目減りとは?物理的減少と資産価値低下の2つの意味をわかりやすく解説

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「預金は安全だと思っていたのに、お金が目減りするってどういうこと?」と感じていませんか。

金利が低い状況で物価だけが上がっていくと、預貯金の額面は変わらなくても、実質的な価値、つまり「買えるモノの量」は減ってしまいます。

本記事では、目減りの基本的な意味から、インフレによってお金の価値が下がる仕組み、そして大切な資産を守るための具体的な対策まで、分かりやすく解説します。

この記事を読んでわかること
  • 目減りには「物理的な量の減少」と「実質的な価値の低下」の2つの意味がある
  • インフレ(物価上昇)が預金金利を上回ると、預貯金の実質的な価値は目減りする
  • 資産の目減りを防ぐには、株式や不動産などインフレに強い資産への分散投資が有効

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目減りの基本的な意味

「目減り」という言葉には、大きく分けて2つの意味があります。1つは量が物理的に減ること、もう1つは見た目の量や金額は変わらなくても実質的な価値が下がることです。

日常生活から経済の話題まで幅広く使われる言葉ですが、文脈によって指す内容が異なるため、それぞれの意味を正しく理解しておくことが欠かせません。

物理的な量の減少

目減りの1つ目の意味は、物理的に量や重さが減ることです。これは、液体が蒸発したり、穀物がこぼれたりして、当初の量よりも少なくなってしまう状態を指します。

例えば、ウイスキーなどを樽で長期間熟成させると、水分やアルコール分が少しずつ蒸発して中身が減っていきます。

この現象は「天使の取り分」とも呼ばれ、物理的な目減りの代表的な例です。

実質的な価値の低下

目減りの2つ目の意味は、量や金額の見た目は変わらないものの、その実質的な価値が下がることです。

経済や資産運用の文脈でよく使われます。代表的な例が、インフレーション(インフレ)によるお金の価値の低下です。

物価が上昇することで、以前と同じ金額で買えるモノの量が減ってしまい、結果的にお金の価値が「目減りした」と表現されます。

このほか、保有している株式や不動産の市場価格が下落し、資産価値が低下した場合にも用いられます。

お金の目減りとは?インフレで起こる購買力の低下

資産運用において「目減り」という言葉が使われる場合、その多くはインフレによるお金の実質的な価値の低下を指します。

銀行にお金を預けていれば、元本が保証されているため額面上の金額が減ることは基本的にありません。

ポイントの解説

しかし、物価の上昇率が預金金利を上回っている状況では、お金の購買力は相対的に低下し、実質的な資産価値は目減りしていくことになります。

預金残高は変わらないのに価値が下がる仕組み

お金の価値が目減りする主な原因はインフレーション(インフレ)です。インフレとは、モノやサービスの価格(物価)が継続的に上昇する状態を指します。

物価が上がると、今まで100円で買えていたジュースが110円出さないと買えなくなるように、同じものを買うためにより多くのお金が必要になります。

これは、見方を変えれば「お金の価値が下がった」ことを意味します。

例えば、銀行の普通預金金利が年0.001%といった低水準の状況で、物価が年2%上昇すると、預金で得られる利子よりも物価の上昇ペースの方が速くなります。

その結果、預金口座にあるお金の額面は変わらなくても、このお金で買えるモノの量は年々減っていき、実質的な資産価値は目減りしてしまうのです。

具体例で理解する目減りの実態

お金の目減りを具体的な数字で考えてみましょう。

例えば、5年前に100万円で買えた自動車があったとします。この自動車の価格が物価上昇の影響で現在110万円に値上がりしていた場合、5年前に貯金した100万円ではもう購入できません。

仮にこの100万円を年利1%の定期預金に預けていたとしても、5年後には105万円(税金は考慮せず)にしかなりません。それでも、110万円の自動車を買うには5万円足りない状況です。

ポイントの解説

このように、お金の額面は100万円から105万円に増えていても、買いたいモノの値段(物価)の上昇に追いついていないため、実質的にお金の価値は下がってしまったことになります。

