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遺族厚生年金はいくら?金額の目安を早見表で解説【平均報酬額別・65歳以上・家族構成別】

遺族厚生年金はいくら?金額の目安を早見表で解説【平均報酬額別・65歳以上・家族構成別】

年金2026/07/27
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  • #公務員

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遺族厚生年金は「実際にいくら受け取れるのか」がわかりにくく、不安を感じる人の多い制度です。

結論から言うと、遺族厚生年金の基本額は「亡くなった人の老齢厚生年金(報酬比例部分)の4分の3」です。一般的な会社員世帯なら、報酬比例部分だけで年額およそ25万〜60万円(月額約2万〜5万円)が目安です。

ここに家族構成に応じて中高齢寡婦加算遺族基礎年金が上乗せされ、妻と子1人の世帯なら年額約156万円(月額約13万円) になるケースもあります。

受給額は、亡くなった人の厚生年金の加入期間や報酬額、受け取る人の立場(配偶者・子など)によって変わります。

一律の金額はなく、まずは「自分の場合の目安」を早見表でつかむことが重要です。

この記事を読んでわかること
  • 平均標準報酬額別・家族構成別・65歳以上の遺族厚生年金の早見表
  • 報酬比例部分を使用した具体的な計算方法とシミュレーション
  • 中高齢寡婦加算・遺族基礎年金との違い、受給額が減る・停止されるケース


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平均標準報酬額別の遺族厚生年金の金額目安【早見表】

遺族厚生年金の受給額は、亡くなった人の現役時代の収入などによって変動します。

ここでは、平均標準報酬額ごとに、受け取れる遺族厚生年金の基本額がどのくらいになるのか、目安を早見表で紹介します。

このシミュレーションは、厚生年金への加入期間が25年(300月)以上あり、全加入期間が平成15年4月以降であると仮定して計算しています。

自身の状況に近いものを参考に、おおよその金額を把握してみましょう。

1.年金制度の見直しにより、2028年4月から受給対象者や受給期間が変更されるとともに年金額は増額される予定です。
2.厚生年金の全加入期間が平成15年4月以降であると仮定した概算です。実際の受給額は、加入期間、報酬額、配偶者や子の有無などによって異なります。

平均標準報酬額

加入期間

加入期間

遺族厚生年金の目安(年額)

遺族厚生年金の目安(年額)

遺族厚生年金の目安(月額)

遺族厚生年金の目安(月額)

20万円

加入期間

25年(300月)

遺族厚生年金の目安(年額)

約24万7000円

遺族厚生年金の目安(月額)

約2万1000円

20万円

加入期間

35年(420月)

遺族厚生年金の目安(年額)

約34万5000円

遺族厚生年金の目安(月額)

約2万9000円

30万円

加入期間

25年(300月)

遺族厚生年金の目安(年額)

約37万円

遺族厚生年金の目安(月額)

約3万1000円

30万円

加入期間

35年(420月)

遺族厚生年金の目安(年額)

約51万8000円

遺族厚生年金の目安(月額)

約4万3000円

40万円

加入期間

25年(300月)

遺族厚生年金の目安(年額)

約49万3000円

遺族厚生年金の目安(月額)

約4万1000円

40万円

加入期間

35年(420月)

遺族厚生年金の目安(年額)

約69万1000円

遺族厚生年金の目安(月額)

約5万8000円

50万円

加入期間

25年(300月)

遺族厚生年金の目安(年額)

約61万7000円

遺族厚生年金の目安(月額)

約5万1000円

50万円

加入期間

35年(420月)

遺族厚生年金の目安(年額)

約86万3000円

遺族厚生年金の目安(月額)

約7万2000円

平均標準報酬額が高くなると、それに比例して遺族厚生年金の額も増加します。長期にわたる生活設計を立てるうえで、この年金が安定した収入源の1つとなるでしょう。

※上記は遺族厚生年金の基本額です。実際の受給額は、配偶者や子の有無などにより中高齢寡婦加算・遺族基礎年金が上乗せされます
※加入期間が25年(300月)に満たない場合でも、短期要件を満たせば300月加入とみなして計算されます

