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個人年金保険の一括受取にかかる税金は?年金受取との比較と損しないための選択方法

個人年金保険の一括受取にかかる税金は?年金受取との比較と損しないための選択方法

保険2026/02/09

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    個人年金保険を一括で受け取る場合、「税金はいくらかかるのか」「年金受取とどちらが有利なのか」と気になる人は多いでしょう。

    一括受取はまとまった資金を確保できる一方で、受取方法によって税金の扱いが大きく変わります。契約内容によっては一時所得や雑所得として課税され、思った以上に税負担が生じるケースもあります。

    本記事では、個人年金保険を一括受取した場合の税金の仕組みと、判断前に押さえておきたいポイントをわかりやすく解説します。

    この記事を読んでわかること
    • 一括受取時にかかる税金の種類と計算方法
    • 年金受取との税負担の比較
    • 確定申告の必要性と手続きの流れ


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    個人年金を一括受取すると税金はどうなる?基本の仕組み

    個人年金を一括で受け取る場合、かかる税金は主に「所得税」または「贈与税」です。

    どちらの税金が適用されるかは、保険料を支払った「契約者」と、年金を受け取る「受取人」が同一人物であるかによって決まります。

    契約者と受取人が同じであれば、この受取金は所得とみなされ「所得税」の対象となります。

    一方で、契約者と受取人が異なる場合は、契約者から受取人への「贈与」とみなされ、「贈与税」の対象となるのが基本です。

    また、契約期間が5年以内の一部の保険では、特殊な課税方式が適用されるケースもあります。

    まずは、自身の契約形態がどれに当てはまるかを確認することが第一歩です。

    契約者=受取人の場合:一時所得として所得税・住民税の対象

    保険料を支払った契約者自身が個人年金を一括で受け取る場合、この利益は「一時所得」として扱われます。

    一時所得とは、営利を目的とする継続的な行為から生じた所得ではなく、臨時的・偶発的に発生した所得を指します。

    この一時所得は、所得税および住民税の課税対象となります。

    給与所得など他の所得と合算して、年間の総所得金額を算出し、それに基づいて税額が計算されます。この仕組みを総合課税といいます。

    契約者≠受取人の場合:贈与税の対象

    保険料を支払った契約者と、一括で年金を受け取る受取人が異なる場合、税務上は契約者から受取人へ財産が贈与されたとみなされます。そのため、受け取った金額は「贈与税」の課税対象となります。

    例えば、夫が保険料を支払い、妻が受取人として一括で受け取るケースがこれに該当します。

    この場合、課税対象となるのは「年金受給権の評価額」です。これは、単に受け取る金額そのものではなく、解約返戻金の額などを基に算出される権利の価値を指します。

    贈与税は所得税に比べて税率が高くなる傾向があるため、契約時には契約者と受取人の関係性を慎重に設定することが推奨されます。

    5年以内の短期契約は源泉分離課税の可能性

    保険期間が5年以下の一時払い個人年金保険など、一部の金融類似商品に該当するものを一括で受け取る場合は、通常の「一時所得」とは異なる課税方式が適用されます。

    このケースでは、利益に対して20.315%(所得税・復興特別所得税15.315%、地方税5%)の税率で「源泉分離課税」となります。

    源泉分離課税とは、他の所得とは合算せず、支払いを受ける時点で税金が源泉徴収(天引き)されることで課税関係が完了する仕組みです。

    そのため、このケースに該当する場合は、原則として確定申告を行う必要はありません

    一括受取時の税金計算方法

    一時所得には税負担を軽減するための特別な計算方法が用意されています。

    具体的な計算式と、それを用いたシミュレーション、そして税金がかからなくなるケースについて詳しく解説します。

    一時所得の計算式

    一時所得の課税対象額は、以下の計算式で算出されます。この計算式には、税負担を軽減する2つの重要なポイントが含まれています。

    課税対象となる一時所得 = (総収入金額 - 収入を得るために支出した金額 - 特別控除額) × 1/2

    • 総収入金額: 一括で受け取った個人年金の金額です。
    • 収入を得るために支出した金額: これまでに支払った保険料の総額を指します。
    • 特別控除額: 所得の種類にかかわらず、最高50万円まで差し引くことができる控除です。

