
投資信託の6つのリスクとは?資産運用での正しい付き合い方
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「投資信託に興味はあるけど、リスクが怖くて始められない」と感じていませんか?投資信託には元本割れの可能性がありますが、リスクを正しく理解すれば、過度に恐れる必要はありません。
本記事では、投資信託の主要なリスクの種類と、このリスクと上手に付き合うための具体的な方法を解説します。自身のリスク許容度を知り、賢い資産運用を始めましょう。
- 投資信託の「リスク」は「危険」ではなく「収益の振れ幅」であること
- 投資信託に影響を与える6つの主要なリスク(価格変動、為替、信用など)
- 「長期・積立・分散」投資によってリスクを軽減する方法
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投資信託の「リスク」は「危険」ではない
投資の世界で使われる「リスク」という言葉は、一般的にイメージされる「危険」とは少し意味が異なります。投資におけるリスクとは、リターン(収益)の振れ幅のことを指します。
つまり、価格が下落して損失が出る可能性だけでなく、価格が上昇して利益が出る可能性も含めた「不確実性の度合い」がリスクです。
振れ幅が大きい商品は「リスクが大きい」、振れ幅が小さい商品は「リスクが小さい」と表現されます。
リスクとリターンは表裏一体
投資信託では、リスクとリターンは表裏一体の関係にあります。一般的に、大きなリターンが期待できる金融商品は、その分リスクも増加する傾向があります。一方で、リスクが小さい金融商品は、期待できるリターンも比較的小さくなります。
例えば、新興国の株式に投資する投資信託は、高い経済成長の恩恵を受けて大きなリターンを得られる可能性がある一方、政治や経済の不安定さから価格が下落するリスクも抱えています。
逆に、先進国の国債などは価格変動が比較的小さく低リスクですが、期待できるリターンも限定的です。
最適な投資信託の選び方は、自身がどれだけのリスクを受け入れられるか(リスク許容度)によって大きく変わります。
投資信託の6つの主要リスク
投資信託の基準価額は、さまざまな要因によって変動します。
ここでは、投資信託が抱える主な6つのリスクについて、それぞれ具体的に解説します。これらのリスクは、投資する商品によって影響の度合いが異なります。
価格変動リスク
価格変動リスクは、投資信託に組み入れられている株式や債券などの資産価格が変動する可能性を指します。株価は、国内外の政治・経済情勢、企業業績、市場の需給バランスなど、さまざまな要因の影響を受けて日々変動します。
投資信託の基準価額は、この組み入れ資産の価格変動を直接反映するため、株価が上昇すれば基準価額も上がり、下落すれば基準価額も下がります。これは投資信託における一番の基本的なリスクといえます。
為替変動リスク
為替変動リスクは、外国の株式や債券など、外貨建ての資産に投資する投資信託で発生するリスクです。為替レートは日々変動しており、この動きが円換算での資産価値に影響を与えます。
具体的には、投資した時点よりも円高(例:1ドル150円→140円)になると、外貨建て資産の円換算価値は減少し、基準価額の下落要因となります。逆に、円安(例:1ドル150円→160円)になると、円換算価値は増加し、基準価額の上昇要因となります。
国内資産のみに投資する投資信託には、このリスクはありません。
信用リスク
信用リスクは、株式や債券を発行している企業や国(発行体)の経営不振や財政難などにより、財務状況が悪化する可能性を指します。このリスクは「デフォルトリスク」とも呼ばれます。
例えば、投資先の企業が倒産した場合、この企業の株式価値はほぼゼロになる可能性があります。また、債券の場合、発行体が財政破綻すると、約束されていた利払いや元本の償還が滞ったり、行われなくなったりする(デフォルト)可能性があります。
こうした事態が発生すると、投資信託の基準価額が下落する要因となります。
金利変動リスク
金利変動リスクとは、市場の金利が変動することによって、債券の価格が影響を受ける可能性のことです。債券価格と金利には、シーソーのような逆相関の関係があります。
一般的に、市場の金利が上昇すると、新たに発行される債券の利率が高くなるため、すでに発行されている利率の低い債券の魅力が相対的に低下し、価格は下落します。逆に、金利が低下すると、既発債券の価格は上昇します。
このため、債券を多く組み入れている投資信託は、金利の動向によって基準価額が変動する影響を受けやすくなります。
カントリーリスク
カントリーリスクは、投資対象となる国や地域の政治・経済情勢の変化によって、市場が混乱し資産価値が変動する可能性を指します。
例えば、政変、紛争、急な規制変更、経済危機などが発生すると、この国の株式市場や為替市場が変動し、基準価額の下落につながることがあります。
このリスクは、政治や経済の基盤が比較的ぜい弱な新興国へ投資する場合に高まる傾向があります。
