

定期預金の相続手続きの方法は?図でわかる基本的な流れや注意点を税理士が徹底解説
»あなたの老後は大丈夫?将来の必要資金を簡単診断
「親が遺した定期預金の相続手続き、何から手をつければよいかわからない」「金利が高いみたいだけど、解約せずに引き継ぐことはできるの?」
ご家族が亡くなられた後の手続きは多岐にわたり、定期預金の扱いはどうすればよいか迷う人も少なくありません。
本記事では、定期預金の相続における基本的な流れから、必要書類、継続か解約かの判断基準まで、わかりやすく解説します。
また、金利が優遇される「相続定期預金」の活用法や、相続税の計算方法についても触れていきます。
本記事を読めば、自身の状況に合わせて、スムーズに手続きを進めるための方法を理解できます。
- 定期預金の相続は、金融機関への連絡と口座凍結から始めるのが基本
- 継続か解約かは「金利」で判断し、高金利なら名義変更での継続が有利
- 相続した資金専用の、金利が優遇される「相続定期預金」も選択肢になる
将来資金が気になるあなたへ
将来をお金の不安なく過ごすために、あなたに合った運用方法を理解し、計画的に準備を始めましょう。マネイロでは、将来資金の準備をスムーズに進められる無料ツールを利用できます。
▶将来資金の無料診断:将来必要になる金額が3分でわかる
▶賢いお金の増やし方入門:貯金と投資で賢く増やす方法がわかる
▶NISAで始める資産運用~基本編~:NISAの基本と資産運用の始め方入門


定期預金を相続する時の基本的な流れ
定期預金の相続手続きは、普通預金の場合と変わりません。基本的には、金融機関への連絡から始まり、遺産分割協議を経て、代表者が手続きを行うという流れで進みます。全体の流れを把握し、計画的に進めることが欠かせません。
STEP1:金融機関へ連絡し口座を確認する

まず、被相続人(亡くなった人)が定期預金口座を持っていた金融機関に連絡し、名義人が亡くなったことを伝えます。これにより、当該口座は「凍結」され、入出金や引き出しが一切できなくなります。
口座凍結は、一部の相続人が勝手に預金を引き出してしまうといったトラブルを防ぐために不可欠な手続きです。連絡する際は、手元に通帳やキャッシュカードを用意しておくと、口座情報の特定がスムーズに進みます。
同時に、相続手続きに必要な書類の案内を受け、相続開始日時点での「残高証明書」や「経過利息計算書」の発行を依頼しましょう。これらの書類は、相続財産の総額を正確に把握し、後の遺産分割協議や相続税申告で必要となります。
STEP2:必要書類を準備する
金融機関での手続きには、多くの公的書類が必要です。重要なのが、被相続人の「出生から死亡までの一連の戸籍謄本」と、相続人全員の「戸籍謄本」です。これらは、誰が法的に正当な相続人であるかを証明するために不可欠です。
戸籍謄本は本籍地の市区町村役場で取得できますが、被相続人が転籍を繰り返している場合は、それぞれの役場に請求する必要があり、収集に時間がかかることも少なくありません。早めに準備を始めることが、手続きを円滑に進める鍵となります。
このほか、相続人全員の印鑑証明書なども必要になるため、金融機関から案内されたリストを元に、漏れなく準備を進めましょう。
STEP3:遺産分割協議を行う
被相続人が遺言書を遺していない場合、相続人全員で遺産の分け方を話し合う「遺産分割協議」を行います。定期預金を誰が相続するのか、あるいは解約して現金で分けるのかなどを決定します。
協議で合意した内容は「遺産分割協議書」という書面にまとめ、相続人全員が署名し、実印を押印します。この遺産分割協議書は、金融機関での相続手続きにおいて、相続人の合意を証明する重要な書類となります。
1人でも合意しない相続人がいると協議は成立しません。全員が納得できる形で話し合いを進めることが大切です。
STEP4:金融機関で相続手続きを行う
必要書類がすべて揃い、遺産分割協議も完了したら、金融機関の窓口で実際の手続きを行います。金融機関所定の相続届(払戻請求書など)に、遺産分割協議書の内容に基づいて署名・捺印します。
手続きは、相続人の代表者が行うのが一般的ですが、金融機関によっては相続人全員の来店や委任状を求められることもあります。事前に手続きの方法や必要書類について、金融機関の担当者と十分に確認しておくことが必須です。
手続きの際には、相続する人の本人確認書類や実印、取引印なども忘れずに持参しましょう。
STEP5:預金を受け取る
金融機関に提出した書類に不備がなければ、通常1〜2週間程度で手続きが完了します。
定期預金を解約して現金で分ける場合は、指定した相続人の代表口座に元本と利息が振り込まれます。その後、代表者が他の相続人にそれぞれの相続分を分配します。
一方、名義変更で定期預金を継続する場合は、被相続人の口座が解約され、相続人の名義で新たな定期預金通帳が作成されるか、既存の口座に資金が移されます。相続人が当該金融機関に口座を持っていない場合は、手続きと同時に新規で口座を開設する必要があります。