    ポイントは、利益部分から最大50万円の特別控除が適用される点と、さらにこの残額の2分の1のみが課税対象となる点です。

    この2段階の軽減措置により、一時所得は他の所得に比べて税制上、有利な仕組みになっています。

    具体例で見る税額シミュレーション

    それでは、具体的な数字を使って一時所得の課税対象額を計算してみましょう。

    【シミュレーション条件】

    • 一括受取額:900万円
    • 払い込み保険料の総額:800万円

    1. 利益を計算する:まず、受け取った金額から支払った保険料を差し引きます。

    • 900万円 - 800万円 = 100万円

    2. 特別控除を適用する:計算した利益から特別控除額50万円を差し引きます。

    • 100万円 - 50万円 = 50万円

    3. 課税対象額を算出する:残った金額を2分の1にします。これが課税対象となる一時所得の金額です。

    • 50万円 × 1/2 = 25万円

    この結果、課税対象となる一時所得は25万円となります。この25万円が、給与所得など他の所得と合算され、最終的な所得税・住民税の金額が確定します。

    税金がかからないケース

    個人年金の一括受取でも、税金が一切かからないケースがあります。それは、一時所得の計算過程で課税対象額が0円以下になる場合です。

    具体的には、「一括受取額」から「払い込み保険料の総額」を差し引いた利益部分が、特別控除額の50万円以下である場合です。

    例えば、一括受取額が500万円、払い込み保険料の総額が450万円だったとします。この場合、利益は50万円(500万円 - 450万円)です。

    ここから特別控除50万円を差し引くと0円になるため、課税対象となる一時所得は発生せず、結果として税金はかかりません。

    自身の契約で、受取額と払い込み総額の差が50万円以内に収まるかどうかを確認してみましょう。


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    一括受取と年金受取の税金比較|どちらが有利?

    個人年金の受取方法を選択する上で、一括受取と年金受取のどちらが税制上有利かは重要な判断材料です。

    一括受取は「一時所得」、年金受取は「雑所得」として扱われ、それぞれ計算方法や課税のタイミングが異なります。

    両者の税金の違いを比較し、どのような場合にどちらが有利になるのかを解説します。また、税金だけでなく、保険商品としての受取総額の違いも考慮に入れる必要があります。

    年金受取の税金:雑所得として毎年課税

    個人年金を分割で受け取る場合、この所得は「雑所得」に分類されます。これは公的年金と同じ所得区分ですが、個人年金には公的年金等控除は適用されません。

    雑所得の金額は、この年に受け取った年金額から、この年金額に対応する払い込み保険料(必要経費)を差し引いて計算します。

    • 雑所得 = この年の年金収入 - 必要経費

    算出された雑所得は、給与所得など他の所得と合算され、総所得金額に対して所得税・住民税が課税されます。

    年金を受け取っている期間中、毎年この計算と課税が発生するのが特徴です。

    注意点

    一度に大きな税負担が発生するのを避けられる一方、長期間にわたって所得が増加するため、社会保険料などに影響が出る可能性もあります。

    一括受取が有利なケース

    税金面だけを考慮すると、一括受取が有利になるケースは少なくありません。主な理由として、一時所得の計算で適用される2つの税制優遇が挙げられます。

    利益が少ない場合

    受け取る金額と支払った保険料総額の差額(利益)が少ない場合、最大50万円の特別控除が効果的に働き、課税所得を圧縮できます。利益が50万円以下なら税金はかかりません

    他の所得が少ない年に受け取る場合

    退職した年など、給与所得がない年に受け取ることで、総合課税される際の所得税率を低く抑えられる可能性があります。

    まとまった資金が必要な場合

    住宅ローンの繰り上げ返済やリフォームなど、特定の目的でまとまったお金が必要な場合は、税制上の有利不利とは別に一括受取が選択されます。

    年金受取が有利なケース

    一方で、年金受取を選択したほうが総合的に有利になる場合もあります。

    毎年の所得を低く抑えたい場合

    一度に大きな所得を計上すると、この年の所得税率が上がったり、翌年の住民税や国民健康保険料が高額になったりする可能性があります。年金形式で所得を分散させることで、これらの負担を平準化できる場合があります。

    確定申告不要制度を活用したい場合

    公的年金収入が400万円以下で、かつ個人年金などの雑所得が年間20万円以下であれば、所得税の確定申告が不要になります。この範囲内に収まるように調整できる場合は、手続きの手間を省けます。

