
老後に必要なお金はいくら?単身・夫婦の世帯タイプ別必要額を解説
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「老後に必要なお金はいくら?」「年金だけでは足りない?」といった不安を抱える40~50代の方も多いのではないでしょうか。老後の生活設計を立てる上で、具体的な必要額を知ることは非常に重要です。
本記事では、公的なデータに基づき、単身世帯と夫婦世帯それぞれの老後に必要なお金の目安から、状況ごとの必要資金の算出方法、さらに老後資金を効率的に準備する方法までを詳しく解説します。
この記事を通じて、漠然とした老後への不安を解消し、安心して老後を迎えるための具体的な一歩を踏み出しましょう。
- 単身・夫婦世帯それぞれの老後の平均生活費と、ゆとりある生活に必要な金額の目安
- ライフスタイルごとの老後の必要額と、将来の不足額の算出方法
- 今日から始められる老後資金の具体的な準備方法
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データで見る「老後に必要なお金」の目安
老後に必要なお金は、個人のライフスタイルや価値観によって大きく異なりますが、公的なデータから平均的な目安を把握することは、計画を立てる上での良いスタート地点となります。
ここでは、総務省の「家計調査(家計収支編/2024年)」をもとに、単身世帯と夫婦2人世帯それぞれの平均的な消費支出を簡単に見ていきましょう。
夫婦2人世帯の場合
総務省の「家計調査(家計収支編/2024年)」によると、「夫婦高齢者世帯のうち無職世帯」の1ヶ月間の消費支出の平均額は25万6521円です。これは、夫婦二人が生活を送る上で必要となる費用の目安となります。
単身世帯の場合
同データによると、「高齢単身世帯のうち無職世帯」の1ヶ月間の消費支出の平均は14万9286円となっています。この金額が単身で生活を送る上での1つの基準となるでしょう。
「老後2000万円問題」は本当?
「老後2000万円問題」は、2019年に金融庁の金融審議会が発表した報告書によって広く知られるようになった問題提起です。この報告書では、夫婦2人世帯で公的年金のみでは毎月約5万5000円が不足し、老後が30年間続くと仮定すると約2000万円の金融資産の取り崩しが必要になる、という試算が示され、大きな話題となりました。
最新のデータは?
最新のデータを見てみましょう。総務省の「家計調査(家計収支編/2024年)」によると、夫婦ともに65歳以上の無職世帯の家計では、可処分所得約22万2000円に対して消費支出は約25万7000円で、毎月約3万4000円が不足しています。
また、65歳以上の単身無職世帯では、可処分所得約12万1000円に対して消費支出は約14万9000円で、毎月約2万8000円が不足しています。
例えば、夫婦世帯で毎月3万4000円の不足が生じ、老後生活が30年間(360ヶ月)続くと想定すると、「3万4000円 × 360ヶ月 = 1224万円」が必要な貯蓄総額の目安となります。
ただし、「老後2000万円」にしても、上記の試算にしても、あくまで「平均的なケース」であり、すべての世帯に当てはまるものではないという点に注意が必要です。
不足額は世帯構成や生活費、年金受給額によって大きく変動するため、自分の状況を正確に把握した上で、個別にシミュレーションを行うことが大切です。
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あなたはいくら必要?3ステップで簡単シミュレーション
老後に必要なお金は、個人のライフスタイルや価値観によって大きく異なります。ここでは、老後の生活費を予測し、必要な貯蓄額を割り出すための3つのステップを紹介します。
ステップ1.老後のリアルな支出(生活費)を計算しよう
老後の生活で毎月どれくらいの支出が見込まれるかを具体的に予測します。現在の生活費を基盤としつつ、老後に特有の変化を考慮に入れることが重要です。
最低限の生活を送る場合の考え方
最低限の生活とは、日々の衣食住を満たし、健康を維持するために必要な基本的な支出を指します。現在の家計簿を見直し、無駄を省いた場合にどの程度の支出になるかを算出してみましょう。
例えば、住宅ローンが完済している場合は住居費が大幅に減る可能性がある一方、医療費や介護費用が増加する可能性も考慮に入れる必要があります。食費や光熱費など、固定費以外の変動費についても、健康状態や生活様式の変化を想定して見込みを立てましょう。
ゆとりのある生活を送る場合の考え方
ゆとりのある生活とは、最低限の生活費に加えて、趣味、旅行、レジャー、交際費、孫への援助など、精神的な豊かさや楽しみを追求するための支出を加えたものです。
例えば、毎年の海外旅行や高級レストランでの外食、習い事など、具体的な「やりたいこと」をリストアップし、それぞれにかかる費用を見積もることがポイントです。これにより、漠然とした「ゆとり」ではなく、具体的な目標額を設定することができるでしょう。
ライフイベントでかかる特別な支出も忘れずに
家計調査の平均支出データは日々の生活費を把握する上で有用ですが、生活していく上ではデータには現れにくい「臨時支出」も出てきます。これらの支出は想定外に金額が大きくなることもあり、予測が難しい場合もあるため、事前に老後資金計画に含めておくことが重要です。
具体的には、以下のような費用が挙げられます。
・車の買い替え費用:車は一般的に10年程度で寿命を迎えます。維持費だけでなく買い替え費用も考慮した計画が必要です。
・子や孫への援助:子どもの結婚や住宅購入、孫の入学祝いや成人祝い、旅行やプレゼントなど、節目の行事でお祝い金や援助を求められる機会が増えることがあります。
・病気や怪我の医療費:年令を重ねるごとに病気や怪我のリスクが高まり、医療費の負担が増える傾向にあります。
・親の介護費用:自分の親が高齢で介護が必要になった場合、介護サービス利用料や施設入居費など、月に数万円から数十万円の費用負担が発生することもあります。
ステップ2.年金はいくらもらえる?老後の収入を把握しよう
次に、老後に見込まれる毎月の収入源を洗い出し、それぞれの金額を予測します。主な収入源となるのは公的年金ですが、その他にも個人年金や企業年金、退職金、または再雇用やアルバイトによる勤労収入なども該当します。
まずは「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で、自分が加入している年金制度の情報を確認し、将来の受給見込み額を把握しておきましょう。
なお、厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業の概況(令和5年度)」によると、令和5年度の国民年金(基礎年金部分)の平均年金月額は5万7700円、厚生年金保険(基礎年金を含む)の平均年金月額は14万7360円となっています。
ステップ3.計算結果から「自分で準備すべき金額」を算出
ステップ1で予測した「毎月の支出」から、ステップ2で予測した「毎月の収入」を差し引くことで、「毎月の不足額」が割り出せます。もし不足額のほうが大きければ、その分だけ毎月貯蓄を切り崩す必要が出てきます。
この毎月の不足額に、老後生活が続くと想定する期間(例えば「65歳から90歳まで」など)を乗じることで、老後に必要となる貯蓄の総額を算出できます。
仮に毎月5万円の不足があり、25年間(300ヶ月)の老後生活を想定するなら、「5万円 × 300ヶ月 = 1500万円」が必要な貯蓄総額の目安となります。
無料の将来資金診断も活用しよう
老後に必要な金額をより具体的に把握するためには、マネイロの「将来の必要額診断」の活用も有効です。
この必要額診断は、簡単な質問に答えていくだけで、必要な老後資金や、そのお金を作るための最適な運用手段などがわかるシミュレーションツールです。診断は無料で、3分程度で完了できます。
老後資金の具体的なイメージをつかむためにも、ぜひ活用してみてください。
>>簡単な質問に答えて、あなたの老後の必要額を3分で診断
【年代・目的別】老後資金の作り方ガイド
老後の生活費に対する不安を解消するためには、早めに対策を始めることが肝心です。ここでは、今日からできる具体的な準備方法を紹介します。
まずは家計改善から始めよう
老後資金準備の第一歩として、もっとも効果的なのは、毎月の支出を見直して減らすことです。特に、一度見直せば継続的に効果が得られる「固定費」の削減から着手しましょう。
通信費の見直し
携帯電話のプランやインターネット回線の見直しは、効果が出やすい項目の1つです。格安SIMへの切り替えや、不要なオプションの解約などにより、通信費を大幅に削減できる場合があります。夫婦でプランを見直せば、さらに大きな節約効果が期待できます。
保険料の見直し
加入している生命保険や医療保険の保障内容を定期的に確認しましょう。ライフステージの変化に伴い、過剰な保障になっていたり、逆に不足していたりする場合があります。
保険のプロへの相談も検討し、自分にとって最適な保障内容と保険料のバランスを見つけることが大切です。
非課税制度で資産運用
貯蓄だけでなく、資産運用によってお金を増やすことも、老後資金準備の重要な柱です。特に、投資初心者でも利用しやすい、国が推奨する優遇制度をフル活用することで、効率的に資産形成を進めることができます。
NISAを活用する
NISAは、一定の投資額まで得られた運用益が非課税になる制度です。2024年からは制度が拡充され、非課税投資枠が大幅に拡大しました。
NISAには、長期投資に向いている「つみたて投資枠」と投資先の選択肢が豊富な「成長投資枠」があり、投資信託や個別株など、幅広い商品で運用が可能です。後述するiDeCoと異なり、途中で引き出すことも可能なため、老後資金以外の目的でも柔軟に活用できます。
長期的な資産形成を目指す上で、ぜひ活用を検討したい制度です。
iDeCoを活用する
iDeCo(個人型確定拠出年金)は、自分で掛金を拠出し、自分で運用する私的年金制度です。掛金が全額所得控除の対象となるため、所得税・住民税の節税効果があります。
また、運用益も非課税で再投資され、将来受け取る際も公的年金等控除の対象となるなど、税制上の優遇措置が手厚いのが特徴です。
老後資金形成に特化した制度であるため、長期的な視点で資産を増やすのに適しています。
預貯金だけはNG?その理由とは
老後資金の準備として、預貯金だけでは不十分な場合があります。その主な理由は、インフレ(物価上昇)リスクと、低金利による資産増加の停滞です。
銀行預金や現金は元本保証があるため安全性が高い一方で、金利が非常に低く設定されているため、資産を増やすのには不向きです。例えば、物価が年2%上昇するインフレが続くと、預貯金の価値は実質的に目減りしてしまいます。現在の100万円が、将来の2%インフレ下では98万円の価値にしかならないといった具合です。
そのため、老後資金準備においてはiDeCoやNISAといった税制優遇のある制度を活用し、投資による資産増加も視野に入れることが重要です。
適切な資産運用を取り入れることで、インフレを上回るリターンを目指すことができ、預貯金だけでは難しい資産の成長を期待できます。
老後のお金の不安に関するQ&A
老後資金に関するよくある質問にお答えします。
Q. 老後資金の準備は50代からでも間に合う?
老後資金の準備は、できるだけ早く始めるに越したことはありませんが、50代からでも決して遅すぎることはありません。もちろん、20代や30代から始めるよりも時間は短くなりますが、現在の収入や資産状況を見直し、対策を講じることで、不安を軽減することは可能です。
50代から始める場合は、特に以下の点を意識しましょう。
・支出の徹底的な見直し:固定費削減(通信費、保険料など)を最優先で行い、家計をスリム化する
・積極的な資産運用:NISAやiDeCoなど、税制優遇制度を最大限に活用し、リスク許容度に応じた投資を行う
・働き方の検討:定年後の再雇用やセカンドキャリア、年金の繰下げ受給なども視野に入れ、将来の収入を確保する選択肢を広げる
さらに、マネイロの「老後の必要額診断」のようなツールもうまく活用して、自分の現状と目標を明確にし、具体的な計画を立てることをおすすめします。
Q. 介護費用はいくらくらい見ておけばいい?
老後の生活において、介護が必要になった場合の費用は大きな懸念事項のひとつです。親が高齢で介護を必要とする場合、その費用を子どもが一部負担する可能性もあります。
介護サービスを利用する際には、訪問介護やデイサービスの利用料、施設への入居費用などがかかり、月に数万円から数十万円程度になることもあります。
介護保険制度によって一定の費用は公的にカバーされますが、自己負担は原則1~3割(所得に応じて変動)であり、さらに介護に伴う交通費や日用品などの雑費は自己負担となります。そのため、介護関連の支出も老後資金計画に組み込んでおくことが賢明です。
また、自分自身が将来介護を受ける可能性も考慮し、民間の医療保険や介護保険への加入、あるいは介護費用専用の貯蓄や投資を準備しておくことも重要です。
まとめ
本記事では、老後に必要なお金の目安から、自分の状況に合わせた必要額の算出方法、そして今日からできる具体的な準備方法までを詳しく解説しました。
総務省の家計調査データによると、無職の高齢夫婦世帯の平均消費支出は25万6521円、単身世帯の場合では14万9286円となっています。ただし、これはあくまで平均値であり、ゆとりある生活を送るための費用や、住宅リフォーム費用、車の買い替え費用、医療費、介護費用といった臨時支出を考慮すると、さらに多くの資金が必要になる可能性があります。
自分にとっての必要老後資金を正確に把握するには、現在の支出と将来の収入(年金含む)を予測し、毎月の不足額から老後に必要な貯蓄総額を算出するシミュレーションが不可欠です。マネイロの無料診断ツールも活用し、具体的な金額を把握することから始めましょう。
老後資金への不安を解消するためには、早めの対策が重要です。預貯金だけに頼らず、税制優遇制度も活用した資産運用も検討するとよいでしょう。
老後資金の準備は、すぐにはできません。まずは現状を把握し、できるところから始めてみることが、不安のない老後生活を送るための基盤を築く第一歩となります。
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監修
高橋 明香
- ファイナンシャルアドバイザー/CFP®認定者
みずほ証券(入社は和光証券)では、20年以上にわたり国内外株、債券、投資信託、保険の販売を通じ、個人・法人顧客向けの資産運用コンサルティング業務に従事。2021年に株式会社モニクルフィナンシャル(旧:株式会社OneMile Partners)に入社し、現在は資産運用に役立つコンテンツの発信に注力。1級ファイナンシャル・プランニング技能士、一種外務員資格(証券外務員一種)保有。
執筆
マネイロメディア編集部
- お金のメディア編集者
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