参考)相続手続きの全体スケジュール
相続手続きには、期限が定められているものが多くあります。例えば、相続放棄や限定承認は相続開始を知った日から3ヶ月以内、相続税の申告・納付は10ヶ月以内に行わなければなりません。
定期預金を含む預貯金の相続手続き自体に明確な期限はありませんが、相続税の納税資金として預金を使う場合などを考慮すると、他の手続きと並行して計画的に進めることが望ましいでしょう。
戸籍謄本の収集など、時間のかかる作業もあるため、相続が発生したら速やかに着手することをおすすめします。
定期預金の相続手続きに必要な書類
定期預金の相続手続きで金融機関に提出する書類は、遺言書の有無によって異なります。また、金融機関ごとに独自の書式や追加の書類を求められる場合があるため、手続きを始める前に必ず対象の金融機関に確認することが肝となります。
遺言書がある場合の必要書類

被相続人が有効な遺言書を遺している場合、原則として遺言書の内容に従って手続きが進められます。金融機関に提出する主な書類は以下の通りです。
- 遺言書(原本)
- 被相続人の死亡が確認できる戸籍謄本(または除籍謄本)
- 預金を受け取る人(受遺者)の印鑑証明書
- 遺言執行者がいる場合は、遺言執行者の印鑑証明書
- 金融機関所定の相続届
- 被相続人の通帳や証書
自筆証書遺言や秘密証書遺言の場合は、家庭裁判所での「検認」手続きを経た「検認済証明書」も必要となります。公正証書遺言の場合は検認は不要です。
遺産分割協議による場合の必要書類
遺言書がない場合は、相続人全員による遺産分割協議が必要です。遺産分割協議の合意内容を証明するために、以下の書類を金融機関に提出します。
- 遺産分割協議書(相続人全員の署名・実印の押印があるもの)
- 被相続人の出生から死亡までの一連の戸籍謄本(または除籍謄本、改製原戸籍謄本)
- 相続人全員の戸籍謄本
- 相続人全員の印鑑証明書(通常は発行後3ヶ月または6ヶ月以内のもの)
- 金融機関所定の相続届
- 被相続人の通帳や証書
「被相続人の出生から死亡までの一連の戸籍謄本」は、収集に手間と時間がかかることが多いです。早めに準備に取りかかることをおすすめします。
金融機関ごとの書類の違いに注意
相続手続きに必要な書類は、基本的な構成は同じですが、細部では金融機関ごとに異なります。例えば、独自の「相続関係届書」の提出を求められたり、印鑑証明書の有効期限が「発行後3ヶ月以内」や「発行後6ヶ月以内」などと異なったりする場合があります。
二度手間を防ぎ、手続きをスムーズに進めるためにも、最初に被相続人の口座がある金融機関の窓口やWebサイトで、必要書類のリストを正確に確認することが不可欠です。書類の不備で手続きが滞ることがないよう、事前にしっかりと準備しましょう。
将来資金が気になるあなたへ
将来をお金の不安なく過ごすために、あなたに合った運用方法を理解し、計画的に準備を始めましょう。マネイロでは、将来資金の準備をスムーズに進められる無料ツールを利用できます。
▶将来資金の無料診断:将来必要になる金額が3分でわかる
▶賢いお金の増やし方入門:貯金と投資で賢く増やす方法がわかる
▶NISAで始める資産運用~基本編~:NISAの基本と資産運用の始め方入門
金利で判断する継続・解約の基準
相続した定期預金を名義変更して継続するか、解約して現金化するかの重要な判断基準は「金利」です。バブル期など過去の高金利時代に契約された定期預金が自動継続されている場合、現在の金利水準からは考えられないほど有利な条件である可能性があります。
ただし、自動継続型の定期預金は、満期を迎えるたびにその時点の店頭表示金利に切り替わるのが一般的です。 そのため、契約当初の高金利が現在もそのまま適用されているとは限りません。
まずは通帳や証書で適用金利を確認することが最優先です。
相続定期預金と通常定期預金の受取利息シミュレーション
相続した定期預金の金利が、現在の金利水準と比較して有利かどうかを判断するために、具体的なシミュレーションを見てみましょう。仮に1000万円の定期預金を1年間運用した場合、金利によって受取利息がどれだけ変わるかを比較します。
【シミュレーション条件】
- 元本:1000万円
- 預入期間:1年
※税引後利息は20.315%の源泉分離課税を考慮して計算。
※本シミュレーションは特定の金利を前提とした試算であり、実際の受取利息額を保証するものではありません。金利は金融機関や預入時期によって異なります。
上記の通り、ケースAのような高金利の定期預金を相続した場合、解約してしまうと利益を得る機会を失うことになります。この場合は、遺産分割協議で調整し、誰か1人が名義変更で引き継ぐことも選択肢の1つです。
ただし、自動継続型定期預金の預入期間は1ヶ月〜10年で、満期を迎えるたびにその時点の店頭表示金利に切り替わります。10年前(2016年)のメガバンクの金利が0.010%であったことからもわかる通り、契約当初の高金利が現在もそのまま続いているケースは極めて稀です。
また、ケースBのように現在の一般的な金利水準であれば、継続するメリットはほとんどありません。解約して現金化し、相続人間で公平に分けるか、ケースCのような金利優遇のある「相続定期預金」に預け替えることを検討するのがよいでしょう。
相続定期預金とは?金利優遇の仕組みと活用法
相続した資金の使い道がすぐに決まらない場合、一時的な預け先として「相続定期預金」が選択肢になります。これは多くの金融機関が提供している、相続で得た資金専用のプランで、通常の定期預金よりも高い金利が設定されているのが特徴です。
大切な資産を少しでも有利な条件で保管するために、相続定期預金の仕組みと活用法を理解しておきましょう。
通常の定期預金との3つの違い

