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世帯年収1200万円で住宅ローンはいくら借りられる?無理のない適正額と返済計画

世帯年収1200万円で住宅ローンはいくら借りられる?無理のない適正額と返済計画

お金2026/07/14

    »あなたの将来資金はいくら必要?不足額と準備方法を診断

    世帯年収1200万円あれば、高額な住宅ローンも組めそうだと考えますよね。しかし、実際にいくらまで借りていいのか、将来の生活は苦しくならないか不安に思う人も多いのではないでしょうか。

    本記事では、世帯年収1200万円の場合の無理のない借入額や、共働きでローンを組む際の注意点を専門家が解説します。

    適切な資金計画を立て、後悔のないマイホーム購入を実現しましょう。

    (税金関連監修:税理士 黒澤美裕理

    この記事を読んでわかること
    • 世帯年収1200万円の手取り額と、無理なく返済できる住宅ローンの適正額
    • 共働き(パワーカップル)でペアローンを組む際のメリットと注意点
    • 教育費や老後資金も考慮した、後悔しないための長期的な資金計画の立て方


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    世帯年収1200万円の手取り額と住宅ローンの基本

    住宅ローンを検討する第一歩は、世帯の「手取り収入」を正確に把握することです。

    同じ年収1200万円でも、夫婦の働き方によって手取り額は変動します。その上で、家計に占める住居費の適切な割合を理解することが、無理のない返済計画の基礎となります。

    片働きと共働きで変わる手取り額

    同じ世帯年収1200万円でも、夫婦のどちらか一方が稼ぐ「片働き」と、夫婦で収入を得る「共働き」では、手取り額に差が生じます。日本の所得税は、収入が高いほど税率も上がる「累進課税」が採用されているためです。

    例えば、夫が1200万円を稼ぐ片働き世帯と、夫婦それぞれが600万円ずつ稼ぐ共働き世帯を比較すると、後者のほうが税負担が軽くなり、手取り額が多くなる傾向があります。

    具体的な手取り額の目安は以下の通りです。

    収入構成

    額面年収

    額面年収

    手取り年収(目安)

    手取り年収(目安)

    共働き(600万円+600万円)

    額面年収

    1200万円

    手取り年収(目安)

    約930万円

    共働き(700万円+500万円)

    額面年収

    1200万円

    手取り年収(目安)

    約930万円

    片働き(1200万円)

    額面年収

    1200万円

    手取り年収(目安)

    約870万円

    このように、収入の構成によって手取り額は年間で数十万円単位の違いが出ることがあります。

    住宅ローンを計画する際は、額面年収だけでなく、世帯の手取り額を基準に考えることが欠かせません。

    住宅ローン返済額は手取りの25%以内がセオリー

    住宅ローンの返済計画を立てる上で重要な指標が「返済負担率」です。返済負担率とは、年収に占める年間のローン返済額の割合を指します。

    ポイントの解説

    金融機関の審査では年収の35%程度までが上限とされることもありますが、これはあくまで「借りられる上限」です。家計に無理なく返済を続けるための「適正な返済負担率」は、一般的に手取り年収の20%~25%以内が目安とされています。

    例えば、手取り年収が960万円(月額80万円)の場合、月々の返済額は16万円~20万円がひとつの基準となります。

    この範囲内に収めることで、教育費や老後資金の準備、予期せぬ出費にも対応しやすくなり、長期的に安定した家計を維持できる可能性が高まります。

    住宅ローンを組む際は、借りられる上限額ではなく、適正な返済負担率を意識して借入額を決定することが重要です。

    借入可能額と適正額の違い

    住宅ローンを考える際、「借入可能額」と「適正額」は明確に区別する必要があります。

    金融機関が提示する借入可能額は、あくまで返済能力の上限であり、その金額を借りてしまうと家計が圧迫される可能性があります。

    本当に重要なのは、将来のライフプランを見据えた「無理なく返済できる適正額」を把握することです。

    住宅ローンは「いくら借りられるか」ではなく、「いくらなら安心して返済し続けられるか」を基準に考えることが、無理のない資金計画につながります。

    (参考:住宅ローンシミュレーション 現在の家賃・毎月の返済額から借入可能金額を調べる | みずほ銀行

    金融機関が貸してくれる上限額

    金融機関は、申込者の年収や勤務先、信用情報などをもとに融資の上限額を決定します。この際、多くの金融機関では返済負担率を年収の35%程度に設定し、借入限度額を算出します。

