マネイロ知識ゼロでも
ただしい資産運用を

独身で老後資金5000万円は本当に必要?データで検証する必要額と今から始める準備

独身で老後資金5000万円は本当に必要?データで検証する必要額と今から始める準備

資産運用2026/04/10
  • #独身者

»独身の老後資金を3分で無料診断

独身老後資金5000万円必要」という噂を聞き、自身の将来に不安を感じている人もいるのではないでしょうか。ライフスタイルが多様化する中で、本当にそれほどの大金が必要なのか、疑問に思うのも当然です。

本記事では、統計データをもとに独身者に必要な老後資金額を徹底検証します。5000万円という金額の根拠から、具体的な貯蓄方法、資産運用の考え方まで、今からできる準備を網羅的に解説。将来のお金の不安を解消し、安心してセカンドライフを迎えるための第一歩を踏み出しましょう。

この記事を読んでわかること
  • 独身者の老後資金5000万円は、生活費に加えて医療・介護・葬儀費用まで含めた「ゆとりある生活」の目安額であること
  • 5000万円で安心できるかは持ち家の有無や年金額で異なり、賃貸住まいや長生き、インフレなどのリスクで不足する可能性もあること
  • 5000万円達成には、支出の最適化や先取り貯蓄に加え、NISAやiDeCoを活用した長期的な資産運用が効果的であること


老後資金が気になるあなたへ

将来をお金の不安なく暮らすために、老後に必要な資金を早めに把握し、計画的に準備を始めましょう。マネイロでは、老後資金づくりをサポートする無料ツールを利用いただけます。

老後資金の無料診断:老後に必要な金額が3分でわかる

賢いお金の増やし方入門:貯金と投資でコツコツ増やす方法がわかる

年金の基本と老後資金準備:年金を増やす方法や制度の落とし穴を学ぶ

「独身は老後資金5000万円必要」の根拠を検証

独身の老後には5000万円が必要」という説は、老後の生活費だけでなく、医療や介護といった将来起こりうる出費までを総合的に考慮した金額です。

まずは、どのような計算で5000万円という数字が導き出されるのか、公的な統計データを基に根拠を詳しく見ていきましょう。

独身世帯の平均的な生活費から逆算

老後資金を考える上で基本となるのが、毎月の生活費です。総務省の「家計調査年報(家計収支編)2025年」によると、65歳以上の単身無職世帯(独身で年金暮らしをしている人)の家計は以下のようになっています。

  • 実収入: 13万1456円
  • 支出合計: 16万1435円(消費支出+税金・社会保険料)

データを見ると、毎月2万9980円の赤字が発生していることがわかります。年間に換算すると、約35万9760円が不足する計算です。

ポイントの解説

この赤字分を貯蓄で補填していくのが、老後の基本的な生活スタイルとなります。つまり、年金収入だけでは生活費を完全に賄うのは難しく、現役時代からの準備がいかに重要であるかを示しています。

5000万円で何年暮らせるか

5000万円という貯蓄があれば、単純に毎月の生活費(約16.2万円)をすべて賄うと仮定すると、約26年間生活できる計算になります。しかし、老後の支出は日々の生活費だけではありません。

独身者が安心して老後を過ごすためには、医療費・介護費用・葬儀費用等の3つの出費を考慮する必要があります。

項目

金額の目安

金額の目安

算出根拠

算出根拠

医療費

金額の目安

約478万円

算出根拠

生涯医療費のうち65歳以降分(約1593万円)の3割負担と仮定

介護費用

金額の目安

約542万円

算出根拠

一時費用47万円+(月額9.0万円×平均介護期間55ヶ月)

葬儀費用等

金額の目安

約274万円

算出根拠

葬儀費用(118.5万円)+お墓の購入費用(155.7万円)の合計

これらの費用を合計すると1294万円となり、残りの金額(3706万円)ですべての生活費を賄う場合で考えると、約19年生活できる計算になります。

もちろん、生活費のすべてをこのお金で賄う必要はありません。個人で金額は変わりますが、老後は年金収入が期待できるため、「年金をベースに不足分を補う」という方針で考えると、資産寿命を大きく延ばすことができます。

(参考:医療保険に関する基礎資料(生涯医療費(令和4年度)|厚生労働省 , 2024(令和6)年度 生命保険に関する全国実態調査|生命保険文化センター , 第6回お葬式に関する全国調査(2024年)|いい葬儀 , 第15回お墓の消費者全国実態調査(2025年)いいお墓 ) 

