
変動金利と固定金利どっちを選ぶ?後悔しない住宅ローンの選び方を徹底解説
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住宅ローンの契約で多くの人が頭を悩ませるのが、「変動金利」と「固定金利」のどちらを選ぶかという問題です。
金利の低さで変動金利に魅力を感じつつも、将来の金利上昇リスクを考えると不安になる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、変動金利と固定金利の基本的な仕組みから、それぞれのメリット・デメリット、そして自身のライフプランや家計状況に合わせた最適な金利タイプの選び方まで、お金の専門家が分かりやすく解説します。
- 変動金利と固定金利の基本的な仕組みと金利差が生まれる理由
- それぞれのメリット・デメリットと、どのような人に向いているかの特徴
- 将来の金利変動リスクに備え、後悔しないための具体的な判断ステップ
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変動金利と固定金利、なぜ迷うのか?
住宅ローンの金利タイプ選びで多くの人が迷う根本的な理由は、「金利の低さ」と「将来のリスク」がトレードオフの関係にあるためです。
変動金利は当初の金利が低い一方で将来金利が上昇する可能性があり、固定金利は金利が変わらない安心感がある代わりに当初の金利が高めに設定されています。
この選択は、将来の経済動向という不確実な要素を考慮しながら、自身の家計状況と向き合う必要があるため、決断が難しくなるのです。
金利差が生む総返済額の違い
住宅ローンのような長期借入では、わずかな金利差でも総返済額に大きな差が生じます。
たとえば3000万円を35年・元利均等返済で借りた場合、金利が1.0%と1.5%では、総返済額に数300万円の差が出ます。月々の返済額の差は約7000円で、差は小さく見えても、返済期間が長いほど利息負担は累積し、家計への影響は大きくなります。
金利を比較する際は、毎月の返済額だけでなく、総返済額ベースで判断することが重要です。長期視点でコストを把握することが、合理的なローン選択につながります。
将来の金利上昇リスクへの不安
変動金利を選ぶ際に懸念されるのが、将来の金利上昇リスクです。住宅金融支援機構の調査によると、変動金利型住宅ローンの利用者の約5割が、金利変動リスクに対して不安を感じるようになったと回答しています。
将来の金利動向を正確に予測することは、経済の専門家であっても不可能です。この「予測できない」という不確実性が、多くの人にとって大きな不安材料となり、変動金利の低金利というメリットを享受することを躊躇させる要因となっています。
(参考:住宅ローン利用者の実態調査結果|2025年10月調査|住宅金融支援機構)
変動金利と固定金利の基本的な違い
住宅ローンを選ぶ上で、変動金利と固定金利の仕組みを理解することは不可欠です。それぞれの金利が何に連動して決まるのか、そしてなぜ両者の間に金利差が生まれるのか。
基本的な違いを解説します。
変動金利の仕組みと特徴
変動金利は、市場の金利動向に合わせて定期的に適用金利が見直されるタイプの住宅ローンです。一般的に、金利の見直しは半年に1回行われます。
この金利は、日本銀行が決定する政策金利の影響を受けやすい「短期プライムレート」を基準に各金融機関が決定します。
多くの金融機関では、金利が急上昇した際の返済者の負担を軽減するため、以下の2つのルールを設けています。
- 5年ルール: 金利が上昇しても、5年間は毎月の返済額が変わらないルール。
- 125%ルール: 6年目に返済額が見直される際、それまでの返済額の1.25倍を上限とするルール。
これらのルールにより急激な返済額の増加は抑えられますが、上昇した分の利子が免除されるわけではなく、元本の返済ペースが遅れる「未払利子」が発生する可能性がある点には注意が必要です。

固定金利の仕組みと特徴
固定金利は、借入時に定めた金利が、決められた期間中は変わらないタイプの住宅ローンです。この金利は、主に「10年物国債の利回り(長期金利)」に影響を受けます。
固定金利には、分けて2つの種類があります。
- 全期間固定金利型: 借入時から完済まで金利が一切変わらないタイプ。返済計画が立てやすいのが最大のメリットです。代表的なものに住宅金融支援機構の「フラット35」があります。