    住宅金融支援機構の調査によると、住宅ローン審査に用いる金利は、「貸出金利」が51.9%と最も多く、次は「審査金利」が43.4%です。

    審査に用いる金利は金融機関によって異なり、実際の貸出金利で審査する金融機関もあれば、将来の金利上昇を考慮した「審査金利」を用いる金融機関もあります。

    審査金利は3~4%程度に設定されることが多く、返済能力を慎重に確認するために用いられます。

    例えば、年収1200万円で返済負担率35%の場合、年間の返済上限額は420万円となります。審査金利3%、返済期間35年で計算すると、借入可能額は約9094万円が目安です。

    しかし、これはあくまで機械的に算出された上限額であり、個々の家計状況を反映したものではありません

    (参考:2025年度 住宅ローン貸出動向調査結果
    (参考:借入可能額の試算(返済額より算出)

    無理なく返済できる適正額

    無理なく返済できる「適正額」は、返済負担率を手取り年収の20~25%に抑えて算出するのが基本です。世帯年収1200万円の場合、家計に負担がかかり過ぎない借入額の目安は約5077万円~6346万円の範囲が適正と考えられます。

    以下の表は、年収別に金融機関が貸し出す可能性がある上限額と、返済負担率20~25%に抑えた場合で、無理なく借りられる金額を比較したものです。

    年収

    借入可能上限額 ※額面年収で計算

    借入可能上限額 ※額面年収で計算

    借入おすすめ額(返済負担率20~25%)※手取り年収で計算

    借入おすすめ額(返済負担率20~25%)※手取り年収で計算

    800万円(手取り約600万円)

    借入可能上限額 ※額面年収で計算

    約6400万円

    借入おすすめ額(返済負担率20~25%)※手取り年収で計算

    約3542万円~4428万円

    1000万円(手取り約730万円)

    借入可能上限額 ※額面年収で計算

    約8000万円

    借入おすすめ額(返済負担率20~25%)※手取り年収で計算

    約4310万円~5387万円

    1200万円(手取り約860万円)

    借入可能上限額 ※額面年収で計算

    約9600万円

    借入おすすめ額(返済負担率20~25%)※手取り年収で計算

    約5077万円~6346万円

    30歳・独身(扶養なし)金利1%・35年返済・元利均等・ボーナス返済なしで試算表の借入おすすめ額は、適用金利1%で試算した一例です。実際の借入上限額とは異なります。

    このように、金融機関が貸してくれる金額と、家計に無理のない借入額には差があります。子どもの教育費や老後のための貯蓄などを考慮すると、上限額に近い借り入れは家計を圧迫するリスクが高まります。

    将来のライフプランを見据えながら、無理なく返済できる資金計画を立てましょう。

    (参考:借入可能額の試算(返済額より算出)

    年収1200万円でも借りすぎになるケース

    世帯年収1200万円という高い収入があっても、住宅ローンを借りすぎてしまうと家計が破綻するリスクは十分にあります。

    注意が必要なのは、将来の支出増加や収入減少を見越していないケースです。

    例えば、以下のような状況が考えられます。

    • 教育費の増大:子どもの成長に伴い、塾や習い事の費用が増加。私立中学・高校・大学への進学を希望する場合、教育費は家計を圧迫する要因となります。
    • 生活水準の高さ:外食やレジャー、趣味などにお金をかけるライフスタイルの場合、想定以上に生活費がかさみ、返済の余裕がなくなることがあります。
    • 収入の変動:共働きを前提にローンを組んだ後、出産・育児や介護、転職などで夫婦のどちらかの収入が減少する可能性があります。
    • 物件の維持費:マンションの管理費や修繕積立金、固定資産税などのランニングコストが想定より高く、ローン返済以外の住居費負担が重くなるケースです。

