
オルタナティブ投資のデメリットとは?投資前に知るべき4つのリスクと対処法
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「株式や債券以外の投資先としてオルタナティブ投資が注目されているけど、デメリットはないの?」「リスクを理解してから始めたい」とお考えではありませんか。
オルタナティブ投資は、株式や債券など、比較的身近な資産への投資とは異なります。投資を検討しているなら、メリットだけでなく、リスクやデメリットについても理解を深めておく必要があるでしょう。
本記事では、投資前に必ず知っておきたいデメリットと、対処法を分かりやすく解説します。
- オルタナティブ投資の4つの主要なデメリット(流動性、情報、複雑さ、コスト)
- 評価の難さや詐欺など、見落としがちなその他のリスク
- デメリットを理解した上で、失敗しないための投資判断のポイント
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オルタナティブ投資とは?基本を押さえる
オルタナティブ投資を検討する前に、まずは基本的な定義と、一般的な投資対象である株式や債券との違いを理解しておくことが欠かせません。
どのような特徴を持つ投資なのかを知ることで、デメリットへの理解も深まります。
オルタナティブ投資とは
オルタナティブ投資とは、伝統的資産である上場株式や債券を単に保有するのではなく、それ以外の資産への投資や高度な投資手法を用いた投資のことです。
オルタナティブは「代替的」という意味で、国内外株式や債券など、従来の伝統的資産による分散投資では得にくい収益機会や分散効果を狙う投資として位置づけられています。
とりわけ株式や債券との相関が弱いとされ、運用成果が市場動向に左右されにくいのが特徴です。ポートフォリオに組み入れると、分散効果が高まり、運用効率の向上も期待できます。
比較的新しい投資手法ですが、投資対象は広範で、ヘッジファンド、インフラストラクチャー、プライベート・エクイティ(未公開株、PE)、不動産、コモディティなどが挙げられます。また、近年注目されている暗号資産や美術品への投資もオルタナティブ投資に含まれるとの考え方もあります。
私たちの年金を管理するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)も、オルタナティブ投資を行っています。年金積立金全体の1.63%はインフラストラクチャーやPE、不動産を対象に運用されています。
日本最大の機関投資家であるGPIFも効率性を重視し、超過リターンの獲得を目指し、オルタナティブ投資を活用していることがうかがえます。
(参考:暗号資産に関連する制度のあり方等の検証|金融庁)
株式・債券との違い
オルタナティブ投資の対象となる資産はさまざまです。
ここでは、伝統的資産である株式や債券と、オルタナティブ資産の違いについて見ていきます。両者の主な違いは以下の通りです。
このように、オルタナティブ投資は伝統的資産とは異なるリスク・リターン特性を持っています。ポートフォリオに組み入れることで分散投資効果が期待できます。
オルタナティブ投資の4つの主要なデメリット
オルタナティブ投資は分散投資の観点から魅力的な選択肢ですが、株式投資や債券投資にはないデメリットが存在します。
投資を検討する際には、これらのリスクを十分に理解しておくことが不可欠です。ここでは、注意すべき4つの主なデメリットを解説します。
流動性の低さ:すぐに現金化できない
オルタナティブ投資のデメリットのひとつは、資産をすぐに現金化しにくい「流動性の低さ」です。
たとえば、上場株式等であれば取引所や公開市場で自由に売買できますが、PEやヘッジファンド、不動産などは、一般の投資家がアクセスしにくい、それぞれのマーケット等で取引されています。
そのため、流動性が相対的に低く、解約のタイミングが「月次」や「四半期ごと」など時期を決められていたり、解約が集中したときは資産の払戻しを制限したりする場合(※ゲート条項)があります。
また、流動性の低い資産を別勘定に分ける「サイドポケット条項」があると、一般的にその資産が売却されるまで本体の勘定に計上されないので、投資家にとっては資金が長期間固定されるデメリットがあります。
情報の非対称性:透明性が低い
オルタナティブ投資には、投資家が得られる情報が限られ、上場資産と比べて透明性を把握しにくいという面があります。
