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転換社債のデメリットとは?投資家が知るべきリスクと対処法を専門家が徹底解説

転換社債のデメリットとは?投資家が知るべきリスクと対処法を専門家が徹底解説

資産運用2026/04/27
  • #初心者向け

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転換社債(CB)は、株式と債券の性質を併せ持つ魅力的な金融商品ですが、一方で特有のデメリットも存在します。

「株価が下がったらどうなる?」「発行企業側のリスクは?」といった疑問や不安を感じる人もいるでしょう。

本記事では、転換社債のデメリットを投資家・発行企業双方の視点から解説し、リスクを管理するための具体的な対策まで紹介します。

この記事を読んでわかること
  • 投資家が直面する、転換社債特有のデメリット
  • 株式の希薄化や償還義務など、発行企業が抱えるリスク
  • デメリットを軽減するための投資家が知るべき具体的な対策


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転換社債とは?基本の仕組み

転換社債とは、正式名称を「転換社債型 新株予約権付社債」といい、英語の「Convertible Bond」を略して「CB」とも呼ばれます。

あらかじめ定められた条件(転換価格)で、発行企業の株式に転換できる権利(オプション)が付いている社債で、株価の上昇時に株式に転換すれば値上がり益が得られる可能性があります。

社債として保有している間は、定期的に利子が受け取れ、株式に転換せずに満期を迎えれば、発⾏企業が破綻しない限り額⾯⾦額が返済されます。ただし、上述のオプションが付いているため、利子は低く抑えられるか、無い場合が一般的です。

ポイントの解説

転換社債は株価上昇時は株価に、株価下落時は債券に近い動きをする特徴があり、債券と株式の特徴を併せ持つ⾦融商品と言えます。

投資家が直面する転換社債のデメリット

転換社債は、株価上昇の恩恵を受けつつ、下落時のリスクを抑えられる魅力的な商品です。

その反面、投資に際してはいくつかのデメリットが存在します。メリットだけでなく、デメリットやリスクをしっかりと理解した上で投資判断をすることが重要です。

価格変動リスク

転換社債は、転換対象となる株価に連動しやすく、株価が下落すると転換社債の価格も下落する傾向があります。また、額面を上回る価格で購入していた場合、償還時に損失が発生するケースがあります。

このため、転換社債は一般的に、通常の社債より価格変動リスクに注意が必要な商品です。

一方で、転換社債は債券としての側面もあります。株式に転換せず満期まで保有すれば、原則として額面金額で償還されます。株価が下がっても、債券としての価値が下支えされるため、価格の下落は一定程度抑えられる傾向があります。この性質は「下方硬直性」と呼ばれ、下落リスクの軽減要因のひとつとされています。

普通社債より低い利回り

転換社債のデメリットのひとつは、同じ企業が発行する普通社債(株式に転換できない通常の社債)と比較して、利率が低く設定される傾向があることです。利子(クーポン)がゼロの場合も珍しくありません。

これは、将来株価が上昇した際など、社債を株式に転換して利益を得る権利(オプション)が社債に組み込まれているためです。

一方で、発行企業の株価が満期まで、一度も転換価格を上回らなければ、投資家は株式への転換を見送り、満期償還を選択する可能性が高くなります。

この場合、結果的に利回りの低い債券に投資したことと同じことになるので、普通社債に投資する方が、多くの利子収入を得られる可能性があります。

流動性リスク

流動性リスクとは、売りたい時に希望する価格で売れない、あるいは買い手が見つからず売却自体が困難になるリスクのことです。

ポイントの解説

転換社債は、株式や国債といった主要な金融商品に比べて市場規模が小さく、取引量が少ない商品です。市場が混乱している時や、個別銘柄に悪材料が出た場合などは、買い手がつかずに売却が難しくなる可能性があります。

