
ゼロクーポン債の4つのデメリットとは?途中売却リスクから税金まで知っておきたい注意点
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「ゼロクーポン債はデメリットが多い」という話を聞いて、投資をためらっていませんか。
ゼロクーポン債には金利リスクや為替リスクなど、事前に知っておくべき注意点が存在します。しかし、商品の特徴やリスクを正しく理解すれば、将来の資産形成に役立つ選択肢となります。
本記事では、ゼロクーポン債の主要なデメリットを5つに整理し、仕組みとリスクを専門家がわかりやすく解説します。
- ゼロクーポン債の5つの主要なデメリット(元本割れの可能性がある、金利リスク、為替リスクなど)
- ゼロクーポン債と比較されやすい商品、そのメリットデメリット
- デメリットを理解すれば、複利効果を活かした長期的な資産形成に有効な手段となる
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ゼロクーポン債とは?基本的な仕組みを理解する
ゼロクーポン債のデメリットを説明する前に、まずは基本的な仕組みについて理解を深めておきましょう。
ゼロクーポン債は、名前の通りクーポン(利子)がゼロの債券で、「割引債」とも呼ばれます。
定期的な利子の支払いはなく、額面金額から割り引かれた価格で発行され、額面金額と購入金額の差額がリターンになります。
ゼロクーポン債は利払いがない分、複利効果を得やすいとされていますが、リターンを重視するなら、比較対象の商品も含め、それぞれの最終利回りを確認してから選択することが大切です。
利付債との違い
債券は利払い方法の違いにより、利付債と割引債に分類されます。
利付債とは、額面金額で購入し、半年ごとなど、定期的に利子が受け取れる仕組みの債券です。身近な債券で言えば、個人向け国債などがあり、日本で発行される多くの社債も利付債です。
利子がもらえることに加え、満期時には元本も戻ってくるというシンプルな仕組みで、商品性が理解しやすいのもメリットのひとつです。
一方、割引債の場合、途中で利子の支払いはありません。
そのかわり、額面が100万円なら、たとえば90万円で購入でき、額面の100万円が償還金として返済されます。購入価格90万円と額面金額100万円の差額である10万円は、投資家の利益(償還差益)になります。
保有期間中は利付債のように利子は受け取れませんが、購入時に利益をまとめて受け取る仕組みであることが、ゼロクーポン債と利付債の主な違いです。
ゼロクーポン債の4つの主要なデメリット
ゼロクーポン債は将来の資産形成に役立つ一方、投資前に理解しておくべきデメリットが4つあります。
これらのリスクを知ることで、自身の投資スタイルに合っているかを判断できます。
①利払いがなく、定期収入が得られない
ゼロクーポン債は、保有期間中に利子(クーポン)の支払いがない債券です。利益は満期時の償還差益として、一度にまとめて受け取ることになります。
そのため、例えば、年金生活の補填として定期収入を確保したい場合や、利子を生活費に充てたいと考えている場合など、定期的なキャッシュフローが目当ての投資家には向いていないかもしれません。
利付債であれば半年に1回などの頻度で利子収入が得られるので、投資の目的が、定期的なインカムゲインの確保である場合は、ゼロクーポン債以外の金融商品を検討するのが望ましいでしょう。
②元本割れの可能性がある
ゼロクーポン債に限らず、債券投資にはリスクがあります。
債券の種類によってリスクの程度は異なりますが、とりわけゼロクーポン債は、利払いが無い分、価格変動が大きくなりやすいという特徴があります。
また、償還までの期間が長い債券の場合も同様に、リスクが大きくなる傾向があります。
債券投資にはさまざまなリスクがありますが、金利リスクや為替リスクは、中途解約時や償還時に関係し、最悪の場合は元本が割れる可能性があります。
金利リスク
一般的に、債券価格は市場の金利動向に影響を受けて変動し、市場金利が上昇すると債券の価格は下落し、金利が低下すると価格は上昇します。
もし満期前に現金が必要になり、ゼロクーポン債を売却する場合、債券の時価での取引となるため、取引価格が金利に影響を受けて元本が割れる可能性があります。

為替リスク(外貨建ての場合)
日本国内で個人投資家が購入できるゼロクーポン債の多くは、米ドル建てなどの外貨建てです。
そのため、債券価格は為替の影響を受けて変動することになります。
償還時が購入時よりも円高であれば、外貨ベースでは利益が生じていても、円に換算した際に目減りする可能性があります。反対に、購入時よりも円安であれば、予想よりも大きく利益が生じる可能性もあります。

③流動性リスク
流動性リスクとは、売りたい時にすぐに売れなかったり、希望する価格で売れなかったりする可能性のことです。
ゼロクーポン債は、株式のように取引所が整備されているわけではなく、主に証券会社との相対取引で売買されます。そのため、市場の状況や銘柄によっては、買い手が見つかりにくくなることがあります。
発行量が少ない銘柄や、信用格付けが低い銘柄、あるいは市場が混乱している状況下では、流動性が低下しやすくなります。
満期まで保有する前提であればこのリスクは表面化しませんが、急に資金が必要になり途中売却を考えた際に、売却したい価格で売れなかったり、スムーズに換金できない可能性がある点はデメリットとして認識しておく必要があります。