新興国投資は将来的な高い経済成長が期待できる反面、このカントリーリスクを十分に理解しておくことが欠かせません。
流動性リスク
流動性リスクとは、市場での取引量が少ない、あるいは市場が混乱しているといった理由で、売りたい時に売れなかったり、買いたい時に買えなかったりする可能性のことです。
取引量が少ない金融商品は、希望する価格で売買することが難しくなります。売りたい時に買い手が見つからなければ、想定よりも低い価格で売却せざるを得ない状況に陥ることもあり、これが基準価額の下落要因となる場合があります。
一般的に、時価総額が小さい企業の株式や、市場規模の小さい新興国の資産などは、この流動性リスクが相対的に高くなる傾向にあります。
投資信託にかかるコストもリスク要因
投資信託の運用成果には、上で解説した6つのリスクだけでなく、運用にかかる「コスト」も影響を与えます。
コストは直接的なリスクではありませんが、リターンを押し下げる要因となるため、事前に把握しておくことが大切です。
保有中にかかる信託報酬
信託報酬は、投資信託を保有している間、継続的に発生するコストで、「運用管理費用」とも呼ばれます。投資信託の運用や管理を行ってくれる運用会社、販売会社、信託銀行に支払う手数料であり、信託財産の中から日々差し引かれます。
料率はファンドによって異なり、一般的に年率0.1%から2.5%程度です。インデックスファンドは低め、アクティブファンドは高めの傾向があります。信託報酬はリターンに直接影響するため、長期で保有するほどこの差は増加します。
商品を選ぶ際には、どのような運用方針で、どの程度の信託報酬が設定されているかを確認することが大切です。

売買時にかかる手数料
投資信託の売買時には、以下の手数料がかかる場合があります。
購入時手数料
投資信託を購入する際に販売会社に支払う手数料で、手数料率は商品や金融機関によって異なります。ネット証券が取り扱うものは多くが無料(ノーロード)ですが、大手銀行や対面証券が取り扱うもの(特にアクティブファンド)では購入金額の3%程度かかるものまであります。
信託財産留保額
投資信託を解約(換金)する際に、この費用として信託財産内に留保される金額です。これは、解約によって発生する有価証券の売却コストを、解約者自身に負担してもらうことで、他の保有者の利益を守るためのものです。基準価額の0.5%程度が一般的ですが、かからない商品も多くあります。
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初心者が陥りやすいリスクとの付き合い方の失敗
投資信託のリスクを理解しても、実際の運用で誤った判断をしてしまうことがあります。投資初心者が陥りがちな失敗パターンを知り、同じ轍を踏まないように注意しましょう。
短期的な値動きで売買を繰り返す
投資を始めると、日々の基準価額の変動が気になりがちです。しかし、短期的な価格の上下に一喜一憂し、頻繁に売買を繰り返すことは失敗につながりやすい行動です。
売買のたびに手数料がかかる場合、このコストが積み重なってリターンを圧迫します。また、感情的な判断で高値掴みや安値売りをしてしまい、かえって損失を拡大させる可能性もあります。
投資信託は本来、長期的な視点で資産を育てるための金融商品であり、短期的な値動きに振り回されない姿勢が欠かせません。
生活資金で投資してしまう
投資は、当面使う予定のない「余剰資金」で行うのが大原則です。日々の生活費や、近い将来に使うことが決まっている教育費、住宅購入の頭金などを投資に回してしまうと、リスク管理が難しくなります。
もし投資した資金が値下がりしているタイミングで、急にお金が必要になった場合、損失を確定させてでも解約せざるを得ません。これでは、本来長期で保有すれば回復したかもしれない利益の機会を失ってしまいます。
精神的な余裕を持って投資を続けるためにも、生活資金と投資資金は明確に分けることが不可欠です。
高リスク商品に集中投資する
大きなリターンを狙いたいという気持ちから、新興国株式ファンドなど、値動きの激しい高リスクな商品に資金を集中させてしまうのも、初心者が陥りやすい失敗の1つです。
特定の国や資産に集中投資すると、この対象が値下がりした場合に、資産全体に深刻なダメージを受けてしまいます。
投資の基本は、異なる値動きをする複数の資産に資金を分けて、リスクを分散させることです。
自分のリスク許容度を超えた集中投資は避け、バランスの取れたポートフォリオを心がけましょう。
リスクを軽減する3つの投資方法
投資信託のリスクをゼロにすることはできませんが、適切な方法を用いることで、リスクを管理し、軽減することは可能です。
この基本となるのが「長期投資」「積立投資」「分散投資」という3つの考え方です。これらは、安定的な資産形成を目指す上で重要なポイントとなります。
長期投資で元本割れリスクを下げる