また、株価上昇時には株式への転換が多くなる可能性があり、この場合も流動性が低くなる要因となります。

途中で売却する必要が生じた場合、想定よりも低い価格で売却せざるを得ない、または売却が困難になる可能性を考慮しておく必要があります。

コールリスク

転換社債には、「繰上償還条項(コールオプション条項)」が付いている場合があります。

これは、株価が上昇して、転換価格を一定程度上回った場合などに、発行企業が満期日より前に繰上げ償還ができる権利(オプション)です。

企業側は株価が上昇した際に、株式への転換を促す目的でこの権利を行使します。

投資家にとっては繰上げ償還よりも、株式へ転換するオプションを行使した方が有利になる可能性もあるので、長期的な値上がりを期待していた投資家にとってはデメリットとなります。

信用リスク

信用リスクとは、この場合、転換社債を発行した企業の経営状況が悪化し、利払いが滞ったり、満期時に元本が返済されなくなったりするリスク(債務不履行リスク)のことです。

転換社債は株式に転換できる権利があるとはいえ、基本的には発行企業に対する貸付である「社債」です。そのため、発行企業の業績が悪化したり、最悪の場合、倒産してしまったりすると、投資した資金が全額戻ってこない可能性もあります。

投資を検討する際には、企業の財務状況や信用格付けなどを確認し、信用リスクがどの程度あるのかを評価することが不可欠です。


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発行企業が抱える転換社債のデメリット

転換社債を発行すると、低金利で資金を調達できるなど、発行企業にとってメリットの多い方法ですが、リスクが無いわけではありません。

発行を検討する企業と同様に投資家も、これらのリスクを理解しておく必要があります。

株式の希薄化リスク

株式の希薄化(きはくか)は、発行企業にとっての主要なデメリットの1つです。転換社債が株式に転換されると、新たに株式が発行されるため、発行済株式総数が増加します。

これにより、既存の株主が持つ1株当たりの価値や議決権の割合が相対的に低下してしまいます。この現象が「株式の希薄化」です。

株式の希薄化は、1株当たりの利益(EPS)の減少につながり、株価の下落要因となる可能性があります。既存株主からの不満を招いたり、企業の信頼性が低下したりする恐れもあるため、発行規模や転換価格の設定は慎重に行う必要があります。

利払い負担と償還義務

転換社債は、株式に転換されるまでは負債になるため、企業は定期的に利子を支払う義務を負います。利率は普通社債より低いものの、企業のキャッシュフローに影響を与える要因となります。

さらに、もし企業の株価が想定通りに上昇せず、投資家が株式への転換を選択しなかった場合、満期日には元本を一括で返済する「債務」が発生します。

調達した資金を事業投資に充てても、すぐに収益に結びつくとは限りません。万が一、財務状況が悪化した場合は、信用リスクにつながる可能性も考えられます。

株主構成の変化

転換社債が株式に転換されることで、企業の株主構成が変わる可能性があります。特定の投資家が転換社債を大量に購入し、一斉に株式へ転換した場合、当該投資家が突然⼤株主となるケースもあります。

ポイントの解説

新たな大株主が、必ずしも現経営陣と友好的な関係にあるとは限りません。経営方針に対して意見を述べたり、役員の選任に影響力を行使したりするなど、経営の安定性が損なわれるリスクが考えられます。

意図しない大株主の出現は、経営の自由度を低下させる可能性があるため、発行企業にとっては注意すべきデメリットです。

デメリットが表面化する具体的なケース

転換社債に関わる当事者にとって、デメリットが顕在化するのは、発行企業の業績が著しく悪化するシナリオです。

業績悪化は企業の信用リスクが高まる要因となり、利払いの遅延元本の返済不能(デフォルト)につながる可能性があります。株価が転換価格を下回れば、株式転換の価値が失われ、投資家は元本の大半あるいは全額を失ってしまう可能性もあります。