    住宅ローンは「借りられる金額」ではなく、「将来にわたって返し続けられる金額」を基準に考えることが、後悔しないための重要なポイントです。


    現在の年収・貯蓄で問題ないのか気になるあなたへ

    老後に必要な資金を早めに把握し、計画的に準備を始めましょう。マネイロでは、今からでも間に合う老後資金づくりをサポートする無料ツールを利用いただけます。

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    借入額別の月々返済額シミュレーション

    住宅ローンの借入額によって、毎月の返済額はどのくらい変わるのでしょうか。ここでは、6000万円、7000万円、8000万円を借り入れた場合の返済額をシミュレーションします。

    また、マンション購入時にかかる追加費用や、金利が上昇した場合の影響についても見ていきましょう。

    本シミュレーションは特定の金利・期間を前提とした試算であり、実際の返済額を保証するものではありません。

    (参考:借入可能額の試算(返済額より算出)

    6000万円を借りた場合

    6000万円の住宅ローンを組んだ場合の返済額シミュレーションです。ここでは、多くの金融機関で基準となる返済期間35年、金利は全期間固定で1.5%と仮定します。

    借入額

    返済期間

    返済期間

    金利(固定)

    金利(固定)

    毎月の返済額

    毎月の返済額

    総返済額

    総返済額

    6000万円

    返済期間

    35年

    金利(固定)

    1.5%

    毎月の返済額

    約18万4000円

    総返済額

    約7716万円

    この場合、毎月の返済額は約18万4000円となります。世帯年収1200万円(手取り月収約80万円)の場合、返済負担率は手取りの約23%となり、一般的に無理のないとされる20~25%の範囲に収まります。

    教育費や老後資金の積立も比較的行いやすい水準といえるでしょう。

    7000万円を借りた場合

    次に、7000万円の住宅ローンを組んだ場合の返済額を見てみましょう。条件は6000万円のケースと同様に、返済期間35年、固定金利1.5%とします。

    借入額

    返済期間

    返済期間

    金利(固定)

    金利(固定)

    毎月の返済額

    毎月の返済額

    総返済額

    総返済額

    7000万円

    返済期間

    35年

    金利(固定)

    1.5%

    毎月の返済額

    約21万4000円

    総返済額

    約9002万円

    毎月の返済額は約21万4000円です。手取り月収約80万円の世帯では、返済負担率は約27%となります。適正範囲とされる25%を少し超えるため、家計管理をしっかり行う必要があります。

    子どもの教育費が増える時期や、予期せぬ出費に備えて、計画的な貯蓄が求められます。

    8000万円を借りた場合

    8000万円の住宅ローンは、世帯年収1200万円にとって挑戦的な水準です。同じく返済期間35年、金利1.5%でシミュレーションしてみましょう。

    借入額

    返済期間

    返済期間

    金利(固定)

    金利(固定)

    毎月の返済額

    毎月の返済額

    総返済額

    総返済額

    8000万円

    返済期間

    35年

    金利(固定)

    1.5%

    毎月の返済額

    約24万5000円

    総返済額

    約1億288万円

    毎月の返済額は約24万5000円となり、手取り月収約80万円に対する返済負担率は約31%に達します。この水準になると、家計への負担はかなり重くなります。

    生活費や教育費を切り詰める必要が出てくる可能性が高く、貯蓄や投資に回す余裕も少なくなるでしょう。

    8000万円のローンを組む場合は、共働きが継続できるか、将来的な収入アップが見込めるかなど、慎重な判断が不可欠です。

    マンション購入時の追加費用

    マンションを購入する場合、住宅ローンの返済以外にも継続的に発生する費用があります。これらの「住居の固定費」を考慮せずに資金計画を立てると、後々家計を圧迫する原因になります。

    主な追加費用は以下の通りです。

    • 管理費:共用部分の清掃や維持管理に使われる費用。物件の規模や設備によりますが、月1万円~3万円が一般的です。
    • 修繕積立金:将来の大規模修繕に備えて積み立てる費用。新築時は安く設定されていますが、築年数とともに値上がりするケースがほとんどです。
    • 固定資産税・都市計画税:不動産を所有している限り毎年かかる税金。物件の評価額によりますが、年間10万円~40万円程度が目安です。
    • 駐車場代:車を所有している場合、都心部では月数万円かかることもあります。
    • 火災保険・地震保険料:数年ごとに更新が必要な保険料です。

    これらの費用は、合計すると月々数万円から10万円以上になることもあります。住宅ローン返済額と合算した「総住居費」で、返済計画を考えることが鍵となります。

    金利が1%上昇した場合の返済額シミュレーション

    変動金利で住宅ローンを組む場合、将来の金利上昇リスクを考慮しておくことが不可欠です。ここでは、金利が1%上昇した場合に毎月の返済額がどのくらい増えるのかをシミュレーションします。

    借入額7000万円、返済期間35年のケースで見てみましょう。

    適用金利

    毎月の返済額(目安)

    毎月の返済額(目安)

    当初の返済額との差額

    当初の返済額との差額

    1.0%

    毎月の返済額(目安)

    約19万8000円

    当初の返済額との差額

    -

    2.0%

    毎月の返済額(目安)

    約23万2000円

    当初の返済額との差額

    +約3万4000円

    金利が1.0%から2.0%に上昇すると、毎月の返済額は約3万4000円増加し、年間では約40万8000円の負担増となります。

    借入額が多いほど、金利上昇の影響も増すため、変動金利を選ぶ際は、金利が上昇しても家計が耐えられるか、十分な貯蓄があるかなどを慎重に検討する必要があります。

    共働き(パワーカップル)が住宅ローンを組む際の注意点

    世帯年収1200万円を超えるような共働き世帯、いわゆる「パワーカップル」が住宅ローンを組む際には、夫婦2人の収入を合算して借入額を増やす「ペアローン」などの方法が選択肢になります。

    しかし、借入額を増やせるメリットの裏には、将来の収入変動リスクも潜んでいます。メリットだけでなく注意点も理解したうえで、自分たちに合った借入方法を選ぶことが大切です。

    2人の収入を前提にした借入のリスク

    夫婦2人の収入を前提に住宅ローンを組む場合、最大の注意点は「収入の変動リスク」です。

    ポイントの解説

    35年という長い返済期間中には、出産や育児、介護、転職、病気など、さまざまなライフイベントによって夫婦のどちらかの収入が減少する可能性があります。

    育児休業中は収入が一時的に減少し、時短勤務になれば収入が継続的に下がることも考えられます。

    現在の収入が将来も続くとは限らないことを念頭に置き、「片方の収入が減っても返済を続けられるか」という視点で借入額を検討することが、リスク管理の基本です。

    現在の収入を前提に無理のない返済計画を立てることはもちろん、収入が減少した場合でも家計を維持できるよう、余裕を持った資金計画を心がけるようにしましょう。

    ペアローンのメリット

    ペアローンとは、1つの物件に対して夫婦がそれぞれ住宅ローンを契約する方法です。主なメリットは以下の3つです。

    1. 借入可能額が増える:夫婦それぞれの収入で審査されるため、1人で借りるよりも多くの金額を借り入れることが可能です。
    2. 夫婦それぞれが住宅ローン控除を受けられる:年末のローン残高の0.7%が所得税・住民税から控除される住宅ローン控除を、夫婦2人とも利用できます。まず所得税から控除され、控除しきれない場合は一定額まで住民税からも控除されます。控除額の上限はそれぞれに適用されるため、世帯全体での節税効果が高まる可能性があります。
    3. 夫婦それぞれが団体信用生命保険(団信)に加入できる:万が一、夫婦のどちらかに不幸があった場合、当該人物の分のローン残高は保険で完済されます。これにより、残された側の返済負担を軽減できます。

    これらのメリットを活かすことで、より希望に近い物件を購入しつつ、税制上の優遇や万が一への備えを手厚くすることが可能です。

    (参考:住宅ローン控除について知りたい|公益財団法人 生命保険文化センター

    ペアローンのデメリット

    ペアローンにはメリットがある一方で、注意すべきデメリットも存在します。

    1. 諸費用が増える:住宅ローン契約が2本になるため、契約時に必要な印紙代や事務手数料、登記費用などがそれぞれにかかり、1本で契約する場合に比べて諸費用が高くなります。
    2. 収入減少時のリスク:夫婦のどちらかの収入が減少しても、それぞれの返済義務は変わりません。育休や時短勤務で収入が減った場合、返済負担が重くのしかかる可能性があります。
    3. 離婚時の手続きが複雑:万が一離婚する場合、物件の所有権やローン返済の分担をどうするかなど、手続きが複雑になりがちです。どちらかが住み続ける場合でも、相手の連帯保証を外すためにはローンの借り換えが必要になるなど、簡単にはいきません。

    ペアローンを検討する際は、これらのデメリットを十分に理解し、将来のリスクに備えた計画を立てることが不可欠です。

    片方の収入が減った場合の返済シミュレーション

    共働きを前提にペアローンを組んだ場合、片方の収入が減少すると家計にどの程度の影響が出るのでしょうか。

    例えば、世帯年収1200万円(夫600万円、妻600万円)で、毎月25万円を返済しているケースを考えてみましょう。この時点での手取り月収は約80万円で、返済負担率は約31%です。

    その後、妻が出産・育児のために時短勤務となり、年収が300万円に減少したとします。世帯年収は900万円に下がり、手取り月収は約65万円程度になります。

    状況でも毎月の返済額25万円は変わらないため、手取り月収に対する返済負担率は約38%に上昇します。返済負担率が35%を超えると、家計はかなり厳しくなり、貯蓄を取り崩したり、生活水準を下げたりする必要が出てくるでしょう。

    収入の変動は返済計画に影響を与えます。ペアローンを組む際は、出産・育児や転職、介護などによる収入の変化も想定し、片方の収入が減少した場合でも無理なく返済を続けられる借入額に設定しておくことが大切です。

    本シミュレーションは、収入や返済額が特定の条件で変動した場合の試算であり、将来の家計状況を保証するものではありません。

    無理のない住宅ローンを組むための資金計画

    後悔しない住宅購入のためには、長期的な視点に立った資金計画が不可欠です。

    ここでは、無理のない住宅ローンを組むための具体的なポイントを解説します。

    頭金はいくら用意すべきか

    住宅ローンを組む際、頭金を用意することは多くのメリットをもたらします。頭金とは、物件価格の一部を自己資金で支払うお金のことです。

    ポイントの解説

    一般的に、頭金は物件価格の1割~2割程度が目安とされています。例えば、6000万円の物件であれば600万円~1200万円です。

    頭金を多く入れることで、借入額を減らし、月々の返済額や総返済額を抑えることができます。また、金融機関によっては、頭金の割合に応じて金利が優遇される場合もあります。

    ただし、頭金を多く入れすぎると手元の現金が少なくなり、急な病気や失業といった不測の事態に対応できなくなるリスクがあります。

    そのため、生活費の半年~1年分程度の「緊急予備資金」は手元に残しておくことが推奨されます。

    貯蓄額やライフプランに合わせて、無理のない範囲で頭金の額を決めることが欠かせません。

    なお、三井住友信託銀行の「住まいと資産形成に関する意識と実態調査(2025年)」によれば、幅広い年齢層で頭金を入れずに住宅ローンを組むケースもみられます。

    教育費・老後資金とのバランス

    住宅ローンは、人生における三大支出の1つですが、残りの2つである「教育資金」と「老後資金」とのバランスを考えることが欠かせません。

    住宅ローンの返済に追われ、これらの資金準備がおろそかになると、将来的に家計が立ち行かなくなる可能性があります。

    子どもの教育費は待ったなしで必要になります。進路によっては、大学卒業までに1人あたり1000万円以上かかることも珍しくありません。

    また、ゆとりある老後を送るためには、公的年金に加えて夫婦で数千万円単位の自己資金が必要とされています。

    住宅ローンを組む際には、毎月の返済額に加えて、教育費や老後資金のための積立額を確保できるかどうかを必ずシミュレーションしましょう。

    住宅購入はゴールではなく、その後の生活を守り、豊かにするためのスタートです。長期的な視点で、3つの支出のバランスを取った資金計画を立てることが不可欠です。

    住宅ローン以外に必要な教育費・老後資金を試算

    住宅ローンと並行して準備が必要な教育費と老後資金は、具体的にどのくらい見積もっておけばよいのでしょうか。

    教育費

    子どもの進路によって異なりますが、文部科学省の調査によると、幼稚園から高校まですべて公立の場合で約617万円すべて私立の場合は約2085万円が学習費の総額となります。

    さらに大学費用として、国公立で約248万円私立文系で約411万円私立理系で約542万円が必要です。子ども2人が私立大学に進学する場合、住宅ローンとは別に1000万円以上の資金準備が求められます。

    老後資金

    ゆとりある老後生活を送るためには、公的年金以外に2000万円~3000万円の資金が必要といわれています。これはあくまで平均的なデータであり、理想のライフスタイルによってはさらに多くの資金が必要になるでしょう。

    これらの支出に備えるためには、住宅ローンの返済額を抑え、計画的にNISAやiDeCoなどを活用して資産形成を進めていくことが鍵となります。

    住宅購入前に、将来必要となる資金額を具体的に試算し、無理のない返済計画を立てましょう。
    (参考:令和5年度子供の学習費調査の結果|数値修正20260116差替|文部科学省
    (参考:国公私立大学の授業料等の推移|令和3年|文部科学省
    (参考:令和5年度私立大学入学者に係る初年度学生納付金等平均額(定員1人当たり)の調査結果について

    金利上昇リスクへの備え

    変動金利で住宅ローンを組む場合、金利上昇リスクへの備えは必須です。金利が上昇すると毎月の返済額が増え、家計を圧迫する可能性があります。

    対策としては、まず手元資金に余裕を持たせることが挙げられます。金利が上昇して返済額が増えても対応できるよう、貯蓄を厚めにしておくと安心です。

    また、繰り上げ返済を計画的に行うことも有効です。金利が低いうちに元本を減らしておくことで、将来金利が上昇した際の影響を小さくすることができます。住宅ローン控除で戻ってきた税金を繰り上げ返済に充てるなどのルールを決めておくとよいでしょう。

    さらに、金利の動向を注視し、上昇局面に入ったと感じたら固定金利への借り換えを検討するのも1つの手です。

    注意点

    ただし、借り換えには手数料がかかるほか、借り換え時点では固定金利も上昇している可能性が高い点には注意が必要です。

    どの対策を取るにせよ、金利が上昇しても慌てないように、あらかじめ複数のシナリオを想定しておくことが要となります。

    緊急予備資金の確保

    住宅購入にあたり、頭金を多く入れることは返済負担を軽減する上で有効ですが、貯蓄のすべてを頭金に充ててしまうのは危険です。病気や怪我、失業、会社の倒産など、予期せぬ出来事で収入が途絶えたり、急な出費が必要になったりする可能性があります。