長期投資は、金融商品を長期間保有し続ける投資手法です。市場は短期的には変動することがありますが、長期的に見れば、経済成長に伴って資産価値も上昇していく傾向があります。
保有期間が長くなるほど、一時的な価格下落の影響は平準化され、リターンが安定しやすくなります。金融庁が示した過去のデータでも、金融商品の保有期間が5年の場合と、20年の場合を比較すると、後者の場合、元本割れする確率が大幅に低下することが示されています(※)。
時間を味方につけることで、複利効果も期待でき、より効率的な資産形成が可能になります。
※あくまで過去の実績であり、将来を保証するものではありません
(参照:NISA早わかりガイドブック|金融庁)
積立投資で購入価格を平準化
積立投資は、毎月1万円など、決まった金額で定期的に同じ金融商品を購入し続ける投資手法です。この方法の利点は、購入タイミングを時間的に分散できることにあります。
この手法は「ドル・コスト平均法」と呼ばれ、価格が高い時には少なく、価格が安い時には多く購入することになるため、平均購入単価を平準化させる効果が期待できます。
一括で投資する場合に起こりがちな「高値掴み」のリスクを避け、感情に左右されずに淡々と投資を続けられる点が大きなメリットです。
分散投資で特定リスクを抑える
分散投資は、投資先を1つに集中させるのではなく、値動きの異なる複数の資産や地域に分けて投資する手法です。「卵は1つのカゴに盛るな」という格言で知られています。
例えば、国内株式と外国債券のように、異なる特徴を持つ資産を組み合わせることで、一方の資産が値下がりしても、もう一方の資産が値上がりして損失をカバーできる可能性があります。
分散投資には、主に以下の3つの方法があります。
- 資産の分散:株式、債券、不動産(REIT)など、異なる種類の資産に投資する。
- 地域の分散:日本、米国、欧州、新興国など、複数の国や地域に投資する。
- 通貨の分散:円、米ドル、ユーロなど、複数の通貨建て資産に投資する。
これらの分散を組み合わせることで、特定の市場や資産の急落による影響を和らげ、資産全体のリスクを安定させることが期待できます。
投資信託のリスクに関するよくある質問
ここでは、投資信託のリスクについて、投資初心者の方が抱きやすい疑問にお答えします。
Q. 投資信託で損をする確率は?
投資信託で損失を出す(元本割れする)確率は、ファンドの投資対象や保有期間によって大きく変わるため一概にはいえません。
特に、リスクが高い傾向にある新興国株式に投資するファンドなどで短期的な売買を行う場合では、市場の変動によって元本割れする可能性は十分にあります。
しかし、積立・分散投資でリスクを調整しながら、長期間運用を続けることで、元本割れする確率を大きく軽減させることが可能です。
Q. リスクが低い投資信託はどれ?
一般的に、国内の債券を中心に運用する「国内債券型ファンド」は、リスクが低いとされています。また、国内外の株式や債券など複数の資産にバランスよく投資する「バランス型ファンド」も、リスクを抑えた運用を目指す商品です。
ただし、リスクが低い分、期待できるリターンも限定的になる点には注意が必要です。
Q. 投資信託のリスクを完全になくすことはできる?
投資商品である以上、リスクを完全になくす(ゼロにする)ことはできません。元本保証がないのが投資信託の基本的な特徴の1つです。リスクを取るからこそ、預貯金以上のリターンが期待できます。
重要なのは、リスクをなくすことではなく、自分に合ったリスクの大きさを理解し、適切に管理しながら資産運用を行うことです。
まとめ
投資信託における「リスク」とは、危険性そのものではなく、リターンの振れ幅を意味します。価格変動リスクや為替変動リスクなど、主な6つのリスクを正しく理解することが、資産運用の第一歩です。
リスクをゼロにすることはできませんが、「長期・積立・分散」という3つの投資方法を実践することで、リスクを軽減し、安定的な資産形成を目指すことが可能です。
本記事で解説した内容を参考に、自身の目標やリスク許容度に合った投資信託を選び、賢く資産と付き合っていきましょう。
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監修
高橋 明香
- ファイナンシャルアドバイザー/CFP®認定者
みずほ証券(入社は和光証券)では、20年以上にわたり国内外株、債券、投資信託、保険の販売を通じ、個人・法人顧客向けの資産運用コンサルティング業務に従事。2021年に株式会社モニクルフィナンシャル(旧:株式会社OneMile Partners)に入社し、現在は資産運用に役立つコンテンツの発信に注力。1級ファイナンシャル・プランニング技能士、一種外務員資格(証券外務員一種)保有。
執筆
マネイロメディア編集部
- お金のメディア編集者
マネイロメディアは、資産運用に関することや将来資金に関することなど、お金にまつわるさまざまな情報をお届けする「お金のメディア」です。正確かつ幅広い年代のみなさまにわかりやすい、ユーザーファーストの情報提供に努めてまいります。