一方、発行企業にとっては、株式への転換が進まなければ、償還期日まで利払い負担が続き、満期日には元本を返済する必要に迫られます。資金繰りが悪化すると、財務状況に影響が及ぶかもしれません。

このように発行企業の業績悪化は、投資家にも悪影響が及ぶ事態といえます。

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転換社債のデメリットを軽減する方法

転換社債にはさまざまなデメリットが存在しますが、発行企業のリスクも含めて、投資家はリスクを適切に管理し、軽減することが可能です。

双方の立場から具体的なリスク対策を解説します。

投資家ができるリスク対策

投資家が転換社債のデメリットを軽減するためには、事前の情報収集分析が不可欠です。以下の点を中心に、リスク管理を行いましょう。

発行企業の調査

企業の財務状況、収益性、将来性を分析します。信用リスクを評価するために、格付会社が付与する「格付け」も重要な判断材料です。⼀般的にBBB(または同等格付)以上が投資適格とされます。

発行条件の確認

転換価格、利率、償還期間はもちろん、繰上償還条項(コールオプション)の有無や条件を必ず確認します。コールリスクを把握しておくことが鍵となります。

株価との関連性を評価

株価と転換価格の差を示す「パリティ」や、理論価格との差を示す「乖離率」をチェックし、現在の転換社債価格が割高か割安かを判断します。

【計算式】
パリティ(円)=株価÷転換価格×100
乖離率(%)=(CB価格-パリティ)÷パリティ×100

乖離率が低いほど、株価との連動性が高いと判断できます。

分散投資

1つの銘柄に集中投資するのではなく、複数の転換社債や他の金融商品に分散投資することで、特定企業の業績悪化による影響を抑える効果が期待できます。

発行企業ができるリスク対策

発行企業側は、デメリットを最小限に抑えるために戦略的な対策を立てることが肝となります。主に以下の3つの観点から対策を検討しましょう。

株式希薄化への対策

株式の希薄化を抑えるためには、発行規模を必要最小限にしたり、転換価格を現在の株価より高めに設定したりする方法があります。

ただし、条件を厳しくしすぎると投資家にとって魅力が薄れ、資金調達が難しくなるため、バランスがポイントです。

利払い・償還への対策

利率や償還期間を、自社のキャッシュフロー計画に合わせて慎重に設定します。

株式転換が進まなかった場合に備え、満期償還のための資金計画を事前に策定しておくことが不可欠です。

信用リスクへの対策

根本的な対策として、事業を成長させ、収益性や財務状況を改善することが必須です。

安定した経営基盤を築くことで、企業の信用格付けが向上し、投資家からの信頼を得やすくなります。

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転換社債が合うケース・合わないケース

転換社債は、株式と債券のハイブリッドの有価証券とも言えます。そのため、投資家・発行企業の双方にとって向き不向きがあります。

自身の目的や状況と照らし合わせて、活用を検討することが大切です。

投資家の場合:合うケース

ミドルリスク・ミドルリターンを求める場合

株式投資ほどのリスクは取りたくないが、債券だけの安定したリターンでは物足りない、という人にとって、選択肢の1つと考えられます。

株価上昇の恩恵を期待しつつ、下落時の損失をある程度限定したい人にも向いています。

中長期的な視点で投資できる場合

株価が転換価格を上回るまでには時間がかかることがあり、短期で運用成果を得たいと考える人には向いていません。企業の成長を中長期的に待てる人が向いています。

投資家の場合:おすすめできないケース

安定した高い利子収入を求める場合

転換社債は、オプションが付くことにより、普通社債より利率が低い、もしくはゼロの場合もあります。

高いインカムゲインを得たい人は、どちらかというと、普通社債なども選択肢に入れた方がよいでしょう。

ハイリスク・ハイリターンを求める場合

株式への直接投資に比べ、オプションの影響により、値上がり益は限定的になる可能性があります。株価の上昇による大きなリターンを狙う積極的な投資家には物足りないかもしれません。

