り出すことが可能です。

    「損益通算」とは、この不動産所得の赤字を、本業である給与所得の黒字と合算(相殺)できる制度です。給与所得から不動産所得の赤字分を差し引くことで、課税対象となる所得全体(総所得金額)を圧縮できます。その結果、納めるべき所得税や住民税が減額される、という仕組みです。

    この2つの仕組みを組み合わせることで、高所得者ほど高い節税効果を得ることができます。

    年収2000万円で不動産投資をする場合の節税効果

    年収2000万円の方が不動産投資を行った場合、この節税効果は大きくなります。所得税率が高い高所得者層ほど、損益通算による所得圧縮の恩恵を受けやすいからです。

    仮に、年収2000万円(課税所得1580万円)の会社員が不動産投資を行い、減価償却費などを活用して年間760万円の税務上の赤字を計上できたとします。

    【不動産投資なしの場合】

    • 課税所得:1580万円
    • 所得税率:33%
    • 所得税・住民税の合計:約530万円

    【不動産投資で760万円の赤字を計上した場合】

    • 損益通算後の課税所得:1580万円 - 760万円 = 820万円
    • 所得税率:23%
    • 所得税・住民税の合計:約210万円

    このケースでは、不動産投資を行うことで年間の税負担が約530万円から約210万円に減少し、約320万円もの節税が実現できています。

    節税効果が高いとされるのが、法定耐用年数を超えた築古の木造物件です。

    耐用年数22年を超えた木造物件は、簡便法により4年間という短期間で建物の取得費用を償却できます。

    例えば建物価格が2000万円であれば、年間500万円という大きな減価償却費を計上でき、帳簿上の赤字を作りやすくなります。

    不動産投資の節税で注意すべきリスク

    不動産投資は大きな節税効果が期待できる一方で、いくつかの重要なリスクや注意点が存在します。

    これらを理解せずに節税目的だけで投資を始めると、かえって大きな損失を被る可能性があります。

    1. デッドクロスによる増税リスク

    「デッドクロス」とは、ローンの元金返済額が減価償却費を上回る状態のことです。築古物件で短期集中型の減価償却を行った場合、償却期間が終わると減価償却費がゼロになり、税務上の所得が急激に黒字化します。

    これにより、節税どころか給与所得に不動産所得の黒字分が上乗せされ、税負担が大幅に増加する「増税」状態に陥るリスクがあります。

    2. 売却時の譲渡所得税(減価償却の組み戻し)

    不動産を売却して利益が出た場合、この利益(譲渡所得)に対して譲渡所得税が課されます。この譲渡所得は以下の式で計算されます。

    • 譲渡所得 = 売却価格 −(取得費 − 減価償却費の累計額)− 譲渡費用

    これまで経費として計上してきた減価償却費の累計額は、物件の取得費から差し引かれます。その結果、減価償却を多く計上した物件ほど帳簿上の取得費が小さくなり、売却時の課税対象となる利益が増加します。

    これは「減価償却の組み戻し」と呼ばれ、保有期間中に得た節税効果の一部が、売却時に税金として課される形になります。

    3. 収益性の低い物件を選ぶリスク

    節税効果だけを追い求め、入居者が見込めないエリアの物件や、資産価値が低い物件を購入してしまうのが危険なケースです。

    空室が続けば家賃収入が得られず、ローン返済や経費の支払いでキャッシュフローは悪化します。最終的に、損益通算による節税額をはるかに上回る投資損失を被る可能性も十分にあります。

    不動産投資はあくまで「不動産賃貸業」という事業であることを忘れてはいけません。

    不動産投資を節税目的だけで始めるのは要注意

    不動産投資は、減価償却や損益通算によって税負担を抑えられるケースがあります。

    しかし、節税効果だけを目的に始めると、本来の収益性やリスク評価が後回しになりがちです。

    特に、家賃収入が想定より伸びない場合や、空室・修繕費が発生すると、キャッシュフローは悪化します。結果として、節税できても手元資金が減る「節税貧乏」に陥る可能性もあります。

    ポイントの解説

    不動産投資はあくまで中長期の資産形成手段です。税金対策は副次的なメリットと捉え、立地、利回り、資金計画まで含めて総合的に判断することが重要です。

    年収2000万円の個人事業主・フリーランスの節税対策

    年収2000万円クラスの個人事業主やフリーランスは、会社員以上に税負担が重くなる傾向があります。しかし、事業に関連する支出を経費として計上できる範囲が広く、活用できる制度も多いため、積極的な節税対策が可能です。