    計画的な資金管理をしたい場合

    定期的に収入があることで、老後の生活設計が立てやすくなります。一括で受け取った場合のお金の使いすぎを防ぎたい人にも向いています。

    受取総額の違いも考慮する

    受取方法を検討する際には、税金だけでなく、保険会社から支払われる金額の総額にも注目する必要があります。

    一般的に、年金形式で受け取るほうが、一括で受け取る場合よりも受取総額は多くなります。これは、一括受取の場合は将来受け取るはずだった年金を前倒しで受け取ることになるため、この期間の運用益(利子)がつかなくなるためです。

    例えば、シミュレーション上、一括受取の税負担が年金受取よりも5万円低くなったとしても、受取総額が年金受取のほうが20万円多ければ、最終的な手取り額は年金受取のほうが多くなります。

    ポイントの解説

    どちらの受取方法が最終的にお得になるかは、自身の契約内容(受取総額の差)と、所得状況(適用される税率)によって異なります。両方の側面から総合的に判断することが鍵となります。

    一括受取時の確定申告は必要?手続きの流れ

    個人年金を一括で受け取り、一時所得が発生した場合、確定申告が必要になる可能性があります。申告義務があるにもかかわらず手続きを怠ると、ペナルティが課されることもあるため注意が必要です。

    どのような場合に確定申告が必要になるのか、具体的な手続きの方法、そして申告を忘れた場合のリスクについて解説します。

    正しい知識を身につけ、スムーズに手続きを完了させましょう。

    確定申告が必要なケース

    個人年金の一括受取で一時所得が発生した場合、原則として確定申告が必要です。

    会社員など給与所得がある方の場合、給与所得や退職所得以外の所得金額(一時所得の課税対象額など)の合計が年間で20万円を超える時には、確定申告の義務が生じます。

    一時所得の課税対象額は「(利益 - 50万円)× 1/2」で計算されるため、この金額が20万円を超えるかどうかを確認しましょう。

    また、源泉徴収された税金の還付を受けたい場合(例えば、医療費控除を適用したい場合など)も確定申告が必要です。

    たとえ所得が20万円以下で申告義務がなくても、申告することで税金が戻ってくる可能性があります。

    確定申告の手続き方法

    確定申告は、所得が発生した年の翌年2月16日から3月15日までの期間に、所轄の税務署へ申告書を提出して行います。

    手続きに必要な主な書類は以下の通りです。

    • 確定申告書
    • 個人年金の支払調書: 保険会社から送付される、支払額/支払い金額や源泉徴収税額が記載された書類。
    • 各種控除証明書: 生命保険料控除証明書、医療費の領収書など。
    • マイナンバーカード(または通知カードと本人確認書類)

    申告書の作成は、国税庁のWebサイト「確定申告書等作成コーナー」を利用すると便利です。画面の案内に従って数値を入力するだけで税額が自動計算され、作成した申告書はe-Tax(電子申告)でオンライン提出が可能です。

    e-Taxを利用すれば、税務署へ行かずに手続きを完結できます。

    確定申告を忘れた場合のペナルティ

    確定申告の義務があるにもかかわらず、期限内に申告しなかった場合、いくつかのペナルティが課される可能性があります。

    • 無申告加算税: 本来納めるべき税額に加え、原則として納税額の15%(50万円を超える部分は20%)が加算されます。ただし、税務署の調査を受ける前に自主的に申告すれば5%に軽減されます。
    • 延滞税: 法定納期限の翌日から納付する日までの日数に応じて、利子に相当する延滞税が発生します。

    保険会社から税務署へは、誰にいくら支払ったかという「支払調書」が提出されています。

    そのため、「申告しなくてもわからないだろう」ということはなく、申告漏れは発覚する可能性が高いです。

    余計な税金を支払うことにならないよう、必ず期限内に正しい申告を行いましょう。

    個人年金の一括受取で損しないための注意点

    個人年金の一括受取は、税制上のメリットがある一方で、いくつか注意すべき点があります。

    これらのポイントを知らずに手続きを進めると、想定外の税負担が発生したり、受け取った資金を有効に活用できなかったりする可能性があります。

    税金の計算から受け取り後の資金管理まで、一括受取で損をしないために押さえておきたい3つの注意点を解説します。

    他の一時所得との合算に注意

    一時所得の計算で適用される特別控除50万円は、年間のすべての一時所得を合算した金額に対して適用されます。個人年金保険の受け取りだけでなく、同一年内に他の一時所得がある場合は注意が必要です。