5000万円で十分なケースと不足するケース

老後資金5000万円は相当な金額ですが、すべての人にとって十分とは限りません。自身のライフプランや住まいの状況によって、安心できるかどうかが変わります。

ここでは、どのような場合に5000万円で十分といえるのか、また、どのようなリスクがあると不足する可能性があるのかを具体的に解説します。

5000万円で安心できる条件

老後資金5000万円で安心して暮らせる可能性が高いのは、主に支出を低く抑えられる条件が整っている人です。具体的には、以下のようなケースが挙げられます。

持ち家がある(住宅ローン完済済み)

老後の支出で割合を占める住居費がかからないため、生活費を大幅に圧縮できます。固定資産税や修繕費は必要ですが、毎月の家賃負担がないメリットは大きいでしょう。

公的年金の受給額が多い

現役時代の収入が高く、厚生年金の加入期間が長い人は、年金収入だけで生活費の大部分を賄える可能性があります。その場合、5000万円は主に医療・介護や趣味・旅行などのための「ゆとり資金」として活用できます。

退職金が多い

まとまった退職金を受け取れる場合、老後資金の準備における自己負担を軽減できます。

地方在住で生活コストが低い

都市部に比べて物価や家賃が安い地方で暮らす場合、同じ生活レベルでも支出を抑えることが可能です。

健康で医療費がかからない

健康状態が良好で、高額な医療や介護の必要性が低い場合、想定外の出費リスクを低減できます。

5000万円でも不足するリスクがあるケース

一方で、5000万円の準備があっても将来的に資金が不足するリスクも存在します。支出が想定を上回る可能性のある以下のようなケースでは注意が必要です。

賃貸住まいを続ける

生涯にわたって家賃を支払い続ける必要があります。例えば月6万円の家賃なら30年間で2160万円もの負担となり、老後資金を圧迫します。高齢になると賃貸契約が難しくなるという問題もあります。

長生きのリスク

平均寿命以上に長生きした場合、その分生活費や医療費がかさみ、計画していた資金が底をつく可能性があります。「人生100年時代」といわれる現代では、90歳、100歳まで生きる可能性も十分に考慮する必要があります。

インフレ(物価上昇)のリスク

物価が上昇すると、同じ生活をしていても支出が増え、お金の実質的な価値が目減りします。預貯金だけで資産を保有していると、インフレに対応できず、資産が想定より早く減少する可能性があります。

高額な医療・介護費の発生

病気や怪我、要介護状態になった場合、公的保険だけではカバーしきれない高額な費用が発生することがあります。独身者は介護を頼れる家族がいないため、有料老人ホームへの入居などを選択すると、費用はさらにかさみます。


老後資金が気になるあなたへ

将来をお金の不安なく暮らすために、老後に必要な資金を早めに把握し、計画的に準備を始めましょう。マネイロでは、老後資金づくりをサポートする無料ツールを利用いただけます。

老後資金の無料診断:老後に必要な金額が3分でわかる

賢いお金の増やし方入門:貯金と投資でコツコツ増やす方法がわかる

年金の基本と老後資金準備:年金を増やす方法や制度の落とし穴を学ぶ

独身者が老後資金5000万円を準備するメリット

老後資金として5000万円という目標を達成することは、単にお金が増える以上の価値をもたらします。すべてを自分で乗り越える必要がある独身者にとって、十分な経済的基盤は精神的な安定と生活の自由度を向上させます。

ここでは、5000万円を準備することで得られる3つのメリットについて解説します。

精神的な安心感

老後資金5000万円を準備する最大のメリットは、将来のお金に対する不安から解放され、精神的な安心感を得られることです。

ポイントの解説

「病気になったらどうしよう」「介護が必要になったら誰にも頼れない」といった独身者特有の不安は、多くが経済的な問題と結びついています。十分な貯蓄があれば、こうした不測の事態にも金銭的な心配をせずに対応できるという自信が生まれます。

頼れる家族がいない場合、経済的な自立は精神的な自立に直結します。お金の心配をせずに日々の生活を送れることは、心穏やかで豊かなセカンドライフを送るための重要な基盤となるでしょう。

