
5000万円で配当生活はできる?失敗しないための現実的な運用戦略を徹底解説
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「資産5000万円で、働かずに配当金だけで暮らせたら…」と考えたことはありませんか。夢のような配当生活ですが、計画なくして成功はありえません。
本記事では、5000万円で配当生活が可能なのか、利回り別の手取り額や潜むリスク、成功させるための現実的な運用戦略まで、専門家が徹底的に解説します。
- 5000万円で得られる配当金の手取り額
- 配当生活を成功させるための具体的な運用戦略
- 高配当株投資に潜むリスクと対策
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5000万円の配当生活…なぜ「夢」と感じるのか?
配当生活とは、株式などを保有することで得られる配当金や分配金を主な収入源として生活することを指します。
企業から分配される利益の一部である配当金は、株式を保有しているだけで定期的に受け取れるため「不労所得」の一種です。労働の対価として得る給与とは異なり、自分の時間や労力を直接使わずに収入を得られる仕組みは、多くの人にとって魅力的です。
この配当生活が実現すれば、労働から解放され、趣味や旅行、家族との時間など、自分の好きなことに時間を使えるようになります。
このような経済的自立と時間的自由を両立できるライフスタイルが、配当生活が「夢」や「資産運用の最高峰」と感じられる理由です。

5000万円で配当生活は可能?利回りと手取り額で判断
資産5000万円で配当生活が実現可能かどうかは、主に「運用利回り」と自身の「生活水準」によって決まります。
まずは、どのくらいの利回りで、いくらの配当金が得られるのかを具体的に見ていきましょう。
利回り別の配当金シミュレーション
資産5000万円をすべて株式投資に回した場合、期待される配当利回りによって得られる年間および月間の配当収入は変わります。
配当金には約20%の税金がかかるため、実際に手元に残る金額は表のようになります。例えば、利回り3%で運用できた場合、手取りは月額10万円程度です。
なお、2025年1月〜8月までのプライム市場における株式の平均配当利回りは約2.4%でした。この数値を参考にすると、安定的に高い利回りを維持することは、決して簡単ではないことがわかります。
生活費との比較
配当金だけで生活できるかを判断するには、シミュレーションで算出した手取り額と、自身の生活費を比較する必要があります。
「家計調査報告 〔 家計収支編 〕 2024年(令和6年)平均結果の概要」によると、2024年における2人以上世帯の消費支出の平均は約30万円です。また、65歳以上の夫婦のみの無職世帯では、平均的な支出は毎月26万円程度とされています。
仮に月間の生活費が26万円だとすると、利回り5%(手取り約16.6万円)でも毎月10万円近く不足する計算になります。
この結果から、平均的な生活水準を維持する場合、5000万円の配当収入だけで生活をすべて賄うのは、かなり高い利回りを実現しない限り難しいことがわかります。
配当だけで暮らせるケースと厳しいケース
5000万円の資産で配当生活が成り立つかどうかは、個々の生活費に左右されます。
配当生活が可能なケース
例えば、独身で生活費を月10万円程度に抑えられる場合、税引後で月10万円の収入が見込める利回り3%を達成できれば、配当金だけで生活することは理論上可能です。
配当生活が厳しいケース
生活費が月15万円を超える世帯では、配当金だけで生活を賄うのは現実的ではありません。利回り4%(手取り約13.3万円)を達成しても資金が不足するため、貯蓄の取り崩しや、アルバイトなどの副収入を組み合わせる必要が出てきます。
このように、多くの場合、配当金はあくまで生活費の一部を補うものと捉え、他の収入源と組み合わせる設計が現実的な選択肢となります。
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配当生活の落とし穴…高利回りに潜むリスク
高い配当利回りは魅力的ですが、この裏には見過ごせないリスクが存在します。
安定した配当生活を目指すためには、これらの落とし穴を正しく理解し、対策を講じることが不可欠です。

減配・無配のリスク
配当生活における最大のリスクの1つが、投資先企業の業績悪化などによる「減配(配当金が減ること)」や「無配(配当金がなくなること)」です。
