

確定給付企業年金と退職金の違いとは?受取方法・税金・仕組みを徹底比較
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「確定給付企業年金」と「退職金」、どちらも老後の大切な資金ですが、両者の違いを正確に理解している方は少ないかもしれません。受け取り方や税金のかかり方が異なり、知らずに選択すると将来の資産に影響が出る可能性もあります。
本記事では、両者の仕組みを5つの観点から徹底比較し、自身の状況に合った最適な選択ができるよう、分かりやすく解説します。
- 確定給付企業年金と退職金の基本的な仕組みと5つの違い
- 一時金と年金形式での受け取り方による税制上の有利・不利
- 運用リスクの所在や資産保全性の違い
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確定給付企業年金と退職金の基本的な違い

確定給付企業年金(DB)と退職金(退職一時金)は、どちらも従業員の退職後の生活を支える重要な制度ですが、両者の性質は異なります。まずはこの2つの違いについて知っておきましょう。
退職給付の全体像
企業が従業員の退職時に支払う金銭は、総称して「退職給付」と呼ばれます。退職給付は、従業員の長年の功績に報い、退職後の生活を支えることを目的とした制度です。
退職給付の具体的な形として、主に以下の2つが存在します。
- 退職一時金: 退職時に一括で支払われる、一般的な形態です。
- 企業年金: 退職後に分割して年金形式で受け取る制度です。企業年金には、将来の給付額が約束されている「確定給付企業年金(DB)」や、従業員自身が運用を行う「確定拠出年金(DC)」などがあります。
つまり、確定給付企業年金も退職金も、「退職給付」という枠組みの中に含まれる制度の1つです。企業によっては、退職一時金制度と企業年金制度を組み合わせて導入している場合もあります。
確定給付企業年金(DB)とは
確定給付企業年金(DB:Defined Benefit Plan)とは、将来受け取る給付額が、加入者の給与や勤続年数などに応じてあらかじめ約束されている企業年金制度です。2002年4月に施行された確定給付企業年金法に基づいて運営されています。
最大の特長は、掛金の運用責任を企業が負う点です。運用実績が予定を下回った場合でも、企業が不足分を補填する義務があるため、従業員は市場の変動に左右されずに約束された額を受け取ることができます。従業員の老後生活の安定に寄与する制度といえるでしょう。
制度の形態には、企業が外部の金融機関と契約して資産管理を委託する「規約型」と、企業が母体とは別に「企業年金基金」という法人を設立して運営する「基金型」の2種類があります。
退職金(退職一時金)とは
退職金(退職一時金)とは、従業員が会社を退職する際に、一括で支払われる金銭給付の総称です。法律で導入が義務付けられている制度ではなく、各企業が就業規則や退職金規程に基づいて独自に設けています。
そのため、支給の有無、支給条件(勤続年数など)、計算方法は企業によって異なります。一般的には、長年の勤続に対する功労報奨や、退職後の生活支援といった目的で支給されます。
多くの企業では、退職金の原資を社内の内部留保や別途積立金で準備しています。これは、資産が企業の外部に保全される企業年金とは異なる点です。
5つの観点から見る違い
確定給付企業年金と退職金は、同じ退職給付制度ですが、いくつかの違いがあります。具体的には以下の観点で詳しく特徴を把握していくことが大切です。
- 受取方法と給付額の決まり方:一括か分割か、給付額は固定か変動か。
- 運用リスクと資産保全:運用責任は誰が負うのか、会社の経営状況に影響されるか。
- 税制面:受け取る際にどのような税金がかかり、どちらが有利か。
- 併用の可否:両方の制度を同時に利用できるのか。
- 中途退職時の扱い:勤続年数が短い場合や転職時にどうなるか。
以降のセクションで、これらの違いについて詳しく解説していきます。
1.受取方法と給付額の決まり方の違い

