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65歳以上で厚生年金に加入するメリットはある?実際にいくら増える?

65歳以上で厚生年金に加入するメリットはある?実際にいくら増える?

年金2025/11/13
  • #老後資金

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65歳以降も働き続ける人が増えるなか、厚生年金加入で「年金がいくら増えるのか」は多くの人が知りたい重要なテーマです。厚生年金に加入することで、老後の生活を支える年金が増えるだけでなく、健康保険の手厚い保障や万が一の際の備えも充実します。

本記事では、65歳以上で厚生年金に加入するメリット・デメリットを、専門的な情報をもとに分かりやすく解説していきます。

この記事を読んでわかること
  • 65歳以上で厚生年金に加入し続けるための具体的な条件と仕組み
  • 年金受給額が増える効果と、加入の4つの具体的なメリット
  • 収入が高い場合に発生する在職老齢年金の仕組みと、制度見直しの最新内容


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65歳以上でも厚生年金に加入できる?

65歳を過ぎても、一定の条件をクリアすれば厚生年金に加入し続けることが可能です。厚生年金に加入できるのは、原則として70歳未満の方です。

65歳以上で厚生年金に加入できる条件

65歳以上で厚生年金に加入し、被保険者資格を継続するためには、以下の条件をクリアする必要があります。

1. 適用事業所で働いていること

勤務先が厚生年金保険の適用事業所であることが必要です。適用事業所とは、株式会社などの法人の事業所(事業主のみの場合を含む)や、常時5人以上の従業員がいる個人の事業所(農林漁業、理容・美容業、飲食業といった法定の非適用業種を除く)を指します。事業主は、被保険者となるべき従業員を使用している場合、必ず加入手続きをしなければなりません。

2. 年齢上限は70歳未満であること

日本年金機構によれば、65歳以降であっても、70歳未満で適用事業所に使用され、その他の条件を満たす場合は、被保険者資格が継続することが原則です。国籍や性別、年金の受給の有無にかかわらず、常用的に使用される場合は被保険者となります。

3. 加入除外されないこと

日々雇い入れられる人や2ヶ月以内の期間を定めて使用される人など、一部「適用除外」になるケースがあります。これらの人は原則として被保険者とされませんが、一定期間を超えて雇用が継続される見込みがある場合は、被保険者となります。また、所在地が一定しない事業所に使用される人は、いかなる場合も被保険者となりません。

4. 労働時間・賃金などの加入要件を満たす

再雇用などでパート・短時間勤務であっても、労働時間や給与が加入要件を満たす必要があります。 一般的な短時間就労者は、1週間の所定労働時間および1ヶ月の所定労働日数が、同じ事業所で働く通常の労働者の4分の3以上であれば被保険者となります。

さらに、短時間労働者に対する適用拡大の要件を満たす場合もあります。特定適用事業所や国・地方公共団体に属する事業所において、通常の労働者の4分の3未満の所定労働時間・日数の場合でも、以下の要件をすべて満たせば被保険者となります。

  • 週の所定労働時間が20時間以上あること
  • 所定内賃金が月額8万8000円以上であること
  • 学生でないこと
  • 厚生年金の被保険者の人数が51人以上の会社などで働いていること

65歳以上でも厚生年金に加入したほうがいい?4つのメリット

65歳以降も厚生年金に加入し保険料を納め続けることには、老後の生活設計や万が一の備えにおいて、大きなメリットがあります。

メリット1:生涯受け取る老齢厚生年金が増える

ユーザーがもっとも知りたいのは、老齢厚生年金が実際にいくら増えるかという点です。

老齢厚生年金は、加入期間と報酬に応じて計算される報酬比例部分によって決定されます。65歳以降も働き、厚生年金保険料を納めることで、その期間の報酬に基づき、将来受け取る年金額が確実に増加します。

例えば、年収が高い状態で長く働くほど、増加する年金額も大きくなります。この積み重ねにより、生涯受け取る年金の総額は大きく変わってきます。

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メリット2:毎年10月に年金額が改定される(在職定時改定)

