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企業年金の確定申告をしないとどうなる?損をしないための判断基準と対処法を徹底解説

企業年金の確定申告をしないとどうなる?損をしないための判断基準と対処法を徹底解説

年金2026/02/09
  • #会社員

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企業年金を受け取った時、「確定申告をしなかったらどうなるのか」「申告しなくても問題ないケースはあるのか」と不安に感じる人は多いでしょう。

企業年金は受け取り方によって課税方法が異なり、条件によっては確定申告が必要になります。申告を忘れると、後から税務署に把握され、追徴課税や延滞税が発生する可能性もあります。

本記事では、企業年金で確定申告が必要になるケースと、申告しない場合に起こり得るリスクをわかりやすく解説します。

この記事を読んでわかること
  • 企業年金の税務上の基本的な仕組み
  • 確定申告をしない場合の3つのリスク
  • 確定申告が必要・不要なケースの具体的な判断基準
  • 申告を忘れた場合の対処法と手続きの流れ


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企業年金を受給したら確定申告は必要?基本の仕組み

企業年金を受け取った場合、この収入は税金の対象となるため、確定申告の要否を正しく理解しておくことが欠かせません。

年金形式か一時金か、受け取り方によって税務上の扱いが異なります

企業年金は「雑所得」として課税される

企業年金を分割して年金形式で受け取る場合、この所得は税法上「雑所得」に分類されます。これは、国民年金や厚生年金といった公的年金と同じ扱いです。

したがって、企業年金の収入も原則として所得税の課税対象となります。

これらの年金収入を合算した金額が、確定申告が必要かどうかを判断する基準の1つになります。

企業年金は年末調整の対象外

会社員の場合、所得税の精算は勤務先の年末調整で行われます。年末調整はあくまで給与所得に対する手続きのため、企業年金を含む年金収入は年末調整の対象外です。

したがって、年金収入に関する所得税の精算は、原則として確定申告によって自分自身で行う必要があります。

注意点

年の途中で退職し、年末調整を受けていない人も同様に確定申告が必要です。

一時金として受け取る場合は別扱い

企業年金を一括で受け取る「一時金」形式を選択した場合、この所得は「雑所得」ではなく「退職所得」として扱われます。

退職所得は、長年の功労に報いるという観点から税制上優遇されています。「退職所得控除」という大きな控除が適用されるほか、他の所得とは合算せずに税額を計算する「分離課税」の対象となるため、一般的に税負担が軽くなります。

勤務先に「退職所得の受給に関する申告書」を提出していれば、会社側で税金計算と納税が完了するため、原則として確定申告は不要です。

確定申告をしないとどうなる?3つのリスク

企業年金の受給者が確定申告の義務があるにもかかわらず申告を怠った場合、または申告すれば有利になるのにしなかった場合、いくつかの不利益が生じる可能性があります。

主なリスクは3つです。

税金の払い過ぎで還付を受けられない

確定申告をしないことによるリスクの1つは、払い過ぎた税金が戻ってこないことです。年金から源泉徴収されている所得税は、あくまで概算の金額です。

年間の医療費が高額になった場合の「医療費控除」や、生命保険料を支払っている場合の「生命保険料控除」などは、確定申告をしないと適用されません。

これらの控除を適用すれば、源泉徴収された税金の一部が「還付金」として戻ってくる可能性があります。しかし、申告しなければこの権利を行使できず、結果的に損をしてしまうことになります。

この手続きを「還付申告」と呼びます。

無申告加算税・延滞税のペナルティ

確定申告の義務がある人が期限内に申告をしなかった場合、ペナルティとして追加の税金が課されるリスクがあります。

まず、申告を怠ったことに対して「無申告加算税」が課されます。これは、本来納めるべき税額に対して、一定の割合(15%~30%)で上乗せされるものです。

さらに、納税も遅れているため、法定納期限の翌日から納付する日までの日数に応じて、利子に相当する「延滞税」も発生します。

これらのペナルティにより、本来の税額よりも負担が重くなってしまいます。

税務署からの指摘リスク

「申告しなくてもバレないのでは?」と考える人もいるかもしれませんが、この可能性は低いです。年金を支払う機関(日本年金機構や企業など)は、誰にいくら支払ったかを記載した「支払調書」を税務署に提出しています。

そのため、税務署は個人の所得情報を概ね把握しています。申告義務があるのに申告していない場合、税務署から「確定申告についてのお尋ね」といった文書が届いたり、電話で問い合わせがあったりします。

