

おひとりさまの老後資金をシミュレーション|女性・一人暮らし・ケース別の必要額と対策
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「老後資金はいくら必要?」「一人暮らしでも年金だけで生活できる?」と不安に感じている人もいるでしょう。
おひとりさまの老後に必要な資金は、持ち家か賃貸か、厚生年金か国民年金かによって大きく異なります。特に、老後も家賃の支払いが続き、年金収入が少ないケースでは、不足額が大きくなる可能性があります。
本記事では、おひとりさまの老後資金について、住居や年金の種類ごとに必要額・不足額をシミュレーションします。
さらに、老後に向けて毎月いくら準備すればよいのかもわかりやすく解説します。
- おひとりさまの老後生活費と年金収入の目安
- 持ち家・賃貸など状況別の老後資金シミュレーション
- NISAやiDeCoを活用した老後資金の具体的な準備方法
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おひとりさまの老後資金をシミュレーション

おひとりさまの老後資金は、住まいの状況や理想のライフスタイルによって必要な金額が異なります。そこで役立つのが、自身の状況に合わせて手軽に試算できるシミュレーションツールです。
金融庁や民間の金融機関などが提供するツールを使えば、将来の家計収支を予測し、グラフなどで視覚的に確認できます。
まずはシミュレーションで現状を把握することが、具体的な対策を立てるための第一歩です。
老後資金シミュレーションの5ステップ
老後資金の準備は、まず現状を把握することから始まります。ここでは、自身の状況に合わせた必要額を算出するための、具体的な5つのステップを解説します。
このステップに沿って計算することで、漠然とした不安が具体的な目標に変わります。

1.老後の生活費(月額)を算出
はじめに、老後の1ヶ月あたりの生活費を予測します。
総務省の「家計調査報告 〔 家計収支編 〕 2025年(令和7年)平均結果の概要 」によると、65歳以上の単身無職世帯の消費支出は月額平均で約15万円です。税金や社会保険料などの非消費支出(約1万1000円)を含めると、合計は約16万1000円となります。
【高齢単身無職世帯の消費支出(月額平均)】
- 食料:約4万3000円
- 住居:約1万1000円
- 光熱・水道:約1万6000円
- 保健医療:約8000円
- 交通・通信:約1万4000円
- 教養娯楽:約1万6000円 など
ただし、これはあくまで平均値です。住まいが持ち家か賃貸か、趣味や交際にどれくらいの費用をかけたいかなど、自身のライフプランに合わせて金額を調整し、より現実的な生活費を算出しましょう。
2.年金などの収入額を確認
次に、老後の主な収入源となる公的年金の受給見込み額を確認します。年金額は、現役時代の働き方や加入期間によって異なります。
厚生労働省の「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況 」によると、平均的な年金受給月額は以下の通りです。
- 厚生年金(国民年金含む):女性の場合、約11万1000円
- 国民年金のみ:男女ともに約5万9000円
自身の正確な見込み額を知るには、毎年誕生月に日本年金機構から送られてくる「ねんきん定期便」を確認するのが確実です。
また、Webサイト「ねんきんネット」に登録すれば、いつでも最新の年金額を試算できます。
3.毎月の「不足額」を計算

