

新NISAで高配当株投資を始める前に知っておくべきデメリットと対処法を徹底解説
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2024年から始まった新NISAを機に、高配当株投資を検討している人も多いのではないでしょうか。
しかし、配当金が非課税になるなどのメリットに惹かれる一方で、思わぬデメリットやリスクも存在します。
本記事では、新NISAと高配当株投資、それぞれのデメリットを専門家が徹底解説。具体的な対処法も紹介するので、自身に合った資産形成の第一歩を踏み出しましょう。
- 新NISA制度と高配当株投資がそれぞれ持つデメリットやリスク
- 損失を回避し、デメリットを最小化するための具体的な対処法
- 高配当株投資が向いている人と、インデックス投資などが向いている人の特徴
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新NISA×高配当株が人気の理由と見落とされがちなリスク

新NISAを活用した高配当株投資は、非課税で定期的な収入を得られる魅力から多くの投資家に人気です。
しかし、配当金非課税や定期収入といったメリットの裏には見落としがちなリスクも潜んでいます。
まずは、なぜ人気なのか、そしてどのようなリスクがあるのかを正しく理解しましょう。
配当金が非課税になる魅力
新NISAで高配当株に投資する最大の魅力は、受け取る配当金が非課税になる点です。
通常、株式の配当金には20.315%(所得税・復興特別所得税15.315%、住民税5%)の税金がかかります。
例えば、課税口座で年間10万円の配当金を受け取った場合、約2万円が税金として差し引かれ、手元に残るのは約8万円です。
しかし、新NISA口座であれば10万円を全額受け取ることができます。この非課税メリットは、長期的な資産形成においてプラスに影響する可能性があります。

定期的な収入が得られる安心感
高配当株投資のもう1つの魅力は、定期的に現金収入(インカムゲイン)が得られることです。多くの企業は年に1回または2回配当金を支払うため、株を保有していることで、定期的な収入を得られる可能性があります。
この定期収入は、現役世代にとっては給与以外の収入源として生活にゆとりをもたらし、リタイア後には公的年金を補う貴重な生活資金にもなり得ます。
資産を売却せずに収入を得られるため、心理的な安心感が大きいと感じる投資家は少なくありません。
メリットの裏に潜むリスク
配当金の非課税や定期収入といったメリットは魅力的ですが、その裏には見過ごせないリスクが存在します。
高配当株は、企業の業績が悪化すれば配当が減額されたり、停止されたりする「減配・無配リスク」を常に抱えています。
また、配当に利益を回す分、企業の成長投資が抑制され、株価自体の上昇が期待しにくい傾向もあります。
これらのリスクを理解しないままメリットだけに着目して投資を始めると、思わぬ損失につながる可能性があるため注意が必要です。
NISA制度そのものが持つ4つのデメリット

高配当株投資を検討する上で、新NISA制度自体が持つデメリットも理解しておく必要があります。
非課税という強力なメリットがある一方で、税制上の制約も存在します。これらを知らずにいると、想定外の課税や機会損失につながる可能性があります。
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損益通算ができず損失が出ても税制メリットなし
新NISA口座での取引における最大のデメリットの1つが、損失が出ても他の課税口座(特定口座や一般口座)の利益と相殺する「損益通算」ができない点です。
例えば、NISA口座で10万円の損失を出し、特定口座で20万円の利益が出たとします。課税口座同士であれば、利益と損失を相殺して課税対象額を10万円に圧縮できますが、NISA口座の損失は考慮されません。
そのため、特定口座の利益20万円全額に対して税金がかかってしまいます。また、損失を翌年以降に繰り越して控除する「繰越控除」も利用できません。
配当金の受取方法を間違えると課税される
新NISAで国内株式の配当金を非課税で受け取るためには、配当金の受取方法を「株式数比例配分方式」に設定しておく必要があります。これは、配当金を証券会社の取引口座で直接受け取る方法です。
受取方法には他に、銀行口座で受け取る「登録配当金受領口座方式」や、郵便局で配当金領収証と引き換える「配当金領収証方式」がありますが、これらの方法を選択しているとNISA口座内の株式であっても配当金に20.315%の税金が課されてしまいます。
NISA口座を開設したら、まず自身の配当金受取方法を確認し、必要であれば変更手続きを行いましょう。
外国株の配当には現地課税が残る
新NISAで非課税になるのは、あくまで日本国内で課される税金のみです。
米国株や米国ETFなど外国株式の配当金には、まず現地の国で税金が源泉徴収されます。例えば、米国株の配当金には米国で10%の税金がかかります。
課税口座(特定口座など)であれば、この二重課税を調整するために確定申告で「外国税額控除」を申請し、一部還付を受けられます。
しかし、NISA口座はもともと国内課税がゼロのため、控除の対象となる日本の税金が存在しません。
結果として、外国税額控除は適用できず、現地で課税された10%の税金を負担することになります。
配当再投資で非課税枠を消費してしまう
高配当株投資で得た配当金を再投資し、複利効果を狙う戦略は有効です。
しかし、新NISA口座で受け取った配当金を再投資する場合、配当金の買い付け金額分だけ年間の非課税投資枠(成長投資枠なら240万円)および生涯非課税限度枠を消費してしまう点には注意が必要です。
一方、分配金を出さずにファンド内で自動的に再投資する「無分配型」の投資信託であれば、投資家自身の非課税投資枠を消費することなく複利効果を享受できます。
配当金を受け取るたびに非課税枠を使ってしまう点は、長期的な資産の最大化を目指す上で、投資信託と比較した場合のデメリットといえるかもしれません。
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高配当株投資そのものが抱える3つのリスク

