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社債の元本割れは過去にどんな事例があった?リスクと対策を投資のプロが徹底解説

社債の元本割れは過去にどんな事例があった?リスクと対策を投資のプロが徹底解説

資産運用2026/04/28

    »あなたは債券に投資するべき?最適な運用を3分で診断 

    社債は株式より安全」と聞き、投資を検討しているものの、元本割れの可能性もあると知って不安に感じていませんか。

    社債は満期まで保有すれば元本が戻ってくるのが原則ですが、元本が保証されているわけではありません

    本記事では、社債で元本割れが起きる仕組みや、過去に実際にあった元本割れの事例、リスクを回避するための具体的な対策について、お金の専門家が分かりやすく解説します。

    この記事を読んでわかること
    • 社債の元本割れは「市場金利の上昇」「発行企業の経営悪化」「仕組み債の特約」などで起こる
    • 過去にはマイカル社の経営破綻や東京都主導のCBOなどで元本割れの事例がある
    • 元本割れのリスクを低減させるには、投資適格債を選び、満期まで保有できる余裕資金で分散投資することが重要


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    社債で元本割れが起きる仕組み

    社債は比較的安定した金融商品とされていますが、元本が保証されているわけではありません。元本割れが起こる主な仕組みは、発行企業の信用問題や市場環境の変化に起因します。

    具体的には、以下の4つのケースが考えられます。

    • 市場金利の上昇による価格下落
    • 格付けの引き下げ
    • 仕組み債のノックイン条項
    • 発行企業の経営悪化・倒産

    これらのリスクを理解することが、社債投資で失敗を避けるための第一歩です。

    市場金利の上昇による価格下落

    社債を満期まで保有せず、途中で売却する場合に影響を受けるのが金利リスクです。

    一般的に、債券価格は市場金利の動向と密接に関連しており、市場金利が上昇すると、既発債券より新発債券の金利の方が高くなるため、既発債券の魅力は相対的に低下します。

    その結果、既存の債券を売却しようとしても、価格を下げなければ買い手が見つからず、売却価格が購入価格を下回る可能性があります。

    一方、市場金利が低下すると、それまでに発行された金利の高い債券は相対的に価値が高まり、価格は上昇します。

    注意点

    ただし、⾦利変動による価格変動は回避できますが、信⽤リスクは残ります。

    格付けの引き下げ

    保有している社債の格付けに変更があったら、中途換金時の元本割れに注意が必要です。

    格付けとは、格付け会社が企業の財務状況や収益力などを分析し、元本や利子の支払い能力を記号で評価したものです。

    ポイントの解説

    格付けは企業の状況に応じて変動するものですが、企業の業績が悪化したり、財務内容に懸念が生じたりすると、格付け会社は当該企業の格付けを引き下げることがあります。

    格付けの引き下げは当該企業の信用リスクが高まったと市場に判断され、投資家はより高いリスクプレミアムを求めるようになります。

    その結果、該当する企業の社債は金利が上昇し、価格が下落します。満期前に売却しようとすると、購入時よりも低い価格でしか売れず、元本割れにつながる可能性があります。

    仕組み債のノックイン条項

    債券にはさまざまな種類がありますが、「仕組み債」はそのひとつです。仕組み債には、一般的な社債よりも高い利回りが得られるデリバティブ(金融派生商品)が組み込まれており、EB債や指数連動社債などがあります。

    デリバティブには複雑な仕組みがあり、そのひとつに「ノックイン条項」があります。この仕組みが付帯している場合、相場の状況によっては元本割れの要因となります。

    ノックイン条項とは、参照する株価指数や為替レートなどが定められた水準(ノックイン価格)に一度でも達すると、満期時の償還額が額面金額を下回るという、あらかじめ決められている条件のことです。

    高い利回りに魅力を感じても、高利回りの裏には複雑な商品性と高いリスクが存在し、元本割れの可能性が高まる要因となっています。

    発行企業の経営悪化・倒産

    社債の元本割れが起こる典型的な原因は、発行体である企業の経営悪化や倒産です。これを信用リスク(デフォルトリスク)といいます。

    社債は、企業が投資家から資金を借り入れるために発行する「借用証書」のようなものです。そのため、発行体が財政難に陥ると、約束されていた利子や元本の支払いが滞ったり、最悪の場合、全額が返済されなくなったりする可能性があります。