ステップ1と2で算出した「生活費」と「収入」をもとに、毎月いくら資金が不足するかを計算します。計算式は「毎月の不足額 = 老後の生活費 − 年金などの収入額」です。
前項で確認した総務省と厚生労働省の平均データを使って計算すると、以下のようになります。
【厚生年金受給者の女性の場合】
- 生活費:約16万1000円 − 年金収入:約11万1000円 = 不足額:約5万円
【国民年金受給者の場合】
- 生活費:約16万1000円 − 年金収入:約5万9000円 = 不足額:約10万2000円
このように、現役時代の働き方によって老後の収支は変わります。自身の数値を当てはめて、毎月の不足額を把握することが重要です。
4.不足額 × 想定寿命で必要額を算出
毎月の不足額がわかったら、老後全体でいくら不足するのか総額を計算します。計算式は「老後資金の必要総額 = 毎月の不足額 × 12ヶ月 × 老後の生活年数」です。
ここで重要になるのが「老後の生活年数」です。厚生労働省の「令和7年簡易生命表」によると、65歳からの平均余命は男性が約19.68年、女性が約24.52年となっています。
例えば、毎月5万円不足する女性の場合、平均余命(約25年)で計算すると、5万円 × 12ヶ月 × 25年 = 1500万円が必要になります。
ただし、これはあくまで平均値です。想定より長生きした場合に資金が尽きてしまう「長寿リスク」に備え、90歳や95歳までなど、少し長めの期間で計算しておくとより安心でしょう。
5.現在の貯蓄から逆算
最後に、算出した「老後資金の必要総額」から現在の貯蓄額を差し引き、これから毎月いくら積み立てるべきかを明確にします。
【計算式】
- これから準備する金額 = 老後資金の必要総額 - 現在の貯蓄額
- 毎月の積立額 = これから準備する金額 ÷ 準備期間(ヶ月)
例えば、45歳の人が65歳までに1500万円を準備する必要があるとします。準備期間は20年(240ヶ月)です。この場合、1500万円 ÷ 240ヶ月 = 6万2500円となり、毎月約6万2500円の積立が必要になります。
もし、この金額の積立が難しい場合は、退職時期を遅らせて準備期間を延ばしたり、資産運用を取り入れて効率的に増やしたりといった対策を検討する必要があります。
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状況別シミュレーション|あなたに必要な老後資金は?

ここでは、住まいの状況や年金の種類によって老後資金の不足額がどう変わるのか、具体的なパターンでシミュレーションします。自身の状況に近いものを参考に、必要な資金額をイメージしてみましょう。
シミュレーションの前提として、老後の生活期間を65歳から90歳までの25年間と仮定します。
持ち家×厚生年金のケース
持ち家(住宅ローン完済済み)があり、現役時代に会社員として厚生年金に加入していたケースです。支出は平均的な約16万1000円、収入は厚生年金の女性平均受給額である約11万1000円と仮定します。
- 毎月の不足額の計算:約16万1000円(支出) - 約11万1000円(収入) = 約5万円
- 25年間の総不足額の計算:約5万円 × 12ヶ月 × 25年 = 約1500万円
住居費の負担が少ない持ち家の場合でも、厚生年金だけでは生活費を完全に賄うのは難しく、1000万円以上の準備が必要になる可能性があります。
一生賃貸で暮らす場合、老後の家賃負担は大きな課題になります。具体的な生涯コストと賃貸派ならではの対策については、以下の記事も参考にしてください。


賃貸×厚生年金のケース
賃貸住宅に住み、現役時代は会社員として厚生年金に加入していたケースです。支出は家賃7万円を上乗せした約23万1000円、収入は厚生年金の女性平均受給額である約11万1000円と仮定します。
- 毎月の不足額の計算:約23万1000円(支出) - 約11万1000円(収入) = 約12万円
- 25年間の総不足額の計算:約12万円 × 12ヶ月 × 25年 = 約3600万円
賃貸の場合は家賃負担が大きいため、持ち家のケースと比較して必要な老後資金が増加します。老後の住まいをどうするかは、資金計画に影響を与えます。
賃貸×国民年金のケース
賃貸住宅に住み、現役時代は自営業者などで国民年金のみに加入していたケースです。支出は約23万1000円、収入は国民年金の平均受給額である約5万9000円と仮定します。
- 毎月の不足額の計算:約23万1000円(支出) - 約5万9000円(収入) = 約17万2000円
- 25年間の総不足額の計算:約17万2000円 × 12ヶ月 × 25年 = 約5160万円
このケースでは、毎月の不足額が増え、準備すべき老後資金も高額になります。
国民年金のみの人は、iDeCoや付加年金などを活用し、現役時代から計画的に上乗せの準備をすることが大切です。
女性のおひとりさまのケース

