

【2026年7月】長期金利が上がるとどうなる?債券価格と住宅ローンへの影響と考え方
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「長期金利が約30年ぶりの高水準」というニュースを目にする機会が増えました。2026年7月には、長期金利(10年国債利回り)が一時2.81%と、1996年以来の水準まで上昇しています。
長期金利の上昇は、ニュースの中だけの話ではありません。債券の価格や利回り、住宅ローンの返済額、さらには預金や投資信託まで、私たちのお金に幅広く影響します。
ポイントは、長期金利の上昇が「これから債券を買う人には追い風」になる一方、「住宅ローンを借りる人には逆風」になるという、立場によって影響が正反対になることです。
本記事では、長期金利の基本から、現在の水準と上昇の背景、債券・住宅ローンそれぞれへの影響、そして「金利のある世界」での資産運用の考え方まで、お金の専門家がわかりやすく解説します。
※本記事の内容は記事公開時点の情報です。金利は日々変動します。住宅ローンや税制・制度の詳細は、各金融機関・公的機関の最新情報をご確認ください。
- 長期金利と短期金利の違い、長期金利が上昇している理由
- 長期金利が上がると債券価格が下がる仕組み
- 住宅ローンの固定金利・変動金利それぞれへの影響
- 金利上昇局面での資産配分の見直しポイント
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長期金利とは?短期金利との違いをわかりやすく解説

長期金利とは、一般的に取引期間が1年以上のお金の貸し借りに適用される金利を指します。その代表的な指標が「10年物国債の利回り」です。
ニュースで「長期金利が上昇」と報じられる時は、通常この10年国債利回りを指しています。
10年国債は債券市場で日々売買されており、その価格に応じて利回り(長期金利)も毎日変動します。長期金利は、将来の物価や経済成長、財政への信頼度など、市場参加者の「長期的な見通し」を映す鏡といえます。
そして長期金利は、フラット35などの固定型住宅ローン金利や、企業の社債の利率、生命保険の予定利率など、さまざまな金融商品の基準として使われる「経済の体温計」の役割を果たしています。

短期金利(日銀の政策金利)との違い
一方、短期金利は取引期間1年未満の金利で、日本銀行が金融政策で直接コントロールしています。日銀が誘導目標とする「無担保コールレート(翌日物)」がいわゆる政策金利で、2026年6月の利上げにより現在は1.00%です。
両者の違いを整理すると、以下のようになります。
2024年3月にイールドカーブ・コントロール(長期金利の上限を抑える政策)が廃止されて以降、長期金利は原則として市場の動きに委ねられています。
「短期金利は日銀が決め、長期金利は市場が決める」と押さえておきましょう。
【2026年7月最新】長期金利の現在の水準と推移

2026年7月3日、長期金利は一時2.81%まで上昇し、1996年10月以来、約30年ぶりの高水準を記録しました。
振り返ると、2024年3月のマイナス金利政策の解除・イールドカーブ・コントロール廃止を起点に、長期金利は上昇トレンドに入りました。2026年に入ってからも上昇は続き、4月末の2.6%台から5月末には2.7%台、そして7月には2.8%台へと、上昇ペースが加速しています。
長らく続いた「金利ゼロ」の時代は終わり、日本は本格的な「金利のある世界」へと移行しつつあります。
長期金利が上昇している3つの理由
現在の長期金利上昇の背景には、大きく3つの要因があります。
金融政策・財政政策は今後変更される可能性があります。最新の動向は日本銀行・財務省の公表資料をご確認ください。
1. 日銀の利上げ(6月に政策金利1.00%へ)と追加利上げ観測
日銀は2026年6月16日に追加利上げを実施し、政策金利は1.00%と約31年ぶりの水準になりました。
市場では年内にさらに1〜2回の追加利上げが行われるとの見方もあり、将来の短期金利の上昇を織り込む形で長期金利も押し上げられています。
2. 高市政権の積極財政による国債増発・財政懸念
高市政権は「責任ある積極財政」を掲げており、財源確保のために国債発行が増えるとの見方があります。
国債の供給が増える(または財政規律への懸念が高まる)と国債が売られやすくなり、価格下落=金利上昇の圧力となります。
実際、長期金利が2.81%をつけた局面では、財務相が国債市場の信認維持に言及するなど、政府も市場の動きを注視しています。
3. 円安・原油高によるインフレ圧力
円相場は1ドル161円前後と円安水準が続き、中東情勢を背景とした原油高も重なって、輸入物価の上昇圧力が続いています。
インフレが続くという見通しは、「将来のお金の価値の目減り分」を金利に上乗せする形で、長期金利を押し上げる要因になります。
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長期金利の上昇が債券に与える影響