65歳以上の遺族厚生年金はいくら?併給調整の仕組み

65歳以上の人が遺族厚生年金を受け取る場合、自身の老齢年金との間で「併給調整」が行われます。

老齢基礎年金は、遺族厚生年金の有無にかかわらず全額支給されます。一方、老齢厚生年金と遺族厚生年金はそのまま両方を満額受け取れるわけではありません。

結論として基本的には、自身の老齢厚生年金が優先して全額支給されます。そのうえで、遺族厚生年金の額が自身の老齢厚生年金を上回る場合は、差額分のみが遺族厚生年金として支給されます

ここでは、65歳以上の人が遺族厚生年金を受け取る場合の調整の仕組みと、具体的なシミュレーションを見ていきましょう。

65歳以上は老齢厚生年金が優先して支給される

65歳以上で、自身の老齢厚生年金と遺族厚生年金の両方を受け取る権利がある場合、まず自身の老齢厚生年金が全額支給されます。そのうえで、遺族厚生年金は、自身の老齢厚生年金に相当する部分が支給停止されます。

遺族厚生年金の額が自身の老齢厚生年金より多い場合は、差額分だけを遺族厚生年金として受け取る仕組みです。

遺族厚生年金が老齢厚生年金より多い場合

遺族厚生年金の額が、自身の老齢厚生年金を上回る場合は、次のように調整されます。

項目

内容

内容

自身の老齢厚生年金

内容

全額支給

遺族厚生年金

内容

自身の老齢厚生年金との差額分のみ支給

合計額

内容

遺族厚生年金の額と同じになる

たとえば、遺族厚生年金が100万円、自身の老齢厚生年金が80万円の場合、老齢厚生年金80万円に加えて、差額の20万円が遺族厚生年金として支給されます。

この場合の合計額は100万円です。

遺族厚生年金が老齢厚生年金以下の場合

一方、遺族厚生年金の額が自身の老齢厚生年金以下の場合、遺族厚生年金は全額支給停止となります。

項目

内容

内容

自身の老齢厚生年金

内容

全額支給

遺族厚生年金

内容

全額支給停止

合計額

内容

自身の老齢厚生年金の額

この仕組みにより、65歳以上では、自身の老齢厚生年金と遺族厚生年金のうち、実質的に金額の高いほうが保障される形になります。

65歳以上の遺族厚生年金は2つの計算方法で判定される

65歳以上の配偶者が遺族厚生年金を受け取る場合、遺族厚生年金の額は次の2つの計算方法で算出されます。そのうえで、金額が高いほうが遺族厚生年金の額として採用されます。

  • 原則の計算:亡くなった人の老齢厚生年金の報酬比例部分 × 4分の3
  • 特例の計算:亡くなった人の老齢厚生年金の報酬比例部分 × 2分の1 + 自身の老齢厚生年金の報酬比例部分 × 2分の1

この計算で決まった遺族厚生年金額と、自身の老齢厚生年金額を比べて、最終的な支給額が調整されます。

なお、ここでは経過的寡婦加算はないものとして説明します。

受給額のシミュレーション

以下の条件で、65歳以上の妻が受け取れる年金額をシミュレーションしてみましょう。

  • 夫の老齢厚生年金(報酬比例部分):120万円
  • 妻自身の老齢厚生年金(報酬比例部分):80万円

まず、妻が受け取れる遺族厚生年金の額を計算します。

  • 原則の計算:120万円 × 4分の3=90万円
  • 特例の計算:120万円 × 2分の1 + 80万円 × 2分の1=100万円

この場合、原則の計算では90万円、特例の計算では100万円となるため、高いほうの100万円が遺族厚生年金の額として採用されます。

次に、自身の老齢厚生年金との併給調整を行います。

  • 妻自身の老齢厚生年金:80万円
  • 遺族厚生年金の額:100万円
  • 差額として支給される遺族厚生年金:20万円
  • 合計受給額:100万円

妻自身の老齢厚生年金80万円は全額支給されます。一方、遺族厚生年金は100万円のうち、妻自身の老齢厚生年金80万円に相当する部分が支給停止されるため、差額の20万円のみが支給されます。

その結果、妻が受け取る合計額は、老齢厚生年金80万円と遺族厚生年金20万円を合わせた100万円となります。

特例の計算が適用されるのは、遺族年金を受け取る人自身の老齢厚生年金が比較的多い場合や、亡くなった人の老齢厚生年金との差が小さい場合です。


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遺族厚生年金の金額はどう決まる?基本の仕組み

遺族厚生年金の金額は、亡くなった人が生前に受け取っていた給与や賞与、そして厚生年金に加入していた期間に基づいて決まります。

現役時代の収入が高く、加入期間が長いほど、受け取れる年金額も多くなる仕組みです。

この金額を算出するうえで、「報酬比例部分」と「平均標準報酬額」という2つの重要な要素と、加入期間に関する特例を理解することが基本となります。

報酬比例部分とは

報酬比例部分とは、老齢厚生年金の中心となる部分で、厚生年金の加入期間やこの間の給与・賞与に応じて計算される金額のことです。

遺族厚生年金は、この報酬比例部分を基礎として算出されます。

具体的には、亡くなった人が受け取るはずだった老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3が、遺族厚生年金の基本額となります。

したがって、報酬比例部分の金額が、遺族が受け取る年金額を直接左右する重要な要素といえます。

平均標準報酬額とは

平均標準報酬額は、厚生年金の加入期間中の給与や賞与の平均額を示すもので、報酬比例部分を計算するための基礎となる数値です。

この計算方法は、平成15年(2003年)3月を境に異なります。

  • 平均標準報酬月額(平成15年3月以前): この期間の各月の給与(標準報酬月額)の総額を、加入月数で割ったものです。賞与は計算に含まれません。
  • 平均標準報酬額(平成15年4月以降): この期間の各月の給与(標準報酬月額)と賞与(標準賞与額)の総額を、加入月数で割ったものです。

このように、平成15年4月以降は賞与も年金額に反映されるようになったため、より実態に近い収入が年金額の計算に使われるようになりました。

加入期間が300月未満の場合の特例

厚生年金の加入期間が短い場合でも、遺族への保障が手薄にならないように特別な措置が設けられています。

具体的には、実際の加入期間が300月(25年)に満たない時は、300月加入したものとみなして年金額が計算されます。

ただし、特例が適用されるのは以下の要件(短期要件)のいずれかを満たす場合に限定されます。

  • 厚生年金保険の被保険者である間に死亡したとき
  • 厚生年金の被保険者期間に初診日がある病気やけがが原因で初診日から5年以内に死亡したとき
  • 1級・2級の障害厚生(共済)年金を受けとっている方が死亡したとき
ポイントの解説

短期要件を満たせば、若くして亡くなった人や、厚生年金への加入期間が短い場合でも、この保障措置によって最低でも25年分の厚生年金加入期間に基づいた遺族厚生年金が遺族に支給されることになります。


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家族構成別の遺族年金総額の目安【早見表】

遺族が受け取れる年金の総額は、遺族厚生年金だけでなく、家族構成によって遺族基礎年金や中高齢寡婦加算が上乗せされるかどうかで変わります。

ここでは、代表的な家族構成のケース別に、受け取れる年金総額の目安を見ていきましょう。

シミュレーションの前提として、亡くなった夫の平均標準報酬額は40万円、厚生年金加入期間は25年(300月)とし、遺族厚生年金の基本額を約49万3000円と仮定します。

項目

妻のみ(40歳以上65歳未満)

妻のみ(40歳以上65歳未満)

妻と子1人

妻と子1人

妻と子2人

妻と子2人

主な支給内容

妻のみ(40歳以上65歳未満)

遺族厚生年金に中高齢寡婦加算が上乗せされる

妻と子1人

遺族厚生年金に加えて遺族基礎年金が支給される

妻と子2人

遺族厚生年金に加えて、子2人分の加算を含む遺族基礎年金が支給される

遺族厚生年金

妻のみ(40歳以上65歳未満)

約49万3000円

妻と子1人

約49万3000円

妻と子2人

約49万3000円

加算・遺族基礎年金

妻のみ(40歳以上65歳未満)

中高齢寡婦加算:62万3800円

妻と子1人

遺族基礎年金:107万1000円

妻と子2人

遺族基礎年金:131万300円

内訳

妻のみ(40歳以上65歳未満)

中高齢寡婦加算

妻と子1人

基本額83万1700円+子の加算23万9300円

妻と子2人

基本額83万1700円+子の加算23万9300円×2人

合計年額

妻のみ(40歳以上65歳未満)

約111万6800円

妻と子1人

約156万4000円

妻と子2人

約180万3300円

月額目安

妻のみ(40歳以上65歳未満)

約9万3000円

妻と子1人

約13万円

妻と子2人

約15万円

補足

妻のみ(40歳以上65歳未満)

中高齢寡婦加算は、妻が65歳になるまでの生活を支える制度。2028年4月以降の新規受給者は、段階的に引き下げ・廃止される予定

妻と子1人

遺族基礎年金は、原則として子が18歳になった年度の3月31日まで支給される

妻と子2人

子の人数が増えるほど、遺族基礎年金の加算額も増える

妻のみ(40歳以上65歳未満)の場合

夫が亡くなった時に、18歳未満の子がおらず、妻の年齢が40歳以上65歳未満の場合、遺族厚生年金に「中高齢寡婦加算」が上乗せされます。

  • 遺族厚生年金: 約49万3000円
  • 中高齢寡婦加算: 62万3800円
  • 合計年額: 約111万6800円(月額 約9万3000円)

この加算は、妻が自身の老齢基礎年金を受け取り始める65歳までの間の生活を支えることを目的としています。子のいない妻にとって、この期間の収入を補う重要な制度です。

ただし、障害年金や老齢年金などの支給事由の異なる年金を受給できるときは、いずれかの年金を選択して受給することになります。

年金制度の見直しにより、2028年4月以降の新規受給者については、中高齢寡婦加算の加算額が段階的に引き下げられ25年かけて廃止される予定です

妻と子1人の場合

夫が亡くなった時に、18歳未満の子が1人いる場合、遺族厚生年金に加えて「遺族基礎年金」が支給されます。

  • 遺族厚生年金: 約49万3000円
  • 遺族基礎年金: 107万1000円(基本額83万1700円 + 子の加算23万9300円)
  • 合計年額: 約156万4000円(月額 約13万円)
ポイントの解説

遺族基礎年金は、末子が18歳になった年度の3月31日を迎えるまで(または障害等級1.2級の子が20歳に達するまで)支給されます。子育て世帯の生活を支えるための重要な保障といえるでしょう。

妻と子2人の場合

夫が亡くなった時に、18歳未満の子が2人いる場合も、遺族厚生年金と「遺族基礎年金」が支給されます。子の人数に応じて遺族基礎年金の加算額が増えます。

  • 遺族厚生年金: 約49万3000円
  • 遺族基礎年金: 131万300円(基本額83万1700円 + 子の加算23万9300円×2人)
  • 合計年額: 約180万3300円(月額 約15万円)

子どもが2人いると、遺族基礎年金の加算額が増えるため、受け取れる年金総額も増加します。この制度により、子どもの人数が多い家庭ほど手厚い保障が受けられるようになっています。

遺族厚生年金を受け取れる人・受給要件

遺族厚生年金は、亡くなった人によって生計を維持されていた遺族であれば誰でも受け取れるわけではありません。

法律で定められた範囲と優先順位があり、また配偶者や子は遺族基礎年金を受給できる可能性があります。

これらの条件を正しく理解しておくことが、スムーズな受給手続きにつながります。

受給できる遺族の範囲と優先順位

遺族厚生年金を受け取れる遺族には、以下の通り優先順位が定められています。

この優先順位にしたがって、一番順位の高い人が受給権者となります。

  1. 子のある配偶者
  2. 子のない配偶者
  3. 父母(55歳以上)
  4. 祖父母(55歳以上)

例えば、子のある配偶者がいる場合、亡くなった人の父母はたとえ生計を維持されていたとしても遺族厚生年金を受け取ることはできません。この優先順位は、遺族の生活保障の必要性が高い順に設定されています。

配偶者の受給要件

配偶者が遺族厚生年金を受け取るためには、亡くなった人との婚姻関係に加えて、性別や年齢に関する要件があります。

  • : 年齢にかかわらず受給できます。ただし、夫が亡くなった時に30歳未満で子がいない場合は、受給期間が5年間に限定されます。
  • : 妻が亡くなった時に55歳以上であることが要件です。また、実際の年金の支給開始は原則として60歳からとなります。ただし、子がいて遺族基礎年金を受給できる場合、60歳未満でも遺族厚生年金を受給できます。

