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年金は年収に入る?扶養内の判定基準と知っておきたい仕組みをわかりやすく解説

年金は年収に入る?扶養内の判定基準と知っておきたい仕組みをわかりやすく解説

年金2025/11/25
  • #60代

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年金は年収に入る?」「130万円の壁は年金にも関係する?」と年収と年金の関係について気になっている人も多いかもしれません。このテーマは、税法上と社会保険上で扱いが違い、混乱しやすい分野といえます。

特に、親を扶養に入れたい40〜50代、自分が年金を受け取りながら配偶者の扶養に入りたい60代では、判断を誤ると保険料が年間数万円以上変わることもあります。

本記事では、まず“年金が収入に含まれるか”という基礎から明確に説明し、そのうえで「扶養内に入れるかどうか」を社会保険・税法の双方から整理します。

年金額別の具体的なケース、損得ライン扶養に入れなかった場合のケースまで、制度の仕組みについて専門家がわかりやすく解説します。

この記事を読んでわかること
  • 社会保険と税法上での年金の扱いの違い
  • 年金額から扶養に入れるか判断する具体的な基準
  • 扶養から外れた場合の金銭的負担


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年金は“年収に含まれる”が制度により扱いが違う

結論から言うと、老齢年金は年収に含まれます。ただし、「扶養」を考える際には、「社会保険上の扶養」と「税法上の扶養」という2つの制度があり、それぞれで年金の扱いが異なるため注意が必要です。

  • 社会保険の扶養:年金額そのものを「収入」として計算します。
  • 税法上の扶養:年金額から一定額を差し引いた「所得」で計算します。

この違いが、「年金と扶養」の関係を複雑にしている大きな要因です。それぞれの制度について、詳しく見ていきましょう。

社会保険の扶養では年金=収入として扱う

健康保険や厚生年金といった社会保険の扶養では、受け取っている年金の額面がそのまま「収入」として扱われます

ここには、遺族年金や障害年金といった非課税の年金も含まれる点に注意が必要です。

社会保険の扶養に入れるかどうかは、この「収入」の合計額が一定の基準を下回るかどうかで判断されます。

130万円基準・180万円基準の考え方

社会保険の扶養に入るための年収基準は、対象者の年齢によって異なります。これは「年収の壁」の一つとして知られています。

  • 60歳未満:年収130万円未満
  • 60歳以上または障害者の場合:年収180万円未満

この基準額には、年金収入だけでなく、パート・アルバイトなどの給与収入もすべて合算して計算します。

例えば、65歳で年金収入が150万円、パート収入が40万円ある場合、合計収入は190万円となり、180万円の基準を超えるため社会保険の扶養から外れます。

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65歳未満/65歳以上で何が違う?

社会保険の扶養を判定する上で、年齢の基準となるのは「60歳」です。60歳を境に、扶養に入れる年収の上限が130万円から180万円に引き上げられます。

一方で、後述する税法上の扶養では「65歳」が重要な区切りとなります。65歳を境に、年金収入から差し引ける「公的年金等控除額」が大きく変わるためです。

注意点

このように、社会保険と税法では基準となる年齢が異なるため、混同しないように注意が必要です。

制度

年齢基準

年齢基準

内容

内容

社会保険の扶養

年齢基準

60歳

内容

年収上限が130万円から180万円に変わる

税法上の扶養

年齢基準

65歳

内容

公的年金等控除額が大きく変わる

税法上の扶養では“控除後の所得”で判定

所得税や住民税に関わる税法上の扶養では、年金収入をそのまま使うのではなく、「公的年金等控除」を差し引いた後の「所得」の金額で判定します。

この控除があるため、社会保険の基準では扶養に入れない場合でも、税法上は扶養に入れるケースが出てきます。これが両制度の大きな違いです。

公的年金等控除により所得が小さく見える理由

公的年金等控除とは、公的年金を受け取る人の税負担を軽減するための仕組みです。年金収入から一定額を必要経費のように差し引くことができるため、課税対象となる「所得」は実際の収入額よりも少なくなります。

控除額は、年金受給者の年齢(65歳未満か65歳以上か)と年金収入の金額に応じて決まります。65歳以上になると控除額が大きくなるため、税法上の扶養に入りやすくなります。

合計所得48万円以下かどうかで扶養を判断

税法上の扶養親族になるための所得要件は、年間の合計所得金額が48万円以下であることです。

ただし、2025年(令和7年)の税制改正により、この基準は58万円以下に引き上げられます。

例えば、65歳以上で年金収入のみの方の場合、公的年金等控除額は最低110万円です。

  • 2024年まで:年金収入158万円(158万円 - 110万円 = 48万円)までが扶養の対象
  • 2025年以降:年金収入168万円(168万円 - 110万円 = 58万円)までが扶養の対象

注意点

このように、税制改正によって扶養に入れる年金収入の上限が変わる点に注意が必要です。

扶養内だとどうなる?年金額から判断する

実際に親や配偶者を扶養に入れることができるか、具体的な年金額を基に判断してみましょう。

親を扶養に入れたい場合

親を扶養に入れる場合、親の年齢と年金収入額が判断のポイントです。ここでは、65歳以上の親を例に考えてみましょう。

【例】70歳の母親、年金収入が170万円の場合

社会保険の扶養判断

  • 基準:60歳以上なので180万円未満
  • 判定:収入170万円は基準内なので、社会保険の扶養に入れます

税法上の扶養判断(2025年以降)

  • 所得計算:170万円(収入) - 110万円(公的年金等控除) = 60万円(所得)
  • 基準:合計所得58万円以下
  • 判定:所得60万円は基準を超えるため、税法上の扶養には入れません

このケースでは、社会保険の扶養にはなれますが、税法上の扶養控除(老人扶養控除)は適用できないことになります。

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配偶者扶養(106万円・130万円の壁)への影響

配偶者がパート収入に加えて自身の年金を受け取っている場合、それらの収入を合算して扶養の基準を判断します。

例えば、55歳の妻がパート収入90万円、自身の年金(障害年金など)50万円を受け取っているケースを考えます。

  • 合計収入:90万円 + 50万円 = 140万円

この場合、合計収入が130万円を超えるため、妻は夫の社会保険の扶養から外れ、自身で国民健康保険と国民年金に加入するか、勤務先の社会保険に加入する必要があります。

いわゆる「106万円の壁」は、パート先の従業員数や労働時間などの条件を満たした場合に適用される社会保険加入の基準ですが、この判定においても年金収入は考慮されず、パートの給与収入のみで判断されるのが一般的です。

注意点

しかし、最終的な扶養判定である「130万円の壁」では年金収入も合算されるため、注意が必要です。

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扶養内にできない場合の負担は?

年金収入などが基準を超え、社会保険の扶養に入れない場合、自身で国民健康保険や介護保険に加入し、保険料を納付する義務が生じます。

国民健康保険・介護保険の負担がいくら増える?

扶養から外れた場合、新たに国民健康保険料と介護保険料(40歳以上65歳未満、または65歳以上の場合)の負担が発生します。

保険料の金額は、住んでいる市区町村や前年の所得によって異なります。国民健康保険料は、所得に応じて計算される「所得割」と、加入者数に応じて計算される「均等割」などを合算して決まります。

扶養に入れるメリット/入れないメリット

扶養に入るかどうかの判断は、単純な手取り額の損得だけではなく、長期的な視点で考えることが重要です。

【扶養に入れるメリット】

  • 保険料負担がない:自身で国民健康保険料などを支払う必要がないため、目先の家計負担は軽い
  • 扶養者の税負担軽減:扶養者が配偶者控除や扶養控除を受けられるため、世帯全体での税金が安くなる

【扶養に入れない(外れる)メリット】

  • 自身の保障が手厚くなる:厚生年金に加入すれば、将来の老齢年金が増える。また、傷病手当金や出産手当金など、働けなくなった際の保障も受けられる
  • 収入制限がなくなる:「年収の壁」を気にせず働くことができ、キャリアアップや収入増を目指せる

医療費・保険料・税金の総額で判断する

最終的に扶養に入るかどうかは、世帯全体の手取り収入がどう変わるかで判断するのが合理的です。

扶養から外れることで増える収入と、新たに発生する社会保険料や税金の負担額を比較検討しましょう。

例えば、年収が130万円から160万円に増えた場合、

  • 増えるもの:給与収入(+30万円)
  • 減るもの(発生するもの):社会保険料(約20万円)、所得税・住民税(数万円)

この場合、収入は30万円増えても、負担増によって手取りはほとんど増えない、あるいは減少する「働き損」の状態になる可能性があります。

手取りの逆転現象を解消するには、一般的に年収155万円~160万円以上を目指す必要があるとされています。

自身の状況に合わせてシミュレーションを行い、総合的に判断することが大切です。

税法上の扶養はどうなる?

