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児童扶養手当の支給額はいくら?所得制限と子どもの人数で変わる金額を解説

児童扶養手当の支給額はいくら?所得制限と子どもの人数で変わる金額を解説

制度2025/12/18
  • #教育資金

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ひとり親家庭にとって、子育てにかかる経済的な負担は大きな課題です。「児童扶養手当の支給額はいくら?」「自分の収入だと所得制限に該当するのか?」といった疑問をお持ちではありませんか。

本記事を読めば、児童扶養手当の支給額や所得制限の仕組みについて、理解を深めることができます。自身の状況と照らし合わせ、適切な支援を受けるための第一歩としてぜひご活用ください。

この記事を読んでわかること
  • 児童扶養手当の基本的な仕組みと受給資格
  • 2025年最新の支給額と子どもの人数による加算
  • 児童手当など、他の支援制度との関係


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児童扶養手当とは?制度の基本

児童扶養手当は、ひとり親家庭等の生活の安定と自立を支援し、子どもの健全な育成を図ることを目的とした国の制度です。

父母の離婚や死別など、父または母と生計をともにしていない子どもが育成される家庭に対して、経済的な支援が行われます。手当は、子育てと仕事に奮闘するひとり親の方々にとって、重要なセーフティネットとしての役割を担っています。

児童扶養手当の受給資格

児童扶養手当は、以下のいずれかの条件に該当する子どもを監護・養育している父、母、または養育者が受給できます。対象となる子どもは、原則として18歳に達する日以後の最初の3月31日までですが、一定の障害がある場合は20歳未満まで延長されます。

支給対象となる主な条件

  • 父母が離婚した子ども
  • 父または母が死亡した、または生死が不明である子ども
  • 父または母が重度の障害の状態にある子ども
  • 父または母から1年以上遺棄されている子ども
  • 父または母が裁判所からのDV保護命令を受けた子ども
  • 父または母が法令により1年以上拘禁されている子ども
  • 婚姻によらずに生まれた子ども

注意点

一方で、子どもが児童福祉施設に入所している場合や、申請者が事実上の婚姻関係(内縁関係など)にある場合は、手当が支給されないため注意が必要です。

2025年最新|児童扶養手当の支給額一覧

児童扶養手当の支給額は、物価の変動に応じて毎年改定されます。2025年度(令和7年4月分から)は、前年の全国消費者物価指数の上昇(+2.7%)を反映し、手当額が引き上げられています。

支給額は、受給者の所得に応じて「全部支給」と「一部支給」の2段階に分かれており、さらに養育する子どもの人数によって加算されます。ここでは、最新の支給額について具体的に解説します。

子ども1人目の支給額

子どもが1人の場合、2025年度(令和7年4月分から)の支給月額は以下の通りです。所得が一定額未満の場合は満額である「全部支給」、所得がそれを超えるものの一定の範囲内にある場合は、所得に応じて金額が変動する「一部支給」となります。

支給区分

2025年度(令和7年4月分~)の月額

2025年度(令和7年4月分~)の月額

全部支給

2025年度(令和7年4月分~)の月額

4万6690円

一部支給

2025年度(令和7年4月分~)の月額

4万6680円~1万1010円

参照:児童扶養手当|東京都

子ども2人目以降の支給額

養育する子どもの人数が2人以上の場合、1人目の支給額に加えて加算手当が支給されます。2024年11月の制度改正により、第3子以降の加算額が第2子と同額に引き上げられています。2025年度(令和7年4月分から)の加算額は以下の通りです。

対象の子ども

支給区分

支給区分

2025年度(令和7年4月分~)の月額加算

2025年度(令和7年4月分~)の月額加算

子ども2人目以降

支給区分

全部支給

2025年度(令和7年4月分~)の月額加算

1人につき1万1030円


支給区分

一部支給

2025年度(令和7年4月分~)の月額加算

1万1020円~5520円

例えば、子どもが3人いて全部支給の対象となる場合、月額の支給額は「4万6690円(1人目) + 1万1030円(2人目) + 1万1030円(3人目) = 6万8750円」となります。

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所得制限で支給額はどう変わる?計算の仕組み

児童扶養手当の支給額を決定する上で重要なのが「所得制限」です。受給者本人だけでなく、生計を同じくしている扶養義務者(父母、祖父母、兄弟姉妹など)の所得も審査の対象となります。

前年(1月~10月申請の場合は前々年)の所得が基準額未満であれば手当は「全部支給」、基準額以上であっても一定の範囲内であれば「一部支給」、そしてそれを超えると「全部支給停止」となります。ここでは、それぞれの所得基準について解説します。

全部支給される所得の上限

手当が満額支給される「全部支給」の対象となるには、受給者本人の前年所得が以下の限度額未満である必要があります。限度額は、扶養している親族の人数によって変動します。

扶養親族等の数

所得額(年間)

所得額(年間)

収入額の目安(年間)