これを放置すると、税務調査に発展し、結果的にペナルティを含めた多額の税金を納めることになる可能性があります。


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確定申告が必要なケースと不要なケース

企業年金を含む年金受給者の確定申告は、すべての人が対象となるわけではありません。「確定申告不要制度」により、多くの場合で申告が免除されます。

ここでは、自身がどちらに該当するのかを判断するための具体的な基準を解説します。

確定申告が不要になる2つの条件

年金受給者が所得税の確定申告をしなくてもよい「確定申告不要制度」の対象となるには、以下の2つの条件を両方とも満たす必要があります。

  1. 公的年金等(企業年金を含む)の収入金額の合計が年間400万円以下であること
  2. 公的年金等に係る雑所得以外の所得金額(給与所得、個人年金、事業所得など)が年間20万円以下であること

例えば、企業年金と公的年金の合計が300万円で、他にパート収入などがない場合は、この条件を満たすため確定申告は不要です。

注意点

ただし、所得税の申告が不要でも、住民税の申告は別途必要になる場合があるため注意が必要です。

確定申告が必要になるケース

確定申告不要制度の条件に当てはまらない場合、確定申告の義務が生じます。具体的には、以下のようなケースが該当します。

  • 公的年金等(企業年金を含む)の収入合計が年間400万円を超える場合
  • 公的年金等以外の所得(給与、事業、不動産など)が年間20万円を超える場合
  • 2ヶ所以上から給与を受け取っている場合
  • 外国の年金など、源泉徴収の対象とならない公的年金等を受け取っている場合

例えば、企業年金と公的年金の合計が350万円でも、パート収入による給与所得が30万円ある場合は、合計所得が20万円を超えるため確定申告が必要です。

申告不要でも申告したほうがよいケース

確定申告が不要な条件に当てはまる人でも、申告することで税金が還付される、つまり金銭的なメリットを受けられる場合があります。

これを「還付申告」といい、以下のようなケースが該当します。

  • 医療費控除: 年間の医療費が10万円(または総所得金額等の5%)を超えた場合
  • 生命保険料控除・地震保険料控除: 民間の保険料を支払っている場合
  • 寄附金控除: ふるさと納税や特定の団体への寄付を行った場合
  • 住宅ローン控除: 住宅ローンの残高がある場合
  • 雑損控除: 災害や盗難などの被害に遭った場合

これらの控除は、年末調整の対象ではないため、適用を受けるには確定申告が必要です。年金から所得税が源泉徴収されている人は、これらの控除を申告することで、払い過ぎた税金が戻ってくる可能性があります。

確定申告をしなかった場合の対処法

確定申告の期限を過ぎてしまった場合でも、対処法はあります。

申告義務があるのに忘れていたケースと、還付を受けられるのに忘れていたケースでは手続きが異なりますが、いずれも放置せずに対応することが大事です。

期限後でも申告は可能

確定申告の義務があったにもかかわらず期限内に申告できなかった場合でも、「期限後申告」として手続きが可能です。

申告漏れに気づいたら、できるだけ速やかに申告書を作成し、税務署に提出しましょう。

ポイントの解説

税務署から指摘を受ける前に自主的に申告することで、無申告加算税が軽減される場合があります。放置すると延滞税も増え続けるため、早めの対応が肝心です。

還付申告は5年間さかのぼれる

医療費控除の適用漏れなど、税金を払い過ぎていたために還付を受けられる「還付申告」の場合、申告期限は5年間あります。

具体的には、還付の対象となる年の翌年1月1日から5年以内であれば、いつでも申告が可能です。

例えば、2025年分の還付申告は、2030年12月31日まで手続きできます。

過去の年に申告し忘れた控除がある場合でも、あきらめずに領収書や証明書を探し、手続きを検討してみましょう。

税務署や税理士に相談する

確定申告の手続きが複雑で分からない場合や、複数の所得があって判断に迷う場合は、専門家に相談することが推奨されます。

税務署では、確定申告期間中に無料の相談窓口を設置しており、職員に質問しながら申告書を作成できます。ただし、大変混雑することが予想されます。

より個別で具体的なアドバイスが必要な場合は、税理士に相談するのも1つの方法です。費用はかかりますが、節税に関するアドバイスを受けられたり、申告手続きを代行してもらえたりするメリットがあります。

確定申告の手順と必要書類

実際に確定申告を行う際には、事前の準備がスムーズな手続きの鍵となります。必要な書類を揃え、自分に合った方法で申告書を作成・提出しましょう。

具体的な手順と必要書類について解説します。

必要な書類を準備する

確定申告には、収入や控除の内容を証明するための書類が必要です。主に以下のものを準備しましょう。

全員が必要なもの

  • 公的年金等の源泉徴収票: 日本年金機構や企業年金基金などから毎年1月頃に送付されます。
  • マイナンバーカード: または通知カードと本人確認書類(運転免許証など)。
  • 還付金の振込先口座情報: 申告者本人名義の口座。

