

バランス型ファンドをおすすめしない4つの理由とは?代わりに検討したい投資戦略と判断基準
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「バランス型ファンドは初心者におすすめ」と聞いて検討しているものの、「おすすめしない」という意見もあって、どちらが本当か悩んでいませんか。
1本で分散投資できる手軽さが魅力ですが、実は見落としがちなデメリットもあります。
本記事では、バランス型ファンドをおすすめしない理由から、代わりの投資戦略まで詳しく解説します。
- バランス型ファンドをおすすめしないと言われる4つの理由
- 自分がバランス型ファンドに向いているかどうかの判断基準
- バランス型ファンドの代わりに検討できる具体的な投資戦略
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バランス型ファンドとは?基本の仕組み
バランス型ファンドは、1つの投資信託で複数の異なる資産(アセットクラス)に分散して投資ができる金融商品です。この手軽さから、投資の第一歩として選ばれることも少なくありません。
まずは、バランス型ファンドの基本的な仕組みを理解しておきましょう。


複数の資産を組み合わせて運用

バランス型ファンドは、株式や債券、REIT(不動産投資信託)といった、値動きの特性が異なる複数の資産を組み合わせて運用される投資信託です。
例えば、国内外の株式、債券、REITなど8つの資産に均等に投資する「8資産均等型」などが代表的です。
1つの商品を購入するだけで、自動的に世界中のさまざまな資産へ分散投資が完了するため、投資初心者にとって手軽に始めやすい点が特徴です。
自動リバランスで手間いらず
バランス型ファンドのメリットの1つに、運用会社が自動で資産配分の比率を調整(リバランス)してくれる点が挙げられます。
運用を続けていると、価格が上昇した資産の割合が増え、下落した資産の割合が減ることで、当初決めた資産配分が崩れてしまいます。
リバランスとは、値上がりした資産を一部売却し、値下がりした資産を買い増すことで、元の比率に戻す作業のことです。
リバランスはリスク管理のために欠かせませんが、個人で行うには手間がかかります。
バランス型ファンドは、リバランスを自動で行ってくれるため、投資家自身が市場の状況を見て売買する手間を省く効果が期待できます。
バランス型ファンドをおすすめしない4つの理由

1本で手軽に分散投資ができるバランス型ファンドですが、「おすすめしない」という意見も聞かれます。
こうした意見の背景には、商品の構造的な課題や、投資家個人の状況とのミスマッチが考えられます。
ここでは、バランス型ファンドがおすすめされない主な4つの理由を解説します。
理由① 市場環境の変化に合わせた運用が難しい
バランス型ファンドの多くは、資産配分が「株式50%、債券50%」のように固定されています。そのため、市場の状況が変化しても、資産の比率を柔軟に変更することができません。
例えば、株式市場が長期的な上昇トレンドにある局面でも、ファンドは機械的に値上がりした株式の一部を売却し、比率が下がった他の資産を買い増すリバランスを行います。結果として、さらなる成長の機会を逃してしまう可能性があります。
市場の動向を読んで機動的に資産配分を変更するアクティブファンドなどと比較すると、柔軟な対応力の乏しさがデメリットとなる場合があります。
理由② 実際の市場規模を反映した投資になりにくい
8資産均等型ファンドは、国内外の株式・債券・REIT等に均等な⽐率で投資することを特徴としています。現実の金融市場では、それぞれの資産クラスの市場規模(時価総額)は異なります。
例えば、世界の先進国株式市場が数千兆円規模であるのに対し、日本の不動産投資信託(J-REIT)市場は数百分の一程度の規模です。市場規模が小さい資産は、まとまった資金の流出入によって価格が変動しやすい傾向があります。
8資産均等型では、巨大な先進国株式市場と、比較的小規模な国内REIT市場に同じ比率(12.5%)で投資することになります。
これは、ポートフォリオ全体のリスクを意図せず高めてしまう「非効率な分散」につながる可能性があると指摘されています。
理由③ 株式比率が低く、リターンが伸びにくい
バランス型ファンドは、リスクを抑えるために値動きが比較的安定している「債券」を資産の一部に組み入れています。一般的に、債券は株式よりも期待できるリターンが低い資産です。
そのため、ポートフォリオに債券の比率が高いバランス型ファンドは、株式100%の投資信託と比較した場合、長期的なリターンは低くなる傾向があります。リスクを抑えられる半面、資産成長のペースは緩やかになる傾向があります。
また、信託報酬などの手数料が、個別のインデックスファンドを組み合わせるよりも割高になる傾向があることも、リターンを抑制する一因となります。
長期運用においては、わずかな手数料の差が最終的なリターンに影響を与えるため、注意が必要です。
理由④ ライフステージに応じた見直しがしづらい
資産運用における最適な資産配分は、投資家の年齢やライフステージによって変化します。
例えば、投資期間を長く確保できる20代・30代は、積極的にリスクを取って株式の比率を高める戦略が合理的です。一方、退職が近い50代・60代は、資産を守ることを重視し、債券の比率を高めるのが一般的です。
しかし、バランス型ファンドは、すべての投資家に対してあらかじめ決められた画一的なポートフォリオを提供します。「株式の比率を増やしたい」「新興国への投資は避けたい」といった、個々の状況に合わせた調整ができません。
自身の投資戦略を明確に持っている人や、ライフステージの変化に合わせて資産配分を見直したい人にとっては、柔軟性の欠如がデメリットとなります。
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バランス型ファンドが向いている人・向いていない人

バランス型ファンドにはデメリットがある一方で、分散投資の手軽さから特定のニーズを持つ投資家にとっては有効な選択肢となります。
どのような人がバランス型ファンドに向いていて、どのような人には向いていないのか、それぞれの特徴を整理してみましょう。

バランス型ファンドが向いている人
バランス型ファンドは、以下のような特徴を持つ人に向いていると考えられます。
- 投資初心者で、何から始めてよいかわからない人:1本で手軽に国際分散投資が始められるため、最初のステップとして適しています。
- 自分で資産配分を考えたり、リバランスをしたりするのが面倒な人:ファンドが自動で資産配分を維持してくれるため、手間をかけずに運用を続けられます。
- 大きなリターンよりも、リスクを抑えた安定的な運用を重視する人:価格変動が比較的マイルドなため、資産をなるべく減らしたくないという安定志向の人のニーズに応えます。
- 退職後の資産運用など、守りを重視したいシニア世代:資産を取り崩しながら運用する世代にとっても、価格変動リスクを抑えられる点はメリットです。
バランス型ファンドが向いていない人
一方で、以下のような考えを持つ人には、バランス型ファンドは不向きかもしれません。
- 長期的な視点で、より高いリターンを目指したい人:株式100%のファンドに比べて期待リターンが低くなるため、物足りなさを感じる可能性があります。
- 自分で投資対象を選び、資産配分をコントロールしたい人:資産配分が固定されているため、独自の投資戦略を実行したい人には向きません。
- 運用コストを極限まで抑えたい人:低コストな商品もありますが、自分で複数の低コストファンドを組み合わせるほうが、さらに手数料を抑えることが可能です。
- 投資に使える時間が十分にある20代〜40代の人:長期の運用期間を活かして、リスクを取り、資産形成を目指すほうが合理的である場合があります。
バランス型ファンドの必要性は人によって異なる【判断ポイント】

バランス型ファンドが自分に合っているかどうかは、最終的に個人の状況や考え方によって決まります。
すべての人にとって「ダメ」なわけではなく、有効な選択肢となるケースもあります。ここでは、自分に合っているかを判断するための3つのポイントを紹介します。
①運用期間
運用期間は、どの程度のリスクを取れるかを決める重要な要素です。
一般的に、20年や30年といった長期の運用期間を確保できる若い世代は、途中で価格が下落しても時間をかけて回復を待つ余裕があります。そのため、より高いリターンが期待できる株式中心のポートフォリオを組むことが合理的とされます。
一方、退職を控えているなど運用期間が10年未満と短い場合は、価格変動は避けたいところです。
こうしたケースでは、さまざまな資産に分散され、値動きが比較的マイルドなバランス型ファンドが選択肢に入ります。
②資産を減らしたくないかどうか
投資に対する考え方として、「積極的にリターンを狙いたい」のか、「なるべく資産を減らさずに安定的に運用したい」のかによって、選ぶべき商品は変わります。
高いリターンを目指すのであれば、株式100%のインデックスファンドなどが候補になりますが、その分、価格の下落リスクも高まります。相場の下落時に冷静でいられなくなり、投資をやめてしまう可能性がある人は注意が必要です。
元本割れのリスクをできるだけ抑え、心穏やかに投資を「継続すること」を優先したいのであれば、8資産均等型などのバランス型ファンドが持つ分散効果はメリットとなります。
③まとまった資金の有無
投資を始める際の資金状況も判断軸の1つです。毎月コツコツと少額を積み立てていくのか、あるいは退職金などである程度のまとまった資金を一度に投資するのかで、適切なリスクの取り方は異なります。
積立投資の場合、購入時期を分散することで価格変動リスクを抑える効果(ドルコスト平均法)が期待できます。そのため、比較的リスクの高い株式中心のポートフォリオでも始めやすいといえます。
一方、まとまった資金を一括で投資する場合、購入した直後に市場が暴落すると損失を被る可能性があります。
こうしたケースでは、リスクを抑えるためにバランス型ファンドを検討するのも1つの方法です。
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バランス型ファンドの代わりに検討したい投資戦略
バランス型ファンドのデメリットを理解した上で、より自分に合った投資を目指したいと考える人もいるでしょう。
ここでは、バランス型ファンドの代わりに検討できる、より柔軟で目的に合わせやすい投資戦略をいくつか紹介します。


株式を中心にしたシンプルな分散投資

より高いリターンを目指す場合、全世界の株式市場に連動するインデックスファンド1本に投資する戦略が考えられます。代表的なものに「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」などがあります。
この戦略のメリットは、世界経済の成長をまるごと享受できる点と、1本で完結するため管理がシンプルな点です。
バランス型ファンドと⽐べて債券やREITが含まれない分、価格変動リスクは⾼まりますが、⼀般的に株式は債券等と⽐べて⾼いリターンが期待される資産とされています。
20年以上の⻑期運⽤が可能な若い世代などにとっては、選択肢の⼀つといえるでしょう。
株式+債券の2~3資産に絞ったポートフォリオ
「株式100%ではリスクが高すぎるが、8資産均等は多すぎる」と感じる人は、自分で主要な資産クラスを組み合わせる方法があります。
例えば、「先進国株式インデックスファンド」と「先進国債券インデックスファンド」を、自身のリスク許容度に合わせて好きな比率(例:株式70%、債券30%)で購入します。この方法のメリットは、バランス型ファンドよりもさらに運用コストを抑えられる点と、自分のリスク許容度に合わせて資産配分を自由に設計できる点です。
主要なネット証券では、複数のファンドを組み合わせたポートフォリオ全体のバランスを確認できるツールも提供されており、以前より手軽に自作のポートフォリオを管理できるようになっています。
年齢・目的に応じて資産配分を変える
長期的な資産形成では、ライフステージの変化に合わせて資産配分を見直すことが欠かせません。
例えば、ライフステージに応じて資産配分を見直す考え方もあります。あくまで一般的な目安の一例ですが、若い年代では株式の比率を高めに、年代が上がるにつれて債券の比率を高めて安定性を重視する、といった戦略が考えられます。
【年代別ポートフォリオの一般的な考え方(一例)】
- 20代・30代: 株式80〜100%
- 40代・50代: 株式60〜70%、債券30〜40%
- 60代以降: 株式40〜50%、債券50〜60%
※上記はあくまで⼀般的な考え⽅の⼀例であり、個⼈のリスク許容度、投資⽬的、資産状況、収⼊の安定性等によって適切な資産配分は異なります。
また投資を⾏う際は、⽣活費や緊急時に備えるための⽣活防衛資⾦を確保したうえで、余裕資⾦の範囲内で資産配分を検討することが重要です。
自身の状況に合わせてポートフォリオを最適化していくことで、より効果的な資産形成が期待できます。
市場環境を見ながら必要に応じてリバランス
自分でポートフォリオを組む場合、定期的なメンテナンスとして「リバランス」を行うことが推奨されます。リバランスとは、資産配分の比率を当初決めた目標比率に戻す作業のことです。
例えば、「株式60%、債券40%」で始めたポートフォリオが、株価の上昇によって「株式70%、債券30%」になったとします。この場合、値上がりした株式の一部を売却し、売却資金で債券を買い増すことで、元の「60:40」の比率に戻します。
これにより、リスクを取りすぎてしまうことを防ぎ、ポートフォリオの安定性を保つ効果が期待できます。
リバランスの頻度についてはさまざまな見解がありますが、年に1回程度など、あらかじめ決めたルールに沿って行うのがおすすめです。
バランス型ファンドを選ぶ際の注意点

もし、さまざまな点を考慮した上でバランス型ファンドを選ぶのであれば、いくつか確認しておきたい注意点があります。
長期的なリターンに影響するコストと、商品のリスクを左右する資産配分は、購入前に必ずチェックしましょう。


信託報酬の水準を確認する
バランス型ファンドは、1つのファンドで複数の資産を管理・運用するため、個別のインデックスファンドと比較して信託報酬(運用管理費用)が割高になる傾向があります。
信託報酬は、投資信託を保有している間、信託財産から毎日間接的に差し引かれるコストです。長期投資では、このわずかな差が将来のリターンに影響を与えます。
例えば、「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」の信託報酬は年率0.143%と、バランスファンドの中では低い水準です。しかし、自分で低コストのインデックスファンドを組み合わせた場合、全体の信託報酬をさらに低く抑えることも可能です。
手間をかけずに分散投資をしたい場合でも、信託報酬の水準は必ず確認し、納得できるコストの商品を選びましょう。
(参考:eMAXIS Slim バランス(8資産均等型) | 三菱UFJアセットマネジメント)
資産配分の比率を理解する
バランス型ファンドと一口に言っても、資産配分の比率は商品によってさまざまです。株式の比率が高いほどリスクと期待リターンは高くなり、債券の比率が高いほどリスクと期待リターンは低くなるのが一般的です。
例えば、同じバランス型ファンドでも、株式比率が30%のものと70%のものでは、値動きの大きさが異なります。また、新興国の資産が含まれているかどうかも、リスクの度合いを左右する重要なポイントです。
購入を検討する際には、当該ファンドがどのような資産に、どのくらいの比率で投資しているのかを「目論見書」などで必ず確認し、自分のリスク許容度に合っているかを判断することが大切です。
バランス型ファンドに関するよくある質問
バランス型ファンドを検討する際によく聞かれる質問について、専門家の視点から回答します。
具体的な商品や他の投資手法との比較を通じて、より深い理解を目指しましょう。


Q. 8資産均等型はダメ?
「8資産均等型がダメ」というわけではありませんが、商品の特性を理解した上で投資することが肝となります。
8資産均等型は、各資産の市場規模を考慮せずに一律12.5%ずつ投資するため、非効率な分散になる可能性があります。
また、国内債券のように期待リターンが低い、あるいはマイナスリターンとなっている資産も含まれるため、全体のパフォーマンスが押し下げられることもあります。
一方で、1本で手軽に幅広い資産に分散投資できる手軽さはメリットです。投資の手間をかけたくない人や、安定性を重視する人にとっては有力な選択肢となり得ます。
Q. オルカンとバランス型はどちらがよい?
「オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー))」とバランス型ファンドのどちらがよいかは、投資家のリスク許容度と投資目的によって異なります。
オルカンは全世界の株式に100%投資するため、バランス型ファンドに比べて価格変動リスクは高くなりますが、⼀般的に株式は債券等と⽐べて⾼いリターンが期待される資産とされています。
世界経済の成長の恩恵を大きく受けたい、長期的な視点で資産を増やしたい人に向いていると考えられます。
一方、バランス型ファンドは債券なども含むため、オルカンよりも値動きがマイルドです。リターンよりも、リスクを抑えた安定的な運用を重視する人に向いています。
自身の考え方に合わせて選ぶことが大切です。
Q. バランス型の信託報酬は高い?
一般的に、バランス型ファンドの信託報酬は、個別のインデックスファンドを自分で組み合わせる場合よりも高くなる傾向があります。
これは、1つのファンド内で複数の資産を管理・リバランスするためのコストがかかるためです。
ただし、近年は低コストのバランス型ファンドも増えています。例えば「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」の信託報酬は年率0.143%と、バランスファンドの中では低い水準です。
それでも、全世界株式インデックスファンド(約0.06%台)などと比較するとコストは高くなります。
手間を省くためのコストと割り切れるかどうか、自身の価値観で判断することが鍵となります。
まとめ

バランス型ファンドは、1本で手軽に分散投資が始められるため、投資初心者や手間をかけたくない人にとって魅力的な商品です。
しかし、「おすすめしない」と言われる背景には、市場環境への対応の難しさ、非効率な資産配分、期待リターンの低さ、ライフステージに合わせた調整のしづらさといった理由があります。
これらのデメリットがある一方で、リスクを抑えた安定運用を最優先したい人にとっては、有力な選択肢となり得ます。
重要なのは、「誰かにとってよい商品」が「自分にとってもよい」とは限らないということです。
自身の運用期間、リスク許容度、投資目標を明確にし、それに合った投資戦略を選ぶことが、資産形成を成功させる鍵となります。
本記事で紹介した判断軸を参考に、自身がバランス型ファンドに向いているのか、それとも別の戦略が合っているのかをじっくり検討してみましょう。
自分に合った投資戦略が何か迷った時は、専門家のアドバイスを参考にするのも1つの方法です。
まずは簡単な診断で、自身の投資タイプを確認してみてはいかがでしょうか。
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