    そのような万が一の事態に備えるためのお金が「緊急予備資金」です。一般的に、生活費の半年から1年分を、いつでも引き出せる普通預金などで確保しておくことが推奨されます。

    ポイントの解説

    例えば、毎月の生活費が40万円の家庭であれば、240万円~480万円が緊急予備資金の目安となります。この資金があることで、収入が一時的に減少しても、すぐに生活が困窮したり、住宅ローン返済が滞ったりする事態を避けることができます。

    住宅購入の際は、物件価格や諸費用、頭金だけでなく、必ずこの緊急予備資金を確保した上で、残りの資金をどう配分するかを考えるようにしましょう。

    住宅ローンを契約する前のチェックリスト

    住宅ローンは長期にわたる契約です。契約後に後悔しないためには、専門家のアドバイスを参考に、自身の状況に合った最適なプランを選択することが大事です。

    もし資金計画に少しでも不安があれば、一度立ち止まって相談することを検討しましょう。

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    世帯年収1200万円の住宅ローンに関するよくある質問

    ここでは、世帯年収1200万円の住宅ローンに関して、多くの人が抱く疑問にお答えします。

    Q. 世帯年収1200万円で買える家はいくら?

    返済負担率を20~25%に抑える場合、無理なく返済できる借入額の目安は約5077万円~6346万円です。頭金の額にもよりますが、この範囲に収まる物件価格が無理のない選択肢といえるでしょう。

    ただし、生活費や教育方針によって適正額は変わるため、個別の家計状況に合わせた判断が必須です。

    Q. 8000万円の住宅ローンは無謀?

    無謀とは一概に言えませんが、かなり挑戦的な水準です

    共働きで将来も安定した収入が見込める、十分な貯蓄がある、生活費を抑えられるなど、特定の条件が揃えば返済は不可能ではありません。

    しかし、家計の余裕は少なくなるため、慎重なライフプランニングが不可欠です。

    Q. 共働きの場合、どちらの名義で借りるべき?

    単独名義、ペアローン、収入合算(連帯債務・連帯保証)など複数の選択肢があります

    住宅ローン控除を最大限活用したいならペアローンや連帯債務、手続きをシンプルにしたいなら単独名義や連帯保証が考えられます。

    それぞれ借入可能額や住宅ローン控除、団体信用生命保険の取り扱い、将来のリスクなどが異なるため、メリット・デメリットを理解したうえで、世帯のライフプランに合った方法を選びましょう。

    まとめ

    世帯年収1200万円の家庭が住宅ローンを組む際は、金融機関が提示する「借入可能額」に惑わされず、手取り収入の20~25%を目安とした「無理なく返済できる適正額」を基準に考えることがポイントです。

    共働きでペアローンなどを利用する場合は、将来の収入変動リスクを考慮し、余裕を持った資金計画を立てる必要があります。

    また、教育費や老後資金といったライフプラン全体の支出とのバランスを取り、マンションの場合は管理費や修繕積立金などのランニングコストも忘れてはいけません。

    本記事で解説したポイントを参考に、自身の家庭に合った最適な住宅ローンを選び、後悔のないマイホーム購入を実現してください。

    自分たちに合った住宅ローンや資金計画を立てるためには、専門家のアドバイスも有効です。まずは気軽に診断から始めてみませんか。 

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    監修
    矢口 美加子
    • 矢口 美加子
    • 宅地建物取引士/Room.M 代表

    不動産ライターとして大手不動産会社や不動産ポータルサイトなどで不動産関連コラムの執筆や監修を手がける。執筆・監修での記名記事370件以上、合計1000記事以上の執筆実績。家業の不動産投資事業での実務経験を活かし、「初心者でもわかりやすい不動産記事」の作成を行う。宅地建物取引士、整理収納アドバイザー1級、福祉住環境コーディネーター2級の資格を保有。

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    執筆
    マネイロメディア編集部
    • マネイロメディア編集部
    • お金のメディア編集者

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