債券投資を考える上で最も重要な原則が、「金利が上がると、債券価格は下がる」というシーソーの関係です。
例えば、利率1%の債券を持っているとします。その後、金利が上昇して利率2%の新しい債券が発行されると、利率1%の債券の魅力は相対的に下がります。そのため、市場で売却する場合は価格を下げないと買い手がつかず、既発債の価格は下落するのです。
逆に金利が低下する局面では、高い利率の既発債の価値が上がり、債券価格は上昇します。この関係は、残存期間が長い債券ほど大きく働きます(金利変動の影響を受ける期間が長いため)。
つまり、長期金利の上昇局面では「すでに債券(債券ファンド)を保有している人」には価格下落というマイナスの影響、「これから債券を買う人」には高い利回りというプラスの影響がある、と整理できます。
今後国債を買う人には追い風:個人向け国債・新窓販国債の金利上昇
これから債券を買う人にとって、長期金利の上昇は利回りの観点で追い風といえます。
個人が購入できる国債の金利は、長期金利の上昇を反映して切り上がっています。2026年7月募集分の条件は以下の通りです。
- 個人向け国債(変動10年):年1.80%(初回適用利率)
- 個人向け国債(固定5年):年1.95%
- 個人向け国債(固定3年):年1.56%
- 新窓販国債(10年):応募者利回り 年2.678%(表面利率 年2.7%)
個人向け国債は1年経過後になりますが、中途換金時も元本が確保される仕組みがあるため、金利上昇局面でも価格下落リスクを気にせず保有できるのが特徴です。
一方、新窓販国債は利回りが高い分、中途売却時は市場価格での売却となり、金利がさらに上昇すると元本割れの可能性がある点に注意が必要です。

債券ファンドを保有している人が注意すべきこと
投資信託を通じて債券に投資している人は注意が必要です。
国内債券型の投資信託(インデックスファンドなど)は、保有する債券の時価で基準価額が計算されるため、長期金利が上昇すると基準価額は下落します。
NISAで債券型ファンドやバランス型ファンド(債券を組み入れているもの)を保有している場合、金利上昇局面では評価額が目減りする可能性があります。
ただし、慌てて売却するかどうかは慎重に検討しましょう。債券ファンドは、運用過程でファンド内の債券が満期などを迎えて順次入れ替わっていくため、長期的には金利上昇に伴う高い利回りがポートフォリオに反映されていくことが期待されます。
また、満期まで保有すれば額面で償還される個別債券(個人向け国債など)と、日々時価評価される債券ファンドは値動きの性質が異なることを理解しておきましょう。

長期金利の上昇が住宅ローンに与える影響

住宅ローンの固定金利は、長期金利に連動して決まります。そのため、金利上昇局面では変動金利よりも先に上昇するのが特徴です。
全期間固定型の代表であるフラット35(買取型)の金利は、2026年7月時点で3.140%。前月からはわずかに低下したものの、2021年頃から大きく上昇し、2010年頃の水準まで戻っています。
10年固定金利も、長期金利の上昇を受けて多くの銀行で引き上げが続いています。
固定金利は「将来の金利上昇リスクを金融機関に引き受けてもらう」商品なので、市場が将来の金利上昇を織り込むほど、先回りして金利が上がる構造です。
(参考:【フラット35】借入金利の推移|【フラット35】)

