
「分散投資はやめとけ」は本当?向いている人・向いていない人の判断基準
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「分散投資はリスクが低くて安心」と聞いて始めたものの、思うように資産が増えず「分散投資はやめとけ」という意見も目にして、不安になっていませんか?
そこで本記事では、なぜ分散投資が否定されることがあるのか、その理由について詳しく解説します。
分散投資が自分の投資スタイルに合っているかを見極め、後悔しない資産運用を始めましょう。
- 分散投資が「やめとけ」といわれる5つの理由
- 分散投資が本当に向いている人・向いていない人の特徴
- 失敗しないための具体的な3つのポイント
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分散投資は優れた投資手法だが欠点もある
結論として、分散投資はリスクを抑えながら資産形成を目指す上で、基本となる優れた手法です。
しかし、万能ではなく、投資の目的によっては最適な選択肢にならないこともあります。
「分散投資はやめとけ」という意見が出てくる背景には、手法のメリットとデメリットの誤解や、自身の投資目的と合わないまま実践してしまうケースもあります。
以下で詳しく見ていきましょう。
分散投資が「やめとけ」といわれる理由
分散投資には多くのメリットがある一方で、なぜ「やめとけ」という否定的な意見が出てくるのでしょうか。ここでは、その主な5つの理由を具体的に解説します。
短期で大きな利益は狙えない
分散投資には、複数の資産に資金を分けることで、特定の資産が値下がりした際の影響を和らげる効果があります。
リスク抑制効果の半面、全体の値動きが穏やかになるため、短期間で資産が数倍になるといった大きなリターンは期待しにくくなります。
例えば、ある個別株が1年で株価2倍になったとしても、ポートフォリオの一部でしか保有していなければ、資産全体への影響は限定的です。
この特性から、短期間でのキャピタルゲインを狙う投資家にとっては、分散投資は「リターンが小さい」「儲からない」と感じられ、「やめとけ」という意見につながることがあります。
管理の手間が増える
投資先を複数の銘柄や資産クラスに広げると、その分、管理すべき対象が増え、手間が煩雑になる可能性があります。
例えば、10銘柄の個別株に分散投資した場合、それぞれの企業の業績や株価の動向を定期的にチェックし、資産配分のバランス(リバランス)を調整する必要が出てきます。
管理を怠ると、いつの間にかポートフォリオのリスクが高まっていたり、成長性の低い銘柄を持ち続けてしまったりする可能性があります。
投資に多くの時間を割けない人にとっては、管理の手間が負担となり、結果的に非効率な運用につながることも「やめとけ」といわれる一因です。
少額資産では効果が薄い
分散投資は、ある程度の資産規模があってこそ効果を発揮する側面があります。
資産は大きくなるほどリスクコントロールが重要になり、「1つの銘柄・資産が下落しても全体としては大きなダメージを負わない」という状態にすることが大切です。
一方で資産が少ないうちは、下落時のダメージも金額的には少なく済むため、そこまで多くの資産に分散しなくてもよいという考えもあります。
こうした理由から、「意味がない」「効率が悪いからやめとけ」というアドバイスがされることがあります。
元本割れのリスクがゼロになるわけではない
分散投資は、あくまで価格変動のリスクを低減させるための手法であり、損失が出る可能性をゼロにするものではありません。
リーマンショックやコロナショックのように、世界中の市場が同時に下落するような局面では、いくら分散投資をしていても資産全体が目減りする可能性があります。
「分散投資をしていれば損はしない」という誤解をしていると、実際に資産が減少した際に「話が違う」と感じてしまうでしょう。
元本保証の預貯金とは異なり、投資である以上、元本割れのリスクは常に存在することを理解しておく必要があります。
【要注意】実は「分散」になっていない可能性も
分散投資で重要なのは、値動きの異なる資産を組み合わせることです。
しかし実際には、投資先の数を増やしただけで、中身を見ると同じような値動きをする資産ばかりに偏っているケースもあります。
例えば、複数のハイテク企業の株式に投資していても、ハイテク産業全体が不調になればすべての銘柄が同時に下落する可能性があります。これは真のリスク分散とはいえません。
世界の株式に分散するインデックスファンドが人気を集めていますが、これも資産クラスとしては「株式」に100%投資しており、かつ構成銘柄の多くは米国株が占めています。これは「銘柄」の分散にはなりますが、「資産クラス」の分散にはなっていません。
本当の意味でリスクを分散するには、株式だけでなく、債券や不動産(REIT)など、異なる値動きをする資産を組み合わせることも大切です。
分散投資が有効なケースとは?