該当する場合に必要なもの

  • 給与所得の源泉徴収票: 年の途中で退職した場合など。
  • 各種控除証明書: 生命保険料、地震保険料などの控除証明書。
  • 医療費控除の明細書: 医療費の領収書を基に作成します。
  • 寄附金の受領証明書: ふるさと納税などを行った場合に必要です。

申告書の作成方法

確定申告書は、いくつかの方法で作成できます。自身の状況に合わせて便利な方法を選びましょう。

  • 国税庁「確定申告書等作成コーナー」: パソコンやスマートフォンから、画面の案内に従って入力するだけで申告書が作成できます。税額も自動で計算されるため、初心者にも分かりやすい方法です。
  • 会計ソフトの利用: 弥生会計などの会計ソフトを使えば、日々の収支管理から申告書の作成まで一貫して行えます。事業所得がある人には便利です。
  • 税務署で作成: 確定申告期間中は、税務署に設置された相談コーナーで職員に質問しながら作成することも可能です。

提出方法と期限

作成した確定申告書は、以下のいずれかの方法で提出します。

  • e-Tax(電子申告): マイナンバーカードと対応のスマートフォンやICカードリーダライタがあれば、オンラインで24時間提出可能です。
  • 郵送: 管轄の税務署宛に郵送します。提出日は通信日付印(消印)の日付となります。
  • 窓口持参: 管轄の税務署の窓口に直接提出します。時間外収受箱への投函も可能です。

2025年分の確定申告期間は、原則として2026年2月16日から3月16日までです。

ただし、税金の還付を受けるための「還付申告」は、この期間にかかわらず翌年1月1日から5年間提出できます。

企業年金の確定申告に関するよくある質問

ここでは、企業年金の確定申告に関して多くの方が抱く疑問について、Q&A形式で簡潔にお答えします。

企業年金だけでも確定申告は必要?

収入が企業年金のみの場合でも、確定申告が必要になることがあります。

具体的には、企業年金を含む「公的年金等」の年間収入が400万円を超える場合は申告が必要です。

400万円以下であれば、原則として確定申告は不要です。

確定申告をしないとバレる?

発覚する可能性は高いです。年金を支払う企業や機関は、税務署に「支払調書」を提出する義務があります。

税務署はこの支払調書によって個人の所得を把握しているため、申告義務があるにもかかわらず申告していない場合は、後日問い合わせや指摘を受ける可能性があります。

過去の年分も申告できる?

はい、可能です。税金を払い過ぎていた場合の「還付申告」は、対象となる年の翌年1月1日から5年間さかのぼって申告できます

一方、申告義務があったのに忘れていた場合は「期限後申告」として、気づいた時点ですぐに手続きを行いましょう。

まとめ

企業年金の確定申告について、申告しない場合のリスクや判断基準、対処法を解説しました。

年金形式で受け取る企業年金は「雑所得」として課税対象ですが、「公的年金等の収入が400万円以下」かつ「それ以外の所得が20万円以下」であれば、原則として確定申告は不要です。

しかし、この条件に当てはまらない場合は申告義務があり、怠るとペナルティが課されるリスクがあります。

一方で、申告不要な人でも医療費控除などを適用するために「還付申告」をすることで、払い過ぎた税金が戻ってくる可能性があります。

まずは自身の年金収入やその他の所得、適用できる控除がないかを確認し、確定申告の要否を正しく判断することが大切です。

不明な点があれば、税務署や専門家に相談することを検討しましょう。

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監修
内山 智絵
  • 内山 智絵
  • 公認会計士/税理士/AFP

大学在学中に公認会計士試験に合格。大手監査法人の地方事務所にて約10年間勤務し、上場企業を中心とした法定監査などの業務に携わる。出産・育児を機に監査法人を退職した後、2021年春に個人会計事務所を開業。地域の中小企業や個人事業主の身近な相談役として、法人・個人問わず税務・会計サポートを提供している。2025年夏に株式会社SheBlissを設立。自身の経験や女性起業特有の課題を踏まえ、女性が「やりたい」を形にして続けていけるように、専門性の高いサポートとコミュニティを提供している。

記事一覧

執筆
マネイロメディア編集部
  • マネイロメディア編集部
  • お金のメディア編集者

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