変動金利は短期金利連動だが、日銀利上げで引き上げが進行中
変動金利は長期金利ではなく、短期金利(政策金利に連動する短期プライムレート)を基準に決まります。長期金利の上昇が直接影響するわけではありませんが、日銀の利上げが進んだことで、変動金利にも引き上げの波が及んでいます。
2025年12月と2026年6月の利上げを受けて、多くの銀行が変動金利の基準金利を引き上げており、2026年7月時点では新規借入の変動金利は0.9%以上が過半となっています。
すでに借りている人も、基準日から数ヶ月遅れて適用金利が上がるため、2026年は返済額の見直し通知を受け取る人が増える見込みです。市場では、年内の追加利上げ次第で変動金利が1.25%程度まで上昇するとの見方も出ています。
これから借りる人・すでに借りている人、それぞれの対応
これから借りる人は、変動と固定の金利差だけでなく、「金利が上がり続けた場合に返済を続けられるか」という視点が重要です。
審査金利ではなく、実際に金利が1〜2%上昇した場合の毎月返済額をシミュレーションし、返済比率に余裕を持たせた借入額に抑えましょう。将来の金利上昇が不安な場合は、金利を確定できる固定型も有力な選択肢です。
すでに変動金利で借りている人は、まず自分のローンの基準金利がいつ・どれだけ上がるのかを確認しましょう。その上で、①繰り上げ返済で元本を減らす、②固定金利への借り換え・切り替えを検討する、③返済額増加分を見込んだ家計の見直しをする、といった対応が考えられます。
いずれの場合も、「借りすぎない」「金利上昇を前提とした余裕のある資金計画を立てる」ことが、金利のある世界での住宅ローンとの付き合い方の基本です。
「金利のある世界」での資産運用の考え方
長期金利の上昇は、住宅ローンだけでなく、資産運用の「常識」そのものを変えつつあります。超低金利時代には合理的だった選択が、金利のある世界では最適とは限りません。
ここでは、預金・債券・株式それぞれへの影響と、資産配分を見直す際のポイントを整理します。
預金・債券の魅力が回復する一方、株式・投信への影響
長期金利の上昇は、資産運用の選択肢の魅力度を大きく変えます。
まず、預金や債券といった「金利で増やす資産」の魅力が回復しています。定期預金金利は1%前後の商品も登場し、個人向け国債は固定5年で年1.95%と、リスクを抑えながら利子を受け取れる環境になりました。
一方、株式や投資信託には注意点もあります。金利上昇は企業の借入コスト増加や、株式の相対的な魅力低下(債券で十分な利回りが得られるため)につながる可能性があります。
また、日銀の利上げが進んで日米金利差が縮小すれば、円高に転じる場合があり、NISAで人気の全世界株式や米国株式のインデックスファンド(為替ヘッジなし)は、円高による評価額の目減りリスクにも注意が必要です。
金利上昇局面での資産配分の見直しポイント

金利上昇局面だからといって、積立投資をやめたり、保有資産を慌てて売却したりする必要はありません。見直すべきは「資産配分のバランス」です。
- 株式に偏っていないか確認する:これまでの株高で、資産に占める株式の割合が想定以上に高まっている場合は、一部を債券や預金に振り分けることでリスクを調整できます
- 「使う時期」でお金を色分けする:1年以内に使うお金は預金、数年内に使うお金は個人向け国債や定期預金、10年以上使わないお金は株式・投信、という時間軸での整理が基本です
- 債券という選択肢を検討する:これまで「金利が低いから」と選択肢に入れていなかった債券が、ポートフォリオの安定材料として機能する環境になっています
大切なのは、金利のトレンドに一喜一憂するのではなく、自分の目的とリスク許容度に合った配分を保つことです。
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まとめ

長期金利は2026年7月に一時2.81%と約30年ぶりの高水準に達しました。背景には、日銀の利上げ(政策金利1.00%)と追加利上げ観測、積極財政による国債増発懸念、円安・原油高によるインフレ圧力という3つの要因があります。
長期金利の上昇は、立場によって影響が正反対です。
- これから債券を買う人には追い風:個人向け国債は固定5年で年1.95%など、金利で増やせる環境に
- 債券ファンド保有者には短期的な逆風:基準価額は下落するが、長期的には高利回り債券への入れ替えが進む
- 住宅ローンには負担増:フラット35は3%台、変動金利も0.9%超が過半となり、返済計画の点検が必要
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