配当金は企業の利益から株主に還元されるものであり、支払いが保証されているわけではありません。景気の変動や業界全体の不振、個別の経営判断によって、これまで安定して支払われていた配当が突然減らされたり、停止されたりする可能性があります。
配当金を主な収入源としている場合、このリスクは生活に直接的な打撃を与えるため、特定の銘柄に集中投資するのではなく、複数の企業に分散投資することでリスクを軽減する工夫が求められます。
株価下落による資産減少
配当利回りが維持されていても、投資している株式自体の価格が下落すれば、元本である5000万円の資産価値が減少するリスクがあります。
例えば、リーマンショックのような世界的な金融危機が発生すると、多くの株式の価格が大幅に下落します。ある投資家は、2008年のリーマンショック時に8000万円あった資産が3000万円まで減少した経験を語っています。
配当収入を得ながらも、資産全体としては大きな含み損を抱える状況も考えられます。将来的に資産を取り崩す必要が生じた際に、株価が購入時より低いと損失が確定してしまいます。配当利回りだけでなく、資産全体の価値の変動にも注意を払う必要があります。
インフレによる購買力の低下
インフレ(物価上昇)は、現金の価値を実質的に目減りさせる要因です。これは配当金にも同じことが言えます。
例えば、日本銀行が目標とするように毎年2%のインフレが続いたとします。この場合、現在5000万円で購入できるものは、5年後には約5520万円出さなければ買えなくなります。
もし受け取る配当金の額が変わらなければ、この配当金で買えるモノやサービスの量は年々減っていくことになります。つまり、配当金の「額面」は同じでも、「購買力」は低下してしまうのです。
インフレ率を上回る利回りで資産を運用するか、インフレに合わせて増配してくれるような企業に投資しなければ、配当生活の質は徐々に低下していくリスクがあります。
5000万円で配当生活を成功させる3本柱戦略
5000万円という資産で安定した配当生活を実現するためには、単に高配当株に投資するだけでは不十分です。
リスクを管理し、長期的に資産を維持・成長させるためには、収入源や資産の性質を分散させた「3本柱」の戦略が有効です。
①配当(インカムゲイン)で安定収入
戦略の1本目の柱は、配当生活の基盤となる「配当(インカムゲイン)」です。これは、企業の利益の一部を株主に分配する配当金や、投資信託の分配金などを指します。
この柱の目的は、労働に頼らない安定したキャッシュフローを確保することです。株価の短期的な変動に一喜一憂することなく、株式を長期保有し続けることで、定期的な収入を得られます。
銘柄を選ぶ際は、単に利回りが高いだけでなく、財務状況が健全で、安定して配当を出し続けられる企業を見極めることが欠かせません。この安定収入が、心穏やかな配当生活の精神的な支えとなります。
②値上がり益(キャピタルゲイン)で資産成長
2本目の柱は、資産そのものを成長させるための「値上がり益(キャピタルゲイン)」です。これは、購入した株式の価格が上昇した際に売却することで得られる利益を指します。
配当金だけで生活費を賄い、さらに資産を増やしていくのは時間がかかります。そこで、将来的な成長が期待できる企業の株式にも投資することで、資産全体の増加を目指します。
値上がり益を狙う投資は、配当狙いの投資よりも株価の変動リスクが増しますが、成功すれば資産を増やすことが可能です。得られた利益を再投資することで、将来の配当収入をさらに増やす「複利効果」も期待できます。配当収入を補い、資産の成長を加速させる役割を担います。
③安全資産で暴落時に備える
3本目の柱は、市場の暴落時に資産全体を守るための「安全資産」です。安全資産とは、預貯金や国債など、価格変動リスクが低く元本割れの可能性が低い資産を指します。
株式市場は、リーマンショックのような予期せぬ暴落に見舞われることがあります。そのような時期に生活費が不足すると、株価が下がったタイミングで株式を売却せざるを得なくなり、大きな損失を被ってしまいます。
そこで、一定割合の安全資産を確保しておくことが肝となります。株価が下落している期間は、配当金に加えてこの安全資産を取り崩して生活することで、株式を売却せずに市場の回復を待つことができます。この備えが、長期的な資産運用を継続するための防波堤となります。
5000万円の配当生活…現実的なポートフォリオ例
5000万円で配当生活を目指す際のポートフォリオ(資産の組み合わせ)は、自身のリスク許容度によって異なります。