女性のおひとりさまの場合、老後資金は男性よりも多く準備する必要があると考えられます。その理由は主に2つあります。
1つ目は、平均寿命が長いことです。厚生労働省のデータによると、65歳時点の平均余命は男性が約19.68年であるのに対し、女性は約24.52年と約5年長くなっています。生活期間が長くなる分、必要な生活費の総額も増加します。
2つ目は、年金受給額が少ない傾向にあることです。キャリアの中断や非正規雇用の割合の高さなどから、女性の厚生年金の平均受給額は男性よりも低い水準にあります。
これらの理由から、女性は「長寿リスク」を意識し、より計画的に老後資金を準備することが大切です。
男性のおひとりさまのケース
男性のおひとりさまの場合、女性と比較すると平均寿命が短く、厚生年金の平均受給額も高い傾向にあるため、統計上は収支の不足額が少なく見えることがあります。
例えば、厚生年金に加入していた男性の場合、平均的な年金収入(約17万円)が平均的な生活費(約16万1000円)とほぼ同額になるケースも考えられます。
しかし、これはあくまで平均値での話です。自営業者で国民年金のみに加入していた場合や、退職金が少ない場合、あるいは賃貸住宅に住み続ける場合は、男性であっても老後資金が不足する可能性は十分にあります。
また、ライフイベント資金(家のリフォーム、趣味・旅行など)や介護費用なども考慮すると、年金収入だけでゆとりある生活を送るのは難しいのが現実です。
性別にかかわらず、個々の状況に合わせた資金計画が大切といえるでしょう。
自分に必要な老後資金は「3分投資診断」でチェック
ここまで紹介した老後資金は、一定の条件をもとにしたシミュレーションです。実際に必要な金額は、現在の年齢や収入、貯蓄額、将来受け取れる年金額、希望する老後の暮らしなどによって異なります。
「自分の場合はいくら必要?」「今の貯蓄や運用で足りる?」と気になる人は、マネイロの「3分投資診断」を活用してみましょう。
簡単な質問に答えるだけで、老後に必要なお金や将来に向けた準備についてシミュレーションできます。

一般的な目安だけではなく、自分の状況に合わせて老後資金を考えたい人におすすめです。
今から毎月いくら積み立てれば間に合う?年代別シミュレーション
老後資金の準備は、始める年齢によって毎月の負担が変わります。早く始めるほど、時間を味方につけて効率的に資産を形成することが可能です。
ここでは、年代別・利回り別に必要な積立額をシミュレーションし、現実的な積立戦略を考えます。
年代別の必要積立額
老後資金の準備は、早く始めるほど有利です。同じ目標額でも、準備期間が長いほど毎月の積立額は少なくて済み、複利効果も大きくなります。
- 30代:運用期間が30年以上と長く、少額からでも長期投資の効果を最大限に活かして不足額を準備できます。
- 40代:20年〜25年程度の期間があり、長期投資を活用しやすい年代です。ただし、30代から始める場合に比べて、毎月の積立額は少し多めに設定する必要があります。
- 50代:30代・40代と比べて運用期間は短くなります。毎月の積立額を増やす必要があるため、投資と預貯金を組み合わせ、リスクを管理しながら効率的に準備する戦略が大切です。
利回り別で比較

必要な積立額は、資産運用でどのくらいの利回りを目指すかによっても変わります。預貯金のみ(利回り0%)で準備する場合と、投資信託などで運用できた場合では、毎月の負担が異なります。
例えば、40歳から65歳までの25年間で2000万円を準備する場合、毎月の必要積立額は以下のようになります。
このように、資産運用を取り入れることで、複利効果によって毎月の積立負担を軽減できる可能性があります。おひとりさまの老後準備では、時間を味方にした長期・積立投資の活用が有力な選択肢の1つとなります。
(参考:金融庁「つみたてシミュレーター」)
本シミュレーションは特定の条件下での試算であり、将来の運用成果を保証するものではありません。また、税金や手数料は考慮していません。
不足額を埋めるための現実的な積立戦略
老後資金の不足額を現実的に埋めていくためには、計画的な戦略が大切です。以下のポイントを意識して、無理なく資産形成を進めましょう。
- 生活防衛資金を確保する:投資を始める前に、まずは病気や失業などに備え、生活費の6ヶ月〜1年分程度の現預金を確保しましょう。
- NISAを優先的に活用する:NISAは運用益が非課税になるうえ、いつでも売却して現金化することが可能です。まずは流動性の高いNISAのつみたて投資枠の活用が選択肢の1つとして考えられます。
- iDeCoを任意で併用する:iDeCoは掛金が所得控除になるなど節税メリットが大きいですが、原則60歳まで引き出せません。老後資金専用の口座として、NISAと併用を検討しましょう(ただし、課税所得がない場合(収入が一定以下の場合など)は、掛金の所得控除のメリットは受けられません)。
- 長期・分散投資を前提とする:価格変動リスクを抑えるため、特定の資産に集中せず、長期間にわたってコツコツと積み立てることを基本とします。
- 定期的に積立額を見直す:年収の増減や家計の変化に合わせて、無理のない範囲で積立額を増減させるなど、柔軟に計画を調整しましょう。
おひとりさま特有の老後リスクと備え方
おひとりさまの老後には、家族のサポートを前提としにくいため、特有のリスクが存在します。経済的な備えはもちろん、万一の際に困らないための情報収集や準備が大切です。
ここでは、注意すべき3つのリスクと、それぞれの具体的な備え方について解説します。

