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勤続40年の退職金相場はいくら?企業規模・学歴別の実態と手取り額を徹底解説

勤続40年の退職金相場はいくら?企業規模・学歴別の実態と手取り額を徹底解説

お金2026/02/20
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»老後の不足額がわかる|3分投資診断

 勤続40年を迎え、自身の退職金がいくらになるのか、具体的な相場が気になっていませんか?

退職金は老後の生活を支える重要な資金ですが、この金額は企業規模や学歴、業種によって異なります。

本記事では、勤続40年の退職金相場をさまざまな角度から分析し、税金の仕組み手取り額のシミュレーションまで、お金の専門家がわかりやすく解説します。

自身の状況と照らし合わせ、計画的な老後資金の準備を進めましょう。

この記事を読んでわかること
  • 勤続40年における大企業・中小企業・公務員の退職金相場
  • 退職金にかかる税金の計算方法と手取り額のシミュレーション
  • 退職金が少ない・ない場合に備えるための具体的な対処法


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勤続40年の退職金相場|企業規模・学歴別

勤続40年と一言でいっても、受け取れる退職金の額は勤務先の企業規模や最終学歴によって異なります。

まずは、大企業、中小企業、そして公務員という3つの区分で、それぞれの退職金相場を見ていきましょう。自身の状況に近いものから確認してみてください。

大企業の退職金相場

大企業(資本金5億円以上かつ労働者1000人以上の企業)の場合、勤続40年で定年退職した際の退職金相場は、学歴によって2000万円を超えることが一般的です。

厚生労働省の「令和5年就労条件総合調査」によると、大学卒・大学院卒の平均退職金額は約2037万円、高校卒の場合は約1909万円というデータがあります。

これは長年の勤務に対する手厚い福利厚生の一環と位置づけられているためです。

ただし、これはあくまで平均値であり、業種や個人の役職、成績によって金額は変動します。

中小企業の退職金相場

中小企業の退職金相場は、大企業と比較すると低い水準になる傾向があります。

東京都産業労働局の「中小企業の賃金・退職金事情(令和6年版)」によると、定年まで勤務した場合のモデル退職金は、大学卒で約1150万円高校卒で約974万円です。

ただし、中小企業の中でも従業員規模によって金額は変動します。

例えば、従業員数が100人から299人の企業では、大学卒の平均が約1446万円となる一方、10人から49人の企業では約1088万円となるなど、同じ中小企業でも差が見られます。