- 固定金利期間選択型: 「当初10年」など、一定期間だけ金利を固定するタイプ。固定期間が終了すると、この時点の金利で再度固定期間を設定するか、変動金利に切り替えるかを選択します。
固定金利は、将来の金利上昇リスクを回避できる安心感が特徴です。
金利差が生まれる理由
変動金利と固定金利の間に金利差が存在する理由は、金利変動のリスクを誰が負うかという点にあります。
- 変動金利: 将来の金利が上昇した場合、この影響(リスク)は住宅ローンを借りる人(借り手)が負います。金融機関はリスクを負わないため、その分、金利を低く設定できます。
- 固定金利: 将来の金利が上昇しても、借り手の返済額は変わりません。この代わり、金利変動のリスクは金融機関(貸し手)が負うことになります。金融機関はこのリスクをあらかじめ金利に上乗せするため、変動金利よりも金利が高く設定されるのです。
つまり、金利の低さはリスクの裏返しであり、金利の高さは安心感の対価と考えることができます。
変動金利のメリット・デメリット
変動金利は、金利の低さが魅力ですが、将来の支払いに不確実性も伴います。ここでは、変動金利を選ぶことで得られるメリットと、注意すべきデメリットを具体的に解説します。
変動金利のメリット
変動金利のメリットは、主に以下の2点です。
1. 借入当初の金利が低い
最大のメリットは、固定金利に比べて借入当初の金利が低く設定されていることです。これにより、返済開始当初の毎月の返済額を抑えることができます。
家計に余裕が生まれ、その分を貯蓄や他の支出に回すことも可能です。
2. 低金利が続けば総返済額が少なくなる
市場の低金利状況が続いた場合、固定金利よりも低い金利の恩恵を受け続けられるだけでなく、総返済額を固定金利よりも少なく抑えられる可能性があります。
金利が低い分、元本の返済も早く進むため、返済効率が高くなる点もメリットです。
変動金利のデメリット
変動金利には、将来の金利変動に伴うデメリットが存在します。
1. 金利上昇で返済額が増えるリスク
大きなデメリットは、将来金利が上昇すると、毎月の返済額が増える可能性があることです。
日本は長らく低金利が続いていましたが、これに慣れてしまうと金利上昇時の負担増に対応できなくなることも考えられます。
低い金利だけで返済計画を立てるのではなく、金利上昇時の返済についても、数パターン確認しておくと安心です。
2. 返済計画が立てにくい
将来の返済額が確定していないため、長期的な返済計画やライフプランが立てにくいという側面があります。
子どもの教育費など、将来の大きな支出に備える上で、住宅ローンの返済額が不確定なのは不安要素となり得ます。

3. 元金の減りが遅くなる可能性
急激な金利上昇によって「5年ルール」や「125%ルール」が適用された場合、返済額の増加は抑えられますが、毎月の返済額の多くが利子の支払いに充てられ、元金の返済が計画通りに進まなくなる可能性があります。
最悪の場合、利子の支払いだけで元金が全く減らない、あるいは未払利子が発生するケースも考えられます。
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固定金利のメリット・デメリット
固定金利は、返済額が変わらない安心感が最大の魅力です。しかし、この安心感と引き換えに、変動金利にはないデメリットも存在します。
ここでは、固定金利のメリットとデメリットを整理します。
固定金利のメリット
固定金利のメリットは、将来の安心感と計画性の立てやすさにあります。
1. 返済額が完済まで変わらない
最大のメリットは、借入時から完済まで毎月の返済額と総返済額が確定することです。
将来、市場金利がどれだけ上昇しても、自身の返済額には影響がありません。金利の動向に一喜一憂することなく、安心して返済を続けられます。
2. 長期的な資金計画が立てやすい
毎月の返済額が一定であるため、子どもの教育費や老後資金など、将来を見据えた長期的な資金計画が立てやすくなります。
住宅ローンの支出が固定されることで、家計管理がしやすくなる点は大きな利点です。
固定金利のデメリット
固定金利のデメリットは、金利の高さと市場金利変動への非対応性にあります。
1. 借入当初の金利が高い
一般的に、変動金利と比較して適用金利が高めに設定されています。金融機関によっては1%以上の差が生じることもあり、その分、毎月の返済額は変動金利よりも高くなります。