とくに、投資対象となるPEやインフラ、不動産などの非公開資産(プライベート・アセット)は、上場企業のような継続的な情報開示や日々の市場価格の公表がないことが多く、その評価は類似取引との比較など複数の分析によって推定されるのが一般的です。
そのため、評価には主観が混じったり、不確実性が伴ったりして、実際の価値やリスクが見えにくくなる可能性があります。
また、商品の仕組みが複雑な場合、手数料や資産配分など、資金の流れの透明性が十分に確保されにくいことも指摘されています。
このような状況は、投資家との間で情報の非対称性が生じやすくなる要因となり、投資家側にとっては、投資対象の適切な評価が難しくなる可能性があります。
仕組みの複雑さ:理解が難しい
オルタナティブ投資の種類は多様なので、商品ごとに収益構造や取引の仕組みが異なります。そのため、それぞれの商品を理解するのが難しいという点もデメリットです。
伝統的な株式投資が「安く買って高く売る」というシンプルな構造であるのに対し、オルタナティブ投資は多種多様な戦略が存在します。
例えば、ヘッジファンドでは、以下の戦略を用いて取引を行っています。
- ロングショート戦略:ロング(買い)とショート(売り)を組み合わせて、市場が下落しても利益を得るための手法
- イベントドリブン戦略:企業の吸収・合併、M&Aなどのイベントによる株価変動を利用して収益を得る手法
- アービトラージ戦略:2つの商品の価格差を利用し、安く買って高く売ることで利益を得る手法、裁定取引
これらの投資手法は専門的な知識を必要とするため、投資初心者にとっては仕組みを完全に理解するのが困難な場合があります。
内容をよく理解しないまま投資を行うと、予期せぬ損失を被るリスクがあります。
高コスト:手数料と最低投資額のハードルがある
オルタナティブ投資は、投資信託など、一般的な投資商品と比較してコストが高くなる傾向があります。
ヘッジファンドやプライベート・エクイティファンドなど、一部のオルタナティブ投資は、一般的に機関投資家や富裕層を対象としているため、最低投資額が数千万円から数億円と高額に設定されていることも珍しくありません。
手数料体系も複雑で、管理手数料に加え、成功報酬が設定されていることが一般的です。
複雑な投資手法、高頻度の取引、優秀な人材の確保など、オルタナティブ投資にはコストがかかるため、伝統的な資産への投資より、手数料が高く設定される傾向があります。
高いリターンも期待できますが、一方で高いコストがリターンを圧迫する可能性がある点を理解しておきましょう。
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見落としがちなその他のリスク
主要な4つのデメリットに加えて、オルタナティブ投資には見落とされがちなリスクも存在します。
これらのリスクを事前に把握しておくことで、より慎重な投資判断が可能になります。
詐欺リスク
情報の透明性が低く、仕組みが複雑であるオルタナティブ投資は、残念ながら投資詐欺のターゲットになりやすい側面も持ち合わせています。
個人投資家がアクセスしにくい「未公開株」や「海外の高利回り不動産」、「新しい暗号資産」などを謳った投資話には警戒が必要です。
詐欺的な案件では、「元本保証」「必ず儲かる」といった魅力的な言葉で勧誘されることが多くあります。
日本では金融商品取引業の登録を受けず、無登録で営業することは違法なので、金融庁のWebサイトで業者の登録情報を確認したり、少しでも怪しいと感じたら安易に契約しないなど、慎重な姿勢が求められます。
キャパシティリスク
キャパシティリスクとは、ファンドの運用規模(資産額)が大きくなりすぎることで、かえって高いリターンを上げにくくなるリスクを指します。
これは、投資戦略や市場の流動性によって、運用規模に実質的な限界が生じるためです。
例えば、ニッチな市場や小規模企業を投資対象とする戦略の場合、運用資産額が大きすぎると、自らの売買が市場価格に影響を及ぼし、有利な価格で取引しにくくなります。
また、有望な投資先を見つけても、ファンドの規模に対して投資額が小さすぎると、全体のパフォーマンスへの寄与は限られます。
このように、ファンドが適切な運用規模(キャパシティ)を超えて資金を集めすぎると、当初期待されていたようなパフォーマンスを維持しにくくなる可能性があります。
デメリットを踏まえた投資判断のポイント
