
不動産投資信託(REIT)とは?仕組みや特徴、種類を解説
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「不動産投資に興味はあるけれど、多額の資金が必要そうで手が出せない」と感じていませんか。不動産投資信託(REIT)なら、少額から気軽に不動産に投資することが可能です。
本記事では、不動産投資信託の基本的な仕組みから、メリット・デメリット、具体的な選び方のポイントまで、初心者の方にも分かりやすく解説します。自身の資産形成に不動産投資信託をどう活かせるか、検討してみましょう。
- 不動産投資信託(REIT)は少額から不動産に投資できる仕組みであること
- 安定した分配金やインフレヘッジ効果などのメリットがあること
- 価格変動や金利上昇などのリスクを理解して選ぶ必要があること
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不動産投資信託(REIT/J-REIT)とは何か
不動産投資信託(REIT/リート)は、多くの投資家から資金を集め、この資金でオフィスビルや商業施設、マンションといった不動産を購入し、運用する金融商品です。
具体的には、不動産から得られる賃貸収入や売買益を「分配金」として投資家に還元する仕組みになっています。
中でも日本国内の不動産を対象とし、日本の証券取引所に上場しているものは「Japan」の頭文字「J」から、「J-REIT」と呼ばれます。
不動産投資信託の基本的な仕組み
不動産投資信託の仕組みは、専門の会社(投資法人)が投資家に代わって不動産の運用を行う点が特徴です。
まず、投資家は証券会社を通じて「REIT(投資法人が発行する投資証券)」を購入します。投資法人は、そうして集めた資金や金融機関からの借入金を元手に、オフィスビルや商業施設などの不動産を取得します。
取得した不動産をテナントに貸し出すことで得られる賃貸収入から、経費を差し引いた利益が、投資家に分配金として支払われます。このように、「REIT」を保有することで、間接的に不動産のオーナーとなり、この収益を受け取ることが可能です。
J-REITと海外REITの違い
不動産投資信託は世界各国で組成されており、日本の証券取引所に上場している「J-REIT」のほかにも、米国やシンガポール、オーストラリアなど海外の不動産を投資対象とする「海外REIT」も存在します。
J-REITは日本の不動産に投資するため、国内の経済状況や不動産市況の影響を受けます。一方、海外REITは投資対象国の景気や為替レートの変動リスクを負う点が大きな違いです。
海外REITに投資する場合、一般的には海外REITを組み入れた投資信託を通じて行います。これにより、日本にいながら世界各国の不動産に分散投資することが可能になります。
不動産投資信託の特徴・メリット
不動産投資信託(REIT)には、現物の不動産投資にはない、金融商品ならではのメリットがいくつかあります。
主な特徴として、少額から始められる手軽さ、換金のしやすさ、安定した分配金などが挙げられます。これらのメリットを理解することで、自身の資産形成にどう役立つかを具体的にイメージできるでしょう。
少額から始められる
不動産投資信託の大きなメリットは、少額から不動産投資を始められる点です。
現物の不動産を購入する場合、数千万円以上のまとまった資金が必要になることが一般的です。しかし、不動産投資信託は証券取引所に上場しており、銘柄によっては数万円から10万円程度で購入できます。
これにより、資金面のハードルが下がり、幅広い投資家が不動産市場に参加する機会を得られます。
高い換金性と流動性がある
不動産投資信託は証券取引所に上場しているため、株式と同じように市場が開いている時間帯であればいつでも売買が可能です。
現物の不動産は、買い手を見つけるまでに時間がかかり、すぐに現金化することが難しい場合があります。
一方、不動産投資信託は取引の成立が比較的容易で、数営業日後には現金化できる高い流動性を持っています。急に資金が必要になった場合でも対応しやすい点は、金融商品としての大きな強みです。
安定した分配金収入を得られる
不動産投資信託は、比較的安定した分配金が期待できる点も魅力の1つです。不動産投資信託の主な収益源は、保有する不動産からの賃貸収入です。賃貸契約は通常、長期間にわたるため、景気の変動に左右されにくく、安定した収益が見込めます。
また、J-REITは法律上、利益の90%超を投資家に分配すれば、法人税が実質的に免除される仕組みになっています。このため、得られた利益の多くが投資家に還元されやすく、結果として高い分配金利回りにつながる傾向があります。
複数物件への分散投資ができる
1つの不動産投資信託銘柄を購入するだけで、自動的に複数の不動産へ分散投資できる効果が得られます。
個人で複数の不動産を所有するには莫大な資金が必要ですが、不動産投資信託は1銘柄でオフィスビル、商業施設、住宅など、さまざまな地域や用途の物件に投資しています。
