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児童扶養手当がもらえない年収はいくら?所得制限の計算方法や年収以外の注意点を解説

児童扶養手当がもらえない年収はいくら?所得制限の計算方法や年収以外の注意点を解説

制度2025/11/26
  • #教育資金

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児童扶養手当」の支給を受けたいけれど、「もらえない年収はいくらから?」「自分の年収300万円や400万円ではもらえるの?」と不安を抱えている方もいらっしゃるでしょう。

そこで本記事では、給与所得者・自営業者別に所得制限の計算方法を解説するほか、養育費や実家暮らし(扶養義務者)など、年収以外の注意点についても詳しく解説します。

この記事を読んでわかること
  • 児童扶養手当がもらえない年収の目安(扶養1人の場合)は385万円
  • 養育費の加算や各種控除を考慮した「所得」の計算方法
  • 年収が制限額以下でも支給停止となる5つのケース


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そもそも児童扶養手当とは?

児童扶養手当は、離婚や死別などによってひとり親家庭となった方、または両親のいない児童などを養育している方に対し、家庭における生活の安定と、次代の社会を担う児童の健やかな成長に資することを目的として国が支給する手当です。

この制度は、ひとり親家庭の自立を促進するための重要な経済的支援であり、支給の対象となるのは、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある児童(または障害を持つ場合は20歳未満)を養育している方です。

児童手当との違い

児童扶養手当と混同されやすい制度に「児童手当」があります。この2つの手当は、対象者や目的、所得制限の有無などが異なります

児童手当は、児童(0歳から18歳に達する日以後の最初の3月31日)を養育する家庭が基本的に対象となります。金額も異なり、3歳未満は1人あたり1万5000円、3歳から高校生年代までは1万円(いずれも第3子以降は3万円)となっています。

また、児童手当にも所得制限は設けられていますが、児童扶養手当は、ひとり親家庭等の生活の安定と自立支援を目的とする手当であり、より厳格な所得制限が設けられています。

児童扶養手当と児童手当について

児童扶養手当の「所得制限」3つの基準と最新の限度額表

児童扶養手当には、以下の3つの支給区分があります。

  1. 全部支給(全額支給):所得がもっとも低い層に全額が支給されます。
  2. 一部支給(減額支給):所得が増えるにしたがって、手当額が一部減額されて支給されます。
  3. 全部停止(支給停止):所得が制限額を超えると、手当が一円ももらえなくなります。

これらの基準は、申請者本人(ひとり親など)の所得だけでなく、同居している扶養義務者(申請者の親や兄弟姉妹など)の所得にも設定されています。たとえ申請者本人の所得が低くても、同居している扶養義務者の所得が基準を超えると、手当は全部停止となるため注意が必要です。

なお、こども家庭庁の発表により、2024年11月1日から児童扶養手当法等の一部が改正され、所得限度額が引き上げられています。次の項で詳しく見ていきましょう。

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児童扶養手当がもらえない年収の目安は?扶養人数別の所得制限限度額表

児童扶養手当が支給されるかどうかは、申請者および扶養義務者の所得によって決まります。また、児童扶養手当の所得制限限度額は、扶養親族の数によって異なります。扶養親族等が多いほど、限度額は高くなります。

以下は、全額支給・一部支給となる所得限度額の表です。「収入ベース」「所得ベース」があり、収入ベースの金額を年収と照らし合わせると分かりやすいでしょう。

「児童扶養手当」に関する大切なお知らせ

画像参照:「児童扶養手当」に関する大切なお知らせ|こども家庭庁

2024年11月以降は上記の通り所得限度額が引き上げとなっています。扶養児童数ごとの児童扶養手当がまったくもらえない「年収」の目安は以下となります。

  • 1人:246万円超
  • 2人:284万円超
  • 3人:322万円超
  • 4人:360万円超
  • 5人:398万円超

【重要】「年収」を「所得」に正しく計算する方法

児童扶養手当の支給判定に使われるのは、私たちが普段「年収」と呼ぶ金額ではなく、税法上の「所得」金額です。

さらに、児童扶養手当独自のルールで所得が調整されるため、ご自身の年収を「手当判定用の所得」に正しく「翻訳」する必要があります。

ステップ1:あなたの職業は?「所得」の計算ベースを知る

年収から「所得」を計算する方法は、職業によって異なります。

  1. 給与所得者(会社員・パート):「年収(源泉徴収票の支払金額)」から、会社員等の必要経費にあたる「給与所得控除」を差し引いて所得を計算します。

  1. 自営業者(フリーランス):「売上」から、仕入れや通信費などの「必要経費」を差し引きます。さらに青色申告をしている場合は「青色申告特別控除」を差し引いたものが所得の計算ベースとなります。このため、自営業者は経費の計上額によって所得が大きく変わります。

