
私立高校無償化はいつから?2026年4月開始の制度内容と要点を解説
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2026年2月27日に改正法案が閣議決定され、同年4月よりいわゆる「私立高校の実質無償化」が始まります。 高校の授業料支援制度にあった所得制限が撤廃され、世帯年収に関わらず、私立高校の全国平均授業料に相当する「年額45万7000円」までが国から支給されるようになります。
そこで本記事では、この「私立高校の実質無償化」による所得制限の撤廃や支援額の増額など、具体的な変更点を専門家のもと、分かりやすく解説していきます。
- 私立高校の実質無償化(就学支援金の新制度)は2026年4月入学生から開始される
- 所得制限が撤廃され全世帯が対象となり、私立の支給上限額は年間45万7200円に引き上げられる
- 支援の対象は授業料のみで、入学金や制服代は対象外。支援を受けるには入学後の申請が必須
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私立高校無償化の開始時期
いわゆる「私立高校の実質無償化」は、高等学校等就学支援金制度の拡充によるもので、2026年4月(令和8年度)の入学生から全国で本格的に開始されます。
この変更により、これまで所得制限によって対象外となっていた世帯も支援を受けられるようになり、多くの家庭で教育費の負担が軽減される見込みです。
(参考:高校生等への修学支援|文部科学省)
2026年4月入学生から全国で開始
高等学校等就学支援金の新制度は、2026年4月(令和8年度)に入学する生徒から適用されます。現在の中学3年生以下のお子さんが、この新制度の対象世代となります。
大きな変更点は、これまで設けられていた世帯年収に関する所得制限が撤廃されることです。これにより、公立・私立を問わず、すべての高校生等のいる世帯が授業料支援の対象となります。
家庭の経済状況にかかわらず、生徒が希望する教育を受けられる環境を整備することが目的です。
厳密には「完全無償化」ではない?制度の3つのポイント
「私立高校無償化」という言葉が広く使われていますが、実際には完全な「無償化」ではなく、いくつかの要点があります。
ここでは、2026年度から始まる新制度の3つの重要なポイントを解説します。所得制限の撤廃、支給上限額の引き上げ、そして支援対象の範囲について確認し、制度の全体像を把握しましょう。
所得制限の撤廃
新制度の最大のポイントは、所得制限が撤廃される点です。2025年度までの制度では、就学支援金を受けられるのは目安として年収約910万円未満の世帯に限られており、それ以上の収入がある世帯は全額自己負担となっていました。
しかし、2026年度からはこの制限がなくなり、世帯年収にかかわらずすべての家庭が支援の対象となります。
これにより、これまで支援を受けられなかった高所得世帯も、私立高校の授業料負担を大幅に軽減できるようになります。
支給上限額の引き上げ
2つ目のポイントは、私立高校に通う生徒への支給上限額が引き上げられることです。
現行制度では、年収約590万円未満の世帯に対して年間最大39万6000円が、年収590万円~910万円未満の世帯には年間11万8800円が支給されています。これが新制度では、所得にかかわらず年間最大45万7200円に増額されます。
この金額は、全国の私立高校の平均授業料を基に設定されており、多くの私立高校の授業料をカバーできる水準です。
この引き上げにより、家庭の自己負担額がさらに軽減されることが期待されます。
支援されるのは授業料のみ
3つ目の重要なポイントは、この制度で支援されるのはあくまで「授業料」のみであるという点です。「無償化」といっても、高校生活にかかるすべての費用がゼロになるわけではありません。
具体的には、以下の費用は支援の対象外となり、各家庭で負担する必要があります。
- 入学金
- 施設設備費
- 制服代、体操服代
- 教科書代、教材費
- 修学旅行の積立金
- 部活動費
私立高校へ進学する際は、授業料以外にもこれらの費用がかかることを念頭に置き、資金計画を立てることが大切です。
高等学校等就学支援金は、自動的に支給されるものではなく、申請手続きが必要です。入学時等に学校から申請の案内がありますので、その内容に従って申請を行いましょう。原則として申請はオンラインで行います。
(参考:高校生等への修学支援 > 高等学校等就学支援金制度|文部科学省)
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うちの子は対象になる?ケース別の判断基準
2026年度から始まる私立高校の実質無償化(高等学校等就学支援金の新制度)について、自分の子どもが対象になるかどうかは気になるところでしょう。
ここでは、具体的な基準について解説します。
(参考:高校生等への修学支援|文部科学省)
対象となる学校の種類
就学支援金の対象となるのは、私立の全日制高校だけではありません。以下の学校に通う生徒が対象となります。
- 高等学校(全日制、定時制、通信制)
- 中等教育学校(後期課程)
- 特別支援学校(高等部)
- 高等専門学校(1~3年生)
- 専修学校(高等課程・一般課程)
- 各種学校のうち国家資格者養成課程に指定されている学校
- 海上技術学校
ただし、学校の種類や課程によって支給される上限額は異なります。例えば、私立の通信制高校の上限額は年間33万7200円と、全日制とは異なる金額が設定されています。
進学を希望する学校が対象になるか、また支給額はいくらかを事前に確認しておくとよいでしょう。
対象となる人
就学支援金の対象となる人は、上で紹介した学校に在学し、日本国内に居住している人のうち、次のいずれかに該当する者とされています。