    個人事業主が必ず押さえておきたい基本的な節税策から、退職金準備と節税を両立できる制度まで、4つの有効な方法を解説します。

    青色申告で最大65万円の特別控除

    個人事業主が節税を考える上で、まず基本となるのが青色申告です。

    事前に「青色申告承認申請書」を税務署に提出し、複式簿記で帳簿付けを行い、電子申告(e-Tax)を利用するなどの要件を満たすことで、最大65万円の青色申告特別控除を受けることができます。

    この控除は、所得から直接65万円を差し引けるため、節税効果が高いです。例えば、所得税・住民税率が合計50%の方であれば、約32万5000円の税金が軽減されます。

    その他にも、青色申告には以下のようなメリットがあります。

    • 青色事業専従者給与: 家族への給与を全額経費にできる。
    • 純損失の繰越控除: 事業で出た赤字を翌年以降3年間にわたって繰り越せる。
    • 少額減価償却資産の特例: 30万円未満の資産を一括で経費にできる(年間合計300万円まで)。

    経費を漏れなく計上する

    個人事業主の節税の基本は、事業に関連する支出を漏れなく経費として計上することです。所得は「収入 − 経費」で計算されるため、経費を正しく計上するほど課税対象となる所得を圧縮できます。

    経費にできるものの範囲は広く、仕入れ費用や事務所の家賃だけでなく、以下のようなものも含まれます。

    • 消耗品費: 文房具、インク代など
    • 旅費交通費: 取引先への移動にかかる費用
    • 通信費: 事業で使用するインターネット回線や携帯電話の料金
    • 接待交際費: 取引先との会食費用

    自宅を事務所として利用している場合は、家賃や水道光熱費、通信費などを事業で使用している割合に応じて経費に計上する「家事按分」が可能です。

    例えば、自宅の25%を事業用スペースとして使用している場合、家賃の25%を経費として計上できます。

    ポイントの解説

    日ごろから領収書を整理し、計上できる経費を見逃さないことが大事です。

    小規模企業共済で最大84万円の所得控除

    小規模企業共済は、個人事業主や小規模企業の経営者のための退職金制度です。iDeCoと同様に、老後の資産形成を行いながら、高い節税効果を得られるのが大きな特徴です。

    掛金は月額1000円から7万円までの範囲で自由に設定でき、支払った掛金の全額が「小規模企業共済等掛金控除」として所得控除の対象となります。

    年間最大で84万円(7万円 × 12ヶ月)を所得から控除できるため、所得税・住民税率が合計50%の所得2000万円の方であれば、最大で年間約42万円もの税負担を軽減できます。

    将来、共済金を受け取る際も、一括で受け取れば「退職所得控除」、分割で受け取れば「公的年金等控除」という税制上の優遇措置が適用されます。

    個人事業主にとって、iDeCoと並んで優先的に検討すべき節税策といえるでしょう。

    経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)

    経営セーフティ共済は、取引先の倒産による連鎖倒産を防ぐための制度ですが、節税対策としても活用できます。

    この制度の大きな特徴は、支払った掛金が全額必要経費(損金)として認められることです。掛金は月額5000円から20万円まで設定可能で、最大で年間240万円、累計800万円まで積み立てることができます。

    例えば、所得2000万円の方が年間240万円を拠出した場合、所得税・住民税率が合計50%とすると、約120万円の税負担を軽減できる計算になります。

    ただし、注意点もあります。この共済を任意で解約した場合、解約手当金は全額が事業所得(雑収入)として課税対象になります。

    そのため、利益が多く出た年に掛金を支払い、将来の赤字が見込まれる年や退職する年に解約して利益と相殺するなど、出口戦略を計画的に考える必要があります。

    ポイントの解説

    あくまで「課税の繰り延べ」であるという性質を理解した上で活用することが欠かせません。

    年収2000万円超の経営者が検討すべき法人設立

    個人事業主として所得が一定額を超えた場合、個人として高い所得税を納め続けるよりも、法人を設立(法人化)したほうがトータルの税負担を抑えられる可能性があります。

    所得が2000万円を超えるレベルになると、法人化は有力な選択肢となります。

    法人設立による節税の仕組みや、資産管理に特化した会社の活用法、そして法人化に伴う注意点について解説します。

    法人設立で節税できる仕組み

    法人化による節税の基本的な考え方は、個人に適用される所得税率と、法人に適用される法人税率の差を活用することです。

    • 個人の所得税: 課税所得が増えるほど税率が上がる累進課税で、住民税と合わせると最大55%になります。
    • 法人の法人税: 資本金1億円以下の中小法人の場合、所得800万円以下の部分は約25%、800万円を超える部分でも約34%と、個人の最高税率より低く設定されています。