生活の選択肢が広がる

経済的な基盤が安定していると、老後の生活における選択肢が広がります。5000万円の資金があれば、さまざまなライフスタイルを自由に選ぶことが可能になります。

  • 住まいの選択: 賃貸であれば立地や設備のよい物件を選べます。また、サービス付き高齢者向け住宅や、質の高い有料老人ホームへの入居も現実的な選択肢となります。
  • 趣味や娯楽: 現役時代にできなかった趣味や習い事を始めたり、国内外へ旅行に出かけたりと、自分の好きなことにお金と時間を自由に使うことができます。
  • 社会との関わり: ボランティア活動に参加したり、新たな学び直しに挑戦したりと、金銭的な制約なく社会貢献や自己実現を追求することも可能です。

このように、十分な資金は「我慢する生活」から「選択できる生活」へと、老後の質を向上させてくれます。

予期せぬ出費への備え

老後には、病気や介護、住宅の修繕など、予測が難しい出費が発生する可能性があります。5000万円の資金があれば、こうした予期せぬ事態にも慌てずに対応できます

例えば、先進医療など公的保険適用外の高額な治療を受ける選択肢が持てたり、介護が必要になった際に在宅介護サービスを充実させたり、質の高い介護施設を選んだりすることが可能です。

独身者の場合、こうした費用をすべて自分で賄わなければなりません。いざという時に金銭的な理由で必要な医療や介護を諦めることがないように、十分な資金を準備しておくことは、自分自身の尊厳を守ることにも繋がります。

年代別・収入別に見る5000万円達成の現実性

老後資金5000万円という目標は、準備を始める年齢や現在の収入によって達成の難易度が変わります。早くから計画的に取り組むほど、月々の負担は軽くなります。

ここでは、年代別、収入別に5000万円を達成するための具体的なシミュレーションを見ていきましょう。

(参考:つみたてシミュレーター|金融庁

30代から準備を始める場合

30代から65歳までの約30〜35年間で準備を始める場合、時間を味方につけた長期的な資産形成が可能です。長期間の積立投資は「複利効果」を最大限に活かせるため、比較的少ない元手でも資産を築ける可能性があります。

複利効果とは?

運用で得た利益を元本に加えて再投資することで、利益が利益を生む仕組みのこと

例えば、毎月5万円を年利4%で運用しながら35年間積み立てると、元本2100万円に対して運用収益が約2400万円となり、合計で約4500万円の資産を築ける可能性があります。

30代はまだ収入がそれほど高くない場合もありますが、少額からでも積立投資を始めることで、将来的に差が生まれます。

40代・50代から準備を始める場合

40代や50代から準備を始める場合、30代に比べて準備期間が短くなるため、月々の貯蓄額や投資額を増やす必要があります。

例えば、50歳から65歳までの15年間で準備するケース、一般的な定年となる60歳に向けて、45歳からの15年間で準備するケースを考えてみましょう。

東京都産業労働局「中小企業の賃金・退職金事情(令和6年版)」によると、日本の企業の大部分を占める中小企業の大学卒のモデルケース退職金(定年)は、約1149万円となっています。

目標の5000万円から退職金を差し引くと、残りの約3851万円を45歳から60歳までの15年間で準備する必要があります。

  • 現預金で貯める場合: 毎月約21.4万円の貯蓄が必要。
  • 資産運用(年利4%)を活用する場合: 毎月約16万円の積立投資が必要。

40代・50代は収入がピークに達する時期でもありますが、それでもこれだけの積立を行うのは容易ではありません。しかしながら、5000万円は決して「老後に必須な金額」というわけでもありません。

少しでもゆとりある老後を目指して、できる範囲で資産形成を進めることが大切です。

上記の試算は概算値です。運用に関するリスク、手数料、税金、為替等は考慮しておらず、実際値とは異なる場合があります。また、将来の結果を予測し、保証するものではありません。

独身者が5000万円を準備するための具体的な方法

老後資金5000万円という目標を達成するためには、具体的な行動計画が不可欠です。単に節約するだけでなく、「支出の最適化」「貯蓄の仕組み化」「資産運用」「収入増」という4つのアプローチを組み合わせることが効果的です。

今日から始められる具体的な方法を見ていきましょう。

支出の最適化

資産形成の第一歩は、無駄な支出をなくし、お金の流れを把握することです。まずは家計簿アプリなどを活用して、毎月の支出を「見える化」しましょう。その上で、効果が大きい固定費の見直しから着手するのがおすすめです。