相続定期預金は、通常の定期預金と比べて主に3つの違いがあります。
- 預け入れ資金の限定:預け入れできるのは、相続によって受け取った資金のみです。自己資金などを合わせて預け入れることはできません。
- 金利の優遇:最大のメリットは、通常の定期預金金利に一定の金利が上乗せされる点です。金融機関やプランによって異なりますが、有利な条件が設定されています。
- 優遇期間の限定:優遇金利が適用されるのは、最初の預け入れ期間(3ヶ月、6ヶ月、1年など)に限られます。満期を迎え、自動継続された後は、満期時点での通常の店頭表示金利が適用される点に注意が必要です。
対象となる相続資金の範囲
相続定期預金の原資として認められる資金は、金融機関によって多少異なりますが、一般的には以下のものが含まれます。
- 被相続人の預貯金:他の金融機関から相続手続きを経て受け取った預貯金も対象です。
- 生命保険金:被相続人が契約していた生命保険の死亡保険金。
- 不動産や有価証券の売却代金:相続した土地、建物、株式、投資信託などを売却して得た資金。
手続きの際には、これらの資金が相続によって得たものであることを証明する書類(遺産分割協議書、保険金支払通知書、売買契約書など)の提出が求められます。
金利優遇期間と自動継続後の注意点
相続定期預金の最大の魅力である優遇金利は、あくまで期間限定のサービスです。多くのプランでは、預入期間を3ヶ月、6ヶ月、1年などから選び、初回満期日までが優遇の対象となります。
注意すべきは、満期後の扱いです。自動継続を選択した場合、2回目以降は優遇金利が適用されず、満期時点での通常の店頭表示金利に戻ります。現在の低金利環境では、継続するメリットはほとんどないかもしれません。
相続定期預金は、あくまで相続した資金の使い道が決まるまでの「一時的な預け先」と捉えるのがよいでしょう。満期が近づいたら、その後の資産計画に合わせて、他の運用方法を検討することが鍵となります。
»あなたの不足額はいくら?老後に必要なお金を簡単シミュレーション
相続定期預金を提供している金融機関の選び方
相続定期預金は、主に地方銀行や信用金庫などが力を入れている商品です。メガバンクでは取り扱いが少ないため、居住している地域の金融機関を中心に情報を集めるのがよいでしょう。各金融機関で金利や条件が異なるため、複数の選択肢を比較検討することが大事です。

金利・預入期限・預入金額の比較ポイント

相続定期預金を選ぶ際は、以下の3つのポイントを比較検討しましょう。
1.適用金利
重要な比較ポイントです。金利は金融機関によって異なり、年1.0%を超えるようなプランも存在します。
ただし、高い金利を提示しているプランは、投資信託など他の金融商品の同時契約が条件となっている場合があるため、条件をよく確認する必要があります。投資信託は預金とは異なり、元本割れのリスクがある点にも注意が必要です。
2.預入期限(利用期限)
多くの金融機関では、「相続手続き完了後1年以内」や「3年以内」といった申し込み期限を設けています。自身の相続手続きのスケジュールと照らし合わせて、期限内に申し込めるかを確認しましょう。
