
5年使わないお金の運用方法とは?リスク別のパターンと資産配分例を徹底解説
»あなたは資産運用するべき?合った運用を3分で診断
「5年間は使う予定のないまとまったお金があるけれど、普通預金に預けたままでよいのだろうか」「資産運用に興味はあるけれど、何から始めたらよいかわからない」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
本記事では、5年使わないお金の運用について、リスク許容度別に元本確保型からNISAを活用した方法まで詳しく解説します。
自身の目的に合った運用方法を見つけるための参考にしてください。
- 5年使わないお金はインフレによる価値の目減りを防ぐために運用を検討すべき
- 運用方法はリスク許容度に応じて「元本確保型」「バランス型」「成長重視型」から選ぶ
- NISAの活用や「長期・積立・分散」投資が成功のポイント
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5年使わないお金を運用すべき理由
5年間使わないお金がある場合、ただ銀行に預けておくだけでなく、資産運用を検討することには意味があります。
主な理由として、「インフレによる資産価値の目減りリスク」と「5年という期間がもたらす投資効果」の2点が挙げられます。


インフレで実質的に目減りするリスク

資産運用をしない場合、インフレによってお金の価値が実質的に減少するリスクがあります。インフレとは、物価が継続的に上昇し、相対的にお金の価値が下がることです。
例えば、年2%のインフレが続くと、現在100万円で買えるものが1年後には102万円出さないと買えなくなります。つまり、100万円の価値が実質的に目減りしてしまうのです。
近年、日本でも物価上昇が続いており、一部のネット銀行などでは普通預金金利が最大年0.75%(2026年6月時点)の場合もありますが、大手銀行の金利は依然として低く、インフレ率に追いついていません。
預貯金だけで資産を保有していると、名目上の金額は変わらなくても、購買力は年々低下していく可能性があります。
資産を守るためには、インフレ率を上回るリターンを目指せる資産運用が有効な選択肢となります。
5年は投資の成果が出やすい期間
5年という運用期間は、短期的な価格変動のリスクをある程度抑えつつ、投資の成果を期待できる1つの目安となります。
一般的に、株式や投資信託などのリスク資産は、保有期間が長くなるほど価格変動のブレが小さくなり、安定したリターンが期待できる傾向があります。
金融庁のデータによると、国内外の株式と債券に積立・分散投資した場合、保有期間が5年では元本割れの可能性がある一方、保有期間が20年になると収益が安定し、少なくとも1989年以降のデータにおいて元本を上回る結果となりました。
5年という期間は、20年のような長期投資ほどリスクを完全に吸収できるわけではありませんが、単なる預貯金と比べて資産を増やせる可能性が広がります。
安全性と収益性のバランスを取りながら、目的に応じた運用方法を選ぶことで、5年という期間を有効に活用できるでしょう。
(参考:はじめてみよう!NISA 早わかりガイドブック|金融庁)
5年使わないお金の運用方法|リスク別3パターン
5年使わないお金の運用方法は、自身がどの程度のリスクを受け入れられるか(リスク許容度)によって異なります。
ここでは、リスクの度合いに応じて「元本確保型」「バランス型」「成長重視型」の3つのパターンに分けて、具体的な運用方法を紹介します。


元本確保型|絶対に減らしたくない人向け
「5年後には必ず使う予定がある」「元本割れは必ず避けたい」という人には、安全性を最優先する元本確保型の商品が適しています。
定期預⾦、普通預⾦
銀行の定期預金や普通預金は、預金保険制度によって1金融機関あたり元本1000万円とその利息までが保護されます。
近年、一部のネット銀行では普通預金でも大手銀行と比べると高い金利を提供している場合があります。
ただし、全体的に金利は低水準であり、資産を増やすことは期待できません。
個人向け国債
国が発行する債券で、国が元本と利子の支払いを保証するため、安全性が高い金融商品です。
最低保証金利が設定されており、発行から1年が経過すれば、直近2回分の利子(税引前)に相当する金額が差し引かれますが、中途換金も可能です。
金利水準に応じて半年ごとに適用利率が変わる「変動10年」は、インフレにも対応しやすい特徴があります。
バランス型|リスクを抑えつつ増やしたい人向け