長寿リスク
長寿リスクとは、想定していたよりも長生きすることで、準備していた老後資金が尽きてしまうリスクのことです。
医療の進歩により平均寿命は年々延びており、資金計画によっては老後生活の後半で資金不足に陥る可能性があります。
平均寿命が長い女性は、このリスクに直面する可能性が高まります。対策としては、老後資金シミュレーションを行う際に、平均寿命よりも長めの90歳や95歳といった年齢を設定することが有効です。
また、終身で受け取れる公的年金を「繰下げ受給」で増やしたり、「個人年金保険」を活用したりすることも、長寿リスクへの備えとなります。
住まいリスク
おひとりさまにとって、老後の住まいは生活の質と経済状況を左右する重要な要素です。
賃貸
家賃の支払いが生涯続くことに加え、高齢になると保証人が見つかりにくかったり、健康状態を理由に入居を断られたりするリスクがあります。契約更新ができず、住む場所を失う可能性もゼロではありません。
持ち家
固定資産税やマンションの管理費・修繕積立金といった維持費がかかります。また、建物の老朽化に伴うリフォームや、将来の身体機能の低下に備えたバリアフリー化など、まとまった費用が必要になることも想定しておくべきです。
これらのリスクに備えるため、元気なうちからサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)やケアハウスといった選択肢も情報収集しておくとよいでしょう。
医療・介護リスク
病気や介護が必要になった際の備えは、おひとりさまにとって重要な課題です。
頼れる家族がいない場合、公的サービスや民間のサービスを金銭的に利用できるかどうかが、生活の質を左右します。公的制度と自己負担の両面から、必要な費用を把握しておきましょう。
入院費用
年齢を重ねると、病気や怪我による入院のリスクは高まります。生涯にかかる医療費のうち、約半分が70歳以降に発生するともいわれています。
高額な医療費がかかった場合でも、日本では「高額療養費制度」があり、1ヶ月の医療費の自己負担額には所得に応じた上限が設けられています。
しかし、差額ベッド代や先進医療にかかる費用、入院中の食事代の一部などは制度の対象外となり、自己負担となります。
これらの費用を考慮し、生活費とは別に医療予備費を準備しておくと、万一の入院時にも治療に専念できるでしょう。
介護の平均費用と期間
介護が必要になった場合、おひとりさまは介護サービスを積極的に利用することになります。生命保険文化センターの「2024(令和6)年度 生命保険に関する全国実態調査」によると、介護にかかる費用は以下の通りです。
- 一時的な費用の合計(住宅改修、介護用ベッド購入など):平均115万円
- 月々の費用:平均6万7000円
- 介護期間:平均48.7ヶ月(約4年)
これらを合計すると、介護にかかる費用の総額は1人あたり約441万円(115万円 + 6万7000円 ×48.7ヶ月)という計算になります。
公的介護保険を利用しても自己負担は発生するため、この金額を目安に、老後資金とは別に介護費用を準備しておくことが考えられます。

おひとりさまの老後資金不足額を補う方法
シミュレーションで不足額が明らかになっても、今から対策を始めれば十分に間に合います。
方法は「将来の収入を増やす」ことと、「手元の資金を効率的に増やす」ことの2つに分けられます。ここでは、具体的な老後資金の作り方を解説します。


