
2026年の住宅ローン控除はどう変わる?5年延長と省エネ重視の新制度を解説
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「2026年から住宅ローン控除(住宅ローン減税)の制度が変わると聞いたけど、具体的に何がどうなるの?」「これから家を買う予定だけど、損しないために知っておくべきことは?」といった疑問をお持ちではないでしょうか。
本記事では、2026年度の税制改正で決定した住宅ローン控除の変更点を、分かりやすく解説します。制度の延長や借入限度額の見直しなど、重要なポイントを理解し、自身の住宅購入計画に活かしましょう。
- 住宅ローン控除の適用期限が2030年12月31日まで5年間延長される
- 省エネ性能による借入限度額の差が拡大し、性能の低い新築住宅は対象外または減額となる
- 省エネ性能の高い中古住宅は控除期間が10年から13年に延長されるなど、優遇措置が拡充される

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2026年住宅ローン控除の3つの重要な変更点
2026年度の税制改正により、住宅ローン控除制度は3つの点で変更されます。以下で詳しく見ていきましょう。
(参考:住宅ローン減税等の延長・拡充が閣議決定されました!|国土交通省)
2030年まで5年間の延長が決定
現行の住宅ローン控除は2025年末で適用期限を迎える予定でしたが、今回の改正で2030年12月31日まで5年間延長されることが決まっています。
住宅価格の高騰やカーボンニュートラルへの対応といった社会情勢の変化を踏まえ、良質な住宅ストックの形成と豊かな住生活の実現を後押しすることが延長の目的です。
これにより、2026年以降に住宅を取得し入居する人も、引き続き住宅ローン控除の恩恵を受けられることになります。
省エネ性能による借入限度額の格差が拡大
2026年からの新制度では、住宅の省エネ性能によって借入限度額の差がこれまで以上に明確化されます。
特に注視すべきは、新築の「省エネ基準適合住宅」です。2028年(令和10年)以降に建築確認を受けるものは、原則として住宅ローン控除の適用対象外となります。一方で、長期優良住宅やZEH水準住宅といった高性能な住宅の優遇は維持されます。
また、省エネ基準を満たさない「その他の住宅(一般住宅)」は、新築の場合、引き続き適用対象外となります。これからの住まい探しでは、省エネ性能とあわせて、災害レッドゾーン等の立地条件も減税適用の可否を左右する重要な要素となります。
中古住宅の優遇が大幅に拡充
今回の改正では、質の高い住宅ストックの活用を促すため、中古住宅への優遇が大幅に強化されました。
もっとも大きな変更点は、省エネ性能の高い中古住宅(認定住宅・ZEH水準・省エネ基準適合)を取得した場合、控除期間がこれまでの10年から13年へと3年間延長されることです。
借入限度額についても、省エネ性能の高い中古住宅には手厚い枠が維持されます。
これにより、環境性能に優れた中古住宅を選択する際のメリットが大きくなり、新築一辺倒ではない多様な住まいの選択が可能になります。
新築住宅の借入限度額はどうなる?
2026年以降に新築住宅を取得する場合、住宅の省エネ性能が借入限度額を決定するうえで重要な基準となります。
認定住宅やZEH水準省エネ住宅といった高性能な住宅は引き続き高い限度額が維持されますが、省エネ基準適合住宅は段階的に縮小され、基準を満たさない住宅は対象外となります。
ここでは、住宅の性能ごとに具体的な借入限度額を見ていきましょう。
(参考:令和8年度住宅税制改正概要|国土交通省)
認定住宅(長期優良・低炭素)
認定住宅とは、国が定める基準をクリアした高性能な住宅のことで、具体的には「長期優良住宅」や「低炭素住宅」が該当します。これらの住宅は、耐久性や省エネ性能に優れており、税制上も手厚い優遇措置の対象となります。
認定住宅(長期優良・低炭素)とは?