これにより、特定の物件で空室が発生したり、賃料が下落したりした場合でも、他の物件の収益でカバーできるため、リスクを軽減することが可能です。不動産の専門家が物件の選定や管理を行うため、投資家自身が手間をかける必要もありません。
インフレヘッジ効果がある
REITは、インフレーション(物価の上昇)に対する備え、いわゆるインフレヘッジとしての効果が期待できます。
インフレが起こると、一般的にモノの価値が上がり、お金の価値は相対的に下がります。不動産は「実物資産」であるため、インフレ局面ではこの資産価値や賃料が上昇する傾向があります。
REITは不動産を投資対象としているため、インフレによって賃料収入が増加すれば、分配金の増加につながる可能性があります。これにより、インフレによる資産価値の目減りを防ぐ効果が期待できるのです。
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不動産投資信託のデメリットとリスク
不動産投資信託(REIT)は多くのメリットがある一方で、投資である以上、デメリットやリスクも存在します。市場での価格変動や金利の動き、そして投資対象である不動産特有のリスクについて、事前にしっかりと理解しておきましょう。
価格変動リスク
不動産投資信託は証券取引所に上場しているため、この価格(投資口価格)は株式と同様に日々変動します。
不動産市況の悪化や景気の低迷、投資家の需要の減少など、さまざまな要因によって価格が下落し、購入した価格を下回って元本割れとなる可能性があります。
金融市場全体が不安定な状況では、不動産投資信託の価格も影響を受けることがあります。安定した分配金が魅力である一方、価格そのものが変動するリスクは常に念頭に置く必要があります。
金利上昇の影響
不動産投資信託は、不動産を取得する際に金融機関からの借入金を活用することが一般的です。そのため、市場金利が上昇すると、借入金の利払い負担が増加します。
この金利負担の増加は、不動産投資信託の収益を圧迫し、結果として投資家への分配金が減少する要因となり得ます。分配金の減少が懸念されると、不動産投資信託の価格自体も下落する傾向があります。
このように、金利の動向は不動産投資信託の収益性や価格に直接的な影響を与えるため、金融政策や金利のニュースには注意が必要です。
災害リスク
不動産投資信託が保有する不動産は、地震や火災、台風といった自然災害によって損害を受けるリスクがあります。
建物が損傷した場合、修繕費用が発生したり、テナントが退去して賃料収入が減少したりする可能性があります。これにより、不動産投資信託の収益性が悪化し、分配金の減少や価格の下落につながることが考えられます。
多くの不動産投資信託は、こうしたリスクに備えて火災保険や地震保険に加入していますが、保険ですべての損害が補填されるとは限らない点には注意が必要です。
倒産・上場廃止リスク
不動産投資信託を運用する投資法人が、経営不振などにより倒産したり、証券取引所の上場基準を満たせなくなり上場廃止になったりするリスクもゼロではありません。
万が一、倒産や上場廃止に至った場合、不動産投資信託の価格は下落し、投資資金の大部分を失う可能性があります。また、上場廃止になると市場での売買が困難になり、換金性が著しく低下します。
このようなリスクを避けるためには、不動産投資信託の財務状況や、運営を支えるスポンサー企業の信用力などを確認することが必須です。
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不動産投資信託の種類と投資対象
不動産投資信託(REIT)は、投資対象とする不動産の種類(用途)によって、いくつかのタイプに分類されます。それぞれのタイプは異なる特徴やリスク・リターン特性を持っているため、あらかじめ理解しておくことが大切です。
オフィスビル特化型
オフィスビル特化型REITは、名の通り、主な投資対象をオフィスビルとしています。
都心部の大型ビルや主要都市のオフィスビルに投資することが多く、景気が良く企業の業績が向上する局面では、オフィスの需要が高まり賃料も上昇しやすいため、収益の増加が期待できます。
一方で、景気後退期には企業のオフィス移転や縮小により空室率が上昇し、賃料が下落するリスクがあります。景気動向の影響を受けやすいのが特徴です。
住宅(レジデンス)特化型
住宅(レジデンス)特化型REITは、賃貸マンションやアパートなどの居住用不動産を主な投資対象とします。
住居は生活に不可欠であるため、景気の変動による影響を受けにくく、賃料収入が比較的安定しているのが特徴です。このため、他のタイプの不動産投資信託に比べてディフェンシブな(守りの)投資対象とされています。
ただし、人口減少や供給過多が進むエリアでは、空室率の上昇や賃料の下落リスクが考えられます。
商業施設特化型
商業施設特化型REITは、ショッピングセンターや百貨店、都心部の路面店などの商業施設に投資します。