ステップ2:養育費の8割相当額を加算する

児童扶養手当の計算において、もっとも特徴的で注意すべきルールが、養育費の加算です。離婚した前夫や前妻などから受け取った養育費について、その金額の8割相当額が、申請者本人の所得に加算されて計算されます。

例えば、月々5万円の養育費を受け取っている場合、年間の養育費は60万円です。その8割にあたる48万円が、「所得」として計算に組み込まれることになります。

ポイントの解説

この加算によって所得制限限度額を超えてしまい、手当が減額されたり、もらえなくなったりするケースがあります。

ステップ3:児童扶養手当独自の「控除額」を差し引く

ステップ1とステップ2で計算した所得(A)から、さらに児童扶養手当独自の控除額を差し引くことができます。

  • 【一律控除】:すべての方に適用される控除として、社会保険料相当額8万円が差し引かれます。
  • 【該当者のみ】:申請者によっては、医療費控除、障害者控除、寡婦控除など、各種控除が適用され、所得から差し引かれます。

この最終的に計算された所得(Aから控除額を差し引いた金額)を、前述の「所得制限限度額表」と照らし合わせ、支給区分が決定されます。

注意点

なお、ここで適用される控除額は、確定申告で使われる控除額とは異なる場合があるため、注意が必要です。


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年収(所得)以外で児童扶養手当が「もらえない」5つのケース

「所得制限限度額は超えていないはずなのに、手当がもらえない」という場合、年収(所得)以外の以下の5つのケースに該当していないか確認してください。

ケース1:扶養義務者(実家の親など)の年収が高い

ひとり親家庭が実家で両親(親権者以外)と同居している場合など、申請者と生計を同じくしている扶養義務者にも所得制限が設けられています。

仮に申請者本人の所得が制限額内であっても、同居している親や兄弟姉妹などの扶養義務者の所得が基準を超えている場合、手当は全部停止となります。これが、「実家暮らしだと児童扶養手当をもらえない」といわれる最大の理由です。

ポイントの解説

同居を解消するか、世帯分離を行うことで、扶養義務者の所得制限の影響を回避できる場合があります。

ケース2:事実婚・内縁関係の相手がいる

児童扶養手当は、ひとり親家庭の自立支援を目的としているため、法律上の婚姻関係になくても、事実上の婚姻関係(事実婚や内縁関係)にあると判断された場合、手当の対象外となります。

事実婚の認定は厳しく行われます。住民票上の住所が異なっていても、頻繁な訪問や生活費の援助の実態が確認された場合、生計を共にしていると見なされる場合があります。自治体によっては、同性パートナーがいる場合も対象外となる場合がありますが、詳細は各自治体への確認が必要です。

ケース3:公的年金(遺族年金・障害年金など)との併給調整

申請者が公的年金(遺族年金、老齢年金など)を受給している場合、児童扶養手当の額と年金額との間で併給調整が行われます。

現在の制度では、年金受給額が児童扶養手当として支給されるはずの額を上回ってしまうと、児童扶養手当は支給停止となりますが、年金額が手当額より低い方は、その差額分の児童扶養手当を受給できます。

また、特に障害年金については、2021年3月以降、年金額を児童扶養手当の所得制限の計算には含めないこととされました。その上で、障害基礎年金等の子の加算部分の額が児童扶養手当の額より低い場合は、差額分の手当を受給できるようになっています。

ケース4:児童が施設に入所している・里親に預けられている

手当の対象となる児童が、児童福祉施設などの施設に措置により入所している場合、または里親に預けられている場合は、その児童に関する手当は対象外となります。これは、施設や里親がその児童を養育する責任を負っているためです。

ケース5:手続きの不備(申請・現況届)

児童扶養手当は、自動的に振り込まれるものではなく、申請主義に基づいて申請する必要があります。受給資格があっても、申請の手続きを行わなければ支給されません。

また、手当の受給資格を継続させるために、受給者は毎年8月に「現況届」を提出する必要があります。

この現況届の提出を出し忘れると、11月分以降の手当が一時的に停止されることになります。

ポイントの解説

現況届は、毎年現在の状況を確認し、所得制限の判定を更新するためのもっとも重要な手続きです。

児童扶養手当がもらえない場合の対策

所得制限超過や年収以外の理由で児童扶養手当がもらえない場合でも、ひとり親家庭を支援する他の制度があります。これらの制度を積極的に活用することが大切です。

医療費助成(ひとり親家庭等医療費助成)の確認

児童扶養手当が「全部停止」になっても、お住まいの自治体によっては、ひとり親家庭等医療費助成制度(マル親)と呼ばれる医療費の助成を受けられる場合があります。

この制度は、児童を監護しているひとり親家庭の母または父、または養育者と、その児童(原則18歳に達した日の属する年度の末日まで、障害がある場合は20歳未満)が対象です。ただし、ひとり親家庭等の所得が限度額以上の方は対象除外となるため、独自の所得要件を満たす必要があります。

