
年収2000万円の生活レベルは?手取り1300万円の実態と余裕がない理由
»あなたの資産状況に合った運用法がわかる
「年収2000万円」と聞くと、どのような生活を想像しますか?多くの人が裕福な暮らしをイメージするかもしれませんが、実際には「思ったより余裕がない」という声も少なくありません。
本記事では、年収2000万円のリアルな手取り額、税金や社会保険料の負担、そして家族構成別の生活レベルを徹底的にシミュレーションします。
高収入ならではの悩みと、賢く資産を築くための対策を専門家が解説します。
- 年収2000万円は給与所得者全体の上位0.6%に位置するが、手取りは約1300万円になる
- 税金や社会保険料の負担が大きく、生活水準の上昇や教育費などで「余裕がない」と感じることも
- 家計の見直しや税制優遇制度の活用、資産運用を行うことで、経済的な余裕を生み出すことが可能


年収2000万円は本当にすごい?客観的な位置づけ
年収2000万円は、日本の給与所得者の中で高い水準に位置します。平均年収と比較するとこの希少性がよく分かります。
具体的にどのくらいの割合の人がこの収入を得ているのか、また、一般的に「富裕層」と呼ばれる層とどのような関係にあるのかを解説します。
年収2000万円以上は全体の0.6%
国税庁の「令和6年分 民間給与実態統計調査」によると、年収2000万円を超える給与所得者は日本全体でごくわずかです。
具体的には、年収2000万円から2500万円の層が全体の0.3%、2500万円超を合わせても上位0.6%しか存在しません。
これは約160人に1人という割合であり、会社員としてこの収入レベルに到達することがいかに難しいかを示しています。
日本の平均年収が478万円であることをふまえると、年収2000万円は平均の4倍以上の水準であり、社会的に見ても「高所得者層」に分類されることは明らかです。
富裕層の定義と年収2000万円の関係
一般的に「富裕層」とは、保有する純金融資産(預貯金、株式、投資信託などから負債を差し引いた額)が1億円以上の世帯を指します。
そのため、年収が2000万円であっても、資産が1億円未満であれば定義上は富裕層には含まれません。
しかし、年収2000万円は富裕層への入り口といえる収入レベルです。高い収入を活かして計画的に資産形成を進めることで、将来的に富裕層の仲間入りをすることは十分に可能です。
逆に、収入が高いからといって支出も増やしてしまうと、資産はなかなか増えず、富裕層にはなれない可能性もあります。
年収の高さと資産の多さは必ずしも一致しない点を理解しておくことが欠かせません。
年収2000万円の手取りは約1300万円
年収2000万円といっても、この全額が手元に残るわけではありません。所得税、住民税、社会保険料などが差し引かれ、実際に自由に使える「手取り額」は額面よりも少なくなります。
ここでは、家族構成別に手取り額がどのくらいになるのか、また、なぜ税金の負担が大きいと感じるのかについて具体的に見ていきましょう。
独身の場合の手取り額
年収2000万円の独身会社員の場合、年間の手取り額はおよそ1300万円が目安です。月収に換算すると約108万円になります。
額面の2000万円から約700万円が税金や社会保険料として差し引かれる計算です。年収が高くなるほど税率も上がるため、引かれる金額の大きさに驚く人も少なくありません。
それでも、毎月100万円以上を自由に使えるため、経済的にはかなりの余裕があるといえるでしょう。
既婚者(配偶者・子あり)の場合の手取り額
配偶者や扶養する子どもがいる場合、所得控除が適用されるため、独身の場合と比べて手取り額は若干増加します。
ただし、年収2000万円の所得層では、配偶者控除や扶養控除による税制上の恩恵は限定的です。
また、児童手当のような公的な手当は所得制限により対象外となることがほとんどです。
そのため、家族が増えても手取り額が大幅に増えるわけではない点に注意が必要です。
税金が高いと感じる理由
年収2000万円の所得層で税金の負担が大きいと感じる主な理由は、日本の所得税が「累進課税制度」を採用しているためです。
この制度は、所得が高くなるほど、より高い税率が適用される仕組みです。
具体的には、課税所得が1800万円を超え4000万円以下の部分には40%の税率が課されます。