「元本確保だけでは物足りないが、リスクは抑えたい」という人には、安全性と収益性のバランスを重視した運用方法がおすすめです。
社債
企業が資金調達のために発行する債券です。国債に比べて利回りが高い傾向にありますが、発行体である企業が倒産した場合には元本や利子が支払われない信用リスクがあります。
投資する際は、企業の信用格付けなどを確認することが必要です。
投資信託(バランス型)
国内外の株式や債券など、複数の異なる資産に分散投資する投資信託です。
1つの商品で手軽に分散投資が実現でき、リスクを抑えながら安定的なリターンを目指すことができます。
資産の配分比率は商品によってさまざまです。
外貨預金
米ドルやユーロなど、日本円以外の通貨で預金する商品です。
一般的に日本円よりも金利が高い傾向にありますが、為替レートの変動によって円換算した際に元本割れする為替リスクがあります。
成長重視型|リスクを取って増やしたい人向け
「5年以上使う予定がない」「将来のために積極的に資産を増やしたい」という人には、元本割れのリスクを受け入れつつ、高いリターンを目指す成長重視型の運用が選択肢となります。
株式投資
企業が発⾏する株式に投資し、値上がり益(キャピタルゲイン)や配当金(インカムゲイン)を狙う方法です。
リターンが期待できる一方、価格変動リスクも高くなります。特定の企業を応援したい、株主優待を受けたいといった目的で始める人もいます。
投資信託(株式型・インデックスファンド)
主に株式に投資する投資信託です。日経平均株価や米国のS&P500といった株価指数に連動することを目指すインデックスファンドは、多くの銘柄に分散投資ができ、信託報酬などのコストが低い商品が多いため、初心者にも人気があります。
ETF(上場投資信託)
投資信託の一種で、株式と同様に証券取引所でリアルタイムに売買できます。インデックスファンドと同様に分散投資効果があり、信託報酬が低い傾向にあります。
これらの運用方法は、NISA(少額投資非課税制度)を活用することで、得られた利益が非課税になるというメリットがあります。
5年という期間を活かして効率的に資産を増やしたい場合、NISAの活用は有効な選択肢となるでしょう。
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おすすめの資産配分例|リスク別ポートフォリオ

5年間の運用で目標を達成するためには、1つの商品に集中投資するのではなく、値動きの異なる複数の資産を組み合わせる「ポートフォリオ」を組むことが欠かせません。
ここでは、リスク許容度に応じた3つの資産配分例を紹介します。


安全重視型(元本確保50%・バランス型50%)
元本割れのリスクを抑えたい人向けのポートフォリオです。
資産の半分を定期預金や個人向け国債といった元本確保型の商品で固め、残りの半分を国内外の株式や債券に分散投資するバランス型の投資信託で運用します。
この配分により、市場が下落した際の影響を限定的にしつつ、預貯金だけの場合よりも高いリターンを狙うことが可能です。
5年後に住宅購入の頭金など、明確な使い道が決まっている資金の運用に適しています。
バランス型(元本確保30%・投資信託70%)
リスクをある程度許容しつつ、安定的に資産を増やしたい人向けのポートフォリオです。資産の3割を元本確保型で守りつつ、残りの7割を投資信託で積極的に運用します。
投資信託は、全世界の株式に分散投資するインデックスファンドなどを中心に据えることで、世界経済の成長の恩恵を受けることを目指します。
この配分は、コア・サテライト戦略の考え方に近く、安定性(コア)と成長性(サテライト)の両立を図るものです。
将来の資産形成の第一歩として、多くの人に適した配分といえます。
成長重視型(元本確保20%・株式投資80%)
5年後も資金を使う予定がなく、積極的にリターンを追求したい人向けのポートフォリオです。
資産の大部分(8割)を株式や株式型の投資信託といったリスク資産に配分し、高い成長を目指します。残りの2割は、相場急落時の買い増し資金や精神的な安定のために元本確保型で保有します。
この戦略は、運用期間が長く取れる20代や30代、リスク許容度が高い人などに適しています。
NISAの非課税メリットを最大限に活用し、複利効果を狙うことで、5年でも資産成長が期待できます。
ただし、市場の動向によっては元本を割り込む可能性もあるため、リスクを十分に理解した上で取り組む必要があります。
5年使わないお金を運用する際の注意点
5年という期間で資産運用を成功させるためには、いくつか押さえておくべき注意点があります。計画を立てずに始めてしまうと、思わぬ損失につながる可能性もあります。
ここでは、重要な4つのポイントを解説します。