このように、夫が受け取る場合には年齢要件が設けられており、男女で取り扱いが異なる点に注意が必要です。

年金制度の見直しにより、2028年4月から60歳未満で配偶者と死別した人で子どもがいない場合、原則として男性女性ともに5年間の有期給付に変更される予定です。

子の受給要件

子が遺族厚生年金を受け取るためには、年齢に関する要件を満たす必要があります。

具体的には、以下のいずれかに該当する子が対象となります。

  • 18歳になった年度の3月31日までにある子
  • 20歳未満で、障害年金の障害等級1級または2級の状態にある子

この要件は、遺族基礎年金の対象となる子の要件と同じです。

親が亡くなった時に、まだ就学中であったり、障害によって自立が困難であったりする子どもの生活を支えるためのものです。

注意点

なお、子が結婚している場合は対象外となります。

中高齢寡婦加算とは?金額と受給条件

中高齢寡婦加算は、遺族厚生年金に上乗せされる給付の1つで、特定の条件を満たす妻の生活を支えるための制度です。

子どもがいない、または子どもが成長して遺族基礎年金を受けられなくなった後の収入を補う重要な役割を果たします。

この制度の対象となる条件と、支給される金額について詳しく見ていきましょう。

中高齢寡婦加算の受給条件

中高齢寡婦加算を受け取るためには、遺族厚生年金の受給権者である妻が、以下のいずれかの条件を満たす必要があります。

  • 夫が亡くなった時点で40歳以上65歳未満であり、生計を同じくしている子がいない。
  • 遺族基礎年金も受け取っていたが、子が18歳到達年度の末日を迎えるなどして遺族基礎年金の受給資格を失った。

要するに、遺族基礎年金を受け取れない40歳から65歳までの妻に対して、自身の老齢基礎年金が支給されるまでの間の生活保障として加算されるものです。

中高齢寡婦加算の金額

中高齢寡婦加算の金額は、定額で年額62万3800円です(令和7年度価額)。この金額が、40歳から65歳になるまでの間、遺族厚生年金の基本額に上乗せして支給されます。

月額に換算すると約5万2000円となり、この期間の生活費を補ううえで大きな支えとなります。

なお、妻が65歳になると中高齢寡婦加算は終了しますが、代わりに自身の老齢基礎年金の受給が始まります。

ポイントの解説

また、生年月日などの条件によっては、65歳以降の年金額の低下を防ぐために「経過的寡婦加算」が支給される場合があります。

遺族厚生年金と遺族基礎年金の違い

遺族年金には「遺族厚生年金」と「遺族基礎年金」の2種類があり、それぞれが異なる役割を担っています。

亡くなった人が加入していた年金制度によって、どちらか一方、あるいは両方が支給されます。

この2つの年金制度の主な違いを「対象者」「金額」「受給期間」の3つの観点から整理してみましょう。

対象者の違い

遺族厚生年金と遺族基礎年金では、受給できる遺族の範囲が異なります。

  • 遺族基礎年金: 亡くなった人によって生計を維持されていた「18歳未満の子がいる配偶者」または「18歳未満の子」のみが対象です。子育て世帯を支えることを主な目的としています。
  • 遺族厚生年金: 対象者の範囲が広く、子の有無にかかわらず配偶者が受け取れるほか、子、父母、孫、祖父母も優先順位に従って対象となります。

つまり、子がいない場合や、子が成長して18歳以上になった場合は、遺族基礎年金は受け取れず、遺族厚生年金のみが対象となります。

金額の違い

年金額の計算方法も、2つの制度で根本的に異なります。

  • 遺族基礎年金: 金額は定額で、基本額に子の人数に応じた加算額が上乗せされます。令和7年度の基本額は年額83万1700円で、子1人につき約24万円が加算されます(3人目以降は減額)。
  • 遺族厚生年金: 亡くなった人の現役時代の収入(平均標準報酬額)と厚生年金加入期間に応じて計算される「報酬比例」です。そのため、受給額は人によって異なります。

遺族基礎年金は最低限の生活保障としての性格が強く、遺族厚生年金は生前の収入水準を反映した所得補償としての性格が強いといえます。

受給期間の違い

年金を受け取れる期間についても、2つの制度には明確な違いがあります。

  • 遺族基礎年金: 受給期間は限定的です。子どもが18歳になった年度の3月31日を迎えるなどすると支給が終了します。すべての子がこの年齢に達すると、配偶者は遺族基礎年金を受け取れなくなります。
  • 遺族厚生年金: 原則として終身(一生涯)受け取ることができます。ただし、再婚した場合など、特定の理由で受給権が消滅(失権)することがあります。また、30歳未満で子のない妻は5年間の有期給付となります。