「やめとけ」という意見がある一方で、分散投資は多くの投資家にとって有効な戦略です。
特定の目的やスタイルを持つ場合には、そのメリットを最大限に活かすことができます。ここでは、分散投資が有効となる3つのケースを見ていきましょう。
長期的に安定した資産形成を目指す場合
20年、30年といった長い時間軸で、着実に資産を育てていきたい場合、分散投資は有効です。
長期投資では、利益が新たな利益を生む「複利効果」を最大限に活用することが鍵となります。分散投資によって大きな下落を避け、安定的に資産を運用し続けることで、複利効果が働きやすくなります。
短期的な市場の浮き沈みに左右されず、腰を据えて資産形成に取り組むスタイルの投資家にとって、分散投資は心強い味方となるでしょう。
リスクを抑えたいが、知識や手間をかけたくない場合
「投資はしたいけれど、個別企業の分析に時間をかけられない」「なるべくリスクは抑えたい」という人にとって、分散投資は最適な選択肢の1つです。
投資信託やETF(上場投資信託)を活用すれば、1つの商品を購入するだけで、国内外の何百、何千もの銘柄に自動的に分散投資ができます。
運用の専門家が銘柄選定や資産配分の管理を行ってくれるため、投資家自身が詳細な分析をする必要がありません。
手間をかけずにリスクをコントロールしたい初心者や、忙しい人にとって、投資信託を通じた分散投資は合理的な手法です。
市場の短期変動に左右されたくない場合
日々の株価の上下に一喜一憂し、精神的に疲弊してしまうのは避けたいものです。
分散投資はポートフォリオ全体の値動きを穏やかにする効果があるため、市場の短期的な変動に対して冷静な距離を保ちやすくなります。一部の資産が下落しても、他の資産がその影響を緩和してくれるため、パニック売りなどの感情的な行動を抑制しやすくなります。
投資を長く続けるためには、精神的な安定が不可欠です。「どっしりと構えて投資を続けたい」と考える人にとって、分散投資は心理的な負担を軽減する有効な手段といえるでしょう。
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分散投資が向いている人・向いていない人
ここまで解説してきた内容を踏まえ、自身が分散投資に向いているのか、それとも向いていないのかを判断するための基準を整理します。
投資目的や性格などを照らし合わせて、チェックしてみてください。
分散投資が向いている人
以下のような特徴に当てはまる人は、分散投資を有効に活用できる可能性が高いでしょう。
- 長期的な視点で資産形成をしたい人:老後資金や教育資金など、10年以上の長い期間をかけてコツコツ資産を育てたいと考えている人。
- 大きなリスクを取りたくない人:元本割れのリスクは理解しつつも、なるべく価格変動を抑えて安定的に運用したい人。
- 投資に多くの時間をかけられない人:仕事や趣味で忙しく、個別銘柄の分析や頻繁な売買に時間を割くのが難しい人。
- 市場の変動に一喜一憂したくない人:日々の値動きに心を乱されず、精神的に落ち着いて投資を続けたい人。
分散投資が向いていない人
一方で、以下のようなタイプの人は、分散投資が自身のスタイルに合わない可能性があります。
- 短期間で大きな利益を狙いたい人:1〜2年といった短い期間で、資産を大きく増やすようなハイリターンを求めている人。
- 高いリスクを許容できる人:資産の一部が減少する可能性を受け入れた上で、積極的に大きなリターンを追求したい人。
- 個別企業の分析や銘柄選定が好きな人:自分で企業を調査し、将来性を見込んで投資することに楽しみややりがいを感じる人。
- 少額の資金で効率的に資産を増やしたい人:投資に回せる資金がまだ少なく、まずは集中投資で資産の土台を築きたいと考えている人。
分散投資で失敗しないための3つのポイント
分散投資はただやみくもに投資先を増やせばいいというものではありません。効果を最大限に引き出し、失敗を避けるためにはいくつかの重要なポイントがあります。
ここでは、実践すべき3つの要点を紹介します。
値動きの異なる資産を組み合わせる
分散投資の重要なポイントは、異なる値動き(低い相関)をする資産を組み合わせることです。
例えば、景気がいい時に値上がりしやすい「株式」と、景気が不透明な時に買われやすい「債券」を組み合わせるのが典型例です。
株式が下落する局面でも、債券が価格を維持、あるいは上昇することで、ポートフォリオ全体の下落を緩和できます。
以下のような異なる資産クラスを組み合わせることを検討しましょう。
同じ株式でも、先進国と新興国、成長株と割安株など、性質の異なるものを組み合わせることで、より分散効果が高まります。
管理可能な範囲で分散する
分散の重要性を意識するあまり、数十もの銘柄に投資してしまうと、かえって管理が行き届かなくなり、非効率な運用になる可能性があります。
分散は、自身が内容を把握し、適切に管理できる範囲の銘柄数に留めることが大切です。
投資初心者の場合、多くの個別銘柄を管理するのは困難でしょう。このような場合は、1本で数百〜数千の銘柄に分散できる投資信託やETFを活用するのが賢明です。投資信託であれば、運用報告書を定期的に確認するだけでポートフォリオ全体の状況を把握できます。
まずは少数の投資信託から始めて、慣れてきたら他の資産クラスの投信を組み合わせるなど、段階的に分散の範囲を広げていくのがよいでしょう。
投資目的に応じて分散度合いを調整する
分散の度合いは、常に一定である必要はありません。自身の年齢、資産額、リスク許容度といった状況に応じて、柔軟に調整することが成功の鍵です。
例えば、以下のような調整が考えられます。
20代〜30代の資産形成期
投資期間を長く取れるため、リスク許容度は比較的高くなります。全世界株式やS&P500に連動するインデックスファンドなど、株式の比率を高めにして積極的にリターンを狙う戦略も有効です。
40代〜50代の資産拡大期
資産額が増えてきたら、守りの資産として債券やREITなどを少しずつ組み入れ、分散の度合いを高めて安定性を重視します。
60代以降の資産活用期
資産を取り崩していく段階では、価格変動リスクを抑えるため、債券や預貯金の比率をさらに高め、守りの運用にシフトします。
ライフステージに合わせてポートフォリオを見直すことで、より効果的な分散投資が可能になります。
「分散投資 やめとけ」に関するよくある質問
ここでは、「分散投資はやめとけ」というテーマに関して、多くの人が抱く疑問についてQ&A形式で簡潔にお答えします。
Q. 分散投資は本当に意味がない?
いいえ、意味がないわけではありません。長期的にリスクを抑えながら安定した資産形成を目指す目的であれば、分散投資は有効な手法です。
ただし、短期間で大きな利益を狙う目的には合わないため、「意味がない」と感じる人もいます。自身の投資目的によって、その有効性は異なります。
Q. 初心者は分散投資しないほうがいい?
いいえ、むしろ投資初心者こそ、リスクを抑えるために分散投資から始めることが推奨されます。
何に投資していいかわからない段階で特定の銘柄に集中投資するのはリスクが高いでしょう。
投資信託などを活用すれば、少額からでも手軽に分散投資を実践できるため、最初のステップとして適しています。
Q. 分散投資と集中投資、どちらが儲かる?
一概にはいえません。
短期間で大きなリターンを得られる可能性があるのは「集中投資」です。しかし、その分リスクも高く、大きな損失を被る可能性もあります。
一方、「分散投資」は大きなリターンは狙いにくいですが、リスクを抑え、長期的に安定したリターンを目指す手法です。
どちらが優れているかではなく、目的の違いと理解するのがよいでしょう。
まとめ
「分散投資はやめとけ」という意見は、主に「短期間で大きな利益を狙いたい」という投資目的とのミスマッチから生まれるものです。
分散投資はリスクを抑え、長期で安定的に資産を育てるための有効な手法であり、決して意味がないわけではありません。
重要なのは、自身の投資目的、資産状況、リスク許容度を正しく理解し、それに合った投資手法を選択することです。
もし長期的な資産形成を目指すのであれば、分散投資は力強い味方となるでしょう。
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監修
高橋 明香
- ファイナンシャルアドバイザー/CFP®認定者
みずほ証券(入社は和光証券)では、20年以上にわたり国内外株、債券、投資信託、保険の販売を通じ、個人・法人顧客向けの資産運用コンサルティング業務に従事。2021年に株式会社モニクルフィナンシャル(旧:株式会社OneMile Partners)に入社し、現在は資産運用に役立つコンテンツの発信に注力。1級ファイナンシャル・プランニング技能士、一種外務員資格(証券外務員一種)保有。
執筆
マネイロメディア編集部
- お金のメディア編集者
マネイロメディアは、資産運用に関することや将来資金に関することなど、お金にまつわるさまざまな情報をお届けする「お金のメディア」です。正確かつ幅広い年代のみなさまにわかりやすい、ユーザーファーストの情報提供に努めてまいります。