3.預入金額
最低預入金額(100万円以上など)や上限額(相続した金額の範囲内など)も金融機関によって異なります。自身が預け入れたい金額が条件に合っているかを確認することが大切です。
窓口での手続きが基本
相続定期預金は、相続定期預金の性質上、相続関連の書類を提出し、資金の原資を確認する必要があるため、インターネットバンキングやATMでは手続きが完結しません。基本的には、金融機関の窓口に来店して申し込む必要があります。
手続きには、本人確認書類、届出印のほか、遺産分割協議書や戸籍謄本など、相続を証明する多くの書類が必要です。スムーズに手続きを進めるため、事前に電話などで来店予約を取り、必要書類を正確に確認してから窓口へ向かうことをおすすめします。
定期預金の相続税評価額の計算方法

相続税を計算する際、すべての財産を金銭的な価値に評価し直す必要があります。定期預金も例外ではなく、相続財産として正しく評価しなければなりません。定期預金の評価方法は、預け入れている元本だけでなく、相続開始時点までに発生した利息も加味して計算します。
元本と既経過利息の評価
定期預金の相続税評価額は、以下の式で計算されます。
- 相続税評価額 = 相続開始日の元本残高 + 既経過利息-源泉所得税相当額
「既経過利息」とは、相続開始日(亡くなった日)に当該定期預金を解約したと仮定した場合に受け取れる利息のことです。定期預金は普通預金に比べて利息が高額になる傾向があるため、相続財産として正確に計上する必要があります。
この既経過利息から、源泉所得税相当額(合計20.315%)を差し引いた後の金額を元本に加算して評価額を算出します。正確な金額は、金融機関に「残高証明書」と「経過利息計算書」の発行を依頼して確認しましょう。
満期前と満期後の評価の違い
定期預金の評価方法は、相続開始日が満期を迎える前か後かによって若干異なります。
- 満期前の定期預金:前述の通り、「元本残高」+「既経過利息(源泉所得税相当額控除後)」で評価します。
- 満期後の定期預金:満期を過ぎて解約されていない定期預金は、普通預金と同じ扱いになります。そのため、「元本残高」+「満期日以降の利息(源泉所得税相当額控除後)」で評価します。
いずれの場合も、正確な評価額を算出するためには、金融機関が発行する証明書が不可欠です。
シミュレーション|1000万円の定期預金を相続した場合
具体的なイメージを持つために、1000万円の定期預金を相続した場合の相続税評価額を計算してみましょう。
【シミュレーション条件】
- 元本:1000万円
- 相続開始日時点での既経過利息(源泉所得税相当額控除前):5万円
2.源泉所得税相当額控除後の既経過利息を計算:5万円 - 1万157円 = 3万9847円
3.相続税評価額を計算:1000万円(元本) + 3万9847(源泉所得税相当額控除後既経過利息) = 1003万9847円
この場合、相続税の計算対象となる定期預金の評価額は1003万9847円となります。この金額を他の相続財産と合算し、基礎控除額を超える部分に対して相続税が課税されます。
定期預金の相続でよくあるトラブルと対処法