認定住宅とは、長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられた「長期優良住宅」や、二酸化炭素の排出を抑えるための対策が取られた「低炭素住宅」を指します。
これらの住宅は高い省エネ性能を持つと評価され、借入限度額も手厚く設定されています。2026年以降に入居する場合、借入限度額は4500万円です。
さらに、子育て世帯や若者夫婦世帯が取得する場合は、5000万円まで限度額が上乗せされます。この限度額は、2030年末まで維持される予定です。
ZEH水準省エネ住宅
ZEH(ゼッチ)水準省エネ住宅は、断熱性能の向上や高効率な設備の導入により、消費エネルギーを大幅に削減し、太陽光発電などでエネルギーを創り出すことで、年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロにすることを目指した住宅です。
2026年以降に入居する場合、借入限度額は3500万円に設定されています。
子育て世帯や若者夫婦世帯が取得する場合には、4500万円まで限度額が引き上げられます。この水準も2030年末まで維持される見込みです。
省エネ基準適合住宅
省エネ基準適合住宅は、国が定める省エネルギー基準を満たす住宅のことです。断熱性能や一次エネルギー消費量に関する基準が設けられています。
2026年および2027年に入居する場合、借入限度額は2000万円(子育て・若者夫婦世帯は3000万円)に引き下げられます。
さらに、2028年以降に入居する場合、新築の省エネ基準適合住宅は原則として住宅ローン控除の適用対象外となります。ただし、2027年末までに建築確認を受けた住宅など、一定の要件を満たす場合は、借入限度額2000万円、控除期間10年で対象となる経過措置が設けられています。
その他の住宅(省エネ基準非適合)
省エネ基準を満たさない「その他の住宅(一般住宅)」については、制度の対象から外れる方向性がより明確になりました。
2026年以降、新築で取得する一般住宅は、住宅ローン控除の適用を受けられなくなります。
ただし、不動産業者がリフォームなどを行って販売する「買取再販」の一般住宅については、借入限度額2000万円、控除期間10年で引き続き控除の対象となります。これは、既存住宅ストックの活用を促す観点からの措置と考えられます。
中古住宅の借入限度額と控除期間の変更
2026年からの改正では、中古住宅市場の活性化を目指し、購入者にとって有利な変更が加えられます。省エネ性能の高い中古住宅を取得する場合、控除期間が延長されるなど、税制上のメリットが増加します。
ここでは、中古住宅に関する具体的な変更点について、控除期間と性能別の借入限度額に分けて解説します。
(参考:令和8年度税制改正の大綱|財務省)
控除期間が10年から13年に延長
2026年度の税制改正における中古住宅の変更点の1つが、控除期間の延長です。
これまで中古住宅の控除期間は原則10年間でしたが、2026年以降に入居する場合、以下の省エネ性能を持つ中古住宅の控除期間が、現行の10年から13年に3年間延長されます。
- 認定住宅(長期優良・低炭素)
- ZEH水準省エネ住宅
- 省エネ基準適合住宅
この変更により、質のよい中古住宅を購入した場合、新築の高性能住宅と同様に長期間の税負担軽減が期待できるようになります。
長期優良・ZEH水準住宅の限度額
認定住宅(長期優良・低炭素)やZEH水準省エネ住宅といった高性能な中古住宅を取得する場合、借入限度額は3500万円に設定されます。
さらに、子育て世帯や若者夫婦世帯がこれらの住宅を取得する場合には、限度額が4500万円まで上乗せされる優遇措置の対象となります。
控除期間も13年に延長されるため、高性能な中古住宅は新築に匹敵する減税メリットを受けられることになります。
省エネ基準適合住宅の限度額
省エネ基準を満たす中古住宅の場合、2026年以降の借入限度額は2000万円となります。
子育て世帯や若者夫婦世帯が取得する場合には、限度額が3000万円に引き上げられます。
控除期間は13年に延長されるため、現行制度よりも有利な条件で減税を受けられます。新築の同等性能の住宅よりも限度額は低く設定されていますが、中古住宅市場の活性化を促す内容となっています。
一般住宅(性能非適合)の扱い
省エネ基準を満たさない一般の中古住宅についても、引き続き住宅ローン控除の対象となります。