確定給付企業年金と退職金では、従業員が給付を受け取る方法と、給付額がどのように決まるかに明確な違いがあります。受取方法は老後の資金計画に、給付額の決定方法は将来受け取れる金額の安定性に直接関わるため、重要な比較ポイントです。
確定給付企業年金の受取方法
確定給付企業年金は、名の通り「年金」として分割で受け取るのが基本です。退職後、一定の年齢から定期的に給付を受けられるため、公的年金と合わせて安定した収入源となり、長期的な生活設計を立てやすいメリットがあります。
ただし、多くの制度では従業員のライフプランの多様性に対応するため、退職時に「一時金」として一括で受け取る選択肢も用意されています。年金か一時金か、あるいは一部を一時金で受け取り残りを年金にするなど、柔軟な受け取り方が可能な場合もあります。
退職金の受取方法
退職金は、一般的に「退職一時金」として退職時に一括で受け取ります。まとまった資金を一度に手にできるため、住宅ローンの完済や家のリフォーム、事業の開業資金など、退職後の支出に充てやすいのがメリットです。
ただし、一度に多額の金額を受け取るため、計画的な資金管理が求められます。無計画に使ってしまうと、老後資金が早期に枯渇するリスクも考えられます。企業によっては、退職金を年金形式で分割して受け取れる制度を設けている場合もありますが、一時金での受け取りが主流です。
給付額の決まり方の違い
給付額がどのように決まるかは、両制度の根本的な違いです。
確定給付企業年金(DB)は、将来の給付額が加入時の規約によってあらかじめ確定しています。多くの場合、勤続年数や退職時の給与水準などに基づいて計算式が定められており、従業員は将来いくら受け取れるかを予測しやすいのが特長です。運用成果がどうであれ、約束された金額が保証されます。
一方、退職一時金は、企業の退職金規程によって給付額が定められます。計算方法は企業ごとにさまざまですが、こちらも勤続年数や役職、退職理由などが反映されるのが一般的です。ただし、企業の業績によっては規程が変更されたり、支払い能力に影響が出たりする可能性もゼロではありません。
2.運用リスクと資産保全の違い
退職給付の原資となる資産がどのように管理・保全され、運用に関するリスクを誰が負うのかは、制度の安定性を測るうえで極めて重要なポイントです。確定給付企業年金と退職金では、資産の管理方法とリスク負担の所在が根本的に異なります。
確定給付企業年金の資産保全
確定給付企業年金は、法律によって資産を企業の外部で積み立てること(外部積立)が義務付けられています。企業は毎月、掛金を信託会社や生命保険会社といった外部の金融機関に拠出し、そこで資産が管理・運用されます。
この仕組みにより、年金資産は企業の経営資産とは明確に分離・保全されます。万が一、会社が倒産するような事態に陥っても、積み立てられた年金資産は守られ、従業員の受給権が保護される仕組みになっています。これは、従業員にとって安心材料となります。
退職金の資産保全リスク
退職一時金制度の場合、資産の事前積立は法的に義務付けられていません。多くの企業では、退職金の支払いに備えて社内に資金を準備(内部留保)していますが、これはあくまで企業の任意です。
計画的な資金準備が行われていない場合、企業の業績悪化や倒産といった事態が発生すると、約束通りの退職金が支払われないリスクがあります。
企業の支払い能力に依存する点が、外部積立が義務付けられている企業年金との違いです。退職者が一時的に集中した場合に、企業のキャッシュフローを圧迫する可能性も考えられます。
運用リスクの負担者
退職給付の原資を運用する際のリスクを誰が負うかは、両制度の決定的な違いです。
確定給付企業年金(DB)では、年金資産の運用リスクは全面的に企業が負います。運用成績が振るわず、約束した給付額に対して積立金が不足した場合、企業は追加で掛金を拠出するなどの方法で不足分を補填する法的義務を負います。そのため、従業員は運用成果にかかわらず、約束された給付額を受け取ることができます。
一方、退職一時金制度では、形式上は企業が支払いリスクを負いますが、そもそも運用が前提となっていないケースも多くあります。
企業が退職金準備のために資産運用を行っていたとしても、運用成果が直接従業員の給付額に反映されるわけではありません。リスクはあくまで企業の財務状況、つまり「支払い能力」そのものにあるといえます。
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3.税制面での違い