  • 通信費: 格安SIMへの乗り換えを検討する。
  • 保険料: 保障内容が現状に合っているか定期的に見直し、不要な特約は解約する。
  • サブスクリプション: 利用頻度の低いサービスは解約する。
  • 住居費: より家賃の安い物件への引っ越しを検討する。

固定費は一度見直すだけで、効果が継続するのがメリットです。変動費である食費や交際費も、無理のない範囲で予算を立てて管理することで、着実に貯蓄へ回せるお金を増やすことができます。

先取り貯蓄の仕組み化

「給料が余ったら貯金しよう」という考え方では、なかなかお金は貯まりません。効果的なのは、給料が振り込まれたら、まず貯蓄分を別の口座に移してしまう「先取り貯蓄」です。

  • 財形貯蓄制度: 会社の制度にあれば、給与から天引きで貯蓄できます。
  • 自動積立定期預金: 銀行のサービスを利用し、毎月決まった額を自動で定期預金口座に振り替えます。
  • 積立投資: 証券口座で設定すれば、毎月自動で投資信託などを買い付けてくれます。

このように、自分の意思とは関係なく自動的にお金が貯まる仕組みを作ることが、貯蓄を継続させるための方法です。

資産運用の活用

現在の低金利時代において、預貯金だけで5000万円を準備するのは困難です。そこで活用したいのが、NISA(少額投資非課税制度)iDeCo(個人型確定拠出年金)といった税制優遇制度です。

NISA

投資で得た利益(運用益)が非課税になる制度です。2024年から始まった新NISAでは、非課税で投資できる上限額が大幅に拡大しています。いつでも引き出し可能で自由度が高いのが特徴です。

iDeCo

老後資金づくりに特化した私的年金制度です。掛金が全額所得控除の対象となり、所得税・住民税を軽減しながら積み立てができます。

本人の課税所得がない場合、掛金の所得控除メリットは受けられません

原則60歳まで引き出せないため、着実に老後資金を準備できます。

ポイントの解説

これらの制度を活用し、全世界株式や米国株式に連動するインデックスファンドなどに長期・積立・分散投資を行うことが、資産形成の王道とされています。

収入を増やす選択肢

支出を減らし、資産を運用するのと同時に、収入の柱を増やすことも有効な手段です。

  • 本業でのキャリアアップ: 資格取得やスキルアップに励み、昇進や昇給、より待遇のよい会社への転職を目指します。
  • 副業: 近年、副業を認める企業が増えています。平日の夜や週末の時間を活用し、ライティングやデザインなどの在宅ワーク、知識を活かしたコンサルティングなど、自分の得意分野で収入を得る方法があります。

たとえ月数万円の副収入でも、年間では数十万円になり、老後資金の準備を加速させます。独身者は比較的時間を自由に使いやすいため、副業にも取り組みやすい環境といえるでしょう。

»あなたに向いている資産形成方法は?簡単な質問に答えてサクッと診断

5000万円を守り増やす資産運用の考え方

老後資金5000万円を達成した後、あるいは準備の途中段階で重要になるのが、資産を「守りながら増やす」という視点です。ただ銀行に預けておくだけでは、インフレによって資産価値が目減りしてしまうリスクがあります。

ここでは、大切な資産を長期的に活用していくための資産運用の考え方について解説します。

インフレリスクへの対応

インフレとは、物やサービスの価格が継続的に上昇し、相対的にお金の価値が下がることです。例えば、年2%のインフレが続くと、100万円の価値は10年後には約82万円に、20年後には約67万円にまで目減りしてしまいます。

このインフレリスクに対応するためには、現預金だけでなく、株式や投資信託、不動産といったインフレに強いとされる資産を保有することが重要です。

これらの資産は、物価の上昇に合わせて価値が上昇する傾向があるため、資産価値の目減りを軽減する効果が期待できます。老後資金という長期にわたる資産を守るためには、インフレを意識した資産配分(ポートフォリオ)が不可欠です。

取り崩しながら運用する戦略

老後生活が始まると、年金収入だけでは不足する生活費を、準備した資産から取り崩していくことになります。この際、資産をすべて現金化するのではなく、一部を運用しながら計画的に取り崩していくことで、資産寿命を延ばすことが可能です。