定期預金の相続は、手続きが複雑であることや、相続人間での意見の相違からトラブルに発展することがあります。事前に典型的なトラブル事例と対処法を知っておくことで、円満な相続を目指しましょう。
勝手に引き出すとトラブルに
被相続人の死亡後、金融機関に連絡して口座を凍結する前に、一部の相続人がキャッシュカードなどで預金を引き出してしまうケースがあります。これは、他の相続人との間で「遺産の使い込み」を疑われる原因となり、深刻なトラブルに発展しかねません。
葬儀費用など、やむを得ず資金が必要な場合でも、必ず他の相続人の同意を得て、引き出した金額や使途の領収書を保管しておくことが欠かせません。安全な対策は、相続が発生したら速やかに金融機関に連絡し、口座を凍結することです。
相続人全員の同意が得られない場合
遺言書がない場合、預金の解約や名義変更には原則として相続人全員の同意と実印、印鑑証明書が必要です。しかし、相続人の仲が悪い、あるいは一部の相続人と連絡が取れないといった理由で、全員の同意を得るのが難しいケースがあります。
また、相続人の中に認知症などで判断能力が不十分な人がいる場合、その人は有効な法律行為(遺産分割協議への参加など)ができません。判断能力が不十分な人がいる場合は、家庭裁判所に申し立てを行い、「成年後見人」を選任してもらう必要があります。
成年後見人が判断能力が不十分な相続人に代わって遺産分割協議に参加し、手続きを進めることになります。手続きが複雑になるため、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。
必要書類の不備で手続きが進まない
相続手続きは、戸籍謄本や印鑑証明書など、多くの公的書類を正確に揃える必要があります。被相続人の「出生から死亡までの一連の戸籍謄本」は、本籍地が複数にわたる場合に収集が煩雑になりがちです。
1つでも書類が不足していたり、内容に不備があったりすると、金融機関は手続きを受け付けてくれません。何度も窓口に足を運ぶことにならないよう、事前に金融機関のWebサイトや電話で必要書類を詳細に確認し、チェックリストを作成して準備を進めるのがよいでしょう。
不安な場合は、司法書士や行政書士などの専門家に書類収集を依頼することも有効な手段です。
定期預金の相続に関するよくある質問
ここでは、定期預金の相続に関して多くの人が抱く疑問について、Q&A形式で解説します。手続きを進める上での参考にしてください。
Q. 定期預金は満期前に解約できる?
A. はい、相続手続きの一環として、定期預金を中途解約することは可能です。
ただし、満期日前に解約する場合、当初の契約で定められた金利(約定利率)は適用されません。代わりに、預入日から解約日までの期間に応じた、より低い「中途解約利率」が適用されます。多くの場合、普通預金の金利と同程度になるため、受け取れる利息は大幅に少なくなります。
高金利の定期預金を相続した場合は、中途解約せずに満期まで継続(名義変更)するほうが有利なケースが多いため、慎重に判断する必要があります。
Q. 相続定期預金の利用期限はいつまで?
A. 相続定期預金を利用できる期間は、金融機関によって異なります。
一般的には、「相続手続き完了後1年以内」「2年以内」「3年以内」などと定められています。この期間を過ぎてしまうと、せっかくの金利優遇プランを利用できなくなってしまいます。
相続手続きには時間がかかることもあるため、相続が発生したら早めに情報収集を始め、利用したい金融機関の申し込み期限を確認しておくことが必須です。期限が迫っている場合は、手続きを急ぐ必要があります。
Q. 定期預金の相続税はいくら?
A. 定期預金そのものに個別の相続税がかかるわけではありません。相続税は、定期預金を含むすべての相続財産(不動産、有価証券、現金など)の総額から、基礎控除額を差し引いた残りの金額に対して課税されます。
基礎控除額の計算式は以下の通りです。
- 基礎控除額 = 3000万円 + (600万円 × 法定相続人の数)
例えば、法定相続人が3人(配偶者と子2人)の場合、基礎控除額は4800万円(3000万円 + 600万円 × 3人)となります。相続財産の総額がこの金額以下であれば、相続税はかからず、申告も不要です。
定期預金の評価額は、この相続財産総額の一部として計算に含まれます。
(参考:財産を相続したとき|国税庁)
まとめ

定期預金の相続は、まず口座を凍結し、遺産分割協議を経て、必要書類を揃えて金融機関で手続きするという流れが基本です。
その際、相続した定期預金の金利を確認し、高金利であれば名義変更による継続を、そうでなければ解約や金利のよい「相続定期預金」への預け替えを検討するのがよいでしょう。
相続手続きは複雑で時間もかかりますが、1つひとつ手順を踏んでいけば着実に進めることができます。本記事で解説したポイントを押さえ、円満かつスムーズな相続を実現してください。もし手続きに不安がある場合は、税理士や司法書士などの専門家へ相談することも有効な選択肢です。
相続した大切な資産をどのように活かしていくか、専門家のアドバイスを参考にしながら、自身のライフプランに合った方法を検討してみてはいかがでしょうか。将来のお金の不安を解消するためにも、まずは第一歩を踏み出してみましょう。
»将来資金はいくら必要?あなたのケースでシミュレーション
将来資金が気になるあなたへ
将来をお金の不安なく過ごすために、あなたに合った運用方法を理解し、計画的に準備を始めましょう。マネイロでは、将来資金の準備をスムーズに進められる無料ツールを利用できます。
▶将来資金の無料診断:将来必要になる金額が3分でわかる
▶賢いお金の増やし方入門:貯金と投資で賢く増やす方法がわかる
▶NISAで始める資産運用~基本編~:NISAの基本と資産運用の始め方入門
※本記事の内容は記事公開時や更新時の情報です。現行と期間や条件が異なる場合がございます
※本記事の内容は予告なしに変更することがあります。予めご了承ください
オススメ記事

定期預金の中途解約のペナルティは?金利が下がって元本割れもある?

定期預金と積立預金の違いとは?特徴やメリット・デメリットを徹底比較

相続した遺産の運用で失敗しないために!タイプ別のおすすめ運用方法と税金の注意点

投資信託の相続手続きを完全ガイド|名義変更から売却・税金まで専門家が解説
監修

黒澤 伸
- 税理士/社会保険労務士/CFP®認定者
東京都出身。中央大学商学部会計学科を卒業後、東京国税局に入局。国税庁、東京国税局等に38年間勤務し、2023年に高松国税局長を最後に退官。同年、黒澤伸税理士事務所を開設し、2024年には社会保険労務士としても登録。現在は、税務・会計、社会保険、労働保険等の士業務を中心に、CFPとして事業者のトータルサポートを行っている。
執筆

マネイロメディア編集部
- お金のメディア編集者
マネイロメディアは、資産運用に関することや将来資金に関することなど、お金にまつわるさまざまな情報をお届けする「お金のメディア」です。正確かつ幅広い年代のみなさまにわかりやすい、ユーザーファーストの情報提供に努めてまいります。