収益はテナントである小売店の売上に連動することが多く、個人の消費動向や景気の影響を強く受けます。好景気で消費が活発な時期には高い収益が期待できますが、不況時にはテナントの撤退や賃料減額のリスクが高まります。
近年では、インターネット通販の拡大が実店舗の売上に与える影響も考慮する必要があります。
物流施設特化型
物流施設特化型REITは、物流倉庫や配送センターなどを投資対象とします。
EC(電子商取引)市場の急速な拡大にともない、物流施設の需要は近年高まっています。テナントは主に物流会社や通販事業者で、長期の賃貸契約を結ぶことが多いため、安定した収益が期待できるとされています。
景気動向の影響を受けにくい一方で、特定のテナントへの依存度が高い場合、この企業の業績が悪化するとリスクになる可能性があります。
ホテル特化型
ホテル特化型REITは、ビジネスホテルやリゾートホテルなどの宿泊施設に投資します。
ホテルの収益は、宿泊客数や宿泊料金に直接影響されるため、景気動向、観光需要、インバウンド(訪日外国人旅行者)の増減などに左右されます。
収益の変動が激しい一方で、観光シーズンや大規模なイベント開催時には大きな収益が期待できるという特徴があります。賃料が固定ではなく、ホテルの売上に応じて変動する契約形態が多いのも特徴です。
総合型
総合型REITは、特定の用途に特化せず、オフィスビル、住宅、商業施設など、複数の異なるタイプの不動産に分散投資します。
さまざまな種類の不動産を組み合わせることで、特定の市場の悪化による影響を緩和し、ポートフォリオ全体のリスクを低減させる効果が期待できます。
安定性を重視する投資家にとっては魅力的な選択肢ですが、特定の分野が好調な局面では、特化型REITほどの高いリターンは得にくいという側面もあります。
不動産投資信託の選び方のポイント
数多くある不動産投資信託(REIT)の中から、どの銘柄を選べばよいか迷う人も多いでしょう。ここでは、不動産投資信託を選ぶ上でのポイントを紹介します。
分配金利回りを確認する
不動産投資信託を選ぶ上で一番の基本的な指標の1つが分配金利回りです。これは、投資額に対して年間にどれくらいの分配金を受け取れるかを示す割合で、以下の式で計算されます。
分配金利回り(%) = 1口あたりの年間分配金予想額 ÷ 投資口価格 × 100
一般的に、この利回りが高いほど収益性が高いと判断できます。J-REIT全体の平均利回りは4%前後で推移することが多いため、これを1つの目安とするとよいでしょう。
ただし、利回りが高すぎる場合は、価格が下落している、あるいは将来の分配金減少リスクを市場が織り込んでいる可能性もあるため、この理由を確認することが重要です。
NAV倍率で割安性を判断する
NAV倍率は、不動産投資信託の現在の価格が割安か割高かを判断するための指標です。NAV(Net Asset Value)とは、不動産投資信託が保有する不動産の価値から負債を差し引いた「純資産価値」を指します。
NAV倍率は以下の式で計算されます。
NAV倍率 = 投資口価格 ÷ 1口あたりのNAV
この倍率が1倍を下回っていると、不動産投資信託の市場価格が純資産価値よりも安く評価されている状態(割安)と判断できます。逆に1倍を上回っている場合は割高とされます。
ただし、将来性への期待から割高になっている場合もあるため、NAV倍率が低いという理由だけで投資を決定せず、他の指標と合わせて総合的に判断することが推奨されます。
稼働率と賃料水準を見る
不動産投資信託の収益の源泉は賃料収入であるため、保有物件の稼働率は重要な指標です。稼働率が高いほど、安定して賃料収入が得られていることを意味します。一般的に、95%以上の稼働率が1つの目安とされています。
また、賃料水準の推移も確認しましょう。周辺の類似物件と比較して賃料が高すぎないか、また、将来的に賃料が上昇する見込みがあるかなどを分析することで、この不動産投資信託の収益安定性や成長性を判断する材料になります。
これらの情報は、各不動産投資信託が公表している決算資料などで確認できます。
スポンサーの信用力を確認する
不動産投資信託の運用には、この設立母体である「スポンサー」企業の役割が重要です。スポンサーは、大手不動産会社や総合商社、金融機関などが務めることが多く、不動産投資信託に対してさまざまな支援を行います。
具体的には、優良な物件の供給、不動産運用のノウハウ提供、資金調達面での信用力補完などが挙げられます。
信用力が高く、不動産事業に強みを持つ企業がスポンサーである不動産投資信託は、安定した成長が期待できます。投資を検討する際には、どのような企業がスポンサーになっているかを確認することも、重要な判断材料の1つです。
不動産投資信託に関するよくある質問
ここでは、不動産投資信託(REIT)に関して、よくある質問とこの回答をまとめました。デメリットやリスクについての疑問を解消し、安心して投資をスタートするための参考にしてみてください。