④NISAでは購入できない
NISA口座では株式や投資信託の利益が非課税になりますが、債券であるゼロクーポン債は、NISA(少額投資非課税制度)を通じて購入することができません。
そのため、ゼロクーポン債の償還差益や途中売却で得た譲渡益には、20.315%(所得税15.315%、住民税5%)の税金が課されます。
また、確定申告に関してですが、特定口座を通じてゼロクーポン債を購入する場合は、一般的に必要はありません。※必要に応じて確定申告をすると、他口座との損益通算や繰越控除が可能です。
一般口座で取引した場合、実際の利益とは異なる「みなし償還差益」に対して源泉徴収が行われます。差額を精算するために確定申告が必要になるなど、手続きが煩雑になる可能性があります。
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デメリットを踏まえた上での活用方法
ゼロクーポン債のデメリットを理解すれば、それを逆手にとった賢い活用法が見えてきます。
リスクを管理しつつ、ゼロクーポン債ならではのメリットを引き出すための3つのポイントを紹介します。
満期まで保有できる資金で運用
ゼロクーポン債の価格変動リスクを回避する方法は、満期まで保有し続けることです。
そのためには、投資する資金が「満期まで引き出す必要のない余裕資金」であることが必須条件となります。
例えば、以下のような目的に合わせた活用が考えられます。
- 教育資金: お子さまの大学入学など、資金が必要になる時期が明確な場合(10年後や15年後など)、この時期に満期が来るゼロクーポン債を購入する。
- 老後資金: 自身の退職時期に合わせて満期を設定し、年金に上乗せする資金として購入する。
将来のライフイベントに合わせ、計画的に満期を設定することで、途中売却のリスクを心配することなく、購入時に確定した利回りを得ることができます。
複利効果を最大限活かす
ゼロクーポン債のメリットのひとつに、複利効果が挙げられます。
利付債の場合、定期的に利子が支払われるため、元本に利子を加えて再び運用する、いわゆる「複利」で運用することができません。
一方、ゼロクーポン債は、そもそも利払いが無く、保有期間中に課税されることもありません(※償還時は差益に対して課税されます)。そのため、効率よく資産を増やしやすい仕組みになっています。
とくに20年、30年といった超長期運用は、複利効果を活かしやすく、長期的な視点で資産を育てたいと考える人にとって、ゼロクーポン債は有効な選択肢となります。
金利低下局面では売却も選択肢に
ゼロクーポン債に限りませんが、債券は、市場金利の高い時期に購入することで、有利な条件の債券を保有することができます。
購入後、市場金利が低下し、債券価格が上昇してきたときは、売却を検討するタイミングにもなります。満期前に売却して、キャピタルゲイン(売却益)を狙うこともできるでしょう。
とくに、償還期間が長いゼロクーポン債は、金利変動による値動きが大きく、金利低下局面では、より大きなリターンが期待できる可能性もあります。
ただし、逆もしかりで、金利がさらに上昇する場面では、価格が相対的に下がりやすくなります。この点は注意が必要です。
基本は満期まで保有するというスタンスを維持しつつ、市場環境によっては、このような積極的な活用法も考えられると覚えておくとよいでしょう。
ゼロクーポン債以外の選択肢との比較
ゼロクーポン債のデメリットを考慮すると、他の金融商品の方が自身の投資目的に合っている場合もあります。
とりわけ利付債は、ゼロクーポン債の比較対象になりやすい商品です。ここで、あらためてメリットとデメリットを確認してみましょう。
- 利付債のメリット:定期的なキャッシュフロー(インカムゲイン)がある。投資の成果を実感しやすい
- 利付債のデメリット:利子を受け取るたびに課税されるため、複利効果が薄まる。複利と同様の運用成果を狙う場合、受け取った利子を再投資する手間がかかるなど再投資リスクがある
定期的な収入を重視するなら利付債、課税を繰り延べながら長期で効率よく資産を増やしたいならゼロクーポン債が向いています。
次に、利付債のひとつである個人向け国債や、その他の商品とも比較してみましょう。
個人向け国債
利付債に分類される個人向け国債は、日本政府が発行する個人投資家向けの国債です。
【個人向け国債のメリット】
- 円建てのため為替リスクがない
- 1万円から購入可能で始めやすい
- 発行から1年経過すれば、元本割れなく換金できる(変動10年)
【個人向け国債のデメリット】
- 米国債などに比べて利回りが低い
- 割引方式はない
為替リスクを避け、安全性を最優先したい場合には個人向け国債が適しています。
一方、ある程度のリスクを取ってでも高い利回りを求めるなら、外貨建てのゼロクーポン債を検討してみるとよいでしょう。
債券投資信託
投資信託のなかには、債券だけを組み入れているファンドもあります。
債券ファンドは、数多くの債券に分散投資しており、間接的な投資にはなるものの、債券投資と同様の運用成果が得られます。
【ゼロクーポン債と比較したメリット】
- 1つの商品で複数の債券に分散投資できる
- NISA口座で購入できる商品が多い
- 少額から始めやすい
【ゼロクーポン債と比較したデメリット】
- 信託報酬などの運用コストがかかる
- 商品の仕組み上、満期や償還金がない
- 売却のタイミングは自分で決める必要がある