退職給付を受け取る際には税金がかかりますが、課税方法は「一時金」で受け取るか「年金」で受け取るかによって異なります。税金の仕組みを理解することは、手取り額を最大化し、賢く老後資金を準備するうえで不可欠です。
一時金受取の税制
退職金を一時金で受け取る場合、所得は「退職所得」として扱われます。退職所得は、長年の勤労に対する報奨的な意味合いから、税制上たいへん優遇されています。
最大のポイントは「退職所得控除」です。これは勤続年数に応じて所得から差し引ける控除で、税負担を大幅に軽減します。計算式は以下の通りです。
- 勤続20年以下:40万円 × 勤続年数(80万円に満たない場合は80万円)
- 勤続20年超:800万円 + 70万円 ×(勤続年数 - 20年)
さらに、退職金から退職所得控除額を引いた残りの金額の2分の1だけが課税対象となります。他の所得とは合算せずに個別に税額を計算する「分離課税」が適用されるため、税率が急に上がることも避けられます。
年金受取の税制
確定給付企業年金などを年金形式で受け取る場合、所得は「公的年金等に係る雑所得」として扱われます。これは、国民年金や厚生年金といった公的年金と同じ区分です。
雑所得は、給与所得など他の所得と合算して総所得金額を算出し、税額を計算する「総合課税」の対象となります。毎年、確定申告が必要です。
年金収入にも「公的年金等控除」が適用され、一定額が収入から差し引かれますが、退職所得控除ほどの控除ではありません。
そのため、年間の所得額によっては、一時金で受け取る場合よりも税負担が増える可能性があります。ただし、毎年の税負担が分散されるという側面もあります。
どちらが有利か
税制面でどちらが有利かは、個人の状況によって一概には言えません。しかし、一般的には「退職所得控除」の恩恵が大きい一時金受取のほうが、税負担は軽くなる傾向にあります。勤続年数が長いほど控除額が増えるため、有利になりやすいです。
一方で、年金受取は一度に所得が発生しないため、所得税率が急激に上がるのを防ぎ、毎年の税負担を平準化できるメリットがあります。また、公的年金以外の所得が少ない場合は、公的年金等控除の範囲内に収まり、結果的に税負担が軽くなるケースも考えられます。
最終的な判断は、退職金の額、勤続年数、退職後の働き方や他の所得の有無などを総合的に考慮し、シミュレーションを行ったうえで決定することが望ましいでしょう。
4.確定給付企業年金と退職金の併用可否
従業員の福利厚生を手厚くするため、確定給付企業年金と退職一時金制度の両方を導入している企業も存在します。両制度を併用することで、従業員はより多様な選択肢の中から自身のライフプランに合った退職給付の受け取り方を選ぶことが可能になります。
併用のメリット
企業が両制度を併用する最大のメリットは、従業員の多様なニーズに応えられる点にあります。例えば、「住宅ローンの残債を一括返済するために、一部を一時金で受け取り、残りは老後の安定収入として年金で受け取る」といった柔軟な選択が可能になります。
従業員は自身のライフプランや退職後の資金計画に合わせて、最適な受け取り方を組み合わせることができます。制度の選択肢を広げることは、従業員の満足度向上や、優秀な人材の確保・定着にも繋がり、企業の福利厚生を充実させる有効な手段となります。
自社の制度を確認する方法
自身の勤務先がどのような退職給付制度を導入しているかを確認するためには、「就業規則」や、より詳細が記載されている「退職金規程」を確認するのが適切です。
退職金制度を設けている企業は、制度内容を就業規則に記載することが法律で定められています。支給条件、計算方法、受け取り方の選択肢などが明記されているはずです。
書類が見当たらない場合や、内容がよくわからない場合は、人事部や総務部の担当者に直接問い合わせてみましょう。自身の将来に関わる重要なことですので、早めに内容を把握しておくことが大切です。
5.中途退職時の扱いの違い

定年まで勤め上げるだけでなく、キャリアアップのための転職が一般的になった現代において、中途退職時に退職給付がどのように扱われるかは重要です。確定給付企業年金と退職金では、中途退職時の取り扱いや資産の持ち運び(ポータビリティ)の可否に違いがあります。
確定給付企業年金の中途退職時
確定給付企業年金(DB)では、多くの場合、一定の勤続年数を満たせば中途退職時にも「脱退一時金」として給付を受けられます。ただし、自己都合退職の場合は支給額が減額されることが一般的です。
DBの特徴は、積み立てた年金資産を転職先の企業年金制度やiDeCo(個人型確定拠出年金)に移換できる「ポータビリティ」という仕組みがあることです。これにより、転職しても年金資産を継続して運用することが可能となり、柔軟なキャリア設計がしやすくなります。
ただし、移換できるかどうかは転職先の制度など一定の条件を満たす必要があります。
退職金の中途退職時
退職一時金制度の場合も、中途退職者への支給は企業の退職金規程によって定められます。一般的に、支給には最低勤続年数(例えば3年以上など)が設定されていることが多く、最低年数を満たさない場合は支給されません。
また、自己都合で退職する場合、会社都合や定年退職に比べて支給額が大幅に減額されるのが一般的です。
例えば、会社都合退職時の8割程度の金額に設定されている企業もあります。退職一時金制度にはポータビリティの仕組みはないため、受け取った資金をどう活用するかは完全に自己責任となります。
転職時の注意点
転職を考える際には、現在の勤務先と転職先の両方の退職給付制度を事前に確認することが必須です。
- 現在の勤務先の制度:中途退職時の支給条件、支給額の計算方法、ポータビリティの可否などを確認しましょう。自己都合退職の場合の減額率を把握しておくことが大切です。
- 転職先の制度:どのような退職給付制度があるか、また、前の会社の年金資産を受け入れることができるか(ポータビリティ対応か)を確認します。
これらの情報を基に、退職一時金を受け取るか、年金資産を移換するかを判断する必要があります。キャリアプランとライフプランを総合的に考え、最適な選択をしましょう。
確定給付企業年金と他の退職給付制度との違い