①年金を増やす
老後の生活を支える基本的な収入は公的年金です。この年金額は、いくつかの制度を活用することで、将来の受給額を増やすことが可能です。現役時代から準備できるものや、受給開始時に選択できるものなど、さまざまな方法があります。
繰下げ受給
繰下げ受給は、公的年金の受給開始年齢を本来の65歳から66歳以降に遅らせることで、年金額を増やす制度です。
1ヶ月遅らせるごとに年金額が0.7%ずつ増額され、増額率は生涯にわたって適用されます。
例えば、70歳まで5年間繰り下げると年金額は42%増え、上限である75歳まで繰り下げると最大で84%も増額されます。
65歳以降も働く予定がある人や、十分な貯蓄がありすぐに年金を受け取る必要がない人にとっては、将来の安定した収入を確保するための有効な選択肢です。
付加年金
付加年金は、自営業者やフリーランスなどの国民年金第1号被保険者が利用できる、年金額の上乗せ制度です。
毎月の国民年金保険料に加えて、月額400円の付加保険料を納めることで、将来受け取る老齢基礎年金に「200円 × 付加保険料を納めた月数」の金額が上乗せされます。
例えば、10年間(120ヶ月)付加保険料を納めた場合、支払う保険料の総額は4万8000円ですが、年金額は年間2万4000円増えます。
つまり、年金を2年以上受け取れば元が取れる計算になり、コストパフォーマンスの高い制度といえます。
ただし、国民年金基金との併用はできません。
確定拠出年金
iDeCo(個人型確定拠出年金)は、自分で掛金を拠出し、投資信託などの金融商品で運用して老後資金を準備する私的年金制度です。
選択する金融商品は元本が保証されているものではなく、運用成績によっては元本割れのリスクがあります。公的年金に上乗せする「3階部分」の年金と位置づけられています。
iDeCoの最大のメリットは、税制上の優遇措置が手厚い点です。
- 掛金が全額所得控除の対象となり、所得税・住民税が軽減される
- 運用中に得た利益(運用益)が非課税になる
- 受け取る際にも、受取方法に応じて 「公的年金等控除」や「退職所得控除」が適用される
ただし、iDeCoで積み立てた資産は、原則として60歳になるまで引き出すことができないため、老後資金づくりに特化した制度といえます。
②貯蓄+運用で増やす

公的年金を増やす努力と並行して、自助努力による資産形成も大切です。低金利の現代において、預貯金だけで老後資金を準備するのは効率的ではありません。
税制優遇制度などを活用しながら、計画的に「貯蓄」と「資産運用」を組み合わせることが、目標達成に向けた有効な手段の1つです。
支出の見直し
資産を「増やす」ことと同時に、日々の「支出を減らす」ことも老後資金づくりには大切です。一度見直せば節約効果が継続する「固定費」の削減は効果的です。
- 通信費:大手キャリアから格安SIMへ乗り換える
- 保険料:保障内容が重複していないか、現在のライフスタイルに合っているかを見直す
- 住居費:より家賃の安い物件への引っ越しを検討する
- サブスクリプションサービス:利用頻度の低いサービスを解約する
家計簿アプリなどを活用して自分のお金の流れを正確に把握し、どこに無駄が潜んでいるかを見つけることが第一歩です。
削減できた分を貯蓄や投資に回すことで、資産形成のペースを加速させることができます。
NISA
NISAは、個人投資家のための税制優遇制度です。通常、株式や投資信託などの金融商品に投資をして得た利益には約20%の税金がかかりますが、NISA口座内で得た国内の利益には税金がかかりません。
ただし、NISAで取り扱う金融商品は元本が保証されているものではなく、投資した資産の価格変動によっては元本割れのリスクがあります。
2024年から始まったNISAでは、制度が恒久化され、非課税で保有できる期間も無期限になりました。年間の投資上限額も大幅に拡大されています。
- つみたて投資枠:年間120万円
- 成長投資枠:年間240万円
- 生涯非課税保有限度額:合計1800万円
iDeCoと異なり、いつでも自由に資金を引き出すことができるため、老後資金だけでなく、さまざまなライフイベントに備えるための資産形成にも活用できます。
貯蓄型の保険
生命保険の中には、万一の保障機能だけでなく、貯蓄機能を兼ね備えた商品があります。これらを活用して、計画的に老後資金を準備することも1つの方法です。
- 個人年金保険:老後資金準備に特化した保険で、契約時に定めた年齢から、一定期間または一生涯にわたって年金形式でお金を受け取れます。
- 終身保険:一生涯の死亡保障を確保しながら、途中で解約すると「解約返戻金」を受け取ることができます。これを老後資金に充てることが可能です。
これらの保険は、死亡保障を得ながら将来の資金を準備できる点がメリットですが、一方で、一般的に投資信託などと比較して運用利回りが低い傾向がある点や、早期に解約すると元本割れする可能性がある点(解約控除)には注意が必要です。
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おひとりさまの老後資金に関するよくある質問(FAQ)
ここでは、おひとりさまの老後資金に関してよく寄せられる質問にお答えします。自身の状況と照らし合わせながら、参考にしてください。