企業規模

高校卒

高校卒

高専・短大卒

高専・短大卒

大学卒

大学卒

10~49人

高校卒

992万3000円

高専・短大卒

1003万5000円

大学卒

1088万4000円

50~99人

高校卒

866万1000円

高専・短大卒

869万7000円

大学卒

1096万7000円

100~299人

高校卒

1092万円

高専・短大卒

1163万5000円

大学卒

1445万7000円

公務員の退職金相場

公務員の退職金は、国家公務員と地方公務員で若干異なりますが、いずれも大企業に近い水準です。

内閣官房内閣人事局の「退職手当の支給状況(令和6年度)」によると、勤続40年で定年退職した国家公務員の退職給付額の平均は約2246万円です。

一方、総務省の「令和6年 地方公務員給与の実態」では、25年以上勤務した地方公務員の退職手当の平均額は以下のようになっています。

  • 一般職員: 約2155万円
  • 教育公務員: 約2272万円
  • 警察官: 約2302万円

公務員の退職金は法律や条例に基づいて計算されるため、民間企業に比べて安定しているのが特徴です。

退職金の金額を左右する5つの要素

退職金の金額は、これまで見てきた企業規模や学歴だけでなく、他にもいくつかの要素によって変動します。

職種役職業種退職理由、そして勤務先が採用している退職金制度の種類が主な要因です。

これらの要素がどのように影響するのかを理解することで、自身の退職金額をより正確に予測する手助けとなります。

学歴による違い

退職金の額は、最終学歴によって差が出ることが一般的です。これは、基本給をベースに退職金を計算する企業が多いためです。

大学卒以上の人は高校卒の人に比べて初任給やその後の昇給率が高い傾向にあり、退職時点での基本給も高くなることが多いため、結果として退職金額も高くなります。

例えば、大企業では大学卒と高校卒の定年退職金の差が約200万円、中小企業でも約100万円の差が見られることがあります。

職種・役職による違い

職種や退職時の役職も退職金額に影響します。

中でも、ポイント制退職金制度を導入している企業では、役職や職能等級に応じてポイントが付与され、この累計ポイントに基づいて退職金が計算されます。

この制度では、勤続年数が同じでも、より高い役職に就いていた人や、会社への貢献度が高いと評価された人のほうが多くのポイントを獲得し、結果として退職金も高額になります。

管理職などの責任ある立場を長く務めた人は、一般の従業員よりも退職金が多くなる傾向があります。

業種による違い

所属する業種によっても、退職金の相場は異なります。

一般的に、金融業・保険業は退職金水準が高い傾向にあります。中小企業のデータでは、大学卒の定年退職金が平均で1940万円を超えるなど、他の業種を上回っています。

一方で、医療・福祉業宿泊業・飲食サービス業などは、他の業種に比べて退職金が低い傾向が見られます。

例えば、医療・福祉業の大学卒の平均は約153万円と、金融業・保険業の約13分の1程度の水準です。

このように、業種による収益構造やビジネスモデルの違いが、従業員への退職金という形で反映されることがあります。

退職理由による違い

退職金は、退職理由が「会社都合」か「自己都合」かによって支給額が変わるのが一般的です。

会社都合での退職のほうが、自己都合よりも多くの退職金を受け取れる傾向にあります。

会社都合退職とは、会社の倒産、リストラ(人員整理)、事業所の廃止などが理由の場合を指します。この場合、従業員の生活保障という観点から、退職金が上乗せされることがあります

一方、自己都合退職は、転職や結婚、家庭の事情など、従業員自身の都合による退職です。この場合、会社都合に比べて支給率が低く設定されていることが多く、勤続年数が短い場合には支給されないこともあります。

懲戒解雇の場合は、退職金が全く支払われないケースも存在します。

退職金制度の種類

勤務先がどの退職金制度を採用しているかによって、将来受け取る金額の計算方法や性質が異なります。主な制度には以下の4つがあります。

  • 定額制 勤続年数に応じて、あらかじめ定められた一定額が支給されるシンプルな仕組みです。計算が容易である一方、個人の成績や役職が反映されにくい特徴があります。

  • 給与比例制 退職時の基本給に、勤続年数に応じた支給率を掛けて算出する方式です。勤続年数が長く、給与水準が高い人ほど退職金が高額になります。

  • ポイント制 勤続年数、役職、会社への貢献度などをポイント化し、この累計ポイントに基づいて退職金額が決まる制度です。個人の実績が反映されやすいのが特徴です。

  • 企業型確定拠出年金(企業型DC) 企業が掛金を拠出し、従業員自身が金融商品を選んで運用する制度です。運用成果によって将来の受取額が変動するため、投資に関する知識が必要となります。

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勤続40年なら知っておきたい退職金の税制優遇

退職金は長年の勤労に対する報償という性格から、税制面で大きな優遇措置が設けられています。

勤続40年という長期にわたる勤務の場合、この恩恵は大きくなります。この優遇措置の要となるのが「退職所得控除」です。

この仕組みを正しく理解することで、手取り額を最大化するための計画を立てることができます。

退職所得控除額の計算方法

退職所得控除額は、勤続年数によって計算方法が異なります。勤続年数が20年を超える場合、控除額が大幅に増えるのが特徴です。

  • 勤続年数が20年以下の場合 40万円 × 勤続年数 ※計算結果が80万円に満たない場合は80万円となります。

  • 勤続年数が20年を超える場合 800万円 + 70万円 × (勤続年数 - 20年)

この計算式に勤続40年を当てはめると、退職所得控除額は以下のようになります。

800万円 + 70万円 × (40年 - 20年) = 800万円 + 70万円 × 20年 = 800万円 + 1400万円 = 2200万円

つまり、勤続40年の場合、退職金のうち2200万円までは非課税となる計算です。

ポイントの解説

なお、勤続年数に1年未満の端数がある場合は、1年に切り上げて計算します。

退職金にかかる税金の計算方法

退職金にかかる所得税や住民税は、退職金の全額に対して課されるわけではありません。以下の手順で計算された「課税退職所得金額」に対して課税されます。

  1. 課税退職所得金額を算出する: まず、退職金の総額から退職所得控除額を差し引きます。そして、この残額をさらに2で割った金額が、税金の計算対象となる「課税退職所得金額」です。

(退職金の支給額 - 退職所得控除額) ÷ 2 = 課税退職所得金額

  1. 所得税額を計算する :課税退職所得金額に、所得税の税率を掛けて控除額を差し引くことで所得税額が算出されます。税率は課税退職所得金額に応じて5%から45%まで段階的に設定されています。

  1. 住民税額を計算する :住民税は、課税退職所得金額に対して一律10%の税率で課されます。

この計算方法により、給与所得など他の所得と合算せずに税額が計算されるため、税負担が軽減される仕組みになっています。

一時金と年金、どちらが有利?

退職金の受け取り方には「一時金」と「年金」があり、どちらが有利かは個人のライフプランや税金の状況によって異なります。

一時金受取のメリット

  • 税制優遇が大きい: 勤続40年の場合、2200万円まで非課税となる「退職所得控除」が適用されます。
  • まとまった資金: 住宅ローンの完済やリフォーム、投資の元手など、大きな支出に一括で対応できます。

年金受取のメリット

  • 安定した収入: 公的年金に上乗せする形で、毎月または毎年、定期的な収入を確保でき、生活設計が立てやすくなります。
  • 運用による増額: 企業によっては、年金として受け取る場合、据え置かれた資金が運用され、受取総額が一時金より増える可能性があります。
注意点

年金で受け取る場合、この年の所得は「雑所得」として扱われ、公的年金や他の所得と合算して課税されます。そのため、所得が多い年は税負担や社会保険料が増加する可能性があります。

一部を一時金、残りを年金で受け取る「併用」が可能な企業もあります。自身のライフプランに合わせて、最適な方法を検討することが欠かせません。

退職金の手取り額シミュレーション

勤続40年の場合、退職所得控除額は2200万円となります。

この控除額を基に、具体的な退職金額ごとに手取り額がどうなるかシミュレーションしてみましょう。

※計算は所得税・復興特別所得税・住民税を考慮した概算値です。実際の税額とは異なる場合があります。

退職金1500万円の場合

退職金が1500万円の場合、勤続40年の退職所得控除額2200万円の範囲内です。

  • 1500万円(退職金) < 2200万円(退職所得控除額)

このため、課税対象となる所得は0円となり、所得税および住民税はかかりません。

したがって、手取り額はそのまま約1500万円となります。

退職金2000万円の場合

退職金が2000万円の場合も、勤続40年の退職所得控除額2200万円を下回ります。

  • 2000万円(退職金) < 2200万円(退職所得控除額)

このケースでも課税退職所得金額は0円となるため、所得税・住民税は課税されません。

手取り額は額面通り、約2000万円となります。

退職金2500万円の場合

退職金が2500万円の場合、勤続40年の退職所得控除額2200万円を超えた部分が課税対象となります。

  1. 課税退職所得金額の計算 (2500万円 - 2200万円) ÷ 2 = 150万円

  1. 所得税の計算 課税退職所得金額150万円は税率5%の区分に該当します。 150万円 × 5% = 7万5000円 復興特別所得税(所得税額の2.1%)を加算します。 7万5000円 × 2.1% = 1575円 所得税合計: 7万5000円 + 1575円 = 7万6575円

  1. 住民税の計算 150万円 × 10% = 15万円

  1. 手取り額の計算 2500万円 - (7万6575円 + 15万円) = 2477万3425円

したがって、手取り額は約2477万円となります。

退職金が少ない・ない場合の対処法

退職金の平均額は年々減少傾向にあり、また、そもそも退職金制度がない企業も少なくありません。退職金だけに頼った老後計画はリスクがともないます。

そのため、現役時代から自身で老後資金を準備しておくことが欠かせません。ここでは、退職金を補うための代表的な3つの方法を紹介します。

iDeCoで自分で退職金を作る

iDeCo(個人型確定拠出年金)は、公的年金に上乗せして給付を受けられる私的年金制度です。自身で掛金を拠出し、用意された金融商品で運用、原則60歳以降に受け取ります。

iDeCoのメリットは、税制優遇が手厚い点です。

  • 掛金が全額所得控除: 毎年の所得税・住民税が軽減されます。
  • 運用益が非課税: 通常、投資の利益にかかる約20%の税金がかかりません。
  • 受取時も控除の対象: 一時金で受け取る場合は「退職所得控除」、年金形式なら「公的年金等控除」が適用されます。
注意点

ただし、元本割れのリスクがあり、原則60歳まで引き出せない点には注意が必要です。

NISAで長期運用する

2024年から始まったNISA(少額投資非課税制度)も、老後資金準備の有力な選択肢です。NISA口座内で得た投資の利益(配当金、分配金、譲渡益)が非課税になる制度です。

NISAの主な特徴は以下の通りです。

  • 非課税保有期間の無期限化: 長期的な視点で資産運用が可能です。
  • 年間投資枠の拡大: 「つみたて投資枠」で年間120万円、「成長投資枠」で年間240万円、合計で最大360万円まで投資できます。
  • 生涯非課税限度額の設定: 生涯にわたって1800万円まで非課税で投資できます。

iDeCoと異なり、いつでも引き出しが可能であるため、柔軟な資金計画が立てやすいのがメリットです。

ただし、iDeCoのような掛金の所得控除はありません。また、投資であるため元本割れのリスクもともないます。

中小企業退職金共済を確認する

中小企業に勤務している場合は、「中小企業退職金共済(中退共)」制度に加入しているか確認してみましょう。

中退共は、国がサポートする中小企業向けの退職金制度です。事業主が毎月掛金を積み立て、従業員が退職した際に、この従業員に直接退職金が支払われる仕組みです。

この制度に加入していれば、会社の経営状況にかかわらず、退職金を受け取ることができます。

自身の勤務先が中退共に加入しているかどうかは、会社の総務・人事担当部署に確認するか、入社時に受け取った「退職金共済手帳」で確認できます。

退職金制度がないと思っていた場合でも、この制度によって退職金が準備されている可能性があります。

退職金を受け取る前に確認すべきこと

退職という大きな節目を前に、確実に、そして有利に退職金を受け取るためには、事前の確認が不可欠です。

自身の退職金がいくらになるのか、どのような手続きが必要なのかを正確に把握しておくことで、スムーズな受け取りと税金の最適化につながります。

ここでは、退職前に必ずチェックすべき3つの重要事項を解説します。

退職金規定を確認する

退職金を受け取るにあたり、最初にすべきことは、勤務先の「退職金規定」または「就業規則」を確認することです。

これらの書類には、退職金に関する重要な情報がすべて記載されています。

主に以下の点を確認しましょう。

  • 支給条件: 退職金が支給されるための最低勤続年数(例:「勤続3年以上」など)。
  • 計算方法: どのような基準で金額が算出されるか(給与比例制、ポイント制など)。
  • 支給率: 自己都合退職と会社都合退職で支給率がどう違うか。
  • 支払時期: 退職後、いつ頃支払われるのか。

これらの内容を事前に把握しておくことで、自身の退職金額を概算でき、資金計画を立てる上で役立ちます。不明な点があれば、人事部や総務部に問い合わせましょう。

退職所得の受給に関する申告書を提出する

退職金を一時金で受け取る場合、「退職所得の受給に関する申告書」を勤務先に提出することが必須です。

この申告書を提出することで、前述した「退職所得控除」が適用され、税金が正しく計算された上で源泉徴収されます。これにより、原則として確定申告が不要になります。

もしこの申告書を提出しなかった場合、退職所得控除が適用されず、退職金の支給額に対して一律20.42%の高い税率で源泉徴収されてしまいます。

払い過ぎた税金を取り戻すためには、自身で確定申告を行う必要があり、手間がかかります。

通常、退職手続きの際に会社から案内がありますが、忘れずに提出するようにしましょう。

受取方法を決める

勤務先の制度によっては、退職金の受け取り方を「一時金」「年金」、またはこの「併用」から選択できる場合があります。

どの方法を選ぶかは、自身のライフプランや税金の観点から慎重に検討する必要があります。

  • 一時金: 退職所得控除のメリットが大きく、手元にまとまった資金を確保したい場合に適しています。
  • 年金: 定期的な収入を確保し、計画的に資金を使いたい場合に適しています。ただし、雑所得として他の所得と合算課税される点に注意が必要です。
  • 併用: 一時金で当面の大きな支出に備えつつ、残りを年金で安定収入として確保するなど、両方のメリットを活かせます。

選択肢がある場合は、それぞれのメリット・デメリットを理解し、自身の退職後の生活設計に一番合った方法を選びましょう。

必要であれば、ファイナンシャル・プランナーなどの専門家に相談することも推奨されます。

退職金を老後資金にどう活かすか

勤続40年で得た大切な退職金は、豊かなセカンドライフを送るための重要な原資です。

しかし、ただ銀行口座に預けておくだけでは、インフレによって価値が目減りしてしまう可能性もあります。

退職金を有効に活用するためには、計画的なアプローチが不可欠です。ここでは、退職金を老後資金として賢く活かすための3つのステップを紹介します。

老後に必要な資金を試算する

退職金を活用する第一歩は、「老後全体でどれくらいの資金が必要か」を具体的に把握することです。まずは、自身の状況に合わせて以下の項目を洗い出してみましょう。

  • 生活費: 食費、光熱費、通信費、交際費など、毎月かかる費用はいくらか。
  • 住居費: 持ち家の場合は固定資産税や修繕費、賃貸の場合は家賃。
  • 医療・介護費: 将来的に必要となる可能性のある医療費や介護サービスの費用。
  • 趣味・娯楽費: 旅行や趣味など、ゆとりのある生活を送るために使いたい費用。
ポイントの解説

これらの支出合計から、公的年金の受給見込額を差し引くことで、退職金や自己資金で賄うべき金額が見えてきます。この試算を通じて、漠然とした不安を具体的な目標に変えることが鍵となります。

生活防衛資金を確保する

老後に必要な資金を試算したら、次に「生活防衛資金」を確保しましょう。生活防衛資金とは、病気や怪我、住宅の修繕など、予期せぬ出費に備えるためのお金です。

この資金は、投資などのリスクがある資産とは別に、すぐに引き出せる預貯金として確保しておくことが基本です。一般的には、生活費の半年から1年分が目安とされています。

退職金を受け取ったら、まずこの生活防衛資金を確保することで、万が一の事態にも安心して対応でき、精神的な安定にもつながります。

残りの資金を落ち着いて運用計画に回すための土台となります。

残りを運用に回す

生活防衛資金を確保した上で、残りの資金については資産運用に回すことを検討しましょう。

超低金利の時代において、預貯金だけではインフレに対応できず、資産価値が実質的に減少してしまうリスクがあるためです。

退職金の運用では、大きなリターンを狙うよりも、長期的な視点で安定的に資産を維持・成長させることが肝となります。具体的な方法としては、以下のようなものが挙げられます。

  • NISA(少額投資非課税制度)の活用: 運用益が非課税になるメリットを活かし、投資信託などで分散投資を行う。
  • 個人向け国債: 元本割れのリスクが低く、安定した利子収入が期待できる。
  • 貯蓄型保険: 保障を確保しながら、計画的に資産を準備する。

自身のリスク許容度に合わせて、複数の金融商品を組み合わせることが推奨されます。運用に不安がある場合は、専門家への相談も有効な選択肢です。

勤続40年の退職金に関するよくある質問

勤続40年の退職金について、多くの方が抱く疑問にお答えします。具体的な金額の目安から税金の仕組みまで、よくある質問をまとめました。

高卒で40年勤続の退職金は?

高卒で40年間勤務した場合の退職金相場は、企業規模によって異なります。

  • 大企業の場合: 平均で約1909万円というデータがあります。
  • 中小企業の場合: 平均で約974万円が目安となります。

これはあくまで平均値であり、業種や役職、会社の業績によって変動します。自身の勤務先の退職金規定を確認することが一番確実です。

退職金2200万円までは税金ゼロ?

はい、勤続年数が40年の場合、退職金を一時金で受け取ると2200万円までは実質的に税金がかかりません。

これは「退職所得控除」という税制優遇によるものです。勤続40年の場合の控除額は以下の計算式で算出されます。

  • 800万円 + 70万円 × (40年 - 20年) = 2200万円

退職金の額がこの控除額の範囲内であれば、課税対象となる所得が0円になるため、所得税や住民税は課税されません。

退職金が相場より少ない場合は?

まず、自身の勤務先の「退職金規定」を再度確認し、規定通りの金額が支払われているかを確認することが必須です。

退職金の額は、あくまで自社の規定に基づいて計算されるため、世間一般の相場と異なることは十分にあり得ます。

計算が規定通りであれば、この金額が正当な支給額となります。

もし計算間違いが疑われる場合や、規定があるにもかかわらず支払われない場合は、まず会社の人事・総務部門に問い合わせましょう。

それでも解決しない場合は、労働基準監督署や弁護士などの専門家に相談することを検討してください。

まとめ

勤続40年の退職金相場は、大企業で2000万円超、中小企業で1000万円前後と、企業規模によって大きな差があります。また、学歴や業種、退職理由によっても金額は変動します。

重要なのは、勤続40年の場合、退職所得控除が2200万円と大きく、税制面で手厚く優遇されている点です。

自身の勤務先の退職金規定をしっかり確認し、受け取れる金額と手取り額を把握した上で、計画的な老後資金の準備を進めましょう。

退職金だけに頼らず、iDeCoや新NISAなどを活用して、自身で資産形成を行うことも、豊かなセカンドライフを送るための鍵となります。

自身の退職金がいくらになるか把握し、計画的な老後資金の準備を始めることが大切です。まずは、将来の資金計画をシミュレーションしてみませんか。

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監修
黒澤 伸
  • 黒澤 伸
  • 税理士/社会保険労務士/CFP®認定者

東京都出身。中央大学商学部会計学科を卒業後、東京国税局に入局。国税庁、東京国税局等に38年間勤務し、2023年に高松国税局長を最後に退官。同年、黒澤伸税理士事務所を開設し、2024年には社会保険労務士としても登録。現在は、税務・会計、社会保険、労働保険等の士業務を中心に、CFPとして事業者のトータルサポートを行っている。

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執筆
マネイロメディア編集部
  • マネイロメディア編集部
  • お金のメディア編集者

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