- 日本国籍を有する者
- 特別永住者
- 永住者
- 日本人の配偶者等
- 永住者の配偶者等
- 定住者のうち将来永住する意思があると認められた者
- 家族滞在のうち日本で出生、又は小学校卒業までに来日し、小学校及び中学校を卒業した者であって、高校等卒業後、日本で就労して定着する意思があると認められた者
実際にいくら支援される?授業料との差額を確認
就学支援金の新制度では、私立高校の支給上限額が年間45万7200円に引き上げられます。しかし、実際に自己負担がいくらになるかは、通う学校の授業料によって異なります。
ここでは、学校の授業料が支給上限額を「下回る場合」と「上回る場合」の2つのケースに分けて、具体的な自己負担額を確認します。
また、授業料以外に必要となる費用についても解説します。
授業料が45万7200円以内の場合
通う私立高校の年間の授業料が、支給上限額である45万7200円以内の場合、授業料は実質無償となります。
例えば、年間の授業料が40万円の学校であれば、支援金で全額がカバーされるため、授業料の自己負担は発生しません。
この上限額は全国の私立高校の平均授業料を基に設定されているため、多くの学校で授業料負担が大幅に軽減される、あるいはゼロになることが期待されています。
授業料が45万7200円を超える場合
学校の年間の授業料が支給上限額の45万7200円を超える場合、この超過分は自己負担となります。
例えば、年間の授業料が60万円の私立高校に進学する場合の計算は以下の通りです。
60万円(授業料) - 45万7200円(支援金) = 14万2800円(自己負担額)
このケースでは、年間14万2800円が授業料の自己負担額となります。
進学を希望する学校の授業料を事前にホームページなどで確認し、自己負担額がどのくらいになるかを把握しておくことが必須です。
授業料以外に必要な費用
就学支援金は授業料を支援する制度のため、それ以外の費用は別途準備が必要です。一般的に、私立高校では授業料以外にも、制服や教科書、通学用品などの購入費用がかかります。
さらに、修学旅行の積立金や通学定期代なども必要になるでしょう。
授業料が実質無償になったとしても、初年度にはまとまった金額が必要になることを理解し、計画的に資金を準備しておきましょう。
無償化を活用した進路選択のポイント
私立高校の授業料支援が拡充されることで、これまで経済的な理由で進路の選択肢が限られていた家庭でも、より自由に学校を選べるようになります。
ただし、制度を上手に活用して最適な進路を選ぶためには、いくつかのポイントがあります。ここでは、無償化を踏まえた進路選択で考慮すべき点について解説します。
公立と私立の選択肢が広がる
今回の制度拡充により、授業料の負担が大幅に軽減されるため、経済的な理由で私立高校を諦めていた家庭でも、積極的に検討できるようになります。
これにより、子どもの学力や個性、将来の希望に合った教育方針を持つ学校を、公立・私立の垣根なく探すことが可能になります。多様な選択肢の中から、子どもにとって一番よい環境を選べることは、この制度の大きなメリットといえるでしょう。
ただし、前述の通り、授業料以外の費用は自己負担となるため、3年間のトータルコストを比較検討することが重要です。
学校選びで重視すべきポイント
授業料の負担が軽くなるからといって、安易に学校を選ぶべきではありません。無償化はあくまで選択肢を広げるための手段と捉え、学校選びそのものは慎重に行う必要があります。
学校選びで重視すべきポイントは以下の通りです。
- 教育方針や校風:子どもの性格や価値観に合っているか。
- カリキュラム:将来の進路希望に合った学習ができるか。
- 進学実績:希望する大学への進学者は多いか。
- 部活動や課外活動:子どもが打ち込める活動があるか。
- 通学時間とアクセス:無理なく通える範囲か。
- 授業料以外の費用:3年間でかかる総費用はどのくらいか。
まとめ
いわゆる「私立高校無償化」と呼ばれる高等学校等就学支援金の新制度は、2026年4月の入学生から本格的にスタートします。
この制度改正の最大のポイントは、所得制限が撤廃され、すべての世帯が対象となる点です。また、私立高校の支給上限額も年間45万7200円に引き上げられ、多くの家庭で教育費の負担が軽減されます。
ただし、支援を受けるためには入学後の申請手続きが必須です。また、支援の対象は授業料のみであり、入学金や制服代などは別途必要になるため、資金計画は余裕を持って立てておきましょう。
制度を上手く活用し、子どもにとって最適な進路選択につなげましょう。
長期的には、高校の費用だけでなく、大学進学やその先のライフプランまで見据えた資金計画が重要です。まずは、ご家庭の状況で将来どれくらいのお金が必要になるか、シミュレーションで確認してみましょう。
»あなたの家庭の将来の必要額は?3分でシミュレーション
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監修
高橋 明香
- ファイナンシャルアドバイザー/CFP®認定者
みずほ証券(入社は和光証券)では、20年以上にわたり国内外株、債券、投資信託、保険の販売を通じ、個人・法人顧客向けの資産運用コンサルティング業務に従事。2021年に株式会社モニクルフィナンシャル(旧:株式会社OneMile Partners)に入社し、現在は資産運用に役立つコンテンツの発信に注力。1級ファイナンシャル・プランニング技能士、一種外務員資格(証券外務員一種)保有。
執筆
マネイロメディア編集部
- お金のメディア編集者
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