これが「お金の目減り」の実態です。


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どれくらい目減りする?インフレ率別のシミュレーション

では、実際にインフレが続いた場合、お金の価値はどれくらい目減りするのでしょうか。

日本銀行が物価安定の目標として掲げている「2%」の物価上昇が続いたと仮定して、シミュレーションしてみましょう。

年2%の物価上昇が続いた場合

仮に物価が毎年2%ずつ上昇し続けた場合、現在の100万円の現金が持つ購買力は低下し、20年後には約67万円まで価値が目減りしてしまいます。

額面は100万円のままでも、買えるモノの量が3分の2程度になってしまうことを意味します。

このように、たとえ年2%という緩やかなインフレであっても、長期的に見ると資産価値に大きな影響を与えることが分かります。

5年後・10年後の価値はどうなる?

年2%の物価上昇が続いた場合、現在の1000万円の価値が将来どのように変化するかを、期間ごとに見てみましょう。

経過年数

将来の資産価値(現在の価値に換算)

将来の資産価値(現在の価値に換算)

現在

将来の資産価値(現在の価値に換算)

1000万円

5年後

将来の資産価値(現在の価値に換算)

約906万円

10年後

将来の資産価値(現在の価値に換算)

約820万円

20年後

将来の資産価値(現在の価値に換算)

約673万円

30年後

将来の資産価値(現在の価値に換算)

約552万円

このように、インフレが続くと加速度的に現金の価値が目減りしていくことが分かります。

老後資金のような長期で準備するお金については、インフレを考慮した対策が不可欠です。

目減りが起こる3つの主なケース

資産の目減りは、インフレによる預貯金の価値低下だけではありません。私たちが保有するさまざまな資産において、価値が下がるリスクは存在します。

ここでは、代表的な3つのケースについて解説します。

インフレによる現金・預金の目減り

一番の代表的なケースが、インフレによる現金・預金の目減りです。

これまで解説してきたように、物価の上昇率が預金金利を上回ると、お金の購買力が低下し、実質的な価値が下がります。

日本は長らくデフレが続いていましたが、近年は物価上昇の傾向にあります。

2020年を基準とした消費者物価指数は、直近5年で約13%上昇しており、預金だけでは資産価値を維持するのが難しい状況になっています。

(参考:統計局ホームページ/消費者物価指数(CPI) 全国(最新の月次結果の概要))

不動産価格の下落

不動産も資産価値が目減りする可能性があります。

不動産はインフレに強い資産といわれることもありますが、購入した時点よりも市場価格が下落すれば、資産価値は目減りします。

不動産価格は、景気動向、金利、人口動態、周辺環境の変化など、さまざまな要因で変動します。

例えば、地域の人口が減少したり、近隣に新しい駅ができて人の流れが変わったりすることで、土地や建物の価値が下がるケースが考えられます。

株式・投資信託の価格変動

株式や投資信託も、価格変動によって資産価値が目減りする資産です。これらの金融商品は、企業の業績や経済情勢、市場の需要と供給などによって日々価格が変動します。

購入時よりも株価や基準価額が下落すれば、資産は目減りします。インフレ時には企業の売上が伸び、株価が上昇しやすい傾向がありますが、必ずしもそうなるとは限りません。

景気後退の懸念が高まれば、インフレ下でも株価が下落することもあります。

目減りから資産を守る方法

インフレなどによる資産の目減りを完全に避けることは困難ですが、リスクを軽減し、資産価値を維持・向上させるための対策は可能です。

ここでは、資産を目減りから守るための基本的な考え方を紹介します。

インフレに強い資産への分散

資産を目減りから守るための基本は、現金・預金だけでなく、インフレに強いとされる資産に分散して投資することです。

インフレに強い資産の代表例としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 株式: 物価が上昇すると企業の売上も増えやすく、株価の上昇が期待できます。
  • 不動産: 現物資産であり、インフレ時には家賃相場や不動産価格が上昇する傾向があります。
  • 金(ゴールド): 現物資産であり、通貨の価値が下がる時に価格が上昇しやすいとされています。
  • 外貨: 日本国内のインフレが進む(円の価値が下がる)と、相対的に外貨の価値が上がります。