2. 市場金利が下がっても返済額は変わらない
金利上昇の影響を受けない一方で、市場金利が低下してもこの恩恵を受けることができません。
返済期間中に低金利が続いた場合、あるいは将来金利が上昇から下落に転じる場合など、ケースにもよりますが、「変動金利で借りていれば総返済額がもっと少なかった」という結果になる可能性があります。
変動金利が向いている人・固定金利が向いている人
変動金利と固定金利、どちらが優れているというわけではありません。自身の家計状況やライフプラン、そしてリスクに対する考え方によって、最適な選択肢は異なります。
それぞれの金利タイプがどのような人に向いているのかを解説します。
変動金利が向いている人
変動金利は、金利上昇リスクに対応できる人に向いています。具体的には、以下のような特徴を持つ人です。
- 資金に余裕がある人: 貯蓄が十分にある、あるいは収入が高く、万が一金利が上昇しても繰り上げ返済などで対応できる人。金利が低い期間に、上昇した場合の返済額との差額分を貯蓄しておくといった対策が考えられます。
- 借入額が少ない、または返済期間が短い人: 借入額自体が少なければ、金利が上昇しても返済額への影響は限定的です。また、返済期間が短ければ、金利上昇リスクにさらされる期間も短くなります。
- 共働きなどで将来の収入増が見込める人: 今後、世帯収入が増える見込みがあれば、金利が上昇しても家計への負担を吸収しやすくなります。
- 金利動向を定期的にチェックできる人: 市場の動向をこまめに確認し、必要に応じて借り換えや繰り上げ返済といった対策を迅速に取れる人も向いています。
固定金利が向いている人
固定金利は、返済額の安定性を重視する人に向いています。具体的には、以下のような特徴を持つ人です。
- 返済額の増加に不安がある人: 住宅ローンの返済で家計に余裕がない、または貯蓄が少ないなど、金利上昇による返済額の増加に対応するのが難しい人。返済額を確定させることで、安心して生活設計を立てられます。
- 将来の支出増が見込まれる人: 子どもの教育費や親の介護費用など、今後大きな支出が予測される人。住宅ローンの返済額を固定しておくことで、他の支出増に備えやすくなります。
- 計画的に返済したい人: 金利の変動に一喜一憂せず、毎月決まった額を確実に返済していきたいと考える人。長期的な資金計画をきっちり立てたい人にも適しています。
2026年の金利環境と今後の見通し
住宅ローンの金利タイプを選ぶ上で、現在の金利環境と今後の見通しを把握することは欠かせません。
歴史的な金融政策の転換点を迎えた今、金利はどのように動いているのでしょうか。専門家の予測も交えながら解説します。

現在の金利水準
2024年3月、日本銀行はマイナス金利政策の解除を決定し、日本の金融政策は大きな転換点を迎えました。これにともない、住宅ローンの金利にも変動が見られます。
- 変動金利: 政策金利の引き上げを受け、多くの金融機関で変動金利が上昇しました。しかし、顧客獲得競争が激しいこともあり、引き上げ幅は限定的で、依然として低水準で推移しています。
- 固定金利: 変動金利の基準となる政策金利よりも先に、長期金利が上昇傾向にありました。そのため、固定金利は変動金利に先行して上昇しています。
全体として、長らく続いた超低金利時代は終わりを告げ、緩やかな金利上昇局面に入ったと認識しておく必要があります。
固定金利が有利になる分岐点
変動金利を選ぶか固定金利を選ぶか、損得の分岐点はどこにあるのでしょうか。1つの考え方として、変動金利がどの程度上昇すれば、当初の金利差を埋めて固定金利の総返済額を上回るかという視点があります。
例えば、変動金利が年0.7%、固定金利(フラット35)が年1.9%の場合、金利差は年1.2%です。この差を埋めるには、通常0.25%ずつ行われる政策金利の引き上げが、単純計算で5回必要になります(0.25% × 5回 = 1.25%)。
つまり、返済期間中に5回以上の利上げが行われ、1.9%以上の高い金利水準が長期間続くと予測するならば固定金利が有利になる可能性はあります。
ただし、固定金利に追いつくまでの期間は、固定金利の方が高い金利を負担しています。また、長い返済期間中には、金利の上昇後に下落に転じる可能性も考えられます。
そのため、単純に金利差のみで計算するよりも、いくつかの条件でシミュレーションをしてから、有利になる分岐点を探すのも一つの方法です。どちらの金利が有利か、自分なりの判断基準を持つことができます。