発行企業の場合:合うケース

成長段階にある企業

将来の株価上昇に自信があり、それによって株式転換が進むことを見込める企業にとって選択肢の1つとなり得ます。転換が進んだ場合、負債が資本に変わり、財務体質の強化が期待できます。

資金調達コストを抑えたい企業

普通社債よりも低い金利で資金を調達したい企業にとって、転換社債は有効な選択肢です。

発行企業の場合:おすすめできないケース

株価が安定している成熟企業

上昇余地が限定的と⾒られる企業のため、株式転換が進まず、結果的に償還負担だけが残る可能性があります。

株式の希薄化を避けたい企業

創業家や特定の株主が経営権を維持したい場合など、株式の希薄化が経営上の問題となる企業には向かない場合があります。

転換社債に関するよくある質問

転換社債のデメリットに関して、よくある質問に回答します。

Q. 株価が下がったら損する?

はい、損失を被る可能性はあります。転換社債の価格は株価に連動するため、株価が下落すれば転換社債の価格も下がります。

満期まで保有すれば額面金額で償還されますが、購入価格が額面を上回っていた場合は償還差損が発生します。

また、途中で売却する場合は、購入価格よりも低い価格でしか売却できない可能性があります。さらに、発行企業が倒産した場合は、元本が返ってこない信用リスクもあります。

ただし、株価下落時の価格下落率は、下方硬直性により、株式そのものよりは緩やかになる傾向があります。

Q. 普通社債より転換社債のほうがリスクは高い?

普通社債のリスクは、主に発行企業の信用リスクと金利変動リスクです。一方、転換社債は、これらのリスクに加えて、価格変動リスクも負うことになります。

そのため、価格の変動性(ボラティリティ)という点では、普通社債より転換社債のほうがリスクは高くなります

ただし、株価上昇によるリターンが期待できるという側面もあるため、一概にどちらがよいとはいえません。

自身のリスク許容度やリターンの期待値に応じて選択することが重要です。

Q. 転換社債の発行は株価にどう影響する?

転換社債の発行が発表されると、株価には短期的にマイナスの影響が出ることがあります。将来、社債が株式に転換されると発行済株式数が増加し、1株あたりの価値が希薄化するとの懸念から売りが出やすくなるためです。

ただし、市場が当該資金調達を企業の成長につながる前向きなものと評価した場合は、影響が限定的であったり、むしろ好感されたりすることもあります。

長期的な株価への影響は、調達した資金をいかに有効活用し、企業価値を高められるかにかかっています。

まとめ

転換社債は、債券の安定性と株式の収益性を兼ね備えた金融商品ですが、両方の性質に由来するデメリットも存在します。

投資家にとっては、株価下落リスクや普通社債より低い利回り、発行企業にとっては株式の希薄化償還義務などが主なデメリットです。これらのリスクを理解し、適切な対策を講じることが、転換社債を有効に活用する鍵となります。

投資家は企業の信用力発行条件を精査し、発行企業は自社の成長戦略財務計画に基づいて慎重に判断することが求められます。デメリットを正しく理解し、リスク管理を徹底することで、転換社債は資産形成や資金調達における選択肢の1つとなり得ます。

自身の投資方針やリスク許容度に合った資産運用について、より詳しく知りたい方は専門家への相談も検討してみましょう。

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監修
土屋 史恵
  • 土屋 史恵
  • ファイナンシャルプランナー/金融ライター/編集者

神戸市外国語大学卒業後、外資系生命保険会社、都市銀行にてリテール営業、法人営業に携わる。遺言信託など資産承継ビジネスに強み、表彰歴あり。その後は長年の金融機関勤務経験を活かし、金融メディアに転職。記事執筆や編集などを担当。現在はフリーランスとして活動中。AFP、FP2級、証券外務員一種を保有。

記事一覧

執筆
マネイロメディア編集部
  • マネイロメディア編集部
  • お金のメディア編集者

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