オルタナティブ投資のデメリットやリスクを理解した上で、実際に投資を検討する際にはどのような点に注意すればよいのでしょうか。
ここでは、失敗を避けるための3つの重要なポイントを解説します。
長期投資を前提に資金の一部で検討
オルタナティブ投資は流動性が低く、投資回収に時間がかかる傾向があるため、短期的な利益を求める投資には向いていません。
不動産や未上場企業などへの投資は、価値が向上し、実際のリターンを得るまでに数年から10年以上かかることもあります。
そのため、オルタナティブ投資に取り組む際は、長期的な視点を持つことが不可欠です。
また、すぐに現金化できないリスクを考慮し、生活資金や近々使う予定のある資金を投じるのは避けた方が良いです。
まずは資産全体の一部、すぐに使う必要のない「余裕資金」の範囲内で検討を始めるのが賢明なアプローチと言えるでしょう。
事前のリサーチと専門家の活用
仕組みが複雑で情報も限られるオルタナティブ投資で成功するためには、十分な事前リサーチが欠かせません。
まずは、投資対象の特性やリスク、コスト構造を調べ、商品の内容を正しく理解することが重要です。
あわせて、運用会社の実績(トラックレコード)やリスク管理体制、財務状況などを丁寧に確認し、信頼できる相手かどうかを見極める必要もあります。
もっとも、個人が収集できる情報には限りがあるので、必要に応じて信頼できる専門家の活用も検討するとよいでしょう。
一般の投資家にはアクセスしにくい情報もあるため、まずは入手できる範囲で情報を収集することから始めるのが現実的です。
自分の資産状況・リスク許容度との照合
どのような投資においても共通することですが、投資を検討する際は、まず自身の資産状況を確認し、投資ができる状況か見極めることが大切です。
とくにオルタナティブ投資では、機関投資家や富裕層向けの商品も多く、一般的な金融商品と比較して、まとまったお金が必要になる傾向があります。
そのため、まずは投資に必要なお金を余裕資金として確保できるかを冷静に判断しましょう。
そのうえで、自身のリスク許容度(※どの程度の損失までなら精神的・経済的に耐えられるかを示す度合いのこと)や投資目的、投資期間を確認し、それに合った商品を選ぶことが大切です。
オルタナティブ投資は、言うまでもなくハイリスクハイリターンです。価格変動に冷静でいられない人や、安定性を重視する人は慎重に検討する方がよいでしょう。
オルタナティブ投資のメリットも理解する
オルタナティブ投資にはデメリットやリスクがある一方で、メリットも存在します。
ここでは、オルタナティブ投資が持つ代表的な2つのメリットを解説します。
株式・債券との相関性の低さ
オルタナティブ投資の最大のメリットは、伝統的資産である上場株式や債券との値動きの相関性が低いことです。
株式や債券は、金利の変動や景気動向といった要因で価格が動く傾向がありますが、オルタナティブ資産はそれぞれ異なる要因で価格が変動します。
例えば、不動産価格は金融市場の動向だけでなく、地域の人口動態や開発計画にも影響されます。
また、金(ゴールド)などのコモディティは、地政学リスクやインフレ懸念が高まると価格が上昇する傾向があります。
このように、伝統的資産とは異なる値動きをする資産をポートフォリオに組み入れることで、株式市場が不調な時でも資産全体の価格下落を緩和する効果が期待できます。
これがリスク分散につながり、ポートフォリオの安定性を高める上で重要な役割を果たします。


インフレヘッジ効果
オルタナティブ投資の一部である不動産やコモディティ(商品)は、インフレヘッジ効果が期待できます。
インフレとは、物価が継続的に上昇し、その通貨の購買力が相対的に低下することです。
インフレ局面では、一般的に不動産は賃料や価格が上昇する傾向があり、金(ゴールド)や原油といったコモディティも品目によっては物価上昇とともに値上がりしやすくなります。
一方、現金や預貯金は、インフレによって実質的な価値が目減りしやすくなります。
そのため、ポートフォリオにこうした資産を組み入れることで、資産全体の価値をインフレから守る効果が期待できます。
長期的な資産形成では、インフレリスクへの備えも重要です。
オルタナティブ投資に関するよくある質問
ここでは、オルタナティブ投資に関してよく寄せられる質問と回答をまとめました。投資を始める前の疑問や不安を解消するためにお役立てください。
初心者でも始められる?
専門性が高く、仕組みが複雑な商品が多いため、投資初心者にとってハードルが高いのは事実です。
しかし、不動産投資信託(REIT)や、金・原油などのコモディティ価格に連動する投資信託・ETF(上場投資信託)であれば、証券会社を通じて比較的少額から手軽に始めることができます。
まずはこうした商品から、オルタナティブ投資の世界に触れてみるのがよいでしょう。

どのくらいの資金が必要?
必要な資金額は、投資する商品によって異なります。
ヘッジファンドやプライベート・エクイティファンドなど、富裕層向けの私募ファンドでは最低投資額が数千万円以上に設定されていることも珍しくありません。
一方で、コモディティや不動産を投資対象とした場合は、少額での投資が可能な場合もあります。また、投資信託やETF、クラウドファンディングなどを利用すれば、数千円から数万円程度の少額から始めることが可能です。
すぐに売却できない場合の対処法は?
オルタナティブ投資は、原則として長期保有を前提とするため、そもそもすぐに売却することは想定しない方がよいでしょう。
投資するお金は、ある程度、固定されるものと考え、投資を始める前に、資金が「余裕資金」であることを必ず確認してください。また契約前に解約条項をよく確認しておくことも大切です。
やむを得ない事情で現金化が必要になったとしても、すぐに売却できるかは契約次第です。解約できたとしても希望価格で売れなかったり、売却制限があれば、すぐに売却することは難しいでしょう。
急ぎで資金が必要になった場合は、現預金など他の流動資産で対応するのが現実的です。
まとめ
オルタナティブ投資は、株式や債券といった伝統的資産とは異なる値動きをすることから、ポートフォリオのリスク分散に有効な手段です。
一方で、「流動性の低さ」「情報の非対称性」「仕組みの複雑さ」「高コスト」といった、投資前に必ず理解しておくべき4つの主要なデメリットが存在します。
これらのデメリットを十分に理解し、長期的な視点で余裕資金の一部を投じること、そして専門家の知見も活用しながら慎重に投資判断を行うことが、オルタナティブ投資で失敗しないための鍵となります。
本記事で解説したポイントを参考に、自身の投資戦略にオルタナティブ投資を組み入れるべきか、じっくりと検討してみてください。
オルタナティブ投資を含め、自身のポートフォリオをどのように組むべきかお悩みの方は、まずは簡単な診断から始めてみてはいかがでしょうか。
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土屋 史恵
- ファイナンシャルプランナー/金融ライター/編集者
神戸市外国語大学卒業後、外資系生命保険会社、都市銀行にてリテール営業、法人営業に携わる。遺言信託など資産承継ビジネスに強み、表彰歴あり。その後は長年の金融機関勤務経験を活かし、金融メディアに転職。記事執筆や編集などを担当。現在はフリーランスとして活動中。AFP、FP2級、証券外務員一種を保有。
執筆
マネイロメディア編集部
- お金のメディア編集者
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