
契約社員でも退職金はもらえる?支給条件と確認方法を解説
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「契約社員として働いているけれど、退職金はもらえるのだろうか」「正社員との待遇の違いが気になる」といったお悩みはありませんか?
契約社員の退職金については、法律で定められていないため、企業の制度によって支給の有無が異なります。
本記事では、契約社員が退職金をもらえるケースや金額の相場、自身の退職金を確認する具体的な方法、退職時の注意点まで分かりやすく解説します。正しい知識を身につけ、将来に向けた準備を進めましょう。
- 契約社員への退職金支払いは法律上の義務ではなく、企業の任意制度である
- 勤続年数や同一労働同一賃金の観点から、契約社員でも退職金がもらえるケースがある
- 退職金の有無や条件は、まず雇用契約書や就業規則で確認することが重要
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契約社員の退職金は法律上の義務ではない
企業が契約社員に退職金を支払うことは、法律上の義務ではありません。退職金制度は、それぞれの企業が任意で設ける福利厚生の一環であり、この内容は企業によって異なります。
退職金制度は企業の任意
退職金の支払いについては、労働基準法などの法律で義務付けられているわけではありません。企業が退職金制度を設けるかどうかは、企業の判断に委ねられています。
退職金制度を導入する場合、企業は就業規則や退職金規程に、支給対象者、計算方法、支払時期などの詳細を明記する必要があります。就業規則などに定めがある場合、企業には定めに従って退職金を支払う義務があります。
したがって、契約社員に退職金が支払われるかどうかは、勤務先の就業規則や個別の雇用契約書の内容次第となります。
正社員にも退職金がない企業もある
退職金制度は企業の任意の制度であるため、雇用形態にかかわらず、制度自体を設けていない企業も少なくありません。
厚生労働省の「令和5年就労条件総合調査」によると、退職給付(一時金・年金)制度がある企業の割合は74.9%となっています。
これは、約4社に1社には、正社員を含め、そもそも退職金制度が存在しないことを示しています。
このように、退職金がないのは契約社員に限った話ではなく、企業の経営方針や規模によってさまざまです。自身の会社の制度がどうなっているかを確認することが第一歩となります。
契約社員が退職金をもらえるケース
退職金制度は企業の任意ですが、契約社員であっても退職金を受け取れるケースはあります。主に、退職金の支給条件として企業が定める勤続年数などの基準を満たした場合や、退職金とは別に「満了金」などの制度がある場合が考えられます。
また、近年注目されている「同一労働同一賃金」の考え方に基づき、正社員との待遇差が不合理であるとして退職金の支給が認められる可能性も出てきています。
それぞれのケースについて詳しく見ていきましょう。
勤続年数の条件を満たす場合
企業の退職金規程では、支給対象となるための最低勤続年数が定められていることが一般的です。多くの場合、「勤続3年以上」が条件とされています。
契約社員は有期雇用契約ですが、契約更新を繰り返して長期間勤務することもあります。その結果、勤続年数が企業の定める条件を満たせば、退職金の支給対象となる可能性があります。勤続年数以外の条件があれば、その条件を満たすことも必要です。
ただし、契約社員が退職金規程の適用対象となっていることが前提です。やはり、まずは自社の規程で、契約社員の勤続年数がどのように扱われるかを確認する必要があります。
満了金制度がある場合
退職金とは別に、契約期間を満了して退職する際に「満了金」や「慰労金」といった名称の一時金が支払われる制度を設けている企業もあります。
これは、契約期間を無事に勤め上げたことに対する報奨金のような性質を持つものです。支給の有無や金額は、企業の就業規則や雇用契約書に記載されています。
この満了金は、法的な意味での退職金とは異なりますが、契約社員にとっては退職時に受け取れる貴重な資金となります。
契約時にこのような制度があるか確認しておくとよいでしょう。
同一労働同一賃金の観点から支給される場合
「同一労働同一賃金」とは、同じ仕事内容であれば、雇用形態にかかわらず同じ待遇を受けられるべきだという考え方です。
これはパートタイム・有期雇用労働法によって定められており、差別的な取扱いは禁止されています。また、職務の内容や配置の変更範囲に違いがある場合は、不合理な待遇差を設けることは禁止です。
この考え方に基づき、正社員と契約社員の間に、業務内容や責任の範囲、人事異動の範囲などに実質的な違いがないにもかかわらず、契約社員にだけ退職金を支給しないことは、差別的な取扱いとして違法と判断される可能性があります。