    一時所得に該当するものには、以下のようなものがあります。

    • 生命保険の満期保険金や解約返戻金
    • 競馬や競輪の払戻金
    • 懸賞や福引の賞金品
    • 法人から贈与された金品

    例えば、個人年金の一括受取による利益が40万円だったとしても、同じ年に競馬で30万円の払戻金(一時所得)があれば、合計70万円が一時所得の収入となります。

    この場合、特別控除50万円を差し引いた後の20万円が計算の基礎となり、この1/2である10万円が課税対象となります。

    ポイントの解説

    個人年金単体では非課税でも、合算することで課税される可能性があることを覚えておきましょう。

    途中解約時の税金も同じ扱い

    個人年金保険を満期前に解約して受け取る「解約返戻金」も、税務上は一括受取と同様に「一時所得」として扱われます。

    計算方法も同じで、解約返戻金の額から、それまでに支払った保険料の総額を差し引いた利益部分が一時所得の対象です。この利益から特別控除50万円を差し引き、残った金額の2分の1が課税所得となります。

    ただし、途中解約の場合、解約返戻金が払い込み保険料の総額を下回る「元本割れ」となるケースも少なくありません。この場合は利益が発生しないため、一時所得は0円となり、税金はかかりません。

    注意点

    満期を待たずに解約を検討する際は、税金だけでなく元本割れのリスクも十分に考慮する必要があります。

    受取後の資金管理計画を立てる

    一括でまとまった資金を手にすると、つい気持ちが高まり、計画外の支出をしてしまうリスクがあります。

    老後のための大切な資金を無駄にしないためにも、受け取る前に具体的な資金計画を立てておくことが欠かせません。

    例えば、以下のような目的を明確にしておくとよいでしょう。

    • 住宅ローンの繰り上げ返済にいくら充てるか
    • 自宅のリフォーム費用としていくら確保するか
    • 子や孫への資金援助にいくら使うか
    • 残りをどのように運用して生活費を補うか

    目的を決めずに普通預金口座に置いたままでは、インフレで資産価値が目減りする可能性もあります。

    一部をNISAなどで運用することも含め、長期的な視点で資金を管理する計画を立てることが、一括受取を成功させる鍵となります。

    まとめ

    個人年金の一括受取にかかる税金は、契約者と受取人が同じであれば「一時所得」として扱われ、税制上の優遇措置を受けられることが特徴です。

    利益部分から最大50万円の特別控除があり、さらに課税対象が2分の1になるため、税負担を抑えやすい仕組みになっています。

    ただし、年金受取と比較した場合、受取総額が少なくなる傾向がある点も考慮が必要です。どちらの受取方法が最適かは、税金だけでなく、自身のライフプランや資金計画によって異なります。

    まずは自身の保険契約内容を確認し、一括受取と年金受取それぞれの受取額と、おおよその税額を試算してみることが推奨されます。

    この上で、将来の生活設計に合った、後悔のない選択をしましょう。

    ーーー

    3分投資診断では、老後に必要な金額と現在の資産状況から、個人年金を含めた老後資金の全体像を整理できます。

    税額の多寡ではなく、受け取り後の生活が成り立つかを確認するための診断です。

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    監修
    内山 智絵
    • 内山 智絵
    • 公認会計士/税理士/AFP

    大学在学中に公認会計士試験に合格。大手監査法人の地方事務所にて約10年間勤務し、上場企業を中心とした法定監査などの業務に携わる。出産・育児を機に監査法人を退職した後、2021年春に個人会計事務所を開業。地域の中小企業や個人事業主の身近な相談役として、法人・個人問わず税務・会計サポートを提供している。2025年夏に株式会社SheBlissを設立。自身の経験や女性起業特有の課題を踏まえ、女性が「やりたい」を形にして続けていけるように、専門性の高いサポートとコミュニティを提供している。

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    執筆
    マネイロメディア編集部
    • マネイロメディア編集部
    • お金のメディア編集者

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