NISAのロールオーバーとは?新NISAへはできない理由と非課税期間が終わる前の対応

NISAのロールオーバーとは?新NISAへはできない理由と非課税期間が終わる前の対応

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「旧NISAの非課税期間がもうすぐ終わるけれど、ロールオーバーすればいい?」「何もしないとどうなる?」と迷っている人も多いでしょう。

結論から言うと、2023年までの旧NISAで買った商品を、2024年からの新NISAにロールオーバー(移す)ことはできません。

非課税期間が終わる商品は、①期間内に売る ②課税口座に移してそのまま持つ ③売って新NISAで買い直すのいずれかを選ぶことになります。

特に、2022年に一般NISAで買った商品は、2026年12月末で非課税期間が終わります。年末の売却には期限があるため、早めに確認しておきましょう。

この記事を読んでわかること
  • ロールオーバーは旧NISA(一般NISA)の仕組みで、新NISAへは移せない。新NISAは非課税期間が無期限なのでロールオーバー自体が不要
  • 非課税期間が終わると、商品は自動で課税口座(特定口座・一般口座)に移り、期間終了時の価格が新しい取得価格になる
  • 値下がりしている商品をそのまま課税口座に移すと、税金面で不利になることがある。ケースごとに選び方が変わる

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NISAのロールオーバーとは?

ロールオーバーとは、旧一般NISAの非課税保有期間(5年間)が終了する際に、保有商品を翌年の非課税投資枠に移し、さらに5年間非課税で保有できる仕組みです。

2023年までの旧一般NISAでは、非課税保有期間が5年間に限られていました。そのため、期間終了後も非課税で運用を続けたい場合は、ロールオーバーを利用することができました。

旧NISA(2023年まで)
新NISA(2024年から)
一般NISA
非課税期間5年。ロールオーバーで延長が可能だった
なし
つみたてNISA
非課税期間20年。ロールオーバーなし
なし
新NISA(つみたて投資枠・成長投資枠)
—
非課税期間は無期限。ロールオーバーは不要

(参考:金融庁「NISA特設ウェブサイト」)

旧NISAから新NISAへはロールオーバーできない

2024年から始まった新NISAは、旧NISAとは別の制度として作られました。そのため、旧NISAで持っている商品を新NISAの口座にそのまま移すことはできません。

旧NISAで買った商品を新NISAで非課税のまま持ちたい場合は、一度売って現金にし、新NISAの投資枠で買い直す必要があります。

新NISAでは「5年で終わる」ことはない

新NISAは非課税期間が無期限です。「新NISAで5年たったらどうなる?」「何年でロールオーバーが必要?」と心配する必要はありません。

期限がないため、ロールオーバーという手続き自体がなくなりました。


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あなたの旧NISAはいつ終わる?早見表

非課税期間が終わるタイミングは、NISAの種類と買った年で決まります。

種類
買った年
非課税期間が終わる時期
一般NISA
2021年
2025年12月末(終了済み)
一般NISA
2022年
2026年12月末
一般NISA
2023年
2027年12月末
つみたてNISA
2018年〜2023年
買った年から20年後の12月末(例:2018年→2037年末)
ジュニアNISA
2016年〜2023年
5年の期間終了後は「継続管理勘定」に移り、子どもが18歳になる年の前年末まで非課税【要確認:表現】

自分の商品がいつ買ったものかは、証券会社の「保有商品」画面などで、旧NISAの取得年ごとに確認できます。

非課税期間が終わるとどうなる?-自動で課税口座へ

何も手続きをしないと、非課税期間が終わった商品は、翌年の初めに自動で課税口座に移されます。特定口座を持っていれば特定口座、持っていなければ一般口座です。

ここで覚えておきたいのは、非課税期間が終わる年の最後の営業日の価格(終値)が、新しい取得価格になるという点です。

それ以降の値上がり益や配当には税金(約20%)がかかります。

(参考:【旧NISA】非課税期間が満了した後の取得単価および損益について教えてください : SBI証券)
(参考:2023年までの旧NISA(一般NISA)での非課税期間満了時の対応について|お客様サポート|野村證券)

例:値上がりしている場合と、値下がりしている場合

例1:120万円で買い、期間終了時に150万円に値上がりしていた

  • 新しい取得価格は150万円
  • その後170万円で売ると、課税されるのは 20万円(170万円−150万円)
  • 120万円→150万円の30万円の値上がり分は非課税のまま

例2:120万円で買い、期間終了時に100万円に値下がりしていた

  • 新しい取得価格は100万円
  • その後130万円で売ると、課税されるのは 30万円(130万円−100万円)
  • 買った値段(120万円)から見れば10万円の利益しかないのに、30万円に課税される
ポイントの解説

このように、値下がりした状態で課税口座に移すと、本来の利益より多くの税金がかかることがあります。

また、NISA口座で出た損失は、他の口座の利益と相殺(損益通算)できません。

非課税期間終了前の3つの選択肢

旧一般NISAの非課税期間が終了する際は、売却する・課税口座に移管する・新NISAで買い直すという3つの選択肢があります。

それぞれの特徴を理解し、今後の運用方針や資金の使い道に応じて判断しましょう。

選択肢
向いているケース
注意点
①非課税期間内に売る
利益が出ている/お金を使う予定がある
年末までに受渡しを終える必要がある
②何もせず課税口座に移す
値上がりしていて、今後も持ち続けたい/新NISAの枠を別の商品に使いたい
移した後の値上がり益には課税される
③売って新NISAで買い直す
今後も非課税で持ち続けたい/新NISAの枠に余裕がある
新NISAの投資枠を使う。売買の間に価格が動くことがある

新NISAで運用を続けたい場合は、いったん売却して買い直す必要があります。

また、新NISAで買い直せるのは、同制度の対象商品に限られます。購入前に対象商品かどうかを確認しましょう。

非課税期間終了後はどれを選ぶ?【ケース別】

旧一般NISAの非課税期間が終了する際は、保有商品の損益状況や今後の運用方針、新NISAの投資枠などを踏まえて判断することが大切です。

状況別に検討したい選択肢をまとめました。

ケース
検討したい選択肢
判断のポイント
値上がりしており、今後も保有したい
③売却して新NISAで買い直す
今後の値上がり益も非課税にできる。新NISAの投資枠に余裕がなければ②も選択肢
値下がりしている
①売却する/③新NISAで買い直す
今後も保有したいかを判断する。②の場合、移管後の値上がりに課税される可能性がある
値上がりしており、資金を使う予定がある
①非課税期間内に売却する
非課税期間内に売却すれば、利益に税金がかからない
株主優待の長期保有特典がある株式
②課税口座に移管する
売却すると長期保有の条件を満たさなくなる場合があるため、優待制度の条件を確認する

特に注意したいのが、値下がりしている商品を課税口座に移管するケースです。

ポイントの解説

例えば、100万円で購入した商品が70万円に値下がりした状態で課税口座に移管されると、取得価額は70万円に変更されます。その後、100万円まで値上がりして売却した場合、当初の購入価格に戻っただけでも、30万円の利益に対して課税されます。

ただし、値下がりしているからといって、必ず売却や買い直しが有利になるわけではありません。今後の値動きや売買コストも考慮する必要があります。

判断に迷った場合は、新NISAの年間投資枠(最大360万円)と非課税保有限度額(1800万円)の残りを確認し、今後の資産運用の方針に合った方法を選びましょう。


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売却して新NISAで買い直す手順と年末の期限

  1. 証券会社の画面で、非課税期間が終わる商品(2022年購入分の一般NISAなど)を確認する
  2. 年末の受渡しに間に合うように、旧NISA口座で売却する
  3. 受渡しが終わったら、新NISAの成長投資枠またはつみたて投資枠で買い直す

以下は楽天証券の例です。

2026年末の売却期限(目安)

商品
注文の期限
国内株式
【要確認:2026年12月28日(月)15時30分まで】
米国株式
【要確認:2026年12月25日午前7時まで(日本時間)】
投資信託
【要確認:12月22日(火)15:30まで(※申込受付日から起算して7営業日目に受渡となるファンドの例 )】

(参考:2026年のNISAお取引スケジュールのご案内 | 楽天証券 )

期限は証券会社・商品によって異なります。必ずご利用の金融機関の案内を確認してください。

なお、新NISAの成長投資枠は年間240万円までです。一度に買い直せない金額の場合は、年をまたいで買い直す方法もあります。

つみたてNISA・ジュニアNISAの場合

つみたてNISA

旧つみたてNISAは非課税期間が20年あり、ロールオーバーの仕組みはありません。

最も早く期間が終わるのは2018年に買った分で、2037年末です。期間が終わると、一般NISAと同じく課税口座に移ります。

ジュニアNISA

ジュニアNISAで保有している商品は、新NISAへロールオーバー(移管)することはできません。

ポイントの解説

5年間の非課税期間が終わった商品は「継続管理勘定」に移り、子どもが18歳になる年(1月1日時点で18歳である年)の前年末まで非課税で保有できます。

2024年以降は、子どもが18歳未満でも、口座を廃止すれば非課税で払い出せるようになりました。

ただし、一部だけを払い出すことはできず、払い出す場合は口座内のすべての商品が対象になります。

なお、2027年1月に始まる予定の「こどもNISA」へも、ジュニアNISAの資産を移すことはできません。

2027年1月からは子ども向けの新しい制度「こどもNISA」が始まりますが、ジュニアNISAからこどもNISAへ移すこともできません。

NISAのロールオーバーに関するよくある質問

Q. ロールオーバーの手続きを忘れたらどうなる?

 A. 2023年までは、手続きをしないと課税口座に移っていました。新NISAへのロールオーバーはそもそもできないため、今は「忘れる」心配はありません。非課税期間が終わった商品は自動で課税口座に移ります。

Q. 課税口座に移るときに税金はかかる?

A. 移るときには税金はかかりません。移った後に売ったときの値上がり益(期間終了時の価格からの値上がり分)に課税されます。

Q. 売却して新NISAで買い直すと、新NISAの枠を使う?

A. はい。買い直した金額分、新NISAの年間投資枠と生涯投資枠を使います。

新NISAでは売却すると翌年に枠が復活しますが、復活するのは「生涯投資枠(1800万円)」の枠のみであり、その年の「年間投資枠(最大360万円)」が復活するわけではない点に注意が必要です。 

Q. 旧NISA口座はそのまま放置しても大丈夫?

A. 口座の維持に手数料はかかりませんが、期間が終わる商品の扱いは確認しておきましょう。

まとめ

2022年に旧NISA(一般NISA)で購入した商品は、2026年12月末で非課税期間が終了します。新NISAへのロールオーバーはできないため、期間終了後の対応を検討する必要があります。 

  • ロールオーバーは旧NISA(一般NISA)の仕組みで、新NISAへのロールオーバーはできない
  • 2022年に一般NISAで買った商品は2026年12月末で非課税期間が終わる
  • 期間が終わると課税口座に移り、その時の価格が新しい取得価格になる。値下がりしている場合は不利になることがある
  • 選択肢は「期間内に売る」「課税口座に移す」「売って新NISAで買い直す」の3つ。値上がり・値下がりや新NISAの枠の残りで選ぶ

なお、年末の売却は受渡日によって非課税期間内に間に合わない場合があるため、早めの確認が大切です。 

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ご留意事項

  • 本記事は一般的な情報提供を目的として作成したものであり、特定の金融商品の取引を勧誘するものではありません。
  • 本記事の内容は記事公開時または更新時点の情報に基づいています。制度・法令・税制等の変更により、現在の情報と異なる場合があります。
  • 本記事の内容の正確性、完全性、最新性を保証するものではなく、予告なく変更または更新する場合があります。
  • 投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任とご判断のもとで行っていただきますようお願いいたします。

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執筆・監修
高橋 明香
  • 高橋 明香
  • ファイナンシャルアドバイザー/CFP®認定者

みずほ証券(入社は和光証券)では、20年以上にわたり国内外株、債券、投資信託、保険の販売を通じ、個人・法人顧客向けの資産運用コンサルティング業務に従事。2021年に株式会社モニクルフィナンシャル(旧:株式会社OneMile Partners)に入社し、現在は資産運用に役立つコンテンツの発信に注力。1級ファイナンシャル・プランニング技能士、一種外務員資格(証券外務員一種)保有。