もし自身の働き方が正社員と変わらないと感じる場合は、会社に待遇差の理由について説明を求めることも1つの方法です。
契約社員の退職金の相場と計算方法
契約社員に退職金が支給される場合、この金額は企業によってさまざまです。正社員と比較すると低めの水準になることが多いですが、計算方法にはいくつかのパターンがあります。
ここでは、代表的な計算方法をいくつか紹介します。
勤続年数に応じた定額制
比較的シンプルな計算方法として、「勤続年数 × 1万円」という方式や、「3~5年だと5万円」といった、勤続年数に応じた定額制を採用しているケースがあります。勤続年数が長くなるほど支給額が増える、分かりやすい仕組みです。
ポイント制
やや複雑な計算方法として、ポイント制を導入している企業もあります。これは、勤続年数だけでなく、役職や等級、会社への貢献度などをポイント化し、この合計ポイントに基づいて退職金額を決定する方式です。
例えば、「1ポイント=1万円」と設定されており、勤続年数で10ポイント、職能評価で5ポイントを獲得した場合、合計15ポイントで15万円の退職金が支給される、といった形です。
個人の実績や貢献が反映されやすいという特徴がありますが、計算方法が複雑なため、規程をよく確認する必要があります。
契約社員に退職金が支給される場合でも、正社員とは異なる計算基準が適用され、支給額に差が設けられていることが一般的です。ただし、この差があまりに大きく、合理的な理由がない場合は、前述の「同一労働同一賃金」の観点から問題となる可能性もあります。
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自分の退職金を確認する方法
自身の退職金の有無や支給条件を知るためには、会社が定めているルールを確認することが一番確実です。確認方法はいくつかありますが、まずは書類を確認し、不明な点があれば担当者に問い合わせるという手順がスムーズです。
ここでは、具体的な確認方法を3つのステップで解説します。
雇用契約書を確認する
まず最初に確認すべきなのは、入社時に取り交わした「雇用契約書」です。雇用契約書は、労働契約に関する個別の約束事を記した重要な書類です。
この書類の中に、「退職金」や「退職慰労金」に関する項目があり、「支給する」「支給しない」、あるいは「就業規則の定めによる」といった記載があるかを確認しましょう。
もし「支給しない」と明記されていて、それに合意して契約している場合、原則として退職金の請求は難しくなります。
記載がない場合や、「就業規則による」とされている場合は、次のステップに進みます。
就業規則・退職金規程を確認する
次に、会社の基本的なルールを定めた「就業規則」や、退職金についてより詳細に定めた「退職金規程」を確認します。これらの書類は、会社の労働条件の根拠となるものです。
確認すべきポイントは以下の通りです。
- 適用範囲:契約社員が退職金制度の対象に含まれているか。
- 支給要件:最低勤続年数など、支給されるための条件。
- 計算方法:退職金額がどのように計算されるか。
就業規則は、労働基準法により、労働者がいつでも閲覧できる状態にしておくことが義務付けられています。社内の共有フォルダに保管されていたり、書面で閲覧を請求できたりするのが一般的です。
場所が分からない場合は、人事や総務の担当者に問い合わせてみましょう。
人事担当者に直接確認する
雇用契約書や就業規則を読んでも不明な点がある場合や、解釈が難しい場合は、人事や総務の担当者に直接確認するのが一番確実です。
質問する際は、「今後のライフプランを考える上で、退職金制度について確認させていただきたいのですが」のように、丁寧な聞き方を心がけるとスムーズです。
また、同一労働同一賃金の観点から、正社員との待遇差について疑問がある場合も、まずは会社側にこの理由を説明してもらうよう求めることができます。
企業には、労働者から求められた場合、待遇差の内容や理由を説明する義務があります。
契約社員の退職時に注意すべきポイント
契約社員が退職する際には、退職金以外にもいくつか注意すべき点があります。退職の理由やタイミングによって、受け取れる手当やその後の手続きが変わってくるため、事前に理解しておくことが大切です。
ここでは、重要な3つのポイントについて解説します。
自己都合退職と契約満了の違い
退職の理由には、大きく分けて「自己都合退職」と「契約期間満了による退職」の2種類があります。
- 自己都合退職:契約期間の途中で、労働者側の都合で退職すること
- 契約期間満了:定められた契約期間が終了し、更新せずに退職すること