金利予測の難しさと心理的安心感の重要性
将来の金利動向を正確に予測することは、エコノミストなどの専門家でも極めて困難です。さまざまな予測は存在するものの、あくまで1つのシナリオに過ぎません。
そのため、金利タイプを選ぶ際には、数字上の損得勘定だけでなく、自身が精神的に安心して返済を続けられるかという「心理的安心感」も重要な判断材料となります。
たとえ変動金利のほうが総返済額が少なくなる可能性が高くても、日々の金利動向に一喜一憂してストレスを感じるのであれば、それは最適な選択とはいえないかもしれません。
逆に、多少金利が高くても、返済額が確定している固定金利の安心感を重視するというのも、合理的な判断です。
金利タイプを選ぶ際の具体的な判断ステップ
変動金利と固定金利のどちらを選ぶべきか、最終的な判断を下すための具体的な思考プロセスを3つのステップに分けて解説します。
これらのステップを踏むことで、自身の状況に合った後悔のない選択に近づけるでしょう。
家計の余裕度をチェックする
最初のステップは、現状の家計を正確に把握し、金利上昇への耐性を確認することです。まずは毎月の収入と支出を洗い出し、どれくらいの金額を住宅ローン返済に充てられるかを明確にしましょう。
その上で、返済シミュレーションツールを活用し、金利が1%、2%と上昇した場合に毎月の返済額がいくらになるかを試算します。その上昇後の返済額でも、家計が破綻することなく無理なく支払いを続けられるかを確認することが大切です。
この「余裕度」が、変動金利を選べるかどうかの1つの大きな判断基準となります。
ライフプランから逆算する
次に、将来のライフイベントとそれに伴う支出を予測します。例えば、以下のようなイベントが考えられます。
- 子どもの進学(入学金、授業料)
- 車の購入や買い替え
- 親の介護費用の発生
- 自身のキャリアプラン(転職、独立、産休・育休)
これらの支出が増える時期に、住宅ローンの返済額も増加すると、家計への負担は二重になります。
将来的に大きな支出が見込まれる期間は、返済額が確定している固定金利を選ぶ、あるいはこの時期までに繰り上げ返済を進めておくなど、ライフプランから逆算して金利タイプや返済計画を考えることが大切です。
リスク許容度を見極める
最後のステップは、自身の性格や価値観を踏まえ、金利変動リスクをどの程度受け入れられるかを見極めることです。これは、家計の余裕度とは別の、心理的な側面です。
- 合理性重視タイプ: 「多少のリスクはあっても、総返済額が少なくなる可能性が高いほうを選びたい」と考えるなら、変動金利が向いているかもしれません。
- 安定性重視タイプ: 「将来の不確実性は避けたい。金利の動向を気にせず、安心して暮らしたい」と考えるなら、固定金利が適しているでしょう。
どちらがよい悪いという問題ではありません。自身が納得し、長期にわたって安心して返済を続けられる選択をすることが肝となります。
ミックスローンという選択肢
「変動金利の低金利も魅力的だけど、固定金利の安心感も捨てがたい」という人には、両方の特徴を組み合わせた「ミックスローン」という選択肢もあります。
変動と固定、両方のメリットを活かすことができる返済方法ですが、デメリットもあります。
ミックスローンの仕組み
ミックスローンとは、1つの住宅ローンの借入額を2つに分け、それぞれを変動金利と固定金利で契約する方法です。例えば、借入額4000万円のうち、2000万円を変動金利、残りの2000万円を全期間固定金利で借り入れる、といった形です。
期間選択型固定金利と全期間固定金利の組み合わせなど、固定金利同士で組める場合もあります。
それぞれのローンの組み合わせの割合は、金融機関が許容する範囲で自由に設定できます。「リスクを抑えたいから固定の割合を多めに」「返済額を抑えたいから変動の割合を多めに」など、自身の考え方に合わせてカスタマイズできるのが特徴です。
ミックスローンのメリット・デメリット
ミックスローンには、メリットとデメリットの両方があります。
メリット
- 金利上昇リスクを分散できる
- 金利タイプを自由に組み合わせられる
デメリット
- 手続きや管理が煩雑になる
- ローン数の分だけ手数料が必要
ミックスローンは、変動金利と固定金利のリスクとリターンを中間にする選択肢です。どちらか一方に決めきれない場合に有効な方法ですが、仕組みをよく理解した上で検討することが鍵となります。