有名な戦略の1つに「4%ルール」があります。これは、年間の支出を投資元本の4%以内に抑えれば、資産を30年以上にわたって維持できる可能性が高いという考え方です。

ポイントの解説

例えば5000万円の資産があれば、年間200万円(月約16.7万円)を取り崩しても、残りの資産が運用によって成長するため、元本がなかなか減らず、資産の枯渇を遅らせる効果が期待できるという理論です(※税金は考慮せず)。

もちろん市場の状況によって結果は変動しますが、運用を続けることで、資産をより長く活用できる可能性が高まります。

リスク許容度の調整

資産運用におけるリスクの取り方は、年代やライフステージによって変えていく必要があります。一般的に、年齢を重ねるにつれてリスク許容度は低くなるため、資産配分を見直すことが欠かせません。

  • 現役世代(20代〜40代): 運用期間が長くとれるため、比較的リスクの高い株式などの割合を多めにし、積極的なリターンを狙うことができます。
  • リタイア直前期(50代〜60代前半): これから資産を取り崩していく時期に備え、徐々に株式の割合を減らし、価格変動が比較的少ない債券や預貯金などの安全資産の割合を増やしていきます。
  • リタイア後(65歳以降): 資産を「守る」ことを最優先し、安全資産中心のポートフォリオに切り替えます。ただし、インフレ対策として一部は株式などで運用を続けることも有効です。

自身の年齢や資産状況に合わせて、定期的にポートフォリオを見直し、リスクをコントロールしていくことが、安定した資産管理に繋がります。

独身者が知っておくべき老後のお金の注意点

独身者が老後を迎えるにあたっては、夫婦世帯とは異なる特有の注意点があります。経済的な準備はもちろんのこと、いざという時に頼れる人がいない可能性を想定した備えが重要になります。

ここでは、独身者が見落としがちな3つのポイントについて解説します。

頼れる人がいない場合の備え

独身者にとって課題の1つが、病気や怪我で入院する時や、認知症などで判断能力が低下した時に、法的な手続きや財産管理を誰に託すかという問題です。

病院によっては入院や手術の際に「身元保証人」を求められることがあります。また、判断能力が低下すると、銀行口座が凍結されたり、契約行為ができなくなったりする恐れがあります。

こうした事態に備えるため、以下の制度の活用を検討しましょう。

  • 身元保証サービス: 民間企業などが提供する、入院時の保証人や緊急連絡先となってくれるサービスです。
  • 任意後見制度: 判断能力があるうちに、将来自分の代理人(任意後見人)となってもらう人を自分で選び、契約を結んでおく制度です。財産管理や身上監護を任せることができます。
  • エンディングノート: 自分の希望する医療や介護、財産の処分方法などを書き記しておくノートです。法的な効力はありませんが、自分の意思を伝える重要な手段となります。

医療・介護保険の見直し

独身者は、病気や介護状態になった際の経済的・身体的負担をすべて自分で負うことになります。そのため、公的保険を補完する民間の医療保険や介護保険の必要性を検討することが大事です。

  • 医療保険: 入院や手術の際の自己負担をカバーします。差額ベッド代や先進医療など、公的保険の対象外となる費用に備えることができます。
  • 介護保険: 公的介護保険のサービスだけでは不足する場合や、在宅介護の費用、有料老人ホームの入居費用などに備えることができます。要介護状態になった際に一時金や年金が受け取れるタイプがあります。

現在加入している保険があれば、保障内容が独身の老後に見合っているか、定期的に見直しましょう。不要な死亡保障を減らし、その分を生前の医療・介護保障に手厚くするなどの調整が有効です。

相続・遺言の準備

独身で子どもがいない場合、法定相続人は親や兄弟姉妹になります。しかし、親がすでに亡くなっていたり、兄弟姉妹と疎遠であったりする場合、自身の財産が意図しない人の手に渡ったり、国庫に帰属したりする可能性があります。

お世話になった人や、応援したい団体(NPO法人など)に財産を遺したいと考えるのであれば、遺言書を作成しておくことが不可欠です。遺言書があれば、法定相続人以外の人にも財産を遺す「遺贈」ができます。

また、葬儀やお墓のこと、デジタル遺品(SNSアカウントやネット銀行など)の整理についても、自身の希望をエンディングノートなどに記しておくことで、残された人の負担を減らすことができます。元気なうちに、自身の「万が一」について考えておくことも、独身者の老後準備の1つです。