この違いは、退職金や満了金の支給に影響することがあります。例えば、自己都合退職の場合は満了金が支給されない、あるいは減額されるといった規程を設けている企業もあります。
また、雇用保険の失業手当(基本手当)においても、更新される可能性があった契約の期間満了で更新の希望がかなわず離職した人(特定理由離職者)は、給付制限期間なしで受給できるなど、自己都合退職よりも有利な条件になる場合があります。
満了金が減額されるケース
契約期間満了時に支給される「満了金」や「慰労金」は、必ずしも全額が保証されているわけではありません。
企業の規程によっては、以下のような場合に減額または不支給となる可能性があります。
- 契約期間の途中で自己都合退職した場合
- 勤務成績が著しく不良であった場合
- 懲戒解雇に相当するような問題を起こした場合
満了金は、契約期間を問題なく勤め上げたことへの報奨という側面が強いため、これらの条件が設けられていることがあります。
支給条件については、雇用契約書や就業規則で事前に確認しておくことが必須です。
退職手続きの流れ
契約社員が退職する際の手続きは、基本的に正社員と変わりません。円満に退職するためにも、一般的な流れを把握しておきましょう。
- 退職の意思表示:契約満了の場合は、更新しない旨を会社に伝えます。契約期間中の場合は、就業規則で定められた期間(通常は1ヶ月前まで)に直属の上司に伝えます。
- 退職届の提出:会社の指示に従い、退職届を提出します。
- 業務の引き継ぎ:後任者や関係者に業務内容をしっかり引き継ぎ、最終出社日までに完了させます。
- 備品の返却:パソコンや社員証、制服など、会社からの貸与品を返却します。
- 書類の受け取り:退職後、会社から「離職票」や「源泉徴収票」などの重要な書類が送られてきます。これらは失業手当の申請や転職先での手続きに必要となるため、必ず受け取りましょう。
契約社員の退職金に関するよくある質問
ここでは、契約社員の退職金に関して、多くの人が感じる疑問・質問についてQ&A形式でお答えします。
契約社員でも3年以上働けば退職金はもらえる?
必ずもらえるわけではありません。
退職金制度で「勤続3年以上」を支給条件としている企業は多いですが、この制度が契約社員にも適用されるかどうかは、企業の就業規則や退職金規程によります。
まずは自身の会社の規程を確認し、契約社員が適用対象となっているか、勤続年数はどのように計算されるかを確認する必要があります。
満了金と退職金の違いは?
満了金と退職金は異なる制度です。
満了金(慰労金)は、定められた契約期間を満了したことに対して支払われる一時金です。
退職金は、企業を退職するという事実に対して、これまでの勤続への功労報償や賃金の後払いといった意味合いで支払われるものです。
満了金制度があっても退職金制度はない、あるいはこの逆のケースもあります。
契約社員から正社員になったら退職金はどうなる?
企業の退職金規程によって扱いが異なります。主に以下の2つのパターンが考えられます。
- 契約社員時代の勤続年数も通算される:正社員になった後の勤続年数と合算して退職金が計算されます。
- 正社員になった時点から勤続年数がカウントされる:契約社員時代の期間はリセットされ、正社員としての期間のみが計算対象となります。
正社員登用時に、勤続年数の扱いや退職金の計算方法について、会社に確認しておくことが大切です。
まとめ
契約社員の退職金は法律で義務付けられておらず、支給されるかどうかは勤務先の企業の制度次第です。まずは自身の雇用契約書や就業規則を確認し、退職金制度の有無や適用条件を把握することが非常に重要です。
もし正社員と全く同じ仕事をしているにもかかわらず待遇に差がある場合は、同一労働同一賃金の観点から会社に説明を求めてみるのもよいでしょう。
将来のお金について漠然とした不安がある方は、まずは自身の状況を客観的に把握することから始めてみましょう。
簡単な質問に答えるだけで、老後の生活にいくら必要か、どんな資産形成が合っているかを確認できます。
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監修
西岡 秀泰
- 社会保険労務士/ファイナンシャルプランナー
同志社大学法学部卒業後、生命保険会社に25年勤務しFPとして生命保険・損害保険・個人年金保険販売を行う。保有資格は社会保険労務士と2級FP技能士。2017年4月に西岡社会保険労務士事務所を開設し、労働保険・社会保険を中心に労務全般について企業サポートを行うとともに、日本年金機構の年金事務所で相談員を兼務。
執筆
マネイロメディア編集部
- お金のメディア編集者
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