借り換えのタイミングと注意点
住宅ローンは一度契約したら終わりではありません。市場の金利動向や自身のライフプランの変化に応じて、より有利な条件のローンに乗り換える「借り換え」を検討することも必須です。
借り換えを考えるべきタイミングと、その際の注意点を解説します。
借り換えを検討すべきタイミング
一般的に、住宅ローンの借り換えを検討するとメリットが出やすいのは、以下の条件を満たす場合とされています。
- 借り換え後の金利が現在より年1%以上低い
- ローンの残高が1000万円以上ある
- 残りの返済期間が10年以上ある
これらの条件はあくまで目安で、すべてを満たす必要はありません。たとえば、変動金利で借りていて、今後の金利上昇が強く懸念される場合には、上記の目安に達していなくても固定金利への借り換えを検討する価値はあります。
また、現在よりも保障内容が充実した団体信用生命保険を提供している金融機関へ借り換えるという選択肢も考えられます。この場合は、あらためて審査が必要になるので、健康状態の変化にも注意が必要です。
借り換えの注意点とコスト
住宅ローンの借り換えには、いくつかの注意点があります。新たなコストも生じるので、とくに残高が多い場合は慎重に検討する必要があります。
- 諸費用がかかる: 借り換えは新規のローン契約となるため、事務手数料、保証料、登記費用、印紙税などの諸費用が発生します。金利が下がっても、これらの費用を含めるとメリットが小さくなる場合があります。
- 再度審査が必要: 借り換え先の金融機関で、あらためて住宅ローンの審査を受ける必要があります。申込時の収入状況や信用情報によっては、審査に通らない可能性もあります。
- 団信への再加入が必要: 団体信用生命保険にも新たに加入し直す必要があります。最初の契約時よりも年齢が上がっているため、健康状態によっては加入できず、借り換えができないケースもあります。
- タイミングが重要: 変動金利から固定金利へ借り換える場合、変動金利の上昇を確認してからでは、固定金利はすでに上昇している可能性があります。金利上昇局面では、固定金利が先に上がる傾向があることを念頭に置く必要があります。
金利タイプ選びで失敗しないための考え方
住宅ローンの金利タイプ選びは、将来の家計を左右する重要な決断です。最後に、後悔しない選択をするための基本的な考え方を3つのポイントにまとめました。
正解は人それぞれ
変動金利と固定金利、どちらが正しいという答えはありません。なぜなら、最適な選択は収入、貯蓄、家族構成、ライフプラン、そしてリスクに対する考え方によって全く異なるためです。
インターネット上の情報や他人の選択は参考にはなりますが、その方法が自分に合っているかどうかについての判断は、自身の状況を客観的に分析した後の方がよいでしょう。
家族にとって何が一番重要か(返済額の低さか、将来の安心か)を話し合い、納得のいく結論を出すことが大切です。
選んだ後も定期的に見直す
住宅ローンは、一度契約したら終わりというわけではありません。返済は長期にわたるため、この間に市場の金利環境や自身の家計状況、ライフプランは変化する可能性があります。
少なくとも年に1回は、現在のローン契約内容と市場の金利動向を確認する習慣をつけましょう。そして、より有利な条件のローンがあれば、借り換えを検討することも大事です。
選んだ後も継続的に関心を持ち、状況に応じて見直すという姿勢が、長期的な返済負担を軽減する鍵となります。
金利だけでなく総合的に判断する
住宅ローンを選ぶ際、どうしても金利の低さに目が行きがちですが、それだけで判断するのは危険です。以下の要素も総合的に比較検討することが、失敗しないためのポイントです。
- 団体信用生命保険(団信)の保障内容: がんや三大疾病などの特約が付いているか、保障内容は手厚いか。
- 各種手数料: 繰り上げ返済手数料は無料か、保証料はいくらかかるか。
- サービスの利便性: インターネットでの手続きはしやすいか、相談窓口は充実しているか。
金利が多少高くても、団信の保障が手厚い、あるいは手数料が安いなど、トータルで見て自身にとってメリットが大きい金融機関を選ぶという視点も大切です。
変動金利と固定金利に関するよくある質問
ここでは、住宅ローンの変動金利と固定金利に関して、多くの方が抱く疑問についてQ&A形式で簡潔にお答えします。
変動金利と固定金利、どちらを選ぶ人が多い?
