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ハイイールド債はやばいといわれる理由は?リスクの実態と知っておきたい注意点を解説

ハイイールド債はやばいといわれる理由は?リスクの実態と知っておきたい注意点を解説

資産運用2026/03/27

    »あなたのリスク許容度は?3分投資診断でチェック

    ハイイールド債はやばいって本当?」「リスクが高そう」と感じていませんか。高い利回りが魅力的に見える一方で、そのリスクについて漠然とした不安を抱えている人も多いでしょう。

    本記事では、ハイイールド債が「やばい」と言われる理由から、具体的なリスク、そしてリスクを管理しながら投資するための実践的な方法まで、専門家が客観的なデータに基づいて解説します。

    この記事を読んでわかること
    • ハイイールド債が「やばい」と言われるのは「ジャンク債」という呼び名と高リスク・高リターンの性質から
    • 主なリスクは「デフォルト」「価格変動」「流動性」「金利上昇」の4つ
    • リスクを理解し、分散投資や長期投資を前提とすれば、ポートフォリオの収益性を高める可能性がある


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    なぜハイイールド債は「やばい」と言われるのか?

    ハイイールド債が「やばい」というイメージを持たれる背景には、ハイイールド債が「ジャンク債」と呼ばれていること、高い利回りであることが関係しているかもしれません。

    ハイイールド債の本質を正しく理解するためには、表面的な印象だけで判断するのではなく、商品の特徴や仕組みを知ることが重要です。

    「ジャンク債」という呼び名が生む誤解

    信用格付けがBBB格以上の債券を投資適格債、BB格以下の格付けが低い債券のことをハイイールド債と呼びます。

    ハイイールド債は信用力が低く、デフォルトの可能性が相対的に高いため、別名「ジャンク債」とも呼ばれています。

    名称のせいか、マイナスイメージが先行しがちですが、投資対象として価値が低いわけではなく、必ずしも悪い面ばかりではありません。確かにリスクは高いのですが、すぐに債務不履行に陥るわけではなく、高い利回りも期待できる金融商品です。

    言葉の印象に左右されるのではなく、商品性を正しく理解し、客観的に判断することが大切です。

    高利回りの裏にあるもの

    注意点

    ハイイールド債の「ハイイールド」とは「高い利回り」を意味します。ハイリターンは、投資家にとって魅力である一方、発行体の信用力が低いことを表していることに注意が必要です。

    投資の世界では、リスクとリターンは表裏一体です。利払いや元本の返済ができなくなる可能性、つまり信用リスクが高ければ、このリスクを引き受ける対価として、投資家は高い利回り(リターン)を得ることができます。

    当然ながら、投資適格債よりデフォルト(債務不履行)の可能性が高い点は理解しておく必要があります。

    ハイイールド債とは?投資適格債との決定的な違い

    ハイイールド債を正しく理解するためには、より信用力の高い「投資適格債」との違いを知ることが不可欠です。

    主に「格付け」「利回り」「発行体の特徴」の3つの観点から、両方の違いを見ていきましょう。

    格付けで見る信用力の違い

    債券の信用力は、S&P(スタンダード・アンド・プアーズ)やMoody's(ムーディーズ)といった格付会社が付与する「格付け」によって客観的に示されます。

    具体的には、たとえばS&P社の格付けにおいては、BBB以上が付与された債券が「投資適格債」と呼ばれます。これに対し、BB以下の格付けの債券が「ハイイールド債(投資不適格債)」に分類されます。

    格付け機関

    投資適格債

    投資適格債

    ハイイールド債(投資不適格債)

    ハイイールド債(投資不適格債)

    S&P

    投資適格債

    AAA, AA, A, BBB

    ハイイールド債(投資不適格債)

    BB, B, CCC, CC, C, D

    Moody's

    投資適格債

    Aaa, Aa, A, Baa

    ハイイールド債(投資不適格債)

    Ba, B, Caa, Ca, C

    Moody's(ムーディーズ)に関しては、AaからCaaまでの格付に、1~3の数字付加記号を加えています。Aa1、Ba3など(参考:Ratings.Moodys.com