手軽に分散投資を始めたい、NISAの非課税メリットを活用したいという方には債券投資信託が向いています。
一方で、満期と償還額が確定している安心感を求めるなら、個別のゼロクーポン債が適しています。
投資判断のチェックポイント
ゼロクーポン債への投資を最終的に決める前に、自身の状況が投資に適しているかを確認するためのチェックポイントを4つ紹介します。
すべてに納得できるか、あらためて考えてみましょう。
使途予定のない余裕資金か
ゼロクーポン債は、価格変動リスクのある金融商品です。途中で引き出す予定のある資金で投資をすると、売却のタイミングによっては、元本割れの可能性があります。
「この資金は、〇年間は手を付けなくても生活できる」と判断できる資金で投資することが、運用成功への第一歩です。
金利上昇リスクを許容できるか
債券投資では、金利の影響は避けられないリスクです。価格が変動する可能性を理解したうえで、投資するかどうかを検討しましょう。
とくに、退職金など、まとまった資金を長期投資する場合などは、金利上昇による価格変動が精神的な負担になる可能性もあります。
自身が短期的な値動きに惑わされないか、慌てて解約してしまわないかなど、購入前に投資方針を確認しておくことが大切です。
税金面での影響を理解しているか
ゼロクーポン債は投資信託や株式のように、NISAを通じて購入することはできません。そのため、債券投資で得た利益(償還差益・譲渡益)に関しては、20.315%の税金がかかります。
償還時に一度に利益が確定するため、その年の所得によっては確定申告が必要になる場合もあります。
税引き後の手取り額を、事前にシミュレーションして確認しておくと安心です。
外貨建ての場合、為替リスクを理解しているか
米ドル建てなど、外貨建てのゼロクーポン債に投資する場合、外貨ベースでは資産が増えていても、購入時よりも円高が進んでいれば、円換算額が元本割れする可能性があります。
受け取った外貨をいずれ円に交換する予定があるなら、将来の為替レートが最終的なリターンに影響することを理解しておく必要があります。
どうしても為替リスクを避けたい場合は、利回りは低くなりますが、日本円建ての債券を検討してみましょう。

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債券は、比較的安定的な運用を目指しやすい一方で、金利や為替、信用リスクなど確認すべきポイントも少なくありません。
自分に合った債券の選び方や、資産全体のバランスに迷った時は、プロに相談するのも有効です。
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ゼロクーポン債のデメリットに関するよくある質問
ここでは、ゼロクーポン債のデメリットに関して、投資家からよく寄せられる質問とこの回答をまとめました。
途中売却すると必ず損する?
いいえ、必ず損をするわけではありません。
購入時よりも市場金利が低下していれば、債券価格は上昇するため、売却益を得られる可能性があります。損失が生じやすくなるのは、主に市場金利が購入時よりも上昇している場合です。
税金はいつ支払う?
利益が確定したタイミングで課税されます。
満期まで保有した場合は、償還差益に対して償還時に課税されます。途中で売却した場合は、売却によって得た譲渡益に対して売却時に課税されます。
NISAで購入できる?
いいえ、個別のゼロクーポン債はNISA(少額投資非課税制度)の対象外です。
ゼロクーポン債を含む米国の債券などに投資する「投資信託」や「ETF」であれば、NISA口座で購入可能な商品がありますが、この場合はゼロクーポン債を直接購入するわけではないので、分けて考える必要があるでしょう。
まとめ
ゼロクーポン債には、途中で売却する場合の価格変動リスクや為替リスクがあるほか、流動性リスクや利払いが無いといったデメリットがあります。
こうした特徴を十分に理解せずに投資すると、想定していなかった損失につながる可能性があります。
一方で、ゼロクーポン債は満期まで保有することを前提とした長期投資向けの商品です。購入時点で将来受け取れる金額が決まっており、保有期間中は利子が支払われないため、複利効果を活かした資産形成が期待できます。
特に、教育資金や老後資金など、将来の決まったタイミングで使うお金を準備する目的には適した金融商品といえるでしょう。
ゼロクーポン債を活用する際は、メリットとデメリットの両方を理解したうえで、自分の投資目的やリスク許容度に合っているかを判断することが大切です。
もし、自分の資産状況や目標にゼロクーポン債が適しているか判断に迷う場合は、専門家に相談するのも一つの方法です。
まずはシミュレーションを行い、自分に合った資産形成の方法を確認してみるとよいでしょう。
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監修
土屋 史恵
- ファイナンシャルプランナー/金融ライター/編集者
神戸市外国語大学卒業後、外資系生命保険会社、都市銀行にてリテール営業、法人営業に携わる。遺言信託など資産承継ビジネスに強み、表彰歴あり。その後は長年の金融機関勤務経験を活かし、金融メディアに転職。記事執筆や編集などを担当。現在はフリーランスとして活動中。AFP、FP2級、証券外務員一種を保有。
執筆
マネイロメディア編集部
- お金のメディア編集者
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