年金制度の見直しにより、2028年4月から60歳未満で配偶者と死別した人で子どもがいない場合、原則30歳以上の女性も5年間の有期給付に変更される予定です。また、男性も年齢に関係なく遺族厚生年金を受給できるようになります。

子育て期間中の保障が遺族基礎年金、その後の長期的な生活保障が遺族厚生年金、という役割分担になっています。

遺族厚生年金の受給額が減る・停止されるケース

現行の遺族厚生年金は原則として生涯にわたって支給されますが、受給者の状況に変化があった場合には、年金額が減額されたり、支給そのものが停止されたりすることがあります。

どのような場合に影響が出るのかを事前に知っておくことは、将来の生活設計を立てるうえで不可欠です。ここでは、代表的な3つのケースについて解説します。

再婚した場合

遺族厚生年金を受給している人が再婚した場合、この受給権は消滅します。

これは法律上の婚姻届を提出した場合だけでなく、事実婚(内縁関係)も含まれる点に注意が必要です。

社会通念上、夫婦としての共同生活が認められる状態になると、再婚とみなされ、遺族年金の支給は停止されます。

一度受給権を失うと、その後、再婚相手と離婚や死別をしたとしても、再び遺族厚生年金を受け取ることはできません

これは、新たな配偶者によって生計が維持されると考えられるためです。

自身の老齢厚生年金との併給調整

65歳以上になり、自身の老齢厚生年金を受け取る権利がある場合、遺族厚生年金との間で支給額の調整が行われます。これを「併給調整」と呼びます。

この仕組みでは、まず自身の老齢厚生年金が全額優先して支給されます。

このうえで、亡くなった配偶者から計算される遺族厚生年金の額が、自身の老齢厚生年金の額を上回る場合に限り、この差額分が遺族厚生年金として支給されます。

したがって、自身の老齢厚生年金の額が遺族厚生年金の額よりも多い場合、遺族厚生年金は全額支給停止となります。

共働きで自身も長く厚生年金に加入していた人は、この調整により遺族厚生年金が受け取れないケースもあります。

子が18歳到達年度末を過ぎた場合

遺族厚生年金とあわせて遺族基礎年金を受け取っていた場合、この支給の根拠となっていた子が18歳になった年度の3月31日を過ぎると、遺族基礎年金の支給は終了します。これにより、年金の総受給額は減少します。

ただし、遺族厚生年金の支給は原則として継続されます。

また、この時点で妻が40歳以上であれば、遺族基礎年金の代わりに「中高齢寡婦加算」が65歳になるまで遺族厚生年金に上乗せされる場合があります。

したがって、年金総額は減るものの、中高齢寡婦加算によって一定の収入が確保されるケースもあります。

ポイントの解説

子の成長に合わせて年金の構成が変わることを理解しておくことが大切です。

まとめ

遺族厚生年金の額は、亡くなった方の生前の収入と厚生年金加入期間によって決まる「報酬比例」が基本です。

自身の状況に近い金額の目安を把握できたでしょうか。正確な受給見込額を知るためには、「ねんきん定期便」を確認したり、年金事務所で相談したりすることが不可欠です。

また、遺族年金だけで将来の生活費をすべて賄うのは難しいケースも少なくありません。

現行制度を正しく理解するとともに年金制度の見直しにも留意し、自身のライフプランに合わせた資金計画を立てることが、安心して暮らすための第一歩です。

必要に応じて、お金の専門家であるファイナンシャルプランナーに相談することも検討してみましょう。

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※本記事の内容は記事公開時や更新時の情報です。現行と期間や条件が異なる場合がございます

※本記事の内容は予告なしに変更することがあります。予めご了承ください

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監修
西岡 秀泰
  • 西岡 秀泰
  • 社会保険労務士/ファイナンシャルプランナー

同志社大学法学部卒業後、生命保険会社に25年勤務しFPとして生命保険・損害保険・個人年金保険販売を行う。保有資格は社会保険労務士と2級FP技能士。2017年4月に西岡社会保険労務士事務所を開設し、労働保険・社会保険を中心に労務全般について企業サポートを行うとともに、日本年金機構の年金事務所で相談員を兼務。

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マネイロメディア編集部
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  • お金のメディア編集者

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