助成範囲は、国民健康保険や健康保険など各種医療保険の自己負担分から一部負担金(住民税非課税世帯は自己負担なし)を差し引いた額です。住民税課税世帯の場合でも、通院で1ヶ月あたり1万8000円、年間14万4000円を超えた自己負担額が払い戻される場合があります。

高等職業訓練促進給付金(資格取得支援)

就職に有利な資格取得を目指して養成機関で修業するひとり親の方には、高等職業訓練促進給付金という生活費支援制度があります。

対象となるのは、児童扶養手当の支給を受けているか、同等の所得水準にある方です。

支給内容は、訓練期間中、月額10万円(住民税課税世帯は7万500円)が支給されます。さらに、訓練を受けている期間の最後の1年間は、支給額が4万円増額されます。

この給付金は、看護師、保育士、介護福祉士といった国家資格だけでなく、シスコシステムズ認定資格などのデジタル分野等の民間資格取得も対象となり得ます。

就労・自立支援センターへの相談

所得制限で手当が受けられなくても、就労や自立を目指すための専門的な相談窓口を活用することは非常に重要です。

お住まいの自治体には、ひとり親家庭の自立を支援するセンターが設置されている場合が多く、ここでは、高等職業訓練促進給付金やハローワークの職業訓練、さらには住居に関する支援を含め、さまざまな制度の紹介や手続きのサポートを受けることができます。

専門家のアドバイスを受け、今後のキャリアプランや生活設計を具体化していくことが、経済的な安定への近道となります。

児童扶養手当と「年収」に関するQ&A

児童扶養手当の所得制限に関して、特に多く寄せられる疑問についてお答えします。

Q. 養育費をもらうといくら減額されますか?

児童扶養手当の計算においては、受け取った養育費の8割が申請者の所得に加算されます。その結果、加算された所得額に基づいて手当の支給区分(全部支給・一部支給・全部停止)が再判定されます。

養育費の金額そのものが手当から差し引かれるわけではありませんが、所得が増えたと見なされることで、手当が一部支給に減額されたり、場合によっては全部停止になったりする可能性があります。

ポイントの解説

手当の額は、世帯全体の所得に応じて10円単位で細かく計算されるため、具体的な減額幅については自治体の窓口で確認が必要です。

Q. シングルマザーが手当をもらえない年収はいくら?

扶養親族が1人のシングルマザー(給与所得者)の場合、手当が支給停止となる年収の目安は385万円超です。

ただし、この目安は、公的な控除(医療費控除や障害者控除など)が一切ない、もっとも厳しい条件で計算されています。

実際には、税法上の控除が適用されることで、年収が385万円を超えていても所得制限限度額を下回り、一部支給を受けられるケースも存在します。

Q. 年収400万円で児童扶養手当はもらえる?

扶養親族1人の給与所得者であれば、年収400万円は、全部停止の目安である385万円を上回るため、原則として児童扶養手当はもらえない可能性が高いといえます。

ただし、扶養親族が2人以上いる場合や、特別な控除(例:障害者控除や医療費控除など)を多く利用している場合、手当の判定に用いられる「所得」が大きく下がり、一部支給の限度額内(所得230万円以下)に収まる可能性もあります。まずは自身の源泉徴収票や確定申告書を確認し、前述の計算ステップに従って「所得」を正確に算定することから始めましょう。

まとめ

児童扶養手当は、ひとり親家庭にとって重要な公的支援制度です。手当の支給可否は「年収」ではなく、給与所得控除や経費、そして養育費の8割を加算したうえで計算される「所得」によって決まります。給与所得者(扶養1人)の場合、年収385万円超でもらえなくなるのが目安です。

所得制限の計算を乗り越えても、同居の扶養義務者の所得事実婚公的年金との併給調整など、年収以外の理由で支給停止となるケースもあるため、注意が必要です。

また、手当がもらえない場合でも、ひとり親家庭等医療費助成高等職業訓練促進給付金など、自立を支援するための制度を積極的に活用しましょう。

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監修
山本 務
  • 山本 務
  • 特定社会保険労務士/AFP/第一種衛生管理者

東京都練馬区で、やまもと社会保険労務士事務所を開業。企業の情報システム、人事部門において通算28年の会社員経験があるのが強みであり、情報システム部門と人事部門の苦労がわかる社会保険労務士。労務相談、人事労務管理、就業規則、給与計算、電子申請が得意であり、労働相談は労働局での総合労働相談員の経験を生かした対応ができる。各種手続きは電子申請で全国対応が可能。また、各種サイトで人事労務関係の記事執筆や監修も行っている。

記事一覧

執筆
マネイロメディア編集部
  • マネイロメディア編集部
  • お金のメディア編集者

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