税法上の扶養は、社会保険とは異なり「所得」で判断されるため、計算が少し複雑になります。

配偶者と親では適用される控除も異なるため、それぞれ分けて考える必要があります。

税法上は年金の“所得計算”がポイントになる

税法上の扶養判定で重要なのが、年金収入を「雑所得」に変換する計算です。計算には「公的年金等控除」が用いられ、年金受給者の年齢と収入額によって控除額が変わります。

控除額を年金収入から差し引くことで、税金の計算の基礎となる「所得」が算出されます。この所得額が扶養の基準(2025年以降は58万円以下)に収まるかどうかを確認します。

公的年金以外(企業年金・個人年金)の扱い

扶養の所得判定では、老齢基礎年金や老齢厚生年金といった公的年金以外の収入も合算する必要があります。

  • 企業年金(確定給付企業年金など):公的年金等控除の対象となり、公的年金と合算して所得を計算します
  • 個人年金保険やiDeCo(個人型確定拠出年金):これらは「公的年金等」には含まれず、「その他の雑所得」として扱われます。公的年金等控除は適用されず、収入から必要経費を差し引いて所得を計算します

ポイントの解説

複数の年金を受け取っている場合は、すべての収入を合算した上で、それぞれの所得計算ルールに従って合計所得金額を算出し、扶養の基準(58万円以下)と比較する必要があります。

税法で扶養OKでも社会保険NGとなるケース

税法と社会保険の基準の違いにより、「税法上は扶養に入れるが、社会保険の扶養には入れない」という状況が起こり得ます。

パート収入などが加わることで社会保険の基準(130万円)を超えてしまう一方、税法上は各種控除により所得が基準内に収まるケースは頻繁に発生します。

年金×扶養の誤解が生まれやすい理由を整理

「年金と扶養」の関係は、多くの人にとって複雑で分かりにくいものです。なぜ誤解が生まれやすいのか、その主な理由を3つに整理して解説します。

年金は“非課税”と思い込んでいる誤解

年金の中には、障害年金や遺族年金のように税金がかからない(非課税)ものがあります。このことから、「年金はすべて非課税である」という誤解が生まれがちです。

しかし、老後の生活のために受け取る老齢基礎年金や老齢厚生年金は、税法上「雑所得」として課税対象となります。

一方で、社会保険の扶養判定においては、非課税である障害年金や遺族年金も「収入」として計算に含める必要があります。この違いが混乱を招く一因となっています。

扶養と税金・社保の2軸があることを知らない

多くの人が「扶養」という言葉を一つの制度として捉えがちですが、実際には「税法上の扶養」と「社会保険上の扶養」という、目的もルールも全く異なる2つの制度が存在します。

  • 税法上の扶養:納税者の税負担を軽くするための制度(所得税・住民税)
  • 社会保険上の扶養:被扶養者の保険料負担をなくすための制度(健康保険・年金)

この2つの制度がそれぞれ独自の基準(年収の壁)を持っていることを理解しないまま、「扶養から外れる」という言葉だけが一人歩きしてしまうことが、混乱の大きな原因です。

年金収入を「所得」と「収入」で混同してしまう

年金と扶養を考える上で重要なポイントが、「収入」と「所得」の違いです。

  • 収入(年収):年金や給与の額面金額のこと。社会保険の扶養判定で使います。
  • 所得:収入から必要経費(公的年金等控除や給与所得控除)を差し引いた後の金額のこと。税法上の扶養判定で使います。

社会保険の扶養判定では年金の「収入」が130万円や180万円未満かを見ますが、税法上の扶養判定では年金の「所得」が48万円(2025年以降は58万円)以下かを見ます。

この基準となる金額と、その基になるのが「収入」なのか「所得」なのかを混同してしまうことが、誤解を生む理由のひとつと言えるでしょう。

まとめ

年金収入と扶養の関係について、重要なポイントは以下の通りです。

  • 老齢年金は「年収」に含まれますが、社会保険と税法で扱いが異なります
  • 社会保険の扶養は、年金額そのものを「収入」として扱い、60歳未満は130万円、60歳以上は180万円の壁で判断します
  • 税法上の扶養は、年金から公的年金等控除を引いた「所得」で判断し、合計所得58万円以下(2025年以降)が基準です
  • 2つの制度は基準が違うため、「税法上は扶養に入れるが、社会保険では入れない」といったケースも発生します。

扶養の判定は家計に直接影響する重要な事柄です。収入と所得の違いを正しく理解し、ご自身の状況に合わせて、社会保険と税金の両面から総合的に判断することが大切です。

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監修
内山 智絵
  • 内山 智絵
  • 公認会計士/税理士/AFP

大学在学中に公認会計士試験に合格。大手監査法人の地方事務所にて約10年間勤務し、上場企業を中心とした法定監査などの業務に携わる。出産・育児を機に監査法人を退職した後、2021年春に個人会計事務所を開業。地域の中小企業や個人事業主の身近な相談役として、法人・個人問わず税務・会計サポートを提供している。2025年夏に株式会社SheBlissを設立。自身の経験や女性起業特有の課題を踏まえ、女性が「やりたい」を形にして続けていけるように、専門性の高いサポートとコミュニティを提供している。

記事一覧

執筆
マネイロメディア編集部
  • マネイロメディア編集部
  • お金のメディア編集者

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