2022年4月から「在職定時改定」の仕組みが導入されたことは、65歳以上で働く方にとって大きなメリットです。

これまでの制度では、65歳以降に働いて納めた保険料が年金額に反映されるのは、退職するか、または70歳に到達した時まで待つ必要がありました。

しかし、在職定時改定の導入により、65歳以降も厚生年金に加入して働く方は、毎年9月1日に年金額が見直され、前年9月から当年8月までの保険料納付実績が年金額に反映されるようになりました。

この制度改正により、働く方は自身の努力が毎年年金として増加するのを実感でき、「いつ反映されるの?」という疑問が解消され、働きながら年金増額を実感できるようになっています。

メリット3:「障害厚生年金」や「遺族厚生年金」の保障が手厚くなる

厚生年金への加入は、老齢年金だけでなく、万が一の場合の保障(障害・遺族保障)も手厚くする重要な役割があります。

障害厚生年金:65歳以降の厚生年金加入期間中に初診日がある病気やケガで障害状態になった場合、障害厚生年金の対象となる可能性があります。

遺族厚生年金:加入者が死亡した場合、遺族厚生年金の計算基礎に65歳以降の加入期間も含まれるため、遺族への保障額が充実します。

これらは、あまり知られていないかもしれませんが、万が一への備えとして非常に重要なメリットです。

メリット4:健康保険の保障が手厚くなる

厚生年金とセットで健康保険に加入することのメリットも見逃せません。国民健康保険と比較して、特に手厚い保障は以下の通りです。

  1. 傷病手当金: :病気やケガで仕事を休み、賃金が支払われなくなった場合に支給される制度です。これは国民健康保険にはない、被用者保険ならではの大きなメリットです。
  2. 付加給付(組合健保の場合):大企業の健康保険組合などでは、法律で定められた高額療養費制度による自己負担限度額よりも、さらに低い負担で済む独自の「付加給付」制度を設けている場合があります。
  3. 保険料の本人負担が半分になる: 健康保険料は事業主と折半して負担するため、全額自己負担である国民健康保険料と比較して、本人の負担が軽減されるケースがあります。

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厚生年金加入のデメリットと注意点

65歳以上で厚生年金に加入することは多くのメリットがありますが、同時に保険料の負担や、収入に応じた年金の支給停止(カット)が発生する可能性など、注意すべき点もあります。

注意点1:厚生年金保険料の負担が発生する

厚生年金に加入すると、報酬に応じた厚生年金保険料の負担が発生します。この保険料は、事業主と被保険者で折半して納付します。手取り収入は減りますが、その分が将来の老齢年金増加分として積み立てられます。

注意点2:収入によっては年金がカットされる(在職老齢年金)

65歳以降に年金を受給しながら働く場合、賃金と年金額の合計が一定額を超えると、年金の一部または全部が支給停止される「在職老齢年金制度」の仕組みがあります。

現在の制度(2025年度の場合)では、賃金と厚生年金の合計月51万円を超えると、超過した分の半額が年金の支給停止となります。これは、保険料負担に応じた給付を受けられる社会保険の中では例外的な仕組みといえます。

この制度は、高齢者の労働意欲を削ぐ一因となり、一部の業界では高齢者が働く時間を調整する動きも見られるという指摘もありました。

今後の見直しについて

高齢者の活躍を後押しし、働きたい人がより働きやすい仕組みとする観点から、在職老齢年金制度の支給停止の基準額が引き上げられることが予定されています。

  • 支給停止ライン(現行):月51万円(2025年度)
  • 支給停止ライン(見直し後):月62万円へ引き上げ
ポイントの解説

この見直しは、令和7年6月13日に成立した「社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律案」に含まれており、令和8年4月から支給停止ラインが62万円に見直される予定です。

<見直しによる年金額変化の例>
賃金(ボーナス含む年収の1/12)が45万円、厚生年金が10万円の方の場合、合計は55万円となります。


現行制度(ライン51万円)

現行制度(ライン51万円)

見直し後(ライン62万円)

見直し後(ライン62万円)

合計収入

現行制度(ライン51万円)

55万円

見直し後(ライン62万円)

55万円

超過分

現行制度(ライン51万円)

55万円 - 51万円 = 4万円

見直し後(ライン62万円)

55万円 - 62万円 = -7万円(超過なし)