    個人事業主の所得を法人に移し、自身は法人から役員報酬を受け取る形にすることで、以下のメリットが生まれます。

    1. 所得の分散: 所得を「法人に残る利益」と「個人の役員報酬」に分散できます。法人利益には低い法人税率が、役員報酬には給与所得控除が適用されるため、トータルの税負担を軽減できます。
    2. 経費の範囲拡大: 個人事業主では経費にできなかった生命保険料や、自身への退職金なども法人の経費として計上できるようになります。
    3. 家族への給与支払: 家族を役員や従業員にすることで、給与を支払い、世帯全体で所得を分散させることができます。

    資産管理会社(プライベートカンパニー)の活用

    本業が会社員で副業として不動産投資や株式投資を行っている高所得者の場合、資産管理会社(プライベートカンパニー)を設立することも有効な節税策です。

    これは、個人が所有している不動産や株式などを法人名義に移し、家賃収入や配当金といった収益を法人の利益として計上する手法です。

    これにより、個人の高い所得税率(最大55%)ではなく、法人の低い税率(最大約34%)で収益を管理することができます。

    不動産投資においては、複数の物件を所有する場合、法人化することで以下のようなメリットがあります。

    • 損益通算の範囲: 個人の場合、土地取得にかかる借入金の利子は損益通算の対象外ですが、法人の場合は経費として認められます。
    • 損失の繰越期間: 個人の青色申告では赤字の繰越期間が3年間ですが、法人は10年間と長くなります。
    • 相続対策: 会社の株式を贈与することで、不動産そのものを贈与するよりもスムーズに資産の承継を進めることができます。

    注意点

    ただし、法人設立にはコストと手間がかかるため、所有する資産の規模や収益額に応じて、このメリットとデメリットを慎重に比較検討する必要があります。

    法人設立のデメリットと注意点

    法人化は大きな節税メリットをもたらす可能性がある一方で、無視できないデメリットや注意点も存在します。

    これらを理解せずに進めると、期待した効果が得られないばかりか、かえって負担が増えることもあります。

    1. 設立・維持コストの発生

    法人を設立するには、定款認証や登記手続きで約20万円から30万円の費用がかかります。また、設立後も、たとえ赤字であっても法人住民税の均等割(最低でも年間約7万円)が発生します。

    税務申告が複雑になるため、税理士への顧問料も必要となり、年間数十万円の維持コストがかかるのが一般的です。

    2. 社会保険への加入義務

    法人を設立し、役員報酬を支払う場合、社会保険(健康保険・厚生年金)への加入が義務付けられます。

    保険料は会社と個人で折半しますが、個人事業主時代の国民健康保険や国民年金に比べて、トータルの負担額が増加するケースが多くあります。

    3. 事務手続きの煩雑化

    個人事業主に比べて、法人は経理処理や税務申告、社会保険の手続きなどが格段に複雑になります。

    これらの事務負担を軽減するために専門家へ依頼する必要があり、その分のコストも考慮しなければなりません。

    節税メリットがこれらのコストや手間を上回るかどうか、事業の規模や将来の見通しを基に慎重に判断することが欠かせません。

    一般的には、課税所得が800万円から1000万円を超えるあたりが、法人化を検討する1つの目安とされています。

    年収2000万円の節税でやってはいけないこと

    節税への関心が高まるあまり、誤った方法に手を出してしまうと、「節税」の範囲を逸脱し、重いペナルティを課される「脱税」とみなされる危険性があります。

    手取りを増やしたいという思いが、結果的に大きな損失につながらないよう、避けるべき行為を理解しておくことが欠かせません。

    注意すべき3つのポイントを解説します。

    架空経費の計上・領収書の偽造

    事業に関係のないプライベートな支出を経費として計上したり、実際には発生していない費用を計上する「架空経費の計上」は、典型的な脱税行為です。同様に、領収書の金額を改ざんしたり、白紙の領収書を使って偽の経費を作り出したりすることも、明確な犯罪行為にあたります。