「保守的」「バランス型」「積極的」という3つの異なるリスク許容度に合わせたポートフォリオの例を紹介します。


保守的な配分例(利回り目安:年2.5%〜3.0%)
「元本を減らさないこと」を最優先にし、インフレに負けない程度のリターンを目指す、守り重視のポートフォリオです。
暴落時のクッションとなる「現金・債券」の比率を高めに設定し、心理的な安心感を確保します。
・現金・個人向け国債など(安全資産):50%
・高配当株(日本・米国):40%
・J-REIT(不動産投資信託):10%
この配分では、資産の半分を安全資産で持っているため、株式市場が暴落しても資産全体のダメージを半分以下に抑えられます。
期待される年間配当額(税引前)は125万〜150万円程度です。大きなリターンは狙えませんが、着実に資産を守りながら運用したい人に適しています。
バランス型の配分例(利回り目安:年3.5%〜4.0%)
安定性と収益性のバランスを取りたい人向けの「王道」ポートフォリオです。
ある程度のリスクを取りつつ、配当金を生活費の一部として計算できるレベルを目指します。
・高配当株(日本・米国):50%
・J-REIT(不動産投資信託):20%
・債券・現金(安全資産):30%
株式とREIT(不動産)で資産の7割を構成し、インフレに強い資産配分とします。一方で、安全資産として30%(1500万円)を確保しているため、急な出費や一時的な株価下落にも耐えられます。
期待される年間配当額(税引前)は175万〜200万円程度です。月額換算で約10万円〜12万円の手取りが見込めます。
積極的な配分例(利回り目安:年4.5%〜5.0%)
資産の成長と高いインカムゲイン(配当収入)を最優先する人向けのポートフォリオです。
値動きの荒さを許容できる経験者向きの構成です。
・高配当株(日本・米国・新興国):60%
・J-REIT(不動産投資信託):30%
・現金(調整用資金):10%
安全資産を必要最低限(生活防衛資金のみ)に抑え、残りの9割をリスク資産に投入します。特に利回りの高い銘柄やセクター(銀行、商社、通信など)を積極的に組み入れます。
期待される年間配当額(税引前)は225万〜250万円程度です。手取りで月15万円以上が見込めるため、生活費を抑えれば配当金のみでの生活も視野に入りますが、景気後退時には資産額が大きく目減りする覚悟が必要です。
上記はポートフォリオの一例であり、将来の運用成果を保証するものではありません。市場環境により利回りは変動します
配当生活を始める前にやるべき3つの準備
夢の配当生活を実現するためには、投資を始める前の周到な準備が成功のカギを握ります。資産をリスクに晒す前に、自身の家計や万が一への備えを万全にしておくことが大事です。
生活費の最適化
配当生活を始める上での最初のステップは、毎月の生活にいくら必要かを正確に把握することです。家賃や光熱費などの「固定費」、食費や交際費などの「変動費」を洗い出し、現状の支出を明確にしましょう。
必要な生活費が低ければ低いほど、配当生活の実現可能性は高まります。支出を見直す過程で、無駄な出費がないかを確認し、節約できる部分を探すことも大切です。
この作業を通じて、目標とすべき配当収入の金額が具体的になり、どの程度の利回りで運用する必要があるのか、現実的な計画を立てるための土台ができます。
緊急資金の確保
資産運用は、あくまで「余剰資金」で行うのが鉄則です。生活に必要なお金を投資に回してしまうと、予期せぬ株価下落時に冷静な判断ができなくなり、損失を確定させてしまう原因になります。
そのため、5000万円の運用資金とは別に、病気や失業といった不測の事態に備えるための「緊急資金(生活防衛資金)」を必ず確保しておきましょう。一般的には、毎月の生活費の6ヶ月分から2年分程度が目安とされています。
この資金は、すぐに引き出せるように普通預金などで保有しておくのが基本です。緊急資金があることで、精神的な余裕が生まれ、長期的な視点で資産運用を続けることが可能になります。
税金・社会保険料の理解
配当金には、所得税・復興特別所得税・住民税を合わせて約20%の税金が源泉徴収されます。つまり、額面の8割程度が手取り額になることを念頭に置く必要があります。
ただし、確定申告で「総合課税」を選択し、「配当控除」を適用することで、税金の一部が還付される場合があります。これは課税所得金額によって有利不利が変わるため、自身の所得状況に合わせた選択が鍵となります。