これらの資産にバランスよく分散投資することで、特定の資産が値下がりした際のリスクを抑え、インフレによる預貯金の目減りをカバーする効果が期待できます。

長期的な資産形成の重要性

資産形成は、短期的な視点ではなく、長期的な視点で行うことが重要です。

株式や投資信託などの価格は短期的には上下しますが、世界経済の成長とともに長期的には上昇していく傾向があります。

また、長期間運用することで「複利」の効果を最大限に活用できます。

複利とは、投資で得た利益を元本に加えて再投資することで、利益が利益を生む仕組みです。

ポイントの解説

運用期間が長くなるほど、雪だるま式に資産が増えやすくなり、インフレによる目減りを上回るリターンが期待できます。

NISAやiDeCoの活用

目減り対策として資産運用を始めるなら、税制優遇制度であるNISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)を積極的に活用しましょう。

通常、株式や投資信託で得た利益には約20%の税金がかかりますが、NISA口座内での取引であれば非課税になります。

また、iDeCoは掛金が全額所得控除の対象になるなど、税制上のメリットが大きいです。

これらの制度を活用することで、税金の負担を抑えながら効率的に資産を増やすことができ、インフレによる目減りに対抗する有効な手段となります。

目減りに関するよくある質問

ここでは、目減りに関してよく寄せられる質問とこの回答をまとめました。

預金していれば目減りしない?

銀行預金は元本が保証されているため、額面上の金額が減ることは基本的にありません。

しかし、物価上昇(インフレ)が進むと、お金の購買力が低下するため、実質的な価値は目減りしてしまいます。

目減りと損失の違いは?

「損失」は、株式投資などで購入価格よりも売却価格が下回り、投資した元本が実際に減ってしまうことを指すのが一般的です。

一方、「目減り」は、元本割れのような直接的な損失だけでなく、インフレによる実質的な価値の低下も含む、より広い概念として使われます。

デフレ時には目減りしない?

デフレ(物価が継続的に下落する状態)の時は、お金の価値が相対的に上がるため、現金や預金の実質的な価値は目減りしにくくなります。

注意点

しかし、企業の業績が悪化しやすいため、株式や不動産などの資産価格は下落し、これらの資産価値は目減りするリスクがあります。

まとめ

「目減り」には、物理的に量が減る意味と、実質的な価値が下がる意味の2つがあります。

資産形成においては、インフレによって預貯金などの価値が実質的に低下する後者の意味を理解しておくことが不可欠です。

物価の上昇が続くと、何もしなければ資産の購買力は少しずつ失われていきます。

この目減りから大切な資産を守るためには、現金や預金だけでなく、株式や不動産といったインフレに強い資産へ分散投資を行うことが有効な対策となります。

まずは自身の資産が目減りのリスクにさらされていないかを確認し、NISAやiDeCoなどの制度も活用しながら、長期的な視点での資産形成を始めてみてはいかがでしょうか。

将来のお金の不安を感じている方は、自身の資産状況やリスク許容度に合った運用方法を知ることから始めてみましょう。 

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ご留意事項

  • 本記事は一般的な情報提供を目的として作成したものであり、特定の金融商品の取引を勧誘するものではありません。
  • 本記事の内容は記事公開時または更新時点の情報に基づいています。制度・法令・税制等の変更により、現在の情報と異なる場合があります。
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監修
森本 由紀
  • 森本 由紀
  • ファイナンシャルプランナー/AFP(日本FP協会認定)/行政書士

行政書士ゆらこ事務所(Yurako Office)代表。愛媛県松山市出身。神戸大学法学部卒業。法律事務所事務職員を経て、2012年に独立開業。メイン業務は離婚協議書作成などの協議離婚のサポート。離婚をきっかけに自立したい人や自分らしい生き方を見つけたい人には、カウンセリングのほか、ライフプラン、マネープランも含めた幅広いアドバイスを行っている。法律系・マネー系サイトでの記事の執筆・監修実績も多数。


執筆
マネイロメディア編集部
  • マネイロメディア編集部
  • お金のメディア編集者

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