2026年以降に入居する場合、借入限度額は2000万円、控除期間は10年で、現行制度から変更はありません。
省エネ性能の高い住宅のような優遇措置の拡充はありませんが、制度の対象として維持されることで、幅広い中古住宅が減税の恩恵を受けられるようになっています。
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床面積要件の緩和
住宅ローン控除を受けるためには、住宅の床面積が一定以上である必要があります。2026年からの改正では、この床面積要件の緩和措置が拡充され、より多くの住宅が対象となります。
(参考:令和8年度住宅税制改正概要|国土交通省)
新築・中古ともに40平米以上に
原則として、住宅ローン控除の対象となる住宅の床面積は50平方メートル以上と定められています。
しかし、2026年からの改正では、合計所得金額が1000万円以下の人に限り、床面積が40平方メートル以上50平方メートル未満の住宅も対象となる緩和措置が、新築・中古の区分なく適用されることになりました。
現行制度では、この緩和措置は特定の新しい住宅(特例居住用家屋など)に限られていましたが、2026年からは中古住宅にも適用範囲が広がり、都心部のコンパクトな住宅なども減税の対象となりやすくなります。
所得制限は継続
住宅ローン控除を適用するための所得要件については、現行制度から変更なく継続されます。
具体的には、減税の適用を受ける年分の合計所得金額が2000万円以下である必要があります。合計所得金額が2000万円を超えた年は、住宅ローン控除を受けることができません。
なお、前述の床面積40平方メートル以上50平方メートル未満の緩和措置を受ける場合は、より厳しい所得要件(合計所得金額1000万円以下)が適用される点に注意が必要です。
災害レッドゾーンの新築住宅は対象外に
安全・安心な住まいの実現という観点から、2026年の改正では災害リスクの高い区域に関する新たな要件が設けられます。2028年1月1日以降、特定の災害危険区域(レッドゾーン)内に新築された住宅は、原則として住宅ローン控除の対象外となります。
対象となる災害レッドゾーン
住宅ローン控除の対象外となる「災害危険区域等(レッドゾーン)」には、以下の区域が含まれます。
- 災害危険区域
- 地すべり防止区域
- 急傾斜地崩壊危険区域
- 土砂災害特別警戒区域
- 浸水被害防止区域
これらの区域は、自然災害による被害のリスクが高いと指定されています。これから土地を購入して新築を検討する場合は、自治体が公表しているハザードマップなどで、建設予定地がこれらの区域に該当しないか事前に確認することが不可欠です。
既存住宅の購入・建て替えは対象
災害レッドゾーンに関する規制は、あくまで「新たに当該区域内に住宅を新築する場合」が対象です。
そのため、以下のケースは引き続き住宅ローン控除の対象となります。
- レッドゾーン内にある中古住宅(既存住宅)を購入する場合
- レッドゾーン内にある元の家を建て替える場合
このルールは、危険な区域に新たに居住人口を増やすことを抑制しつつ、既に当該区域に居住している人の建て替えや、既存ストックの活用は妨げないという趣旨に基づいています。
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住宅ローン控除を最大限活用するポイント
新しい住宅ローン控除制度を最大限に活用するためには、いくつかの重要なポイントがあります。制度の変更点を正しく理解し、自身の状況に合わせた最適な選択をすることが、税負担の軽減につながります。
省エネ性能の高い住宅を選ぶ
新制度では、住宅の省エネ性能が借入限度額や控除期間に直接影響します。認定住宅やZEH水準省エネ住宅など、性能の高い住宅ほど減税メリットが増加します。
新築の場合、2028年以降は省エネ基準適合住宅が原則対象外となるため、長期的な視点で見ても高性能な住宅を選ぶ価値は高いといえます。住宅選びの際は、価格や立地だけでなく、省エネ性能のレベルを必ず確認しましょう。
子育て・若者夫婦世帯の要件を確認
自身が子育て世帯(19歳未満の子あり)または若者夫婦世帯(夫婦いずれかが40歳未満)に該当する場合、借入限度額の上乗せ措置を受けられます。