退職給付制度には、確定給付企業年金(DB)や退職一時金のほかにも、いくつかの種類が存在します。「確定拠出年金(DC)」や「中小企業退職金共済(中退共)」は、多くの企業で採用されている代表的な制度です。これらの制度との違いを理解することで、自身の会社の制度をより深く把握できます。
確定拠出年金(DC)との違い
確定拠出年金(DC)は、確定給付企業年金(DB)としばしば比較される制度です。両者の決定的な違いは、運用リスクを誰が負うかという点にあります。
DBでは企業が運用責任を負い、将来の給付額が保証されます。一方、DCでは企業が毎月一定の掛金を拠出し、従業員自身が運用を行います。
そのため、運用成果によって将来受け取る金額が変動し、元本割れのリスクも従業員が負うことになります。自分で積極的に資産運用を行いたい人にとっては、リターンを狙える可能性がある制度です。
中小企業退職金共済(中退共)との違い
中小企業退職金共済(中退共)は、単独で退職金制度を設けることが難しい中小企業のために国が設けた制度です。事業主が独立行政法人勤労者退職金共済機構と契約を結び、毎月の掛金を納付することで、従業員が退職した際に機構から直接退職金が支払われます。
確定給付企業年金が主に中堅〜大企業向けの制度であるのに対し、中退共は中小企業を対象としている点が違いです。
また、制度の運営主体が国(の関連機関)であるため、企業が倒産しても退職金は保証されるなど、高い安全性が確保されています。掛金の一部を国が助成する制度もあり、導入しやすい仕組みになっています。
制度選択のポイント
企業がどの退職給付制度を選択するかは、企業の規模、財務状況、従業員のニーズなど、さまざまな要因によって決まります。
- 安定性を重視する大企業 → 確定給付企業年金(DB)
- 従業員の自主性を尊重し、運用コストを抑えたい企業 → 確定拠出年金(DC)
- 退職金制度を手軽に導入したい中小企業 → 中小企業退職金共済(中退共)
- 柔軟な制度設計を自社で行いたい企業 → 退職一時金制度
従業員としては、自社の制度がどのタイプに当てはまるかを理解し、制度の特性に合わせた自身のキャリアプランやライフプランを考えることが大切です。
確定給付企業年金と退職金、どちらが有利?

「確定給付企業年金」と「退職金」、どちらの制度が有利かは、従業員と企業のそれぞれの立場によって見方が異なります。
それぞれのメリット・デメリットを比較し、どちらがどのような状況で有利になるのかを考えてみましょう。
従業員にとってのメリット・デメリット
従業員の視点から見ると、両制度にはそれぞれ異なる魅力と注意点があります。
確定給付企業年金(DB)のメリット・デメリット
DBのメリットは、将来の給付額が約束されていることによる圧倒的な安心感です。企業の運用リスクから切り離されているため、市場の変動を気にすることなく、安定した老後設計が可能です。
デメリットとしては、自分で積極的に運用して資産を増やすことはできない点が挙げられます。
退職一時金のメリット・デメリット
退職一時金のメリットは、まとまった資金を一度に受け取れることです。住宅ローンの完済など、特定のライフイベントに柔軟に対応できます。
一方で、企業の支払い能力に依存するため、会社の業績によっては将来の受給に不安が伴う点がデメリットです。また、受け取った後の資金管理はすべて自己責任となります。
企業にとってのメリット・デメリット
企業側の視点では、制度の導入・運用コストが重要な判断材料となります。
確定給付企業年金(DB)のメリット・デメリット
確定給付企業年金(DB)は、制度設計が複雑で国の認可が必要なため、導入のハードルが高いのがデメリットです。また、運用リスクを企業が負うため、運用成績が悪化した場合には追加の資金負担が発生する可能性があります。
しかし、手厚い福利厚生として従業員の定着率向上や採用競争力の強化につながるというメリットがあります。
退職一時金のメリット・デメリット
退職一時金制度は、就業規則で定めるだけで導入できるため、比較的シンプルで手軽なのがメリットです。
ただし、退職者が集中すると一時的に多額の現金支出が必要になり、資金繰りを圧迫するリスクがあります。また、企業の業績悪化時には原資の確保が課題となる可能性もあります。
ライフプランに応じた選択
最終的にどちらの制度が有利かは、個人のライフプランや価値観によって異なります。
- 安定志向で、将来の収入を確定させたい人:確定給付企業年金(DB)が有利
- 退職後に資金需要があり、自分で資産管理をしたい人:退職一時金が有利
もし勤務先の制度で受け取り方を選択できる場合は、自身の退職後の生活設計を具体的に描き、税金面も含めてシミュレーションしたうえで判断することが鍵となります。
例えば、退職金で住宅ローンを完済し、残りの生活費は公的年金と企業年金で賄うといった組み合わせも考えられます。自身の状況に合わせて最適な選択をしましょう。
確定給付企業年金と退職金に関するよくある質問
確定給付企業年金と退職金に関して、多くの方が抱く疑問についてQ&A形式で解説します。
Q. 確定給付企業年金と退職金は両方もらえる?
はい、もらえます。ただし、それは勤務先の企業が退職一時金制度と確定給付企業年金制度の両方を「併用」して導入している場合に限ります。
大企業では併用しているケースが多く見られますが、企業の制度によりますので、自身の勤務先の就業規則や退職金規程を確認することが必要です。
Q. 確定給付企業年金と退職金はどちらが税金面で有利?
一概には言えませんが、一般的には一時金として受け取るほうが税制上有利になる傾向があります。勤続年数に応じた「退職所得控除」が大きいため、さらに控除後の金額の2分の1のみが課税対象となるためです。
ただし、退職後の所得状況など個別のケースによりますので、専門家への相談も推奨されます。
Q. 中途退職したらどうなる?
どちらの制度も、中途退職時の取り扱いは企業の規程によります。一般的に、支給には最低勤続年数が定められており、自己都合退職の場合は支給額が減額されます。
確定給付企業年金の場合は、積み立てた資産を転職先やiDeCoに移換できる「ポータビリティ」制度を利用できる場合があります。
まとめ

本記事では、確定給付企業年金(DB)と退職金(退職一時金)の違いについて、5つの観点から詳しく解説しました。将来の給付額が約束され資産保全性が高いDBと、まとまった資金を一括で受け取れる退職一時金、それぞれにメリット・デメリットがあります。
自身の老後資金を考えるうえで大事なのは、まず勤務先の退職給付制度がどのようになっているかを正確に把握することです。就業規則や退職金規程を確認し、不明な点は人事部に問い合わせましょう。
その上で、自身のライフプランに合った受け取り方や活用法を検討することが、豊かなセカンドライフへの第一歩となります。
自身の退職給付制度を理解したうえで、将来の資金計画に不安を感じる方は、まずは無料の診断ツールで将来の必要資金をシミュレーションしてみましょう。
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監修

山本 務
- 特定社会保険労務士/AFP/第一種衛生管理者
東京都練馬区で、やまもと社会保険労務士事務所を開業。企業の情報システム、人事部門において通算28年の会社員経験があるのが強みであり、情報システム部門と人事部門の苦労がわかる社会保険労務士。労務相談、人事労務管理、就業規則、給与計算、電子申請が得意であり、労働相談は労働局での総合労働相談員の経験を生かした対応ができる。各種手続きは電子申請で全国対応が可能。また、各種サイトで人事労務関係の記事執筆や監修も行っている。
執筆

マネイロメディア編集部
- お金のメディア編集者
マネイロメディアは、資産運用に関することや将来資金に関することなど、お金にまつわるさまざまな情報をお届けする「お金のメディア」です。正確かつ幅広い年代のみなさまにわかりやすい、ユーザーファーストの情報提供に努めてまいります。



