
特別児童扶養手当にデメリットはある?申請前に知っておきたい注意点と対処法を徹底解説
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精神または身体に障害のある子どもを育てる家庭を支える「特別児童扶養手当」、この手当の申請を検討する中で「受給することで何かデメリットはあるのだろうか」と不安に感じる人もいるかもしれません。
本記事では、特別児童扶養手当の制度上のデメリットの有無を解説し、申請前に必ず知っておきたい注意点や、万が一申請が認められなかった場合の対処法まで、お金の専門家がわかりやすく解説します。
- 特別児童扶養手当に制度上の直接的なデメリットはないこと
- 申請前に知るべき5つの注意点(所得制限、更新手続きなど)
- 申請が却下された場合の対処法や、手続きの負担を減らす工夫
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特別児童扶養手当とは?制度の基本を理解する
特別児童扶養手当は、精神または身体に障害を有する児童の福祉増進を図ることを目的とした国の制度です。
20歳未満で、法令で定められた程度の障害の状態にある児童を家庭で監護・養育している保護者(父、母、または養育者)に支給されます。
対象となる子どもと保護者
特別児童扶養手当の対象となるのは、日本国内に住所があり、精神、知的または身体に政令で定められた程度以上の障害がある20歳未満の子どもです。
手当を受け取ることができるのは、この子どもを監護している父か母、または父母に代わって養育している人です。
ただし、以下のような場合は手当の対象外となります。
- 対象となる子どもが日本国内に住所を有しない場合
- 対象となる子どもが障害を理由とする公的年金を受給している場合
- 対象となる子どもが児童福祉施設など(通所施設などを除く)に入所している場合
認定基準と障害等級
手当の額は、子どもの障害の程度に応じて「1級(重度)」と「2級(中度)」の2つの等級に分けられています。
手当の等級は、提出された医師の診断書などに基づき、国が定める認定基準に沿って審査・判定されます。
手当の等級と、身体障害者手帳や療育手帳の等級は、必ずしも一致するわけではない点に注意が必要です。
手当額は物価の変動などに応じて改定されることがあります。2025年4月分からの月額は以下の通りです。
支給は原則として毎年4月、8月、11月の年3回、それぞれの前月分までがまとめて指定の口座に振り込まれます。
特別児童扶養手当に「デメリット」はあるのか?
結論からいうと、特別児童扶養手当を申請・受給することによる制度上の直接的なデメリットは基本的にありません。
この手当を受給したことが原因で、子どもの進学や就職で不利になることはありません。また、受給している事実は個人情報であり、自分から伝えない限り他人に知られることもありません。
ただし、人によってはデメリットと感じる可能性のある「注意点」がいくつか存在します。
例えば、申請や更新の手続きに手間がかかることや、所得によっては手当が支給されない所得制限があることなどが挙げられます。
これらの注意点を事前に理解しておくことが、安心して制度を活用するために欠かせません。
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申請前に知っておきたい5つの注意点
特別児童扶養手当の申請を検討する際には、デメリットというよりも「注意点」として理解しておくべきポイントが5つあります。
これらを事前に把握しておくことで、手続きをスムーズに進め、後から「知らなかった」と困る事態を避けられます。

手続きと更新の負担
特別児童扶養手当は、一度認定された後も、毎年8月から9月にかけて「所得状況届」を提出する必要があります。
これは、受給者や扶養義務者の前年の所得状況を確認し、引き続き手当を支給できるかを審査するための手続きです。
この更新手続きを忘れると、所得が基準内であっても手当の支給が停止されてしまうため、毎年忘れずに行わなければなりません。
また、子どもの障害の状態によっては、一定期間ごとに医師の診断書を提出して再認定(有期更新)を受ける必要もあり、これらの手続きが負担に感じられる場合があります。
所得制限による支給停止
特別児童扶養手当には所得制限が設けられています。受給資格者本人、またはこの配偶者や生計を同じくする扶養義務者(同居の親族など)の前年の所得が、定められた限度額以上ある場合、手当は支給されません。
この所得審査は毎年行われるため、前年は受給できていても、所得が増加したことで翌年から支給停止になる可能性があります。
所得制限の限度額は、扶養親族の数などによって異なります。
※上記の所得額はあくまで目安であり、各種控除によって変動します
審査の厳しさと却下リスク
特別児童扶養手当は、申請すれば誰でも受給できるわけではありません。
子どもの障害の状態が、国が定める認定基準に該当するかどうかを厳正に審査されます。
提出された医師の診断書の内容などから、障害の程度が認定基準に満たないと判断された場合は、申請が却下され、手当は支給されません。
また、申請から支給決定までには数ヶ月かかることが一般的で、すぐに手当が必要な場合でも、すぐには受け取れない点も注意が必要です。
他の制度との併給制限
特別児童扶養手当は、すべての公的支援と併用できるわけではありません。注意が必要なのは、障害を理由とする公的年金との関係です。
子ども自身が障害基礎年金など、障害を支給事由とする公的年金を受給できる場合、特別児童扶養手当は支給されません。
どちらか一方を選択することになるため、どちらの給付を受けるほうがよいか、慎重に検討する必要があります。
なお、障害児福祉手当は年金ではないため、要件を満たせば併給が可能です。


心理的な負担
制度上のデメリットではありませんが、手当を申請・受給すること自体に心理的な抵抗を感じる人もいるかもしれません。
「子どもの障害を公的に認めることになる」と感じたり、周囲の目が気になったりすることで、申請をためらってしまうケースです。
しかし、特別児童扶養手当は、障害のある子どもを育てる家庭の経済的負担を軽減し、子どもの福祉を向上させるための正当な権利です。
受給していることはプライバシーに関わる情報であり、他人に知られることはありません。
経済的な安定は、子育てにおける精神的な安定にもつながるため、必要であればためらわずに活用することが推奨されます。
申請が却下されるケースと対処法
特別児童扶養手当の申請が、必ずしも承認されるとは限りません。
万が一、申請が却下(不承認)された場合でも、この理由を理解し、適切な対処法を知っておくことが大切です。
却下される主な理由
申請が却下される主な理由としては、以下のようなケースが考えられます。
- 所得制限の超過: 申請者本人、配偶者、または扶養義務者の所得が基準額を超えている場合。
- 障害程度の不該当: 提出された診断書の内容から、子どもの障害の程度が政令で定める基準に満たないと判断された場合。
- 施設入所: 子どもが児童福祉施設などに入所している場合。
- 年金受給: 子どもが障害を理由とする公的年金を受給している場合。
これらの理由に該当しないか、申請前にお住まいの市区町村の窓口で確認することが必須です。
却下された場合の対処法
申請が却下された場合、この決定に不服があれば「審査請求」という不服申し立ての手続きを行うことができます。
審査請求は、決定を知った日の翌日から原則として3ヶ月以内に、都道府県知事に対して行います。
審査請求を行う際は、なぜ却下されたのか理由を正確に把握し、必要であれば追加の資料を準備することが鍵となります。
手続きについては複雑な場合もあるため、まずはお住まいの市区町村の担当窓口に相談し、詳細な説明を受けるのがよいでしょう。
手続きの負担を減らすための工夫
特別児童扶養手当の申請や更新には、書類の準備など一定の手間がかかります。
しかし、いくつかのポイントを押さえることで、この負担を軽減することが可能です。
診断書作成をスムーズにする
申請には原則として指定の様式による医師の診断書が必要ですが、場合によっては提出を省略できることがあります。
例えば、以下のような手帳を所持している場合、診断書の代わりとすることができる場合があります。
- 療育手帳(A1またはA2など、自治体が定める重度の等級)
- 身体障害者手帳(視覚障害、聴覚障害、肢体不自由などで概ね1〜3級)
手帳で代用できるかどうかは、障害の種類や等級、自治体の判断によって異なります。
診断書を取得する前に、お持ちの手帳で申請が可能か、市区町村の窓口に確認することで、診断書作成の手間と費用を省ける可能性があります。
更新時期を管理する
手当の受給資格がある人は、毎年8月12日から9月11日までの間に「所得状況届」を提出する必要があります。
この手続きを忘れると、8月分以降の手当が受けられなくなるため、スケジュール管理が欠かせません。
多くの自治体では、7月下旬から8月上旬にかけて更新のお知らせが郵送されます。
この通知が届いたら後回しにせず、すぐに内容を確認し、期限内に提出できるよう準備を始めましょう。
スマートフォンのカレンダー機能に登録するなど、忘れないための工夫をすることが推奨されます。
所得制限で受給できない場合の代替支援
特別児童扶養手当は所得制限があるため、要件に該当する子どもがいても、所得が基準を超えると受給できません。
しかし、国の手当が受けられない場合でも、利用できる他の支援制度があります。
自治体独自の手当や助成
住んでいる市区町村によっては国とは別に、障害のある子どもやその家庭を対象とした独自の手当や助成制度を設けている場合があります。
例えば、以下のような支援が考えられます。
- 在宅重度障害者手当
- 医療費の助成
- 補装具や日常生活用具の給付・貸与
これらの制度は、所得制限の基準が国の手当と異なる場合や、所得制限がない場合もあります。
まずは市区町村の障害福祉担当窓口に、利用できる制度がないか相談してみましょう。
障害児福祉サービスの活用
手当のような現金給付だけでなく、障害のある子どもの生活を支えるための福祉サービスも大事です。
これらのサービスは、所得に応じて利用料の負担上限額が設定されているため、経済的な負担を抑えながら利用できます。
代表的なサービスには以下のようなものがあります。
- 児童発達支援: 未就学児を対象とした、日常生活の基本動作や集団生活への適応訓練などを行う。
- 放課後等デイサービス: 就学児を対象とした、放課後や長期休暇中の生活能力向上のための訓練や居場所の提供を行う。
- 居宅介護(ホームヘルプ): 自宅での入浴、排せつ、食事などの介助を行う。
これらのサービスを利用することで、保護者の負担軽減にもつながります。利用できるサービスについては、市区町村の窓口や相談支援事業所に問い合わせてみましょう。
特別児童扶養手当に関するよくある質問
ここでは、特別児童扶養手当に関して多くの方が疑問に思う点について、Q&A形式で解説します。
手当を受給すると周囲に知られる?
いいえ、知られることはありません。
特別児童扶養手当を受給しているという事実は個人情報であり、行政機関には守秘義務があります。
自身で話さない限り、勤務先や近所の人などに知られることはありません。
更新を忘れたらどうなる?
所得状況届の提出を忘れると、8月分以降の手当の支給が一時的に差し止められます。
また、提出しないまま2年間が経過すると、手当を受ける権利そのものがなくなってしまいます。更新のお知らせが届いたら、必ず期限内に手続きを行いましょう。
手当は課税対象になる?
いいえ、特別児童扶養手当は非課税所得です。そのため、この手当を受け取っても所得税や住民税がかかることはありません。
また、税法上の扶養控除の判定においても、この手当は所得には含まれません。
まとめ
特別児童扶養手当には、制度上の直接的なデメリットはありません。しかし、申請や更新の手続きが必要であることや、所得制限によって支給されない場合があることなど、事前に知っておくべき注意点が存在します。
これらの注意点を正しく理解し、計画的に手続きを進めることが大切です。手当の受給は、障害のある子どもを育てる家庭の経済的・精神的な負担を軽減するための重要な権利です。
自身が対象になるか分からない場合や、手続きに不安がある場合は、まずはお住まいの市区町村の担当窓口に相談してみましょう。
子育てにはさまざまな費用がかかります。将来のためにどのくらいのお金が必要か、一度シミュレーションしてみてはいかがでしょうか。
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監修
山本 務
- 特定社会保険労務士/AFP/第一種衛生管理者
東京都練馬区で、やまもと社会保険労務士事務所を開業。企業の情報システム、人事部門において通算28年の会社員経験があるのが強みであり、情報システム部門と人事部門の苦労がわかる社会保険労務士。労務相談、人事労務管理、就業規則、給与計算、電子申請が得意であり、労働相談は労働局での総合労働相談員の経験を生かした対応ができる。各種手続きは電子申請で全国対応が可能。また、各種サイトで人事労務関係の記事執筆や監修も行っている。
執筆
マネイロメディア編集部
- お金のメディア編集者
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