新NISAの制度的なデメリットとは別に、高配当株という投資対象そのものにも固有のリスクが存在します。
配当利回りの高さだけに注目していると、これらのリスクを見逃し、結果的に資産を減らしてしまう可能性もあります。
減配・無配リスクで配当が減る可能性
企業の配当金は利益の一部から支払われるため、業績が悪化すれば減額される「減配」や、支払いが停止される「無配」のリスクが常に伴います。
配当は約束されたものではなく、あくまで企業の経営判断によって決まります。
高配当を期待して投資したにもかかわらず、減配や無配が発表されると、期待していたインカムゲインが得られないだけでなく、株価も下落する「ダブルパンチ」に見舞われることが少なくありません。
景気の変動に業績が左右されやすい企業は注意が必要です。
株価上昇が限定的で成長性に欠ける
高配当を支払う企業は、事業が成熟段階にある安定企業が多い傾向にあります。
これらの企業は、利益の多くを配当として株主に還元するため、新たな事業や設備への再投資に回す資金が限られがちです。
その結果、急成長中の企業と比べて事業の拡大ペースが緩やかになり、株価の大幅な上昇(キャピタルゲイン)は期待しにくいという側面があります。
配当金を受け取れても、それ以上に株価が下落してしまっては、トータルリターンではマイナスになる可能性も考慮しなければなりません。
銘柄分析の手間と罠銘柄のリスク
魅力的な高配当株を見つけるには、単に配当利回りの高さで判断するのではなく、企業の財務状況や業績を分析する手間がかかります。
注意したいのが、業績不振によって株価が下落した結果、見かけ上の配当利回りが高くなっている「罠銘柄」です。
このような銘柄は、将来的に減配するリスクが高いといえます。
安定した配当を継続できる優良企業を見極めるには、配当性向(利益のうち配当に回す割合)や自己資本比率、過去の配当実績などをチェックする必要があり、投資初心者にとってはハードルが高いと感じるかもしれません。
デメリットを踏まえた高配当株投資の判断基準

新NISAと高配当株投資が持つデメリットを理解した上で、自分がこの投資手法に向いているのかを判断することが欠かせません。
投資の目的やスタイルによって、高配当株投資が最適な選択肢になる場合もあれば、他の手法のほうがよい場合もあります。
高配当株投資が向いている人
高配当株投資は、以下のような人に向いているといえるでしょう。
定期的な現金収入を重視する人
年金の補完や生活費の足しとして、資産を売却せずに安定したキャッシュフローを得たいと考えている人には適しています。
投資の成果を実感しながら続けたい人
定期的に配当金が振り込まれることで、投資を継続するモチベーションを維持しやすくなります。
比較的リスクを抑えて株式投資を始めたい人
高配当株は成熟企業が多く、成長株に比べて株価の変動が緩やかな傾向にあります。銘柄をしっかり分析・分散すれば、株式投資の中でもリスクを抑えやすいといえます。
高配当株投資が向いていない人
一方で、以下のような目的や考えを持つ人には、高配当株投資は最適ではないかもしれません。
長期的に資産の最大化を目指す人
配当金を受け取るたびに税金(課税口座の場合)や再投資の手間がかかるため、利益を内部で再投資して複利効果を最大限に活かすインデックスファンドなどに比べて、資産増加のスピードが遅くなる可能性があります。
銘柄分析や管理の手間をかけたくない人
安定した配当を維持できる優良企業を見つけるには、財務分析などの手間がかかります。また、定期的な業績チェックも欠かせません。こうした手間を避けたい場合は、プロに運用を任せる投資信託のほうが向いています。
株価の値下がりリスクを極力避けたい人
高配当株も株式である以上、元本割れのリスクは常に存在します。配当収入以上に株価が下落する可能性もあり、価格変動に一喜一憂したくない人には不向きです。
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デメリットを管理するための5つのポイント