老後資金5000万円に関するよくある質問

独身の老後資金5000万円というテーマについて、多くの人が抱く疑問にお答えします。

Q. 5000万円は独身者全員に必要?

必ずしも全員に5000万円が必要というわけではありません。5000万円は、医療費や介護費、趣味や旅行なども含めた「ゆとりある老後」を送るための1つの目安です。

必要な金額は、以下のような個人の状況によって異なります。

  • 住居形態(持ち家か賃貸か)
  • 公的年金の受給額
  • 退職金の有無や金額
  • 希望する生活レベル
  • 健康状態

まずは自身の状況を把握し、どのような老後を送りたいかを具体的にイメージした上で、必要な資金額をシミュレーションしてみることが大切です。

Q. 40代や50代から老後資金の準備をしても間に合う?

何歳からでも、準備を始めるのに遅すぎることはありません。もちろん、30代など早い段階から始めれば、長期運用による複利効果を活かせるため、月々の負担は軽くなります。

40代、50代から始める場合は、収入がピークになる時期でもあるため、貯蓄ペースを上げたり、退職金を計画的に活用したりすることで目標に近づくことができます。重要なのは、自身の年齢と収入に合った無理のない計画を立て、一日でも早く行動に移すことです。

Q. 5000万円あれば働かなくてよい?

5000万円という資産があっても、完全に働かずに生活できるかどうかは個人の状況によります。

例えば、65歳の年金受給開始前にリタイアする場合、それまでの生活費も5000万円から賄う必要があります。また、インフレや想定外の出費で資産が計画より早く減少するリスクも考慮しなければなりません。

資産を運用しながら計画的に取り崩していくことで資産寿命を延ばすことは可能ですが、健康で働く意欲があるうちは、パートタイムなどで社会との繋がりを持ちながら収入を得ることも、生活にゆとりと張りをもたらす有効な選択肢といえるでしょう。

まとめ

本記事では、独身者老後資金として5000万円を必要とする根拠から、具体的な準備方法までを解説しました。「5000万円」は、ゆとりある老後生活に加え、医療や介護といった万が一のリスクにも備えるための包括的な目安額です。

この目標を達成するためには、自身のライフプランに合わせた長期的な計画が不可欠です。支出の最適化や先取り貯蓄といった基本的な取り組みに加え、NISAやiDeCoなどの税制優遇制度を活用した資産運用を早期に始めることが、目標達成の鍵を握ります。

老後の不安は、具体的な数字と行動計画に落とし込むことで解消できます。まずは自身の現状を把握し、できることから一歩ずつ始めてみましょう。

自身の状況に合わせた老後資金の計画を立てるために、まずは専門的な知識を持つプロに相談してみてはいかがでしょうか。客観的な視点から、あなたに最適な資産形成プランを提案してくれます。

»独身の老後資金を3分で無料診断


老後資金が気になるあなたへ

将来をお金の不安なく暮らすために、老後に必要な資金を早めに把握し、計画的に準備を始めましょう。マネイロでは、老後資金づくりをサポートする無料ツールを利用いただけます。

老後資金の無料診断:老後に必要な金額が3分でわかる

賢いお金の増やし方入門:貯金と投資でコツコツ増やす方法がわかる

年金の基本と老後資金準備:年金を増やす方法や制度の落とし穴を学ぶ

※本記事の内容は記事公開時や更新時の情報です。現行と期間や条件が異なる場合がございます

※本記事の内容は予告なしに変更することがあります。予めご了承ください

オススメ記事

監修
高橋 明香
  • 高橋 明香
  • ファイナンシャルアドバイザー/CFP®認定者

みずほ証券(入社は和光証券)では、20年以上にわたり国内外株、債券、投資信託、保険の販売を通じ、個人・法人顧客向けの資産運用コンサルティング業務に従事。2021年に株式会社モニクルフィナンシャル(旧:株式会社OneMile Partners)に入社し、現在は資産運用に役立つコンテンツの発信に注力。1級ファイナンシャル・プランニング技能士、一種外務員資格(証券外務員一種)保有。

記事一覧

執筆
マネイロメディア編集部
  • マネイロメディア編集部
  • お金のメディア編集者

マネイロメディアは、資産運用に関することや将来資金に関することなど、お金にまつわるさまざまな情報をお届けする「お金のメディア」です。正確かつ幅広い年代のみなさまにわかりやすい、ユーザーファーストの情報提供に努めてまいります。

一覧へもどる