

純金積立はやめとけ?後悔する前に知っておきたいコストとリスクを徹底解説
»あなたに合う資産運用は?最適な投資を3分で診断
「純金積立はやめとけ」といった声を見て、金投資に不安を感じていませんか。
金はインフレ対策や資産分散に有効とされる一方、配当や利子がない、手数料が高いなど、見落とされがちなデメリットも存在します。
実物資産である金への投資は、株式や債券投資とは異なる特徴があります。その仕組みを理解しないまま投資を始めると、「思ったより増えない」「手数料で損をした」と感じるケースも少なくありません。
本記事では、純金積立が「やめとけ」と言われる理由を整理し、純金積立が有効なケース、失敗しないためのポイントまで分かりやすく解説します。
- 純金積立が「やめとけ」と言われる、手数料や税制上の具体的な理由
- 純金積立のメリットと、それでも有効活用できる人の特徴
- 金ETFなど、純金積立以外の効率的な金投資の選択肢
自分に必要な資産運用が知りたいあなたへ
目的やリスク許容度に合わせてベストな資産運用を選択しましょう。マネイロは働く世代向けにお金の診断・サービスを提供しています
▶3分投資診断:将来必要な金額とあなたに必要な投資がわかる
▶賢いお金の増やし方入門:貯金と投資で賢く増やす方法がわかる
▶オンライン無料相談:専門家と一緒に考える資産運用


「純金積立はやめとけ」と言われる理由|デメリット

純金積立が「やめとけ」と一部で言われるのは、他の金融商品と比較した際に、投資効率の面で見劣りする構造的な要因があるためです。
手数料の高さや収益性の低さが、主な理由として指摘されています。
購入手数料・保管料が高い
純金積立のデメリットとしてまず挙げられるのが、各種手数料が他の金融商品と比較して割高である点です。
金は世界的に見て非常に希少価値が高く、高価な資産です。直近の価格は、100グラムで約300万、1キロであれば3000万円ほどで、誰でも簡単に購入できるものではありません。高価であるがゆえ、貸金庫などの保管費用が必要となり、管理にもお金がかかります。
そのため、少しずつでも金を購入したい人が利用する代表的なサービスとして挙げられるのが純金積立です。これは毎月一定の金額を支払って金を購入するもので、将来、現物での引き出しも可能です。
積立金額は数千円程度からで、始めやすく購入しやすいのが特徴ですが、購入時に買付代金の1.5%〜3%程度の手数料がかかります。これに加えて、年会費や保管料、金を引き出すときの手数料が必要になる場合もあります。
金は実物資産なので、積立で購入するにしても、投資信託や債券、株式にかかる手数料とは異なる費用が必要になります。そのため、どのようなときに手数料が必要か、いくら必要かをよく理解しておく必要があるでしょう。
配当や利子はゼロ
金は古来より世界共通の普遍的な価値を有する資産として知られており、価値が⼤きく毀損しにくいとされています。そのため、「有事の金」と言われるように安全資産として投資対象になっています。
ただし、金自体には配当金や利子が無く、資産を保有して得られる収益(インカムゲイン)はありません。
銀行預金の利子や不動産投資の家賃収入とも異なり、純金積立の利益は、購入時よりも金の価格が上昇したタイミングで売却して得られる売却益(キャピタルゲイン)に限られます。
金の価格が長期間変動しない、あるいは下落した場合は、保有している間の収益はゼロであり、手数料分だけ資産が目減りする可能性もあります。
短期的な利益を求めて売買する類の資産ではないことを理解しておく必要があります。
為替リスクがある
純金積み立てを含む金への投資は、金価格そのものだけでなく、為替の動きにも注意が必要です。
金は国際市場で主に米ドル建てで取引されるため、日本円ベースの評価額は、ドル建て金価格と円ドル相場の両方に左右されます。一般的に、円安は円建ての金価格の押し上げ要因となり、円高は押し下げ要因となります。
そのため、国際的な金価格が上昇していても、同時に急速な円高が進めば、円ベースでは利益が縮小したり、評価額の伸びが鈍る場合があります
純金積み立てはNISA非対応
純金積立は、NISA(少額投資非課税制度)の対象外です。そのため、売却して利益が出た場合は、譲渡所得として総合課税の対象となります(※会社員や年金生活者など個人の場合)。
株式や投資信託であれば、NISA口座を利用することで年間最大360万円までの投資で得た利益が非課税になるため、純金積立は税制面でやや不利といえます。
一方で、金に関連する金融商品として、金鉱株等を投資先とする投資信託や金ETFがあります。これらはNISAでも購入可能です。
実物資産への投資ではないため、金そのものを保有することはできませんが、実物保有にこだわらない人でNISAを利用したい場合は、金関連の投資信託やETFも検討対象になるでしょう。
金価格の高騰で投資しづらい
近年、世界情勢の不安定化や円安を背景に金価格は歴史的な高値圏で推移しています。金価格が高騰している状況で純金積立を始めると、「高値掴み」になるリスクがあります。
加えて、金価格が今後さらに上昇するのか、あるいは下落に転じるのか、価格動向の正確な予測が難しいことも投資をしづらくさせている要因と言えるでしょう。
仮に、長期にわたって価格が下落し続けた場合、ドルコスト平均法による効果が期待できず、含み損を抱える期間が長くなる可能性があります。
実物資産である金投資は、投資の中でも、とりわけ資産防衛の側面が強い資産です。市場の動向を慎重に見極めるだけでなく、自身のポートフォリオの中で金にどのような役割を担うかを考えて、購入を判断することが大切です。
それでも純金積立が有効なケースとは
デメリットが指摘される一方、純金積立は、資産を守りたい、現物資産を保有したいなど、特定の目的を持つ投資家にとって有効な手段となるケースもあります。
インフレヘッジ・通貨価値低下への備え
純金積立が有効なのは、インフレヘッジ(物価上昇への備え)として活用する場合です。インフレが進行すると、現金の価値は実質的に目減りしますが、金のような実物資産は価値が下がりにくい傾向があります。
金は供給量が限られており、特定の国や企業の信用に依存しないため、その価値を保ちやすい性質を持っています。また、「有事の金」と言われるように、戦争や経済危機などの地政学リスクが高まると、一般的に価格が上昇する傾向があります。
資産の一部を金で保有しておくことで、ポートフォリオ全体のリスクを分散し、資産価値の目減りを防ぐ「守りの資産」としての役割が期待できます。