生活防衛資金は別に確保する
資産運用を始める前に、必ず「生活防衛資金」を確保しておくことが大前提です。
生活防衛資金とは、病気や失業、急な出費といった不測の事態に備えるためのお金で、すぐに引き出せる預貯金口座で管理します。一般的に、生活費の半年〜1年分が目安とされています。
この生活防衛資金を確保しておけば、運用している資産が値下がりしているタイミングで、慌てて売却して損失を確定させる事態を避けられます。
運用資金と生活費は明確に口座を分けて管理し、心理的な余裕を持って運用に臨むことが欠かせません。
一括投資より積立・分散投資でリスクを平準化

まとまった資金があると、一度に全額を投資する「一括投資」を考えがちですが、値動きのある投資信託や株式を投資するケースは、初心者にはリスクが高い方法です。購入したタイミングが高値だった場合、その後の下落で損失を被る可能性があります。
リスクを抑えるためには、毎月一定額をコツコツと購入していく「積立投資」が有効です。この方法は「ドルコスト平均法」とも呼ばれ、価格が高い時には少なく、安い時には多く購入することになるため、平均購入単価を平準化する効果が期待できます。
また、投資先を1つに絞るのではなく、国や資産(株式、債券など)を複数に分ける「分散投資」も必要です。これにより、特定の市場が下落しても、他の資産でカバーできる可能性が高まります。
5年という期間では、時間と投資先の両方を分散させることが、安定した成果につながります。
5年後の使用目的を明確にする
運用を始める前に、「5年後に資金を何に使うのか」という目的を明確にすることが、適切な運用方法を選ぶ上で鍵となります。目的によって、許容できるリスクの大きさが変わるからです。
例えば、「5年後の子どもの大学入学金」や「住宅購入の頭金」など、使う時期と金額が確定している場合は、元本割れのリスクは極力避けるべきです。この場合は、定期預金や個人向け国債などの元本確保型の商品が中心となります。
一方で、「使い道は決まっていないが、将来のために増やしておきたい」という漠然とした目的であれば、ある程度のリスクを取って投資信託や株式などで積極的にリターンを狙う選択も可能です。
目的を明確にすることで、途中で相場が変動しても冷静に判断し、長期的な視点で運用を続けることができます。
途中で引き出す可能性がある場合の対処法
「5年間は使わない予定」と考えていても、予期せぬライフイベントで急にお金が必要になる可能性はゼロではありません。
そのため、運用を始める前に、各金融商品の「流動性(換金のしやすさ)」を確認しておくことが必要です。
例えば、iDeCo(個人型確定拠出年金)は原則として60歳まで引き出すことができません。定期預金は中途解約が可能ですが、多くの場合、約束された金利よりも低い利率が適用されてしまいます。
一方、株式や投資信託、ETFは数営業日で現金化できますが、市場が下落しているタイミングで売却すると損失が確定してしまいます。
途中で引き出す可能性が少しでもある場合は、資金の一部を流動性の高い普通預金や短期の国債などで保有しておくか、換金しやすい投資信託などをポートフォリオに組み込んでおくと安心です。
あらかじめ損失が出た場合の対処ルールを決めておくことも、冷静な判断につながります。
証券口座・銀行口座の選び方

資産運用を始めるには、金融機関に口座を開設する必要があります。投資信託や株式などを購入する場合、証券会社の口座が必要となります。
どこで口座を開設するかによって、手数料や取扱商品、サービスの使いやすさが異なるため、慎重に選びましょう。