    ハイイールド債は、格付会社から見て元本や利子の支払いが滞るなど、リスクが相対的に高いと評価されるため、投資適格債とは区別されています。

    利回りの差

    ハイイールド債は、信用リスクが大きく、その対価としてのリスクプレミアムが上昇するため、投資適格債や国債と比較して、利回りが高くなる傾向があります。

    ポイントの解説

    2026年1月末時点では、世界ハイイールド債の利回りは6.8%であるのに対し、世界投資適格債4.3%、米国債は4.0%です。ハイイールド債とそれぞれの債券の差は2.5~2.8%ほどで、この差は状況に応じて変動します。

    ⼀般的に、ハイイールド債の利回りは投資適格債や国債を上回る傾向があり、この⾼い利回りがハイイールド債への投資妙味につながっていると⾔えるでしょう。

    (参考:世界の経済環境と マーケット動向|三井住友DSアセットマネジメント

    発行体の特徴

    ハイイールド債を発行するのは、一般的に投資適格債を発行する企業よりも信用力が低いと見なされる企業です。具体的には、以下のような特徴を持つ企業が挙げられます。

    • 新興企業や成長企業: 事業がまだ安定しておらず、財務基盤が盤石ではない企業
    • 業績不振の企業: 経営が悪化し、格付けが引き下げられた企業
    • 特定の業界: 景気変動の影響を受けやすい、または構造的な問題を抱える業界の企業

    また、かつては投資適格だった企業が、業績悪化などにより格下げされ、ハイイールド債の発行体となるケースもあります。これを「フォーリンエンジェル(堕天使)」と呼びます。

    これらの企業は、銀行からの融資や投資適格債の発行が難しいため、高い金利を支払ってでもハイイールド債市場から資金を調達する必要があるのです。

    ちなみに、ハイイールド債から投資適格債に格上げされた債券は「ライジングスター」と呼ばれます。


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    ハイイールド債の4つの主要リスク

    ハイイールド債への投資を検討する上で、このリスクを具体的に理解することは不可欠です。

    主なリスクとして「信用(デフォルト)リスク」「価格変動リスク」「流動性リスク」「金利上昇リスク」の4つが挙げられます。

    信用(デフォルト)リスク

    信用(デフォルト)リスクとは、債券を発行した企業(発行体)の経営状況が悪化し、利払いが滞ったり、満期時に元本が返済されなくなったりするリスクのことです。これはハイイールド債における最大のリスクです。

    格付けが低いハイイールド債は、投資適格債に比べてデフォルトが発生する確率が統計的に高くなります。過去には、日本の大手企業であるJALや武富士などがデフォルトに陥った事例もあり、発行体の信用力は慎重に見極める必要があります。

    例えば、世界を代表する格付会社であるS&Pの調査によると、1981年~2025年において、債務不履行者全体のうち、当初「CCC+」以下の格付けを受けていて最終的に債務不履行に陥ったのは44.1%で、平均債務不履行期間は2.0年です。

    また、当初は格付けがBだった発行体の生涯債務不履行率は21.4%で、平均債務不履行期間は5.2年となっています。一方、当初格付けがAだった発行体は3.1%と低く、デフォルトまでの平均期間も14.9年と長くなっています。

    このように、デフォルトの可能性が高く、信用リスクが大きい企業に集中して投資をすると、損失を被る可能性が高くなるため、投資先の選択が重要であることがわかります。

    (参考:S&P Global Ratings

    価格変動リスク

    一般的に、債券価格は市場金利や経済状況などによっても変動しますが、とりわけハイイールド債の価格変動は、投資適格債よりも大きくなる傾向があります。

    景気後退懸念が高まると、投資家はリスクを避けようとするため、ハイイールド債は売られやすくなります。その結果、債券価格が下落する可能性があります。

    また、国債との利回り差である「クレジット・スプレッド」の変動も価格に影響を与えます。市場がリスクを警戒するとスプレッドは拡大し、価格は下落します。反対に、楽観的になるとスプレッドが縮小し、価格は上昇します。

    流動性リスク

    流動性リスクとは、売りたい時に希望する価格で売れなかったり、買い手が見つからず売却自体が困難になったりするリスクのことです。

    債券市場は株式市場よりも規模が大きいマーケットですが、その中でハイイールド債が占める割合は、国債や投資適格債の取引量に比べると小さく、債券市場全体からするとニッチな市場です。

    ポイントの解説

    ハイイールド債は主に米国で活発に取引されているとはいえ、ひとたび金融危機や景気後退などで市場が不安定になると、流動性が低下し、買い手がつかなかったり、取引が成立しにくくなる可能性があります。このリスクは個別の銘柄へ投資する場合に、より大きくなります。

    日本の個人投資家がハイイールド債券に投資をする場合、投資信託やETFを通じて購入する場合が多く、流動性リスクを過度に心配する必要はありません。

    しかし、このリスクの影響を受けて、基準価額が変動する可能性はあるので注意が必要です。

    金利上昇リスク

    金利上昇リスクは、すべての債券に共通するリスクです。一般的に、市場の金利が上昇すると、既に発行されている債券の魅力が相対的に低下するため、債券価格は下落します。

    例えば、年利2%の債券を保有している時に、新しく年利3%の債券が発行されると、保有している年利2%の債券の魅力は低下し、価格は下がります。

    ハイイールド債の場合、投資適格債に比べてデュレーションが短く、金利上昇による価格下落リスクは相対的に小さくなります。ただし、償還期間が長い債券であれば、その効果は限定的になります。

    景気局面別に見るハイイールド債のリスク

    ハイイールド債のパフォーマンスは、景気の動向に左右されます。

    好況期と不況期、この異なる2つの経済環境において、ハイイールド債のリスクとリターンがどのように変化するのか、理解することが鍵となります。金融引き締め局面での注意点についても確認していきましょう。

    好況期:高利回りを享受できる時期

    景気が良く、企業業績が好調な時期は、ハイイールド債にとって追い風となります。企業の収益が増加することで財務状況が改善し、デフォルト(債務不履行)に陥るリスクが低下するためです。

    投資家のリスク選好姿勢も強まるため、ハイイールド債への資金流入が活発になり、国債との利回り差(クレジット・スプレッド)が縮小しやすくなります。スプレッドの縮小は債券価格の上昇を意味するため、高い利子収入(インカムゲイン)に加えて、価格上昇による利益(キャピタルゲイン)も期待できる局面です。

    米景気がソフトランディングする期待が高まっている局面では、こうした好環境が続きやすいと考えられます。

    不況期:リスクが一気に顕在化

    景気が後退する不況期は、ハイイールド債のリスクが顕在化する局面です。企業業績が悪化し、デフォルト率が上昇するため、投資家の不安が高まります。

    市場全体がリスク回避傾向になると、ハイイールド債は売却対象となる可能性があります。その結果、クレジット・スプレッドが拡大すると、債券価格はさらに下落し、市場の流動性も低下します。売りたい時に売れないという状況に陥る可能性が高まります。

    注意点

    過去の金融危機などでは、ハイイールド債市場は打撃を受けました。不況の兆候が見え始めた際は、注意が必要です。

    金融引き締め局面での注意点

    中央銀行がインフレを抑制するために利上げを行う金融引き締め局面では、ハイイールド債市場にも影響が及びます。

    金利が上昇すると、企業の借入コストが増加し、財務基盤が弱いハイイールド債発行企業にとっては、利払い負担が増えて業績を圧迫する要因となります。

    発行体の信用力が低下すれば、デフォルトリスクが高まり、クレジット・スプレッドが拡大、さらに債券価格が下落する要因になります。

    もともとハイリスクの金融商品は価格の変動が大きい傾向があるので、財政政策や金融政策の動向、さらに企業業績や市場センチメントに注意する必要があります。


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    データで見るハイイールド債の実態

    「やばい」というイメージが先行しがちなハイイールド債ですが、客観的なデータを見ることで、このリスクとリターンの実態をより正確に把握することができます。

    歴史的なデフォルト率、利回り差、長期リターンの実績を見ていきましょう。

    歴史的なデフォルト率

    ハイイールド債の最大のリスクであるデフォルトは、実際にどの程度の確率で発生しているのでしょうか。

    野村證券のレポートによると、2月末時点での、デフォルト率は1.17%、金額は9億米ドルほどで、比較的少額であったとのことです。当面の米国景気は安定的に推移するとの見方があり、現時点でデフォルト率が大きく上昇する可能性は低いと見られています。

    しかしながら、ハイイールド債のデフォルト率は過去、激しく推移したこともあります。

    例えば、湾岸戦争、ITバブル崩壊、リーマンショックが起こった際は、デフォルト率は急上昇し、10%以上に大きく跳ね上がりました。

    ポイントの解説

    ハイイールド債の市場規模は米国が最大であるがゆえ、米国の景気動向を注視する必要がありますが、この観点から見ると、デフォルト率が過度に上昇するときは、米国経済の成長率が大きく下落したときに発生する傾向があります。

    投資不適格債である以上、リスクは存在しますが、データに基づけば過度に恐れる必要はないかもしれません。

    (参考:米国ハイ・イールド債券への疑問|フィデリティ投信株式会社
    (参考:米国ハイ・イールド債券マンスリー|野村アセットマネジメント

    投資適格債との利回り差

    ハイイールド債のリスクプレミアムは、国債や投資適格債との利回り差(クレジット・スプレッド)に表れます。このスプレッドは、市場がリスクをどう評価しているかを示す重要な指標です。

    歴史的に見ると、スプレッドは景気市場環境によって変動します。例えば、2008年の金融危機のような市場の混乱期にはスプレッドが急拡大し、ハイイールド債の価格は下落しました。一方で、経済が安定している時期にはスプレッドは縮小する傾向にあります。

    米国クレジット市場では現在、投機的格付け(ジャンク)債が、あたかも投資適格債に匹敵する安全性を持っているかのような価格推移を見せています。

    具体的には、最上位のジャンク債と最下位の投資適格債の利回り差(スプレッド)が約0.8ポイントまで縮小し、2019年以来の小ささに迫っています。この背景には、米金融当局(FRB)の利下げ観測があり、投資家が利回り差の縮小を許容してリスクを取る姿勢を強めていることが挙げられます。

    社債市場全体へ投資資金が流れ込んでいることで、リスクプレミアムの縮小(タイト化)は企業クレジット全般に波及しています。
    ブルームバーグのデータによれば、投資適格債全体のスプレッドも1990年代後半以来の歴史的低水準に近づいている状況です。

    長期リターンの実績

    リスクが高い一方で、ハイイールド債は長期的に見ると魅力的なリターンを提供してきました。

    ポイントの解説

    例えば、1988年から2022年までのデータを分析すると、高インフレ時(消費者物価指数が年率4%以上)における3年間の平均リターンは、米国ハイイールド債が+47.5%と、米国株式の+32.5%を上回る結果となっています。これは、インフレによる企業収益の増加が、実質的な債務負担軽減につながっていることなどが要因と考えられます。

    また、過去20年間のリスク・リターン特性を見ても、ハイイールド債は世界株式や世界国債と比較して、リスクに見合ったリターンが得られたかという指標(リターン/リスク比率)が優位であったというデータもあります。

    短期的な価格変動は大きいものの、高い利子収入が積み重なることで、長期的な資産形成に向く可能性が高い資産クラスと言えるでしょう。

    (参考:不透明な時にこそ好利回り債券投資、 米国ハイ・イールド債券の魅力

    ハイイールド債投資が向いている人・向いていない人

    ハイイールド債は、高いリターンが期待できる一方で相応のリスクも伴うため、すべての投資家に適しているわけではありません

    自身の投資目的やリスク許容度を踏まえて、投資すべきかどうかを慎重に判断する必要があります。

    投資を検討してもよい人

    以下のような特徴を持つ人は、ハイイールド債投資を検討する価値があるでしょう。

    • ポートフォリオ全体の利回りを高めたい人: 国債や投資適格債だけでは物足りず、より高いインカムゲインを狙いたい人にとって、ハイイールド債は有効な選択肢となります。
    • ハイリスクを許容できる人: デフォルトや価格変動のリスクを理解した上で、長期的な視点で投資できる人。短期的な価格下落に動揺しない精神的な余裕も必要です。
    • 分散投資の重要性を理解している人: 資産全体の一部としてハイイールド債を組み入れ、リスクを管理できる人。ハイイールド債だけで資産の大部分を運用するのは避けるべきです。

    投資を避けるべき人

    一方で、次のような人はハイイールド債への投資を避けたほうが賢明です。

    • 元本割れのリスクを取りたくない人: ハイイールド債は比較的リスクが高く、元本保証もないので、元本割れを避けたい人には向いていません。
    • 安定的な運用を最優先する人: リスクをなるべく小さく抑え、着実な資産形成を目指す人は、国債や格付けの高い投資適格債がより適しています。
    • 短期的な資金の置き場所を探している人: ハイイールド債は価格変動が大きいため、近い将来に使う予定のある資金の投資先としては不向きです。

    リスクを抑えるための実践的な対処法

    ハイイールド債はやばい」と言われるリスクは、適切な方法を用いることで管理することが可能です。

    リスクを抑えながらハイイールド債に投資するための4つの実践的な対処法を紹介します。

    投資信託・ETFで分散投資

    ハイイールド債は、リスクが高い金融商品です。ひとつの銘柄を集中して保有する、あるいはハイイールド債がポートフォリオの大部分を占めるような保有の仕方は避けるようにしましょう。

    投資の基本的なリスク管理方法は、さまざまな銘柄や金融商品に分散投資を行うことです。保有資産の偏りを無くせば、暴落あるいはデフォルト時の価格変動を最小限に抑えることができます。

    個人がハイイールド債に投資をするときは、多くの銘柄に分散投資している投資信託ETF(上場投資信託)を活用するのが一般的です。

    これらの金融商品を利用すれば、少額からでも手軽に分散投資を始めることができ、個別銘柄のデフォルトリスクを軽減できます。

    ポートフォリオにおける投資割合

    ハイイールド債は、資産運用の中心(コア)に据えるのではなく、ポートフォリオの一部(サテライト)として組み入れてみましょう。

    ハイイールド債は、株式よりボラティリティが低く、投資適格債より高いリターンを狙えるという特徴があります。

    資産全体に占める割合を、例えば5%から10%程度に抑えることで、ハイイールド債の価格が下落したとしても、資産全体への影響を限定的にすることができます。自身のリスク許容度に合わせて、適切な割合を検討してみましょう。

    投資のタイミング

    ハイイールド債の価格は、市場心理にも影響されます。景気後退などで市場が悲観的になると、国債との利回り差(クレジット・スプレッド)が拡大し、価格は下落します。

    このようにスプレッドが拡大して価格が低下する局面は、見方を変えれば割安で投資できるチャンスとも言えます。

    一方で、価格が下がり、利回りが上昇したからといって、それが買い時であるかどうかの見極めは容易ではありません。そもそも発行体に問題が生じていて、スプレッドが拡大しているなら、最悪の場合、デフォルトの可能性もあります。

    価格を投資の判断材料にするのは大切な観点ではありますが、債券投資の場合は信用力を優先的にチェックする姿勢が大切です。その上で、購入タイミングを分散しながら複数回に分けて投資するのも一つの方法です。

    投資コスト

    個人がハイイールド債に投資をする場合、投資信託やETFを通じて購入するのが一般的です。したがって、これらの商品に投資をすると、手数料(コスト)が発生します。

    投資信託であれば、購入時にかかる「購入時手数料」、保有期間中にかかる「信託報酬(運用管理費用)」、売却時にかかる「信託財産留保額」などがあります。ETFも投資信託と同様で、売買手数料や信託報酬が必要です。

    証券会社によっては、購入時手数料等が無料の場合もあります。

    コストは、リターンを押し下げる要因となるので、手数料の差が最終的なリターンに影響を与えます。とくに信託報酬は投資期間を通じて支払い続けるコストなので運用成果に大きな影響があります。

    一般的に、ETFは投資信託に比べて信託報酬が低い傾向にあります。複数の商品を比較検討する際は、コストの差も判断基準に加えましょう。

    ハイイールド債投資で失敗しないための考え方

    ハイイールド債投資を成功させるためには、テクニックだけでなく、投資家としての正しい心構えが大切です。

    リスクを過度に恐れるのではなく、ハイイールド債の本質を理解し、冷静に向き合う姿勢が求められます。

    リスクを正しく理解する

    ハイイールド債投資で重要なのは、リスクを正しく理解することです。「やばい」「危険」といった漠然としたイメージではなく、どのような状況で、どの程度のリスクが顕在化するのかを把握しておく必要があります。

    デフォルトリスク、価格変動リスク、流動性リスクなど、ハイイールド債券に存在するリスクを理解すれば、価格が大きく変動したときに冷静な判断がしやすくなります。

    過去のデータを知っておくことも、判断の一助になるでしょう。

    リスクを理解することは、不必要な恐怖心を取り除き、長期的な視点で投資を続けるための土台となります。

    景気サイクルを意識する

    ハイイールド債のパフォーマンスは、景気と密接に関連しています。景気がよい時は企業業績が向上し、デフォルトリスクが低下するため、価格は上昇しやすくなります。逆に、景気が悪化するとデフォルトリスクが高まり、価格が下落する要因になります。

    同様の理由で、ハイイールド債券を投資先とする投資信託やETFの基準価額等も変動します。現在の状況がハイイールド債にとって追い風なのか、それとも向かい風なのか、意識して考えることが、賢明な投資判断につながります。

    デフォルトは織り込み済み

    ハイイールド債に投資するということは、ある程度のデフォルトが発生することを前提とする、という考え方が必須です。だからこそ、高い利回りが設定されています。

    重要なのは、1つの銘柄のデフォルトが致命的な損失につながらないように、投資信託やETFなどを活用して十分に分散投資を行うことです。

    多数の銘柄に分散していれば、いくつかの企業がデフォルトしたとしても、他の多くの企業からの利子収入でカバーされ、全体としてプラスのリターンを目指すことが可能です。

    個別のデフォルトに一喜一憂するのではなく、ポートフォリオ全体のリターンを長期的な視点で捉えることが、ハイイールド債投資で成功するための鍵となります。

    まとめ

    ハイイールド債は、「ジャンク債」とも呼ばれ、「やばい」というイメージを持たれがちですが、その本質は「高いリスクの対価として、高いリターンが得られる金融商品」です。デフォルトリスクや価格変動リスクは決して小さくありませんが、それは高い利回りの裏返しです。

    重要なのは、これらのリスクを正しく理解し、投資信託などを活用した分散投資や、ポートフォリオ全体の一部として組み入れるといったリスク管理を、しっかり行うことです。景気サイクルを意識し、長期的な視点を持つことで、ハイイールド債は資産形成の有効な選択肢の1つになります。

    まずは自身のリスク許容度や資産状況を客観的に把握し、少額から始めてみるとよいでしょう。簡単な質問に答えるだけで、自身に合った資産運用のヒントが見つかるかもしれません。 

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    監修
    土屋 史恵
    • 土屋 史恵
    • ファイナンシャルプランナー/金融ライター/編集者

    神戸市外国語大学卒業後、外資系生命保険会社、都市銀行にてリテール営業、法人営業に携わる。遺言信託など資産承継ビジネスに強み、表彰歴あり。その後は長年の金融機関勤務経験を活かし、金融メディアに転職。記事執筆や編集などを担当。現在はフリーランスとして活動中。AFP、FP2級、証券外務員一種を保有。

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    執筆
    マネイロメディア編集部
    • マネイロメディア編集部
    • お金のメディア編集者

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