支給停止額

現行制度(ライン51万円)

超過分の半額:4万円 ÷ 2 = 2万円

見直し後(ライン62万円)

0円

見直し後は、従来停止されていた2万円も支給されることになります。この改正により、賃金と厚生年金の合計が62万円に達するまで、在職老齢年金制度による支給停止はなくなります。

注意点3:税金・健康保険料が増える可能性がある

収入が増加し、老齢厚生年金も増額されることで、納めるべき所得税住民税が増える可能性があります。

また、厚生年金に加入することで、健康保険料の負担も発生します。

注意点

特に、扶養に入っていた配偶者の社会保険上の扶養を外れることになった場合、世帯全体での社会保険料負担が増加する可能性もあります。

65歳以上の厚生年金加入に関するQ&A

65歳以上での厚生年金加入に関するよくある質問にQ&A形式で回答いたします。

Q. 65歳以上で払った厚生年金保険料は、いつ年金額に反映される?

65歳以降に納めた厚生年金保険料は、原則として毎年10月分からの年金額に反映されます。

これは2022年4月に導入された在職定時改定の仕組みによるものです。

Q. 65歳以上で働きながら年金をもらうと、手取り額がカットされる?

はい、収入額によっては年金の一部が支給停止される可能性があります。これが在職老齢年金制度です。

現在の支給停止基準額は、賃金と年金の合計が月51万円(2025年度の場合)を超えた場合です。収入がこの基準を超えないか、常に確認することが重要です。なお、令和8年4月からはこの基準が62万円に引き上げられる予定です。

Q. 70歳以降も働き続けた場合、厚生年金はどうなる?

厚生年金保険の被保険者資格は70歳で喪失するため、保険料の納付は70歳到達月で終了します。

ただし、70歳以降も厚生年金の適用事業所で働き続ける場合は、「70歳以上被用者」という扱いになります。保険料の負担はありませんが、在職老齢年金制度は引き続き適用されます。

そのため、給料と年金の合計額によっては、年金の一部が支給停止となる可能性があります。なお、70歳になるまで納めた保険料については、70歳到達時に年金額に反映されます(退職時の改定)。

Q. パートでも厚生年金に加入するメリットはある?

はい、パート勤務であっても、加入要件(労働時間・賃金)を満たせば厚生年金に加入するメリットは十分にあります

メリットとしては、老齢厚生年金が増加することに加え、特に健康保険に加入することで、国民健康保険にはない傷病手当金の保障を受けられるなど、万が一の際の備えが手厚くなります。

まとめ

65歳以上での厚生年金加入は、将来の生活設計をより確実にするための有効な選択肢です。

最大のメリットは、生涯にわたる老齢厚生年金の総額が増える点と、毎年10月分からの年金額が改定される在職定時改定により、働きながら年金の増加を実感できる点です。さらに、万が一の際の障害・遺族厚生年金や、傷病手当金といった手厚い健康保険の保障を受けられる点も重要です。

一方で、毎月の保険料負担が発生すること、そして現在の制度では、収入が月51万円(2025年度)を超えると年金がカットされる在職老齢年金制度の仕組みを理解しておく必要があります。ただし、この支給停止基準は令和8年4月62万円へ引き上げられる予定であり、より多くの方が年金をカットされずに働きやすくなるでしょう。

厚生年金の加入については、自分の働き方への意向と将来設計、さらに加入のメリット・デメリットも踏まえ、総合的に判断することが大切です。

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監修
山本 務
  • 山本 務
  • 特定社会保険労務士/AFP/第一種衛生管理者

東京都練馬区で、やまもと社会保険労務士事務所を開業。企業の情報システム、人事部門において通算28年の会社員経験があるのが強みであり、情報システム部門と人事部門の苦労がわかる社会保険労務士。労務相談、人事労務管理、就業規則、給与計算、電子申請が得意であり、労働相談は労働局での総合労働相談員の経験を生かした対応ができる。各種手続きは電子申請で全国対応が可能。また、各種サイトで人事労務関係の記事執筆や監修も行っている。

記事一覧

執筆
マネイロメディア編集部
  • マネイロメディア編集部
  • お金のメディア編集者

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