    企業が倒産した場合、一般的に社債は株式より弁済順位が上位ですが、企業の資産状況によっては元本の全額を回収できないケースも少なくありません。

    投資する際は、発行企業の財務状況や経営の安定性を慎重に見極めることが不可欠です。

    過去に起きた社債の元本割れ事例

    社債の元本割れは、理論上のリスクではありません。日本でも過去に、企業の経営破綻や複雑な金融商品の問題によって、投資家が損失を被った事例が実際に起きています。

    ここでは、代表的な3つの元本割れ事例を紹介します。これらの事例から、どのような状況でリスクが現実化するのかを学びましょう。

    マイカル社の経営破綻

    個人向け社債の本格的なデフォルトが発生した初めての事例として挙げられるのが、2001年、大手スーパーマーケットチェーンであった株式会社マイカルが経営破綻したケースです。

    マイカルはバブル期に積極的な多角化経営を進めましたが、その後の景気低迷で経営が悪化。最終的に民事再生法の適用を申請し、マイカルの社債を保有していた多くの個人投資家が損失を被る事態となりました。

    更生計画に基づいて弁済が行われましたが、リテール債の弁済は30%ほどに留まり、深刻な元本割れが発生しました。

    投資家が証券会社や社債管理者を相手取り、損害賠償を求める集団訴訟も起きていることから、深刻な影響が及んだことがわかります。

    この事例は、有名企業であっても経営破綻のリスクはゼロではなく、社債投資には発行企業の信用リスクが常に伴うことを示しています。

    リーマンショック時の仕組み債

    2008年のリーマンショックでは、世界的に投資家のリスク回避姿勢が強まり、株価は大きく下落しました。為替市場では急激な円高が進み、海外資産を投資対象とする投資信託などに大きな影響を与えました。

    なかでも大きな影響を受けたのが、個別株や指数に連動するノックイン型の仕組み債です。

    仕組み債は、株価が一定の範囲内で推移すれば高利回りが期待できる一方、参照する株価や指数があらかじめ定められた水準(ノックイン価格)を一度でも下回ると、元本割れが生じやすい商品です。

    リーマンショック前の数年間、日経平均が右肩上がりで推移していたこともあり、株価連動型の商品が数多く販売されていました。しかし、リーマンショックによる世界的な株価急落により、仕組み債がノックイン条項に抵触し、投資家が損失を被る事態となりました。

    高利回りの商品ほど、相場が急変した際に損失が一気に表面化しやすいことを示す具体例といえるでしょう。

    東京都主導の中小企業社債担保証券

    公的な関与がある場合でも、元本割れのリスクは存在します。2009年から2010年にかけて、東京都が主導して発行された「広域CBO(社債担保証券)」で元本割れが発生しました。

    CBOとは、複数の中小企業が発行した社債を束ね、それを裏付けとして発行される証券化商品のことです。中小企業の資金調達を支援する目的で、東京都や大阪府など複数の自治体が連携して組成されました。

    しかし、経済状況の悪化により、裏付けとなっていた中小企業の業績が悪化し、返済が想定を下回りました。その結果、償還原資の不足により元本割れが発生し、2009年には約130億円、2010年には約8億円が棄損する事態となりました。

    この事例は、公的関与の有無が安全性を保証するわけではなく、投資商品のリスクはあくまで裏付け資産の質に左右されることを示しています。


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    元本割れする可能性がある社債の見分け方

    社債投資で失敗を避けるためには、元本割れのリスクが高い社債を事前に見分けることが鍵となります。

    利回りの高さだけで判断するのではなく、いくつかの客観的な指標をチェックすることで、リスクの度合いをある程度把握することができます。

    リスクの高い社債を見分けるための4つのポイントを解説します。

    格付けが低い・格付けなし

    社債の信用力を測る分かりやすい指標が「格付け」です。格付け会社は、企業の財務状況などを分析し、元本や利子の支払い能力を評価しています。

    ポイントの解説

    格付けはAAA(トリプルA)を最上位とし、ランクが下がるほど信用リスクが高まります。一般的に、BBB(トリプルB)以上の格付けを持つ債券は「投資適格債」とされ、比較的信用力が高いと判断されます。

    一方、BB(ダブルB)以下の格付けは「投機的格付け」または「ジャンク債」と呼ばれ、デフォルト(債務不履行)に陥るリスクが相応に高いことを示します。リスクを抑えたいのであれば、少なくとも投資適格債の中から選ぶのが基本です。

    また、格付けが付与されていない「無格付け」の社債も、情報が少なくリスク判断が難しいため、投資初心者は避けた方がよいでしょう。

    格付けの表記は格付け会社ごとに異なります。上記はS&Pの例で、ムーディーズではAaa、Aa1やBaa1などと表します。

    利回りが異常に高い

    ハイリスク・ハイリターン」の原則は、社債投資にも当てはまります。他の同程度の格付けや期間の社債と比較して、利回りが異常に高い場合は注意が必要です。

    高い利回りは、投資家を惹きつけるための魅力的な要素ですが、それは裏を返せば、市場が当該社債に対して高いリスクを認識していることの表れでもあります。発行企業の財務状況に懸念があったり、業績が不安定であったりするため、高い金利をつけなければ投資家が集まらない可能性があるのです。