住民税も課税所得に対して一律10%かかるため、所得税と合わせると所得の半分近くが税金として徴収される計算になります。
社会保険料も収入に応じて負担額が増えるため、年収が高くなるにつれて、額面収入と手取り額の差が増加するのです。

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年収2000万円の生活レベル【独身・既婚別シミュレーション】
年収2000万円の手取り額をふまえて、実際の生活レベルはどのようになるのでしょうか。
ここでは「独身」と「既婚(子ども2人)」のケースを想定し、1ヶ月の支出モデルをシミュレーションします。
また、高収入世帯が陥りがちな生活水準の上昇についても解説します。
独身の場合の生活費内訳
年収2000万円の独身者が一人暮らしをする場合、かなり余裕のある生活が可能です。
手取り月収約109万円に対して、以下のような支出が考えられます。
このシミュレーションでは、毎月64万円程度が手元に残ります。家賃25万円であれば、都心でも比較的グレードの高い物件に住むことが可能です。
食費や交際費にも十分な予算を割けるため、趣味や自己投資にも積極的にお金を使えるでしょう。
既婚者(子2人)の場合の生活費内訳
子どもが2人いる4人家族の場合、独身世帯と比べて支出は増加します。住居費と教育費が家計の大きな割合を占めることになります。
手取り月収約109万円(※控除により変動)に対する支出モデルは以下の通りです。
このモデルでは、毎月12万円程度の余裕が生まれます。子ども2人を私立の学校に通わせる場合などを想定すると、教育費はさらに増加する可能性があります。
都心で広い家に住み、子どもに十分な教育を受けさせようとすると、年収2000万円でも計画的な家計管理が不可欠です。
生活水準の上昇による支出増加
年収が上がると、それに伴って生活水準も自然と上がっていく傾向があります。
これは「ライフスタイル・インフレーション」とも呼ばれ、高収入世帯が「余裕がない」と感じる一因です。
例えば、より都心で広い住居に移ったり、高級車を購入したり、外食や旅行の頻度が増えたりすることが挙げられます。
また、付き合う相手の層も変わり、交際費が増加することもあるでしょう。
一度上げた生活水準を下げることは心理的に難しく、収入が減少した際に家計が破綻するリスクもはらんでいます。
収入が増えても、支出をコントロールする意識を持つことが、長期的な経済的安定につながります。
年収2000万円でも余裕がないと感じる理由
手取りで1000万円を超える収入がありながらも、年収2000万円の世帯が「生活に余裕がない」と感じるケースは少なくありません。
この背景には、高収入ならではの支出構造や心理的な要因が隠されています。
ここでは、この具体的な理由を4つの側面から掘り下げて解説します。
高額な住宅ローンや家賃
年収2000万円の世帯では、住居にかける費用が高額になりがちです。
一般的に、家賃は手取り月収の3分の1が目安とされており、年収2000万円(手取り月収約109万円)の場合、約36万円が目安となります。
また、住宅ローンを組む場合、年収の5倍から7倍、つまり1億円から1億4000万円程度の物件が購入可能ラインとなります。
都心のタワーマンションや郊外の広い一戸建てなど、質の高い住環境を求める結果、住居費が家計を圧迫する大きな要因となることがあります。
子どもの教育費負担
子どもの教育費は、年収2000万円世帯にとって大きな支出項目の1つです。
収入に余裕があるため、子どもに質の高い教育を受けさせたいと考える家庭は多く、私立の学校への進学や、海外留学、多くの習い事をさせる傾向があります。
例えば、子どもを複数人、小学校から大学まで私立に通わせる場合、年間で数百万円単位の教育費が必要になることも珍しくありません。
教育費のピーク時には、高収入であっても家計に大きな負担がかかり、「余裕がない」と感じる一因となります。
周囲との比較による支出増加
年収2000万円を得るようになると、職場やプライベートでの交友関係も同様の高所得者層が中心になることがあります。
その結果、周囲の生活レベルに合わせようとする心理が働き、支出が増加する傾向があります。
例えば、同僚や友人が高級車に乗っていたり、頻繁に海外旅行に行っていたりすると、自分も同じような消費行動をとらなければならないというプレッシャーを感じることがあります。