現物として受け取りたい人

将来的に金をインゴット(金の延べ棒)やコイン(金貨)といった形で保有したいと考えている人にとって、純金積立は有効な手段です。
まとまった資金がなくても、毎月コツコツ積み立てることで、目標のグラム数に到達した際に現物として引き出すことができます。引き出しには手数料や最低グラム数などの条件があります。
手元に置いておける実物資産を持つことに安心感や魅力を感じる人などに向いています。
少額から始めたい初心者
金地金など金の現物を購入するには、購入量に応じて数十万、数百万、あるいはそれ以上の資金が必要で、保管場所にも注意する必要があります。
一方、純金積立であれば、月々数千円程度の少額から始められ、まとまった資金がなくても「貯金感覚」で金投資をスタートできます。保管場所に悩む必要も無く、投資経験が少ない人でも始めやすい仕組みです。
そのため、投資に回せるお金が少ない人や投資初心者にも向いています。

純金積立以外の金投資の選択肢
純金積立は実物資産である金を少量ずつ購入する方法ですが、純金積立以外にも、金に投資できる方法があります。
代表的なものとして、金ETF(上場投資信託)や金関連の投資信託が挙げられます。これらの多くはコストが低く、NISAの成長投資枠でも購入できます。
コストや税制、リスクを総合的に考慮して、自身の投資方針に合うか判断することが重要です。
NISA成長投資枠で金ETFへ投資

金ETFは、金相場に価格が連動するように運用される上場投資信託です。株式と同じく、リアルタイムで売買でき、積立投資も可能です。
一般的に、ETFは手数料(信託報酬)が低く、NISAを通じて投資すれば、分配金や売却益が非課税になるため、投資にかかるコストを抑えやすいのがメリットです。加えて、流動性が高く、現金化しやすいことも、純金積み立てには無い特徴と言えます。
一方で、金価格の変動によって保有資産額が上下するため、含み損を抱える可能性はあります。ただし、これはどの方法で金を購入しても生じるリスクです。
そのため、現物保有にこだわらず、金価格の上昇によるリターンを狙いたい人に向いています。

金関連の投資信託も選択肢の1つ
金関連の投資信託には、金価格に連動する運用成果を目指すもの、金鉱株関連に投資をするものなどがあります。前者には、金ETFを投資対象とするタイプもあります。
金鉱株とは、金の採掘会社や精錬会社、販売会社などの株式のことです。これらの株価は、金価格の動きを反映しやすい傾向があります。そのため、金鉱株を投資対象とする投資信託も、広義では金投資の一種と言えます。
個別株として金鉱株に直接投資をする方法もありますが、投資信託であれば、複数の金鉱株に分散投資ができ、リスクの軽減につながります。さらに少額購入や積立投資、NISAの利用が可能な点もメリットです。
投資信託は、証券会社や銀行などで購入でき、100円や1000円といった少額から積立投資を始められます。
ただし、金関連の投資信託は、ETFと比べて信託報酬がやや高い傾向があり、購入手数料がかかる場合もあります。選ぶ際には、こうしたコストを十分に比較検討することが大切です。
コスト・税制・流動性の比較表
失敗しないための純金積立の始め方