Q. 女性一人が老後に必要な資金はいくら?
一概にはいえませんが、男性よりも多く準備する必要がある可能性が高いです。女性は男性に比べて平均余命が約5年長いため、その分生活費が多くかかります。
また、キャリアの中断などにより年金受給額が少なくなる傾向もあるため、「長寿リスク」を考慮し、より計画的に資金を準備することが大切です。
Q. 4000万円で独身なら何年暮らせる?
生活費によって暮らせる年数は変わります。例えば、年金収入を考慮せず、貯蓄のみで生活すると仮定します。
- 月16万円で生活する場合:年間支出は192万円。4000万円 ÷ 192万円 = 約20.8年
- 月23万円(家賃込み)で生活する場合:年間支出は276万円。4000万円 ÷ 276万円 = 約14.5年
実際には年金収入があるため、不足分を貯蓄で補う形になります。自身の年金受給額と生活費を基に計算することが重要です。
Q. 50代のおひとりさまの平均貯蓄額はいくら?
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」によると、50代単身世帯の金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)の平均は999万円、中央値は120万円です。
平均値は一部の富裕層によって引き上げられるため、より実態に近い中央値を見ると、多くの人が十分な貯蓄をできていない現状がうかがえます。
他人との比較よりも、自身の目標額を達成することが重要です。
Q. 独身で貯金1000万円に到達するのは何歳ごろ?
貯金1000万円に到達する年齢は、年収や貯蓄率によって異なります。
例えば、毎月5万円を貯金する場合、単純計算で16年7ヶ月かかります。23歳で社会人になったとすると、40歳手前で達成できる計算です。
毎月10万円貯金できれば、約8年4ヶ月で達成可能です。自身の収入と支出のバランスを見ながら、計画的に目標を設定することが大切です。
Q. 年金が月9万円で一人暮らしは可能?
年金収入が月9万円のみの場合、貯蓄なしで一人暮らしを続けるのはかなり厳しいといえます。
高齢単身無職世帯の平均的な支出は約16万1000円であり、毎月約7万円の赤字が発生する計算になります。
生活を維持するためには、大幅な生活費の節約が大切です。家賃の安い地域への移住や、健康なうちは働き続けて収入を得るなどの対策が求められます。
Q. 60歳時点でいくらあれば安心?
60歳時点で必要な貯金額は、年金受給額、退職金の有無、生活水準、そして何歳まで働くかによって異なるため、一概に「いくらあれば安心」とはいえません。
重要なのは、本記事で紹介したステップに沿って、自身の状況をシミュレーションしてみることです。
例えば、65歳から90歳までの25年間、毎月5万円の不足が見込まれる場合、必要な資金は1500万円となります。まずは自身の収支を把握し、不足額を計算することから始めましょう。
まとめ

おひとりさまの老後資金は、住まいや年金の種類、ライフスタイルによって異なります。
将来のお金に対する漠然とした不安を解消するためには、まず本記事で紹介したシミュレーションを通じて、自身の収支と不足額を「見える化」することが第一歩です。
不足額が明らかになったら、NISAやiDeCoといった制度を活用して、計画的に資産形成を始めましょう。早く始めるほど、時間を味方につけた効率的な準備が可能です。
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ご留意事項
- 本記事は一般的な情報提供を目的として作成したものであり、特定の金融商品の取引を勧誘するものではありません。
- 本記事の内容は記事公開時または更新時点の情報に基づいています。制度・法令・税制等の変更により、現在の情報と異なる場合があります。
- 本記事の内容の正確性、完全性、最新性を保証するものではなく、予告なく変更または更新する場合があります。
- 投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任とご判断のもとで行っていただきますようお願いいたします。