Q. 不動産投資信託のデメリットは?
不動産投資信託の主なデメリットは、元本が保証されていない点です。市場で価格が変動するため、購入時より価格が下落する「価格変動リスク」があります。
また、金利が上昇すると借入コストが増えて収益が圧迫される「金利上昇リスク」、地震などの「災害リスク」、運用会社が倒産する「倒産・上場廃止リスク」なども存在します。これらのリスクを理解した上で投資判断をすることが大切です。
Q. 不動産投資信託はやめとけといわれる理由は?
「やめとけ」といわれる大きな理由は、金利上昇局面に弱いとされることです。不動産投資信託は借入金で不動産を運用するため、金利が上がると収益が圧迫され、価格が下落しやすくなります。
また、不動産市況が悪化すると、賃料収入や不動産価格が下がり、分配金の減少や元本割れにつながる可能性があることも理由として挙げられます。
ただし、これらはリスクの一側面に過ぎず、長期的に見れば安定した分配金が期待できる投資対象として多くの投資家に支持されているのも確かです。
Q. 初心者におすすめの投資対象は何型?
初心者の方には、まず「総合型」の不動産投資信託から検討することをおすすめします。総合型はオフィス、住宅、商業施設など複数の用途の不動産に分散投資しているため、特定分野の市況悪化による影響を抑えやすい特徴があります。
また、時価総額が大きく、市場での取引が活発な銘柄は流動性が高く、情報も得やすいため、最初の1銘柄として適しているといえるでしょう。特定の分野に興味があれば、そこから「特化型」へ投資を広げていくのがよいでしょう。
まとめ
不動産投資信託(REIT)は、少額から不動産に分散投資ができ、比較的安定した分配金収入が期待できる魅力的な金融商品です。専門家が不動産の選定から運用までを行うため、初心者の方でも始めやすいといえるでしょう。
一方で、価格変動リスクや金利上昇の影響など、注意すべき点も存在します。本記事で解説したメリット・デメリットや選び方のポイントを参考に、自身の投資目的やリスク許容度に合った不動産投資信託を選び、資産形成の一環として活用してみてはいかがでしょうか。
自身の資産状況やリスク許容度から、どのような資産運用が合っているか確認することも大切です。まずは簡単なシミュレーションから始めてみましょう。
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高橋 明香
- ファイナンシャルアドバイザー/CFP®認定者
みずほ証券(入社は和光証券)では、20年以上にわたり国内外株、債券、投資信託、保険の販売を通じ、個人・法人顧客向けの資産運用コンサルティング業務に従事。2021年に株式会社モニクルフィナンシャル(旧:株式会社OneMile Partners)に入社し、現在は資産運用に役立つコンテンツの発信に注力。1級ファイナンシャル・プランニング技能士、一種外務員資格(証券外務員一種)保有。
執筆
マネイロメディア編集部
- お金のメディア編集者
マネイロメディアは、資産運用に関することや将来資金に関することなど、お金にまつわるさまざまな情報をお届けする「お金のメディア」です。正確かつ幅広い年代のみなさまにわかりやすい、ユーザーファーストの情報提供に努めてまいります。