    見た目の利回りの高さだけに目を奪われず、「なぜこの社債はこれほど高い利回りなのか?」と一歩立ち止まって考える姿勢が欠かせません。高い利回りには、相応の信用リスクやその他のリスクが隠れていることを常に意識しましょう。

    発行企業の財務状況

    格付けは重要な指標ですが、それだけに頼るのではなく、自分自身で発行企業の財務状況を確認することも大切です。企業のWebサイトで公開されている有価証券報告書や決算短信などをチェックし、少なくとも以下の点を確認しましょう。

    • 売上や利益は安定しているか
    • 自己資本比率は十分か
    • 有利子負債が過大ではないか

    これらの情報から、企業の収益力や財務の健全性を読み取ることができます。赤字が続いていたり、有利子負債が自己資本に比べて著しく多かったりする企業は、将来的に財務状況が悪化するリスクが高いと考えられます。

    すぐにすべての情報を理解するのは難しいかもしれませんが、基本的な財務指標を確認する習慣をつけることで、リスクの高い企業を避ける判断力が養われます。

    商品性が複雑な「仕組み債」にも注意

    仕組み債」は、デリバティブなどの金融派生商品を組み合わせて作られた、極めて複雑な構造を持つ債券です。一般的な社債よりも高い利回りが期待できる一方で、仕組み債の構造を十分に理解しないまま投資すると、予期せぬ損失を被る可能性があります。

    株価指数や為替レートなどが、あらかじめ定められた水準(ノックイン価格)に達すると元本が大幅に毀損する「ノックイン条項」が付いている商品は、とくに注意が必要です。

    完全にリスクを把握するのが難しいとされる商品もあるため、商品の説明を読んでも仕組みがよく分からない、どのような場合に損失が出るのかイメージできない、という場合は投資を慎重に検討すべきです。

    元本割れを防ぐための対策

    社債投資では元本割れの可能性を完全に無くすことはできませんが、適切な対策によって、そのリスクを抑えることはできます。

    投資の基本原則を守り、慎重な銘柄選びを心がけることが肝心です。

    ここでは、元本割れを防ぐための具体的な4つの対策を紹介します。

    満期まで保有する前提で投資

    社債投資で元本割れを招く要因の1つが「金利リスク」です。このリスクを回避する方法は、購入した社債を満期(償還日)まで保有し続けることです。

    途中で売却すると、売却時点の市場価格で取引されるため、金利上昇などの影響で元本割れの可能性があります。しかし、満期まで保有すれば、発行体がデフォルトしない限り、額面金額で元本が戻ってきます。

    そのため、社債に投資する際は、満期までの期間、使う予定のない「余裕資金」で行うことが大原則です。これにより、市場価格の短期的な変動に一喜一憂することなく、安定した運用を目指すことができます。

    投資適格以上の格付けを選ぶ

    信用リスクを抑えるためには、格付けの高い社債を選ぶことが基本です。格付けは、発行体の財務健全性や返済能力を示す客観的な指標となります。

    ⼀般的にBBB以上(または同等格付)が投資適格とされているため、格付けが「BBB(トリプルB)」以上の「投資適格債」の中から投資先を選ぶようにしましょう。BBB格以上の債券は、格付け会社によって債務不履行に陥るリスクが比較的低いと評価されています。

    もちろん、高い格付けが将来の安全を100%保証するものではありませんが、BB格以下の「投機的格付け(ジャンク債)」と比較すれば、元本割れのリスクを大幅に低減させることができます。投資初心者の方は、安全性を重視し、投資適格債を中心に検討することが推奨されます。

    複数の発行体に分散投資

    卵は1つのカゴに盛るな」という投資の格言があるように、1つの社債に資金を集中させるのは危険です。万が一当該企業が倒産した場合、投資資金の大部分を失うことになりかねません。

    信用リスクを軽減するためには、複数の異なる発行体の社債に資金を分けて投資する「分散投資」が有効です。

    ポイントの解説

    例えば、業種や国・地域が異なる企業の社債を組み合わせることで、特定の一社が経営不振に陥っても、ポートフォリオ全体への影響を抑えることができます。

    個人で複数の社債に投資するにはある程度の資金が必要になりますが、少額で分散投資ができる「投資信託」や「債券ETF」を活用するのも1つの方法です。

    仕組み債は要注意

    仕組み債は、一般的な社債とは異なり、デリバティブを組み込んだ複雑な金融商品です。高い利回りが設定されていることが多い反面、株価や為替の変動によっては元本が割れる可能性があります。

    過去の金融危機では、多くの個人投資家が仕組み債で多額の損失を被りました。損失の原因のひとつに、商品の複雑なリスク構造を十分に理解しないまま投資してしまったことが挙げられます。

    したがって、元本割れのリスクを管理する観点からは、仕組み債への投資は慎重に判断する必要があります。

    どのような条件で元本割れが発生するのか(ノックイン条項など)、リスクを十分に理解し、許容できる場合にのみ検討するのが賢明です。

    少しでも疑問や不安があれば、投資を見合わせる姿勢も大事です。

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    社債と他の債券・金融商品との比較

    社債のリスクとリターンを正しく評価するためには、他の金融商品との違いを理解することが役立ちます。ここでは、代表的な比較対象である「国債」「投資信託」「預金」との違いを解説し、それぞれの特徴を明らかにします。

    国債との違い

    社債と国債の根本的な違いは、発行体の信用力です。

    • 国債: 国が発行するため、信用力は極めて高いとされています。国家が破綻しない限り、元本と利子が支払われるため、安全性が高い金融商品の1つです。
    • 社債: 企業が発行するため、国よりも一般的に信用力は低くなります。企業の業績や財務状況によって信用力が変動し、倒産すれば元本割れのリスクがあります。

    この信用力の違いから、一般的に社債は国債よりも高い利回り(利率)が設定されています。投資家は、国債よりも高いリスクを取る対価として、より高いリターンを期待できるわけです。

    安全性を最優先するなら国債、多少のリスクを取ってでも高い利回りを狙いたいなら社債、という選択になります。

    投資信託との違い

    投資信託は、運用の専門家が多数の投資家から集めた資金を使い、さまざまな資産に分散投資する金融商品です。投資信託のなかには、債券のみを投資先としているファンドもあります。個別の社債に投資する場合との主な違いは以下の通りです。

    • 分散効果: 投資信託の場合、組み入れ資産が債券のみの場合、多数の債券に投資するため、自然と分散投資ができます。特定の社債がデフォルトしても全体への影響を抑えられます。
    • 満期の有無: 個別の社債には満期がありますが、投資信託には満期(償還日)が設定されていない場合がほとんどで、いつでも売買が可能です。
    • コスト: 投資信託は、購入時手数料や信託報酬(運用管理費用)などのコストがかかります。
    • 元本: 一般的な投資信託(株式投資信託)は、債券のように償還日に額面金額を受け取る仕組みは基本的にありません(※)。

    ※満期償還(信託期間)が設定される場合もありますが、この場合も延長されることがあります

    少額から手軽に分散投資を始めたい場合は投資信託が向いていますが、特定の企業の債券を満期まで保有したい場合や、運用コストを抑えたい場合は個別の社債が選択肢となります。

    なお、公社債投資信託とは、投資対象に株式を一切組み入れず、債券のみに投資する投資信託のことです。公社債投信の対として挙げられるのが株式投資信託ですが、株式投信でも債券のみを投資先としているファンドもあります。

    預金との違い

    社債と預金の根本的な違いは、預けたお金が保護されるかどうかです。

    • 預金: 銀行などの金融機関に預けたお金は、預金保険制度により1金融機関あたり、1人につき元本1000万円とその利息までが保護されます。
    • 社債: 預金保険制度の対象外であり、発行企業の業績悪化などにより元本割れの可能性があります。

    この安全性の違いは、リターン(金利)に反映されます。一般的に、信用力が高いほど金利は低く、信用力が低ければ金利は高くなります。

    注意点

    社債は預金より高い利率となることがほとんどですが、その分、発行体の信用リスクを負っている点に注意が必要です。

    安全性を最優先し元本を減らしたくない資金は預金へ、リスクを許容した上で預金よりも高いリターンを目指したい資金は社債へ、といった使い分けが基本となります。

    社債投資で失敗しないための心構え

    社債投資で元本割れなどの失敗を避けるためには、金融商品に関する知識だけでなく、投資家としての正しい心構えを持つことが不可欠です。感情的な判断を避け、リスクを冷静に評価する姿勢が、長期的に安定した資産形成につながります。

    ここでは、社債投資に臨む上で重要となる3つの心構えを解説します。

    高利回りに飛びつかない

    投資の世界では、高いリターンには必ず高いリスクが伴います。市場の平均的な利率を上回る社債を見つけた場合、まずは「なぜこんなに利回りが高いのか?」と疑問を持つ姿勢が必要です。

    疑問を持つべき背景には、発行企業の信用力が低い(格付けが低い)、業績が不安定である、あるいは仕組みが複雑で隠れたリスクがある、といった理由が存在する可能性があります。

    目先の高い利回りだけに注目してしまうと、思わぬ損失を被るリスクを高めることになります。

    利回りの高さはあくまでリスクの対価であると理解し、リスクが自身の許容範囲内にあるかを冷静に判断しましょう。

    定期的に発行体の状況を確認

    社債は一度購入したら満期まで放置してよい、というわけではありません。投資期間中も、発行企業の経営状況は変化する可能性があります。

    購入時には優良企業であったとしても、その後の経済環境の変化や経営方針の変更などによって、業績が悪化し、信用力が低下することも考えられます。

    企業のWebサイトで公開される決算情報やニュースリリースを定期的にチェックする習慣をつけましょう。また、格付け会社が発表する格付けの情報にも注意を払うことも大切です。

    もし発行体の信用力に懸念が生じた場合は、満期を待たずに売却することも選択肢の1つとなります。投資後も継続的に情報を収集し、状況の変化に対応できるようにしておくことが、リスク管理につながります。

    余裕資金で投資する

    社債投資の基本は、満期まで使う予定のない余裕資金で行うことです。生活費や近い将来に使う予定のある資金を投じてしまうと、予期せぬ出費が生じた際に、不利な価格で社債を途中売却せざるを得なくなる可能性があります。

    市場金利が上昇している局面で売却すれば、元本割れを起こすかもしれません。

    ポイントの解説

    余裕資金で投資していれば、市場価格が一時的に下落しても、慌てて売却する必要なく、満期まで保有することができます。精神的な安定を保ちながら長期的な視点で投資を続けるためにも、余裕資金での投資が基本です。

    社債の元本割れに関するよくある質問

    社債の元本割れに関して、投資家が抱きやすい疑問についてQ&A形式で解説します。

    Q. 満期まで持てば必ず元本は戻る?

    いいえ、必ずではありません

    社債は、発行体が倒産(デフォルト)しない限り、額面金額が償還期日に返済される金融商品です。しかし、発行企業の経営が悪化すれば、元本の一部または全部が返ってこない可能性があります。

    Q. 過去に元本割れした社債は多い?

    株式市場の暴落のように頻繁に起こるわけではありませんが、決してゼロではありません

    マイカルの経営破綻や、東京都主導のCBO(社債担保証券)の事例のように、過去に個人投資家が損失を被ったケースは実際に存在します。

    大手企業や公的機関が関わる案件でもリスクはあります。

    Q. 元本割れしたら損失は確定?

    元本割れをしている状況で売却をすると、おおむね損失は確定します

    一方、発行体の倒産による元本割れの場合は、すぐに損失が確定するわけではありません。会社の清算や更生手続きの中で、保有する資産を売却して債権者に分配されます。

    社債は株式よりも返済の優先順位が高いため、一部が返還される可能性があります。

    まとめ

    社債は、預金より高い利回りが期待できる一方で、元本保証のない金融商品です。元本割れは、主に発行企業の経営悪化(信用リスク)や、市場金利の変動(金利リスク)によって発生します。

    過去には、マイカルの経営破綻リーマンショック時の仕組み債など、実際に投資家が損失を被った事例も存在します。これらの失敗を避けるためには、BBB格以上の投資適格債を選ぶ、満期まで保有できる余裕資金で投資する、複数の発行体に分散投資するといった基本原則を守ることが肝となります。

    利回りが異常に高い社債や、仕組みが複雑で理解できない商品には注意が必要です。高利回りには必ず相応のリスクが伴うことを理解し、自身のリスク許容度に応じて慎重に投資判断を行いましょう。

    社債投資を検討する際は、自身の資産状況やリスク許容度を客観的に把握することが大切です。何から始めればよいか迷う方は、まずは簡単な診断から試してみてはいかがでしょうか。 

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    監修
    土屋 史恵
    • 土屋 史恵
    • ファイナンシャルプランナー/金融ライター/編集者

    神戸市外国語大学卒業後、外資系生命保険会社、都市銀行にてリテール営業、法人営業に携わる。遺言信託など資産承継ビジネスに強み、表彰歴あり。その後は長年の金融機関勤務経験を活かし、金融メディアに転職。記事執筆や編集などを担当。現在はフリーランスとして活動中。AFP、FP2級、証券外務員一種を保有。

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    執筆
    マネイロメディア編集部
    • マネイロメディア編集部
    • お金のメディア編集者

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