また、会社員時代は会社と折半していた社会保険料ですが、退職後は国民健康保険や国民年金への加入となり、保険料をすべて自分で納める必要があります(前年の所得に応じて保険料が高額になる場合がある点に注意が必要です)。
これらの費用も生活費の一部として計算に入れておかなければ、想定外の支出につながるため注意が必要です。
配当生活のよくある誤解と注意点
配当生活は多くの人にとっての憧れですが、この実現にはいくつかの誤解を解き、注意すべき点を理解しておく必要があります。
安易な判断は、大切な資産を危険に晒すことになりかねません。
配当利回りだけで銘柄を選ぶのは危険
配当利回りの高さは魅力的な指標ですが、それだけで投資先を決定するのは危険です。なぜなら、配当利回りは「1株あたりの配当金 ÷ 株価」で計算されるため、業績悪化によって株価が下落しているだけでも、見かけ上の利回りは高くなるからです。
一時的に配当利回りが高くても、この企業の財務状況が悪化していれば、将来的に減配や無配になるリスクが高まります。
優良な高配当株を選ぶためには、利回りの数字だけでなく、この企業が安定して利益を出し続けているか(業績)、自己資本比率など財務は健全か、そして過去に安定した配当実績があるかといった点を総合的にチェックすることが不可欠です。
配当金は保証されていない
株式投資における配当金は、銀行預金の利子とは異なり、支払いが保証されたものではありません。配当は、企業が事業活動で得た利益を株主に還元するものであり、この金額や有無は企業の経営判断に委ねられています。
好調な業績が続けば「増配(配当金が増えること)」が期待できますが、反対に業績が悪化したり、大規模な設備投資が必要になったりした場合には、「減配」や「無配」となる可能性があります。
「一度投資すれば、永久に同じ額の配当がもらえる」という考えは誤りです。配当生活は、常に企業の業績変動リスクと隣り合わせであることを理解しておく必要があります。
配当だけで完結しようとしない
5000万円という資産規模で配当生活を目指す場合、「配当金だけで生活費のすべてを賄う」という考え方に固執しすぎないことがポイントです。
現実的な戦略として、配当金はあくまで安定したキャッシュフローの基盤と位置づけ、資産全体の成長を目指す「値上がり益(キャピタルゲイン)」や、市場の暴落に備える「安全資産(預貯金や債券)」を組み合わせたポートフォリオを構築することが推奨されます。
生活費の不足分を値上がり益で補ったり、株価下落時には安全資産を取り崩したりすることで、柔軟かつ持続可能な資産運用が可能になります。配当だけに頼るのではなく、複数の収入源とリスク管理策を組み合わせる視点が、長期的な成功の鍵となります。
まとめ
5000万円の資産で配当生活を送ることは、生活費を低く抑えるなどの工夫をすれば不可能ではありませんが、多くの場合、配当収入だけで生活を完結させるのは厳しいのが現実です。
成功の鍵は、現実的な利回りを想定し、自身の生活費を正確に把握することにあります。また、減配や株価下落、インフレといったリスクに備えるため、配当(インカムゲイン)、値上がり益(キャピタルゲイン)、安全資産の3本柱を組み合わせた分散投資が不可欠です。
まずは自身の家計を見直し、どのくらいの収入があれば生活できるのかを明確にすることから始めてみましょう。しっかりとした計画と準備のもと、より自由なライフスタイルを目指してみてはいかがでしょうか。
自身の状況に合わせた資産運用プランを立てる第一歩として、まずは将来の必要額を把握してみてはいかがでしょうか。
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監修
高橋 明香
- ファイナンシャルアドバイザー/CFP®認定者
みずほ証券(入社は和光証券)では、20年以上にわたり国内外株、債券、投資信託、保険の販売を通じ、個人・法人顧客向けの資産運用コンサルティング業務に従事。2021年に株式会社モニクルフィナンシャル(旧:株式会社OneMile Partners)に入社し、現在は資産運用に役立つコンテンツの発信に注力。1級ファイナンシャル・プランニング技能士、一種外務員資格(証券外務員一種)保有。
執筆
マネイロメディア編集部
- お金のメディア編集者
マネイロメディアは、資産運用に関することや将来資金に関することなど、お金にまつわるさまざまな情報をお届けする「お金のメディア」です。正確かつ幅広い年代のみなさまにわかりやすい、ユーザーファーストの情報提供に努めてまいります。