このような見栄や比較意識による支出が、家計を圧迫し、貯蓄が思うように進まない原因の1つです。
自己投資や資産形成への資金配分
高い年収を維持・向上させるためには、継続的な自己投資が不可欠です。
専門知識を深めるためのセミナー参加や資格取得、人脈を広げるための交際費、さらには職位にふさわしい身だしなみを整えるための費用など、目に見えないコストがかかります。
また、将来の安定のために資産形成を意識する人も多く、iDeCoやNISA、不動産投資などへ資金を振り分ける必要があります。
これらの自己投資や資産形成への支出は、消費とは異なりますが、現在のキャッシュフローを圧迫するため、「手元にお金が残らない」と感じる一因となります。
年収2000万円で余裕ある生活を送るための対策
年収2000万円という高い収入を活かし、将来にわたって経済的な余裕を確保するためには、計画的な対策が不可欠です。
支出の最適化から税制優遇制度の活用、そして積極的な資産運用まで、取り組むべきことは多岐にわたります。
ここでは、具体的な4つの対策について解説します。
固定費の見直しと優先順位の明確化
余裕のある生活を実現するための第一歩は、家計の支出構造を正確に把握することです。
住居費や保険料、通信費といった固定費は、一度見直すだけで継続的な節約効果が期待できます。
まずは家計簿をつける習慣をつけ、何にどれだけ使っているか「見える化」しましょう。
その上で、自分や家族にとって何が大切なのか、支出の優先順位を明確にすることが必須です。
例えば、子どもの教育にはお金をかけたいが、車のグレードにはこだわらない、といった価値観を家族で共有することで、無駄な支出を削減し、満足度を下げずに家計を最適化できます。
税制優遇制度の活用
高所得者層にとって、節税は手取りを増やすための有効な手段です。国が用意している税制優遇制度を最大限に活用しましょう。代表的な制度には以下のようなものがあります。
- ふるさと納税: 自治体への寄付により、実質2000円の負担で返礼品を受け取れ、所得税・住民税が控除されます。
- iDeCo(個人型確定拠出年金): 掛金が全額所得控除の対象となり、高い節税効果が期待できます。運用益も非課税です。
- NISA(少額投資非課税制度): 年間最大360万円までの投資で得た利益が非課税になります。
これらの制度を組み合わせることで、税負担を軽減し、効率的に資産を増やすことが可能です。
資産運用で手取りを増やす
預貯金だけでは、インフレによって資産価値が目減りするリスクがあります。
年収2000万円の収入があれば、ある程度のリスクを取って資産運用を行い、お金にも働いてもらうという視点が鍵となります。
NISAやiDeCoといった制度を活用した投資信託の積立投資から始めるのがよいでしょう。
さらに、不動産投資は、家賃収入という安定したインカムゲインを得られるだけでなく、物件購入費用の減価償却費などを経費として計上することで所得を圧縮し、節税効果も期待できます。
高収入の会社員は金融機関からの融資を受けやすいというメリットもあるため、有力な選択肢の1つです。
一方で、空室リスクや修繕費などのコストも考慮した上で計画しましょう。


ライフプランの見直し
現在の家計状況だけでなく、将来のライフイベントを見据えた長期的な視点を持つことが大切です。
子どもの進学、住宅の購入、親の介護、そして自身の老後など、将来必要となる資金を具体的にシミュレーションし、それに向けていつまでに、いくら準備する必要があるのかを明確にしましょう。
ライフプランを立てることで、現在の支出が将来の目標達成に対して適切かどうかを判断できます。
必要であれば、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談し、客観的なアドバイスを求めるのも有効な手段です。
計画的に資産形成を進めることで、将来への不安を解消し、真に余裕のある生活を実現できます。
年収2000万円を目指せる職種・業界
会社員として年収2000万円を目指すことは簡単ではありませんが、特定の職種や業界では十分に可能性があります。
高い専門性や実績が求められる一方で、それに見合った高い報酬が期待できるのが特徴です。
ここでは、年収2000万円を実現できる代表的な3つのキャリアパスを紹介します。