ネット証券のメリット
資産運用を始めるなら、店舗を持たないインターネット専業の「ネット証券」がおすすめです。ネット証券には、対面型の証券会社や銀行と比較して、以下のようなメリットがあります。
手数料が安い
ネット証券は店舗運営コストがかからない分、株式の売買手数料や投資信託の購入時手数料が安く設定されていることが多いです。NISA口座での取引手数料を無料にしている証券会社も多く、コストを抑えた運用が可能です。
取扱商品が豊富
投資信託のラインナップが豊富で、低コストで人気のインデックスファンドも多数取り扱っています。幅広い選択肢の中から、自分の運用方針に合った商品を選べます。
時間や場所を選ばない
スマートフォンやパソコンがあれば、24時間いつでも取引や情報収集が可能です。忙しい人でも自分のペースで資産運用を進めることができます。
これらの理由から、初心者やコストを重視する人にとって、ネット証券は有力な選択肢となります。
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5年使わないお金の運用に関するよくある質問
ここでは、5年使わないお金の運用に関して、多くの人が抱く疑問についてお答えします。

Q. 5年より短い3年でも運用できる?
A. 3年という期間でも資産運用は可能ですが、5年の場合に比べて注意が必要です。
運用期間が短いほど、価格変動の影響を受けやすくなり、市場が下落した際に回復する時間が十分にありません。
そのため、株式や投資信託などのリスク資産に投資した場合、元本割れの可能性が5年のケースよりも高まります。
3年後に使う予定が決まっている資金であれば、元本割れのリスクを避けることが最優先です。
定期預金や個人向け国債(発行後1年経過すれば中途換金可能)など、元本確保型の商品で安全性を重視した運用が選択肢となります。
もし投資を行う場合でも、ごく一部の資金に留めるなど、慎重な判断が求められます。
Q. 途中で必要になった場合はどうする?
A. 運用を始める前に、生活防衛資金を別に確保しておくことが大前提です。これにより、予期せぬ出費の多くはカバーできるはずです。
それでも運用中の資金を引き出す必要が生じた場合は、保有している金融商品の流動性(換金のしやすさ)によって対応が異なります。
- 投資信託や株式: 数営業日で現金化できますが、市場価格が購入時より低い場合は損失が確定します。
- 定期預金: 中途解約は可能ですが、多くの場合、当初の金利より低い利率が適用されます。
- 個人向け国債: 発行から1年経過していれば、直近2回分の利子相当額が差し引かれる形で中途換金できます。元本割れすることなく換金できますが、直近2回分の利子相当額が差し引かれます。
- iDeCo: 原則として60歳まで引き出すことはできません。
予期せぬ出費に備え、資金の一部を流動性の高い普通預金などで保有しておくか、ポートフォリオ全体で換金のしやすさを考慮しておくことが大事です。
まとめ

5年間使わないお金を運用する際は、まず「なぜ運用するのか」「5年後に何に使うのか」という目的を明確にすることが大切です。インフレによる資産の目減りを防ぎ、将来の選択肢を広げるために、資産運用は有効な手段となります。
運用方法を選ぶ基準は、自身の「リスク許容度」です。元本割れを避けたいなら定期預金や個人向け国債、リスクを抑えつつリターンを狙うならバランス型の投資信託、積極的に増やしたいならNISAを活用した株式投資やインデックスファンドが選択肢となります。
どの方法を選ぶにしても、生活防衛資金を別に確保し、「長期・積立・分散」を意識することが失敗しないための基本です。
本記事で紹介した資産配分例を参考に、自身に合ったポートフォリオを組んで、計画的に資産形成を始めてみてはいかがでしょうか。
自身の状況に合わせた具体的な運用プランを検討したい方は、専門家への相談も有効です。
まずは手軽にできるシミュレーションから、資産運用の第一歩を踏み出してみましょう。
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監修

高橋 明香
- ファイナンシャルアドバイザー/CFP®認定者
みずほ証券(入社は和光証券)では、20年以上にわたり国内外株、債券、投資信託、保険の販売を通じ、個人・法人顧客向けの資産運用コンサルティング業務に従事。2021年に株式会社モニクルフィナンシャル(旧:株式会社OneMile Partners)に入社し、現在は資産運用に役立つコンテンツの発信に注力。1級ファイナンシャル・プランニング技能士、一種外務員資格(証券外務員一種)保有。
執筆

マネイロメディア編集部
- お金のメディア編集者
マネイロメディアは、資産運用に関することや将来資金に関することなど、お金にまつわるさまざまな情報をお届けする「お金のメディア」です。正確かつ幅広い年代のみなさまにわかりやすい、ユーザーファーