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ゆとりある老後はいくら必要?3分でわかるシミュレーションと老後資金を確保するための方法

ゆとりある老後はいくら必要?3分でわかるシミュレーションと老後資金を確保するための方法

お金2025/05/26
  • #老後資金

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ゆとりある老後生活を送るにはお金はいくら必要?」「将来必要な老後資金をシミュレーションしたい」と思っている人も多いのではないでしょうか。

また、老後で旅行や趣味にお金をかけたい一方で、年金や退職金、貯蓄のみで生活できるのか不安に思っている人もいるでしょう。

どのような老後生活を送るかによって、必要な老後資金は変わります。

本記事ではゆとりある老後生活を送る際、いくらかかるかシミュレーションしたい人に向けて、将来資金の計算方法、老後資金を賢く確保する方法についてお金の専門家がわかりやすく解説します。

この記事を読んでわかること
  • ゆとりある老後のためには最低日常生活費に月約15万円を上乗せした生活費が必要
  • 老後資金として準備しておくべき金額は希望する生活水準や年金等の収入額によって異なる
  • 年金の繰下げ受給、iDeCoやNISA、退職金の運用などで老後資金を効率的に準備するのがおすすめ


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ゆとりある老後はどんな生活?必要な資金の種類は?

そもそも、ゆとりある老後とはどんな状態でしょうか。老後のゆとりのために必要な資金から考えてみます。

公的データにみる「ゆとりある老後」の定義

公益財団法人生命保険文化センターでは、定期的に「生活保障に関する調査」を行っています。同調査では、回答者が考える老後の最低日常生活費、ゆとりある生活費について調べています。

ゆとりある生活費とは、最低日常生活費にゆとりのための上乗せ額を足したものです。なお、ここでいう生活費は、夫婦2人の生活にかかる費用です。

2022年度の調査結果から、具体的な金額を見てみましょう。

(参考:2022(令和4)年度生活保障に関する調査《速報版》|生命保険文化センター

ゆとりある老後の月額生活費は約38万円

夫婦2人のゆとりある老後生活のためには、月額37.9万円が必要です。これは夫婦の最低日常生活費に14.8万円を上乗せした金額です。

上乗せ額の使途としては「旅行やレジャー」「日常生活費の充実」「趣味や教養」「身内とのつきあい」を挙げる人が多くなっています。

最低限の老後の月額生活費は約23万円

夫婦2人の最低日常生活費は、月額23.2万円です。

最低日常生活費とは、高齢者世帯の生活のために最低限必要とされる日常的な支出を指します。贅沢をしない、基本的な生活を送るための費用と考えると良いでしょう。

実際の支出項目から見る老後生活の内訳

上述の生活費は、あくまで回答者が考える金額です。総務省の2024年度「家計調査」から、実際の高齢者世帯の毎月の支出がどのようになっているのかをみてみましょう。

(参考:家計調査報告家計収支編2024年(令和6年)平均結果の概要|統計局

食費・住居費・光熱費・交際費などの老後の支出

65歳以上の夫婦のみ無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の毎月の消費支出は、次のとおりです。

項目

金額

金額

食料

金額

7万6352円

住居

金額

1万6432円

光熱・水道

金額

2万1919円

家具・家事用品

金額

1万2265円

被服及び履物

金額

5590円

保険医療

金額

1万8383円

交通・通信

金額

2万7768円

教養娯楽

金額

2万5377円

その他

金額

5万2433円

合計

金額

25万6521円

食費が生活費の3割程度を占めています。なお、その他の支出のうち割合が大きめなのが交際費(2万3888円)となっています。

高齢夫婦無職世帯の月間支出

家計調査の結果から、夫婦2人の老後の生活費の平均は月26万円程度であることがわかります。このほかに、非消費支出(税金、社会保険料等)で月約3万円がかかります。

消費支出、非消費支出を合わせると、夫婦2人の老後生活には平均で月約29万円程度かかっています。

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ゆとりある老後に必要な費用

ポイントの解説

ゆとりある老後に必要な金額を月約38万円とすると、平均的な月間支出に加えて9万円の費用がかかることになります。

夫婦高齢者無職世帯の年金を含めた毎月の実収入の平均は25万2818円となっており、月3万4058円は赤字として補填が必要な金額です。

ゆとりある老後生活を実現するには、この赤字を補った上で、さらに追加の費用を準備しておかなければなりません。

介護にかかる費用の現実

老後に安心して生活を送るためには、介護費用にも備えておく必要があります。

生命保険文化センターの「2024(令和6)年度生命保険に関する全国実態調査」によると、一時的にかかった介護費用(住宅改造や介護用ベッド購入など)の平均は47万円、月々の介護費用の平均(公的介護保険サービスの自己負担費用を含む)は9万円です。

ポイントの解説

介護期間の平均は55.0ヶ月であるため、トータルでかかる介護費用は平均で500万円以上と考えられます。

(参考:2024(令和6)年度生命保険に関する全国実態調査|生命保険文化センター

ゆとりある老後を送るには4000万円必要?

「家計調査」によると、夫婦高齢者無職世帯の家計は平均で月3.4万円の赤字です。30年老後生活が続くと仮定すると、赤字を埋めるために約1200万円が必要です。

ゆとりある老後生活のため多少上乗せし、月2万円追加で必要とすると、用意すべき老後資金は約2000万円となります。

注意点

ただし、万一インフレが続いた場合、2000万円では足りなくなる可能性があります。

仮に物価上昇率を2%とすると、2000万円は30年後には約3600万円になるため、4000万円くらい用意しておきたいでしょう。介護費用にも備えるとなると、さらにお金が必要です。

老後に必要な金額は人によって異なります。調査結果を参考に、希望する生活水準などから必要額をシミュレーションしてみましょう。

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あなたの老後資金は足りる?シミュレーションでチェック

老後資金としてどれくらい準備しておいたら良いかは、人によって異なります。老後の具体的な希望や収入状況などにあてはめてシミュレーションしてみましょう。

1.必要額を試算:老後資金チェックリスト

計算前のチェックリスト

自分の場合、老後にいくら必要かを試算してみましょう。

まず、「退職してから亡くなるまでの年数で老後の期間」を計算します。65歳で退職し、90歳まで生きると仮定すると、老後の期間は25年となります。

次に、老後の生活水準を想定し、毎月いくら生活費が必要かを考えます。ここでは、夫婦高齢者無職世帯の平均的な生活費と同水準の25万円が毎月必要と仮定します。

25年間で必要な金額の合計は7500万円となります。

2.使える金額を算出:年金・退職金・貯蓄をチェック

老後の生活費を試算したら、生活費に充てられるお金として何があるかをピックアップし、合計額を計算してみましょう。老後生活のために、年金退職金のほか、既にある貯蓄なども使えます。

夫婦2人分の年金を月20万円、退職金のうち500万円、貯蓄200万円を老後資金に充てられるとすると、使える金額は

①20万円×12ヶ月×25年=6000万円
②500万円+200万円=700万円
①+②=6700万円

となります。

3.老後資金の「不足分」を算出:1と2の差額

最後に、老後資金の不足分を計算します。老後資金としてこれから準備しなければならない金額は、必要な生活費の額から老後資金として使える額を差し引いて出します。

老後に必要な生活費の合計が7500万円、老後資金として使える金額が6700万円とすると、老後資金の不足分は

7500万円-6700万円=800万円

となります。

老後資金を確保するための方法

年金や退職金だけでは老後の生活資金が不足する人は、何らかの方法で老後資金を確保することを考えましょう。

ここからは、老後資金を確保するための方法を5つ紹介します。

年金を増やす方法(=公的年金を最大限活かす)

年金の受給額を増やす方法があります。特に公的年金は終身年金であるため、年金額が増えると安心感が大きくなります。

繰下げ受給を利用する

公的年金の受給開始は原則65歳からですが、受給開始を先に遅らせる「繰下げ受給」により、年金額を増やせる仕組みがあります。

最大75歳まで(昭和27年4月1日以前生まれは70歳まで)の繰下げが可能で、1ヶ月遅らせるごとに年金額が0.7%増加します

75歳まで繰下げした場合の増額率は84%です。繰下げせず65歳からもらう場合の年金額を月12万円と仮定すると、75歳まで繰下げした場合には月22万800円となります。

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付加年金に加入する

付加年金とは、国民年金第1号被保険者(自営業者など)が国民年金保険料に月額400円を追加で納めることで、将来の年金受給額を増やせる制度です。

付加年金に加入した場合、受給時には「200円×納付月数」が年金に上乗せされ、一生涯受け取れます。例えば10年間納めれば、毎年2万4000円が年金に加算されます。

注意点

なお、厚生年金に加入している会社員や公務員、自営業者でも国民年金基金に加入している人は、付加年金を利用できません。

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iDeCo(個人型確定拠出年金)で年金を作る

iDeCoは自分で掛金を積み立てて投資信託などで運用し、老後に年金または一時金として受け取れる制度です。

国民年金の被保険者(第1号~第3号)や任意加入被保険者であれば誰でも加入でき、公的年金に上乗せする年金を用意できます。

iDeCoでは、掛金は全額所得控除の対象となり、運用益も非課税、受け取り時も控除が適用されるなど税制優遇があります。これにより、通常の投資よりも効率よく資金を増やせます。

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老後のための資金を増やす方法(=貯蓄+運用)

老後資金は長期的な運用が可能であるため、投資も活用して効率よく増やすのがおすすめです。次のような方法を検討してみましょう。

NISAを活用する

NISA(少額投資非課税制度)は、投資で得られる利益が非課税になる制度です。18歳以上なら誰でも利用ができ、運用した資産の使途に制限はありません。

老後資金にもNISAを活用するのがおすすめです。

2024年にスタートした新NISA(新しいNISA)では、つみたて投資枠で年間120万円、成長投資枠で年間240万円までの非課税投資ができます。非課税保有期間は無期限で、非課税保有限度額は1800万円となっています。

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退職金の一部を運用に回す

退職金は老後資金に充てるために貯蓄しておきましょう。すべてを預貯金に入れておくのではなく、一部を運用に回すのがおすすめです

預貯金の金利が低い中、株式投資信託債券などで運用すれば、資産を効率よく増やせます。長期的な運用なら複利効果も得られ、リスクも抑えられます。

運用して収益が得られれば、老後の収入を補えます。資産をすぐに取り崩す必要がなくなり、資産寿命を延ばせます。長生きリスクにも備えられるでしょう。

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支出の見直し+固定費の削減

老後資金対策として、無駄な支出を抑えることも大切です。まず家計を把握し、通信費、保険料、サブスクリプションなどの固定費を見直してみましょう。

不要な契約の解約やプランの変更により、月々の支出を減らせます。買い物の無駄を減らし、節約する習慣を身につければ、日常的な支出も抑えられます。

こうした積み重ねが長期的に大きな節約につながり、老後資金不足を防ぐ有効な手段となります。

老後資金に不安があるなら…専門家に相談すべき5つのサイン

専門家に相談すべき5つのサイン

「老後資金の必要額は?」「NISAやiDeCoをやった方がいい?」など、老後資金対策に不安がある場合には、専門家に相談するのがおすすめです。

ファイナンシャルアドバイザーファイナンシャルプランナーなどの専門家は、収入、支出、資産、年金額などを総合的に分析し、老後の生活設計に基づいた資金計画を提案してくれます。

税制優遇、運用の選択肢についてのアドバイスも得られるため、安心につなげることができます。

まとめ

夫婦がゆとりある老後生活を送るためには約月38万円必要という調査結果が出ています。実際の夫婦高齢者無職世帯の支出の平均は、消費支出が月26万円、非消費支出が月3万円、合計月29万円となっています。

老後資金の必要額は人によって異なります。調査結果を参考にシミュレーションしてみましょう。

老後資金を準備する方法はいろいろあります。自分に合った方法がわからない場合には、専門家に相談し、早めに対策に取りかかりましょう。


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執筆・監修
森本 由紀
  • 森本 由紀
  • ファイナンシャルプランナー/AFP(日本FP協会認定)/行政書士

行政書士ゆらこ事務所(Yurako Office)代表。愛媛県松山市出身。神戸大学法学部卒業。法律事務所事務職員を経て、2012年に独立開業。メイン業務は離婚協議書作成などの協議離婚のサポート。離婚をきっかけに自立したい人や自分らしい生き方を見つけたい人には、カウンセリングのほか、ライフプラン、マネープランも含めた幅広いアドバイスを行っている。法律系・マネー系サイトでの記事の執筆・監修実績も多数。

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