純金積立のデメリットを理解した上で、それでも始めたいと考える場合、失敗のリスクを抑えるためのポイントがいくつかあります。資産配分や業者のチェック、自身の運用スタンスも再度確認しておきましょう。
資産全体の5〜10%以内に抑える
金は資産価値を維持する一方、それ自体が利益を生むわけではありません。そのため、資産の大部分を純金積立に投じてしまうと、ポートフォリオ全体の成長性が鈍化してしまいます。
リスク分散の観点から、金への投資額は、一般的に資産全体の5〜10%程度に抑えるのが1つの目安とされています。
資産の成長が目的であれば、ポートフォリオは投資信託や債券などをメインにし、金はあくまで「守りの資産」として、組み入れ割合を低めにするのもひとつの方法です。
手数料を比較する
純金積立のコストは運営会社によって異なりますが、購入手数料や年会費、保管料などが高くなると、リターンを圧迫する可能性があります。そのため、できるだけ手数料の安い業者を選ぶことが必須です。
SBI証券や楽天証券などのネット証券は、貴金属専門の会社に比べて購入手数料が低めに設定されている傾向があります。
長期的に運用するほど手数料の差は影響が増すため、口座を開設する前に複数の業者を比較検討しましょう。
信用できる業者を選ぶ

純金積み立てでは、金そのものの値動きだけでなく、利用する業者の選定も重要です。
金は実物資産なので、積み立ての場合、金の保管や管理を業者に委ねることになります。経営の安定性や資産保全の仕組みは、ぜひ確認しておきたいところです。
実際、業者によって預かり方は異なり、「特定保管」と「消費寄託」があります。
特定保管とは
買い付けた金を、事業者側の資産とは別に保管(分別管理)する方法のことです。所有権は契約者に帰属し、事業者側は責任を持って専用金庫で金を保管します。
事業者が倒産しても、金が保全される可能性が高いのがメリットですが、保管⽅法によっては費⽤がかかる場合があります。
消費預託とは
預けた金を事業者が運用できるという契約形態で、契約者はいつでも同等の価値の金(地金)の返還を請求することができます。所有権は事業者側にあり、これによって保管料は無料になるのが一般的です。
ただし、万が一、運営会社が破綻すると、預けた金が戻ってこない可能性があります。
金の保管方法は事業者によって異なります。したがって、業者の選定は極めて大切な作業になります。
単に保管方法だけではなく、事業者の信用力なども含めて比較検討することが大切です。
長期保有を前提に短期売買は避ける
純金積立は、購入時手数料、年会費、引出時の手数料などが必要なため、短期売買には不向きです。価格が少し上昇したからといってすぐに売却すると、コスト負けして損失が出る可能性があります。
純金積立の特徴でもあるドルコスト平均法は、長期間継続することで効果を発揮します。最低でも5年以上の長期保有を前提とし、短期的な価格変動に一喜一憂せず、コツコツと積み立てを続ける姿勢が成功の鍵となります。
保有期間が5年を超えると、長期譲渡所得の扱いとなり、税制面で有利になる点も覚えておきましょう。
まとめ

純金積立が「やめとけ」と言われる背景には、手数料の高さ、インカムゲインがないこと、NISA非対応といった構造的なデメリットがあります。資産を積極的に増やしたい場合には、金ETFなど他の選択肢のほうが効率的です。
一方で、少額から始められる手軽さや、インフレに強い実物資産を保有できるメリットもあります。純金積立を始める際は、資産全体の一部にとどめ、長期的な視点で運用することが肝となります。本記事で解説した内容を参考に、自身の投資目的に合った方法を選択しましょう。
自身の投資スタイルに合った資産形成の方法がわからない方は、専門家への相談も検討してみましょう。
»老後資金の不足リスクと最適な運用方法を3分で診断
自分に必要な資産運用が知りたいあなたへ
目的やリスク許容度に合わせてベストな資産運用を選択しましょう。マネイロは働く世代向けにお金の診断・サービスを提供しています
▶3分投資診断:将来必要な金額とあなたに必要な投資がわかる
▶賢いお金の増やし方入門:貯金と投資で賢く増やす方法がわかる
▶オンライン無料相談:専門家と一緒に考える資産運用
※本記事の内容は記事公開時や更新時の情報です。現行と期間や条件が異なる場合がございます
※本記事の内容は予告なしに変更することがあります。予めご了承ください
オススメ記事
監修

土屋 史恵
- ファイナンシャルプランナー/金融ライター/編集者
神戸市外国語大学卒業後、外資系生命保険会社、都市銀行にてリテール営業、法人営業に携わる。遺言信託など資産承継ビジネスに強み、表彰歴あり。その後は長年の金融機関勤務経験を活かし、金融メディアに転職。記事執筆や編集などを担当。現在はフリーランスとして活動中。AFP、FP2級、証券外務員一種を保有。
執筆

マネイロメディア編集部
- お金のメディア編集者
マネイロメディアは、資産運用に関することや将来資金に関することなど、お金にまつわるさまざまな情報をお届けする「お金のメディア」です。正確かつ幅広い年代のみなさまにわかりやすい、ユーザーファーストの情報提供に努めてまいります。