新NISAでの高配当株投資にはデメリットもありますが、それらを理解し、適切な対策を講じることでリスクを管理し、安定した資産形成を目指すことが可能です。
ここでは、デメリットを管理するための具体的な5つのポイントを解説します。
配当利回りだけで選ばず業績の安定性を重視
高配当株を選ぶ際、重要なのは配当利回りの高さだけで判断しないことです。見かけ上の利回りが高くても、業績が悪化している企業は将来減配するリスクが高まります。
以下の点を総合的にチェックし、安定して配当を支払い続けられる体力のある企業を選びましょう。
- 過去の配当実績:長期間にわたり安定配当や増配を続けているか
- 業績の安定性:景気変動に左右されにくく、安定した利益を上げているか
- 財務健全性:自己資本比率が高く、財務基盤が安定しているか
- 配当政策:累進配当(減配しない方針)などを掲げ、株主還元に積極的か
複数銘柄・セクターに分散投資
どんなに優良な企業でも、予期せぬ業績悪化に見舞われる可能性はゼロではありません。1つの銘柄に集中投資していると、当該企業が減配した場合に影響を受けてしまいます。
リスクを軽減するためには、少なくとも5〜10銘柄以上に分散投資することが推奨されます。
さらに、金融、通信、エネルギー、生活必需品など、異なる業種(セクター)に分散することで、特定の業界の不振がポートフォリオ全体に与える影響を和らげることができます。
景気に左右されにくいディフェンシブセクターと、景気回復時に成長が期待できる景気敏感セクターをバランスよく組み合わせるのが理想です。
配当金受取方法を必ず確認
新NISAで国内株の配当金を非課税にするためには、配当金の受取方法を「株式数比例配分方式」に設定することが必須条件です。
これは証券会社の口座で配当金を受け取る方式で、多くの証券会社では初期設定になっていますが、念のため確認が必要です。
もし「配当金領収証方式」や「登録配当金受領口座方式」になっている場合は、NISAの非課税メリットを享受できません。
証券会社のWebサイトやアプリから簡単に確認・変更ができるので、高配当株を購入する前に必ず設定を見直しておきましょう。
外国株は現地課税を織り込んで判断
米国株などの外国高配当株に投資する場合、NISA口座であっても現地での源泉徴収税(米国株は10%)は避けられません。また、課税口座と違って外国税額控除による還付も受けられません。
そのため、外国株の配当利回りを評価する際は、表示されている利回りから現地課税分を差し引いた「実質利回り」で考えることが鍵となります。
例えば、配当利回り4.0%の米国株の場合、10%の現地課税後は実質利回り3.6%となります。
この実質利回りを日本の高配当株と比較し、投資判断を行いましょう。
高配当株とインデックス投資を併用
高配当株投資のデメリットを補う有効な戦略が、インデックス投資との併用です。新NISAでは「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つの枠を同時に利用できます。
例えば、資産形成のコア(核)として「つみたて投資枠」で全世界株式やS&P500などのインデックスファンドを積み立て、長期的な資産成長を目指します。
そして、サテライト(衛星)として「成長投資枠」の一部で高配当株に投資し、定期的なキャッシュフローを確保するという方法です。
これにより、資産全体の成長性と安定したインカム収入の両方を追求するバランスの取れたポートフォリオを構築できます。
新NISAの高配当株投資に関するよくある質問
新NISAで高配当株投資を始めるにあたり、多くの人が抱く疑問について、Q&A形式で分かりやすく解説します。
Q. 損失が出た場合どうなる?
A. 新NISA口座で投資した高配当株の株価が下落し、売却して損失が出た場合、当該損失は税務上ないものとして扱われます。
そのため、特定口座や一般口座で得た他の利益と相殺(損益通算)して、支払う税金を減らすことはできません。
また、損失を翌年以降に繰り越す「繰越控除」も適用対象外です。
Q. 米国株の配当は完全非課税にならない?
A. なりません。新NISAで非課税となるのは日本国内で課される所得税・住民税(合計20.315%)です。
米国株の配当金には、まず米国で10%の税金が源泉徴収されます。この現地課税分はNISA口座でも課税され、外国税額控除による還付も受けられないため、実質的に10%の税負担が残ります。
Q. 配当再投資は自動でできる?
A. 個別株式の場合、配当金の自動再投資はできません。
配当金は一度、証券口座に現金として入金されます。再投資を行うには、当該現金を使って自身で手動で株式を買い付ける必要があります。
投資信託の「分配金再投資コース」のように自動で再投資される仕組みとは異なるため、注意が必要です。
まとめ

新NISAを活用した高配当株投資は、配当金が非課税になるというメリットがあり、定期的な収入源を確保したい方にとって魅力的な選択肢です。
しかし、配当金非課税や定期収入といったメリットの裏には制度上のデメリットや高配当株特有のリスクが存在することも忘れてはなりません。
損益通算ができない点や、外国株の現地課税、減配・無配のリスクなどを正しく理解し、対策を講じることが成功の鍵となります。
配当利回りだけでなく企業の業績や財務の安定性を重視した銘柄選び、そして複数銘柄への分散投資を徹底しましょう。
また、自身の投資目的やリスク許容度に合わせて、インデックス投資と組み合わせるなど、バランスの取れたポートフォリオを構築することが、長期的な資産形成において推奨されます。
本記事で解説したデメリットと対処法を参考に、賢い投資判断を行ってください。
高配当株投資が自身の資産形成プランに合っているか、まずは専門家の視点から診断してみませんか。
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