外資系企業・コンサルティングファーム
年収2000万円を目指す上で、代表的な選択肢となるのが外資系企業です。
外資系金融機関(投資銀行、資産運用会社など)や、戦略コンサルティングファームは、高い給与水準で知られています。
これらの業界は成果主義が徹底されており、個人のパフォーマンスが直接報酬に反映されます。
厳しい競争環境ではありますが、高い専門スキルと実績を積み上げることで、30代で年収2000万円に到達することも珍しくありません。
医師・弁護士などの専門職
高度な専門知識と国家資格を要する専門職も、高収入が期待できるキャリアです。医師や弁護士はこの代表格です。
医師の場合、勤務医でも経験を積めば年収1500万円以上になることが多く、美容外科や自由診療のクリニックなどで独立開業すれば、年収2000万円を超えることは十分に可能です。
弁護士も、四大法律事務所などの大手ファームに所属したり、専門分野を確立して独立したりすることで、高額な報酬を得ることができます。
経営者・役員
自ら事業を立ち上げる経営者(起業家)や、企業の役員(取締役、執行役員)も、年収2000万円を超える可能性があるポジションです。
起業家の場合、事業が成功すれば青天井の収入を得られる可能性がありますが、その分リスクもともないます。
一方、企業の役員は、会社の業績に対する責任を負う代わりに、従業員とは一線を画す高い報酬(役員報酬)が支払われます。
大手企業や成長著しいベンチャー企業などで経営層に加わることができれば、高収入を実現できるでしょう。
年収2000万円の生活に関するよくある質問
年収2000万円という収入レベルについて、多くの人が抱く疑問にQ&A形式で回答します。
年収2000万円は富裕層?
年収2000万円は「高所得者」ですが、必ずしも「富裕層」とは限りません。富裕層は一般的に純金融資産1億円以上と定義されるため、資産額によります。
この年収は富裕層になるための十分なポテンシャルを持っています。
年収2000万円で貯金はいくらできる?
貯金額はライフスタイルに左右されます。
独身で実家暮らしなら月100万円近く貯めることも可能ですが、都心で子どもがいる家庭では月10万円から20万円程度になることもあります。計画的な家計管理が必須です。
年収2000万円でも苦しいのは本当?
本当です。高い税金と社会保険料、生活水準の上昇、子どもの教育費、住宅ローンなどが重なると、手元に残るお金が少なく「苦しい」と感じる場合があります。
収入に合わせた支出管理ができていないことが主な原因です。
まとめ
年収2000万円は、日本の給与所得者の上位0.6%に位置する高い収入レベルです。手取り額は約1300万円となり、経済的に豊かな生活を送ることが可能です。
しかし、高い税負担や生活水準の上昇、教育費などにより、計画的な家計管理をしなければ「余裕がない」と感じることも少なくありません。
今回紹介したように、支出を見直し、ふるさと納税やiDeCo、NISAなどの制度を賢く活用することで、手取りを最大化し、効率的な資産形成を進めることができます。
自身のライフプランを明確にし、高い収入を将来の安心へとつなげていきましょう。
将来の資産形成に不安を感じる方は、専門家のアドバイスを参考にしてみてはいかがでしょうか。
まずは簡単なシミュレーションで、自身に合った資産運用の方法を確認してみましょう。
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監修
高橋 明香
- ファイナンシャルアドバイザー/CFP®認定者
みずほ証券(入社は和光証券)では、20年以上にわたり国内外株、債券、投資信託、保険の販売を通じ、個人・法人顧客向けの資産運用コンサルティング業務に従事。2021年に株式会社モニクルフィナンシャル(旧:株式会社OneMile Partners)に入社し、現在は資産運用に役立つコンテンツの発信に注力。1級ファイナンシャル・プランニング技能士、一種外務員資格(証券外務員一種)保有。
執筆
マネイロメディア編集部
- お金のメディア編集者
マネイロメディアは、資産運用に関することや将来資金に関することなど、お金にまつわるさまざまな情報をお届けする「お金のメディア」です。正確かつ幅広い年代のみなさまにわかりやすい、ユーザーファーストの情報提供に努めてまいります。