収入額の目安(年間)

0人

所得額(年間)

69万円

収入額の目安(年間)

142万円

1人

所得額(年間)

107万円

収入額の目安(年間)

190万円

2人

所得額(年間)

145万円

収入額の目安(年間)

244万3000円

3人

所得額(年間)

183万円

収入額の目安(年間)

298万6000円

参照:「児童扶養手当」に関する大切なお知らせ|こども家庭庁

※収入額の目安は給与所得者を例とした金額であり、個々の状況によって異なります。
※所得額は、収入から給与所得控除などを差し引いた後の金額です。また、養育費を受け取っている場合は、その8割が所得として加算されます。

一部支給される所得の範囲

所得が全部支給の上限額を超えても、以下の限度額未満であれば、所得に応じて手当の一部が支給されます。所得が高くなるにつれて、支給額は段階的に減少します。

扶養親族等の数

所得額(年間)

所得額(年間)

収入額の目安(年間)

収入額の目安(年間)

0人

所得額(年間)

208万円

収入額の目安(年間)

334万3000円

1人

所得額(年間)

246万円

収入額の目安(年間)

385万円

2人

所得額(年間)

284万円

収入額の目安(年間)

432万5000円

3人

所得額(年間)

322万円

収入額の目安(年間)

480万円

参照:「児童扶養手当」に関する大切なお知らせ|こども家庭庁

※収入額の目安は給与所得者を例とした金額であり、個々の状況によって異なります。

支給停止となる所得の基準

手当が全額支給停止となるのは、主に2つのケースがあります。

  1. 受給者本人の所得が「一部支給」の限度額以上の場合
  2. 同居している扶養義務者の所得が以下の限度額以上の場合

受給者本人の所得が基準内であっても、生計を同じくする親や兄弟などの所得が高い場合は、手当が支給されないことがあります。

扶養親族等の数

扶養義務者等の所得額(年間)

扶養義務者等の所得額(年間)

収入額の目安(年間)

収入額の目安(年間)

0人

扶養義務者等の所得額(年間)

236万円

収入額の目安(年間)

372万5000円

1人

扶養義務者等の所得額(年間)

274万円

収入額の目安(年間)

420万円

2人

扶養義務者等の所得額(年間)

312万円

収入額の目安(年間)

467万5000円

3人

扶養義務者等の所得額(年間)

350万円

収入額の目安(年間)

515万円

参照:所得制限限度額表(令和6年11月分から)|日進市

※収入額の目安は給与所得者を例とした金額であり、個々の状況によって異なります。


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児童扶養手当の支給日と受け取り方

児童扶養手当は、原則として年に6回、奇数月に指定した金融機関の口座へ振り込まれます。各支払月には、その前月までの2ヶ月分がまとめて支給される仕組みです。

支給スケジュール

  • 5月:3月・4月分
  • 7月:5月・6月分
  • 9月:7月・8月分
  • 11月:9月・10月分
  • 1月:前年の11月・12月分
  • 3月:1月・2月分

支払日は各月10日または11日頃が一般的ですが、自治体によって異なります。支給日が土日や祝日にあたる場合は、その直前の金融機関営業日に振り込まれます。

ポイントの解説

手当は申請が受理された月の翌月分から支給対象となるため、受給資格が発生した場合は速やかに手続きを行いましょう。

支給額が増える・減るケースと注意点

児童扶養手当の受給資格や支給額は、認定時の状況から変化することがあります。

所得の変動、養育する子どもの人数の増減、再婚や同居人の変更など、生活状況に変化があった場合は、速やかに届け出る義務があります。

注意点

届出を怠ると、手当の支給が停止されたり、過払い分を返還しなければならなくなったりする可能性があるため注意が必要です。

所得が変わったとき

児童扶養手当の支給額は前年の所得に基づいて決定されるため、年の途中で転職や退職により所得が変動しても、すぐに手当額が変わるわけではありません。

所得の変更が手当額に反映されるのは、毎年8月に行われる「現況届」の提出後です。現況届では前年の所得状況を申告し、それに基づいて11月分以降の支給額が再計算されます。

したがって、所得が減少した場合は翌年の現況届後に手当が増額され、逆に所得が増加した場合は減額または支給停止となる可能性があります。

子どもの人数が変わったとき

養育する子どもの人数に変動があった場合は、届出が必要です。

子どもが増えた場合

新たに出産したり、子どもを引き取ったりして対象児童が増えたときは、「額改定請求書」を提出します。手続きが完了すると、原則として請求した月の翌月分から手当額が増額されます。

子どもが減った場合

子どもが18歳の年度末を迎えた、就職して独立した、あるいは児童福祉施設に入所したなどの理由で対象児童が減ったときは、「額改定届」を提出します。対象児童が減った日の翌月から手当額が減額されます。