    税務署は、過去の申告データや同業他社の情報などから、経費率が不自然に高い事業者などを把握しています。税務調査が入れば、これらの不正はほぼ確実に発覚します。

    発覚した場合は、本来納めるべき税金に加えて、過少申告加算税や重加算税、延滞税といった重い追徴課税が課せられます。

    過度な節税スキームへの参加

    世の中には、「海外のタックスヘイブンを利用する」「複雑な法人形態を組み合わせる」といった、一見合法的に見えるものの、実態が伴わない過度な節税スキームが存在します。

    これらの多くは、税法の抜け穴を突いたものであり、税務当局から「租税回避行為」とみなされるリスクが高いです。税務当局に租税回避と判断された場合、このスキームは否認され、本来納めるべきだった税金とペナルティが課されることになります。

    「儲かる」「税金がゼロになる」といった甘い言葉で勧誘される商品やサービスには、注意が必要です。

    仕組みが複雑で理解できないものや、あまりにも有利すぎる話には、手を出さないのが賢明です。

    節税目的だけの不合理な投資

    「節税になるから」という理由だけで、収益性や資産価値を度外視した投資を行うことは、避けるべき行為の1つです。不動産投資において、この罠に陥るケースが後を絶ちません。

    例えば、減価償却による節税効果だけを狙って、入居者が見込めない地方の築古物件に手を出してしまうと、どうなるでしょうか。節税で取り戻せる税金は、あくまで所得の一部です。

    空室が続いて家賃収入がなければ、ローンの返済や固定資産税、修繕費といった支出が重くのしかかり、節税額をはるかに上回るキャッシュの流出につながります。

    投資の基本は、あくまでこの事業や資産が生み出す収益です。節税は、あくまで健全な投資を行った結果として得られる「副次的なメリット」と捉えるべきです。

    ポイントの解説

    節税という言葉に惑わされず、投資対象そのものの価値を冷静に見極めることが、資産を守り、増やすための鉄則です。

    まとめ

    年収2000万円という高い収入は、同時に重い税負担をともないます。

    しかし、正しい知識を持って対策を講じることで、手取り額を最大化し、将来に向けた資産形成を加速させることが可能です。

    本記事では、iDeCoふるさと納税といった誰でも始めやすい基本的な節税策から、不動産投資法人設立といった、より大きな効果が期待できる高度な手法まで幅広く解説しました。

    重要なのは、自身の状況やライフプランに合わせて、これらの選択肢を適切に組み合わせることです。

    不動産投資や法人化は、大きなメリットがある一方で、専門的な知識と計画的な実行が不可欠です。安易な判断は避け、必要に応じて税理士などの専門家に相談しながら、長期的な視点で最適な戦略を立てることを推奨します。

    まずはできることから始め、賢く税金と向き合っていきましょう。

    —-----------------

    自身の状況に合った最適な節税・資産形成プランを知るために、まずは専門的なシミュレーションを試してみてはいかがでしょうか。

    »3分でわかる!あなたに合った資産運用とは?


    効率よくお金を増やしていきたいあなたへ

    将来必要となる老後資金を早期に可視化し、具体的な資産形成プランを立てましょう。マネイロでは、老後資金の不足額や最適な準備方法を把握できる無料ツールをご用意しています。

    老後資金の無料診断:老後に必要な金額が3分でわかる

    賢いお金の増やし方入門:貯金と投資でコツコツ増やす方法がわかる

    iDeCoシミュレーター:現在の年収で得られる節税効果がわかる

    ※本記事の内容は記事公開時や更新時の情報です。現行と期間や条件が異なる場合がございます

    ※本記事の内容は予告なしに変更することがあります。予めご了承ください

    オススメ記事

    監修
    黒澤 伸
    • 黒澤 伸
    • 税理士/社会保険労務士/CFP®認定者

    東京都出身。中央大学商学部会計学科を卒業後、東京国税局に入局。国税庁、東京国税局等に38年間勤務し、2023年に高松国税局長を最後に退官。同年、黒澤伸税理士事務所を開設し、2024年には社会保険労務士としても登録。現在は、税務・会計、社会保険、労働保険等の士業務を中心に、CFPとして事業者のトータルサポートを行っている。

    記事一覧

    執筆
    マネイロメディア編集部
    • マネイロメディア編集部
    • お金のメディア編集者

    マネイロメディアは、資産運用に関することや将来資金に関することなど、お金にまつわるさまざまな情報をお届けする「お金のメディア」です。正確かつ幅広い年代のみなさまにわかりやすい、ユーザーファーストの情報提供に努めてまいります。

    一覧へもどる