住宅金融支援機構の「住宅ローン利用者の実態調査(2025年4月調査)」によると、住宅ローン利用者の約79.0%が変動金利を選んでいます。固定期間選択型が約12.2%、全期間固定型が約8.8%となっており、現状では変動金利を利用している人が多数派です。
ただし、今後5年以内に住宅ローンを利用して住宅を取得する計画がある人を対象とした調査では、変動型を希望する人は37.1%で1.6ポイント減少、固定期間選択型は32.3%で1.0ポイント減少、反対に全期間固定型が30.7%で2.7ポイント上昇しています。
長らく続いた低金利環境を背景に、多くの人が当初の返済額を抑えたいと考え、変動金利型を選択していましたが、現在は金利が上昇しつつある局面です。
変動型が支持されてきた状況は、固定金利型を検討する人が増えていることからわかるとおり、変化しつつあるのかもしれません。
変動金利が上がった5年後はどうなる?
多くの金融機関が採用している「5年ルール」と「125%ルール」が適用される場合、金利が上昇しても5年間は毎月の返済額は変わりません。
6年目の見直し時に、それまでの返済額の1.25倍を上限として新しい返済額が設定されます。例えば、月10万円返済していた場合、新しい返済額は最大でも12万5000円になります。
ただし、金利が大幅に上昇した場合、この5年間で支払うべき利子が実際の返済額を上回り、「未払利子」が発生する可能性があります。この未払利子は、その後の返済に上乗せされるため注意が必要です。
固定金利から変動金利への変更は可能?
契約内容によって異なります。
- 固定金利期間選択型の場合: 当初10年などの固定期間が終了したタイミングで、変動金利に変更することは可能です。
- 全期間固定金利型の場合: 原則として、返済途中で変動金利に変更することはできません。金利タイプを変更したい場合は、変動金利を扱う別の金融機関に「借り換え」を行う必要があります。
金利タイプの変更ルールは金融機関や商品によって異なるため、契約前に必ず確認しておくことが必須です。
まとめ
住宅ローンの変動金利と固定金利の選択は、将来の家計を左右する重要な決断です。
変動金利は当初の返済額を抑えられるメリットがある一方、金利上昇リスクをともないます。対照的に、固定金利は返済額が変わらない安心感がありますが、当初の金利は高めです。
どちらか一方に正解はなく、自身の家計の状況、将来のライフプラン、そしてリスクに対する考え方によって最適な選択は異なります。本記事で解説したそれぞれの特徴や判断ステップを参考に、自身の状況を客観的に分析し、納得のいく選択をしましょう。
また、住宅ローンは借りた後も定期的に見直し、必要に応じて借り換えを検討することも大切です。
住宅ローンの選択は、将来の資産形成にも大きく影響します。自身の家計状況を客観的に把握し、最適な計画を立てるために、まずは専門家の診断ツールを活用してみてはいかがでしょうか。
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監修
土屋 史恵
- ファイナンシャルプランナー/金融ライター/編集者
神戸市外国語大学卒業後、外資系生命保険会社、都市銀行にてリテール営業、法人営業に携わる。遺言信託など資産承継ビジネスに強み、表彰歴あり。その後は長年の金融機関勤務経験を活かし、金融メディアに転職。記事執筆や編集などを担当。現在はフリーランスとして活動中。AFP、FP2級、証券外務員一種を保有。
執筆
マネイロメディア編集部
- お金のメディア編集者
マネイロメディアは、資産運用に関することや将来資金に関することなど、お金にまつわるさまざまな情報をお届けする「お金のメディア」です。正確かつ幅広い年代のみなさまにわかりやすい、ユーザーファーストの情報提供に努めてまいります。