再婚や同居人の変更があったとき

生活状況の変更、中でも婚姻関係や同居人の変更は、受給資格に直接影響するため、速やかな届出が不可欠です。

再婚や事実婚

婚姻届を提出した場合だけでなく、異性との同居や定期的な訪問、生計の援助など「事実上の婚姻関係」と見なされる場合も、受給資格を失います。その場合は「資格喪失届」の提出が必要です。

注意点

届出をしないまま手当を受給し続けると、不正受給と見なされ、全額返還を求められることがあります。

扶養義務者との同居・別居

所得の高い親や兄弟姉妹(扶養義務者)と同居を始めると、その方の所得によっては手当が支給停止になることがあります。

逆に、これまで同居していた扶養義務者と別居した場合は、支給停止が解除されたり、手当額が増額されたりする可能性があります。これらの場合も届出が必要です。

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児童扶養手当以外に受けられる支援制度

ひとり親家庭が利用できる支援は、児童扶養手当だけではありません。自治体ごとに様々な制度が用意されており、これらを組み合わせることで、経済的な負担を軽減することが可能です。ここでは、代表的な支援制度を紹介します。

児童手当との併給

児童扶養手当と児童手当は、目的が異なる別の制度です。したがって、両方の支給要件を満たしている場合は、それぞれの手当を同時に受け取ることができます

児童手当は、2024年10月の制度改正により、高校生年代(18歳到達後の最初の3月31日まで)の子どもを養育するすべての家庭が対象となりました(所得制限も撤廃されています)。

注意点

ひとり親家庭であっても、児童手当の申請を忘れないようにしましょう。特に高校生年代のお子さんがいる場合は、受給漏れがないか確認が必要です。

ひとり親家庭等医療費助成

ひとり親家庭の親と子どもが、病気やけがで医療機関にかかった際の医療費(保険診療の自己負担分)を助成する制度です。東京都では「マル親」という名称で知られています。

制度を利用することで、医療費の窓口負担が軽減されるため、安心して医療を受けることができます。助成の内容や対象となる所得の基準は自治体によって異なるため、お住まいの市区町村の窓口で詳細を確認してください。

住宅手当や就学援助

自治体によっては、ひとり親家庭を対象とした独自の支援策を実施しています。代表的なものに、家賃の一部を補助する「住宅手当(家賃助成)」や、小中学校で必要となる学用品費や給食費などを援助する「就学援助制度」があります。

これらの制度は、児童扶養手当とは別に申請が必要です。どのような支援が利用できるかは自治体によって異なるため、市区町村のホームページを確認したり、子育て支援担当の窓口に相談したりすることをお勧めします。

児童扶養手当の支給額に関するよくあるQ&A

ここでは、児童扶養手当の支給額に関して、多くの方が抱く疑問についてQ&A形式で解説します。

Q. 児童扶養手当は何歳まで受け取れる?

原則として、子どもが18歳に達する日以後の最初の3月31日までです。

ただし、子どもに法令で定められた一定の障害がある場合は、20歳未満まで受給期間が延長されます。

Q. 養育費を受け取っていると児童扶養手当の支給額は減る?

はい、支給額が減る、または支給停止になる可能性があります。

児童扶養手当の所得を計算する際、受け取った養育費の8割が所得として加算されます。これにより所得制限限度額を超えた場合、手当額が減額または支給停止となります。

Q. 児童扶養手当を遡って受給することはできますか?

いいえ、原則として遡って受給することはできません

手当は、申請手続きを行い、自治体から認定を受けた日の属する月の翌月分から支給対象となります。そのため、支給要件に該当した場合は、速やかに申請することが欠かせません。

まとめ

児童扶養手当は、ひとり親家庭の経済的な基盤を支えるための重要な制度です。支給額は、受給者の所得と養育する子どもの人数によって決まり、毎年見直しが行われます。

本記事で解説した支給額や所得制限の基準を参考に、自身の家庭がどのくらいの支援を受けられるのかを確認してみてください。

また、所得や家族構成に変化があった場合は、支給額に影響するため、速やかに市区町村の窓口へ届け出ることが大切です。制度を正しく理解し、活用することで、子育てにおける経済的な不安を少しでも和らげることができるでしょう。

不明な点がある場合は、お住まいの自治体の担当窓口に相談するとよいでしょう。

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監修
山本 務
  • 山本 務
  • 特定社会保険労務士/AFP/第一種衛生管理者

東京都練馬区で、やまもと社会保険労務士事務所を開業。企業の情報システム、人事部門において通算28年の会社員経験があるのが強みであり、情報システム部門と人事部門の苦労がわかる社会保険労務士。労務相談、人事労務管理、就業規則、給与計算、電子申請が得意であり、労働相談は労働局での総合労働相談員の経験を生かした対応ができる。各種手続きは電子申請で全国対応が可能。また、各種サイトで人事労務関係の記事執筆や監修も行っている。

記事一覧

執筆
マネイロメディア編集部
  • マネイロメディア編集部
  • お金のメディア編集者

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