この優遇措置は、ZEH水準や省エネ基準適合住宅において、通常の場合と比べて1000万円も限度額が引き上げられるなど、メリットが大きいです。住宅取得時の年齢や家族構成を正確に把握し、自身が対象となるかを確認することが鍵となります。
確定申告の準備を早めに
住宅ローン控除を受けるためには、入居した翌年に必ず確定申告を行う必要があります。会社員の場合、2年目以降は年末調整で手続きが可能ですが、初年度は自身での申告が必須です。
申告には、売買契約書の写しや登記事項証明書、源泉徴収票、住宅ローン残高証明書など、多くの書類が必要となります。制度が新しくなるタイミングでもあるため、必要な書類や手続きについて早めに情報収集し、準備を進めておくと安心です。
災害リスクを事前に確認
2028年1月1日以降、災害レッドゾーン内に新築された住宅は減税の対象外となります。土地を購入して注文住宅を建てる場合や、新築の建売住宅を購入する際には、当該土地が対象区域に含まれていないか、必ず事前に確認しましょう。
各自治体が公表しているハザードマップなどを活用し、土砂災害特別警戒区域や浸水被害防止区域などに該当しないかをチェックすることが、後々のトラブルを避けるために不可欠です。
住宅ローン控除に関するよくある質問
ここでは、2026年からの新しい住宅ローン控除制度に関して、多くの方が疑問に思う点についてQ&A形式で解説します。
Q. 2026年の最大控除額は?
年間の最大控除額は、取得する住宅の性能と世帯の状況によって決まります。
控除額が大きくなるのは、子育て・若者夫婦世帯が認定住宅を取得した場合で、年間の最大控除額は35万円(借入限度額5000万円 × 控除率0.7%)です。13年間で最大455万円の控除が受けられる計算になりますが、実際の控除額は毎年のローン残高によって変動します。
Q. 所得制限はある?
はい、所得制限はあります。住宅ローン控除の適用を受ける年の合計所得金額が2000万円以下である必要があります。この基準は2026年以降も変更ありません。
また、床面積40平方メートル以上50平方メートル未満の住宅で減税を受ける場合は、より厳しい所得要件(合計所得金額1000万円以下)が適用される点にも注意が必要です。
Q. 中古住宅と新築どちらが有利?
一概にどちらが有利とはいえません。有利不利は、取得する住宅の省エネ性能や世帯の状況によって異なります。
今回の改正では、省エネ性能の高い中古住宅の控除期間が13年に延長されるなど、中古住宅市場への優遇が拡充されました。一方で、新築の高性能住宅は依然として高い借入限度額が設定されています。自身のライフプランや予算に合わせて、両方の選択肢を比較検討することをおすすめします。
まとめ
2026年度税制改正による住宅ローン控除(住宅ローン減税)の見直しは、「2030年までの5年延長」「省エネ性能の重視」「中古住宅の優遇拡充」の3点が柱です。
これからの住宅選びでは、省エネ性能が減税額に直結する重要な要素となります。新築住宅を検討する際は、認定住宅やZEH水準といった高性能な住宅を選ぶメリットがより増加しました。
また、質のよい中古住宅も控除期間が延長されるなど、魅力的な選択肢となっています。
自身のライフプランや所得、家族構成などを踏まえ、新しい制度を最大限に活用できる住宅選びを進めましょう。
将来の家計やライフプランに少しでも不安がある方は、まずは手軽なシミュレーションで、自身の状況を客観的に把握してみてはいかがでしょうか?
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監修
黒澤 伸
- 税理士/社会保険労務士/CFP®認定者
東京都出身。中央大学商学部会計学科を卒業後、東京国税局に入局。国税庁、東京国税局等に38年間勤務し、2023年に高松国税局長を最後に退官。同年、黒澤伸税理士事務所を開設し、2024年には社会保険労務士としても登録。現在は、税務・会計、社会保険、労働保険等の士業務を中心に、CFPとして事業者のトータルサポートを行っている。
執筆
マネイロメディア編集部
- お金のメディア編集者
マネイロメディアは、資産運用に関することや将来資金に関することなど、お金にまつわるさまざまな情報をお届けする「お金のメディア」です。正確かつ幅広い年代のみなさまにわかりやすい、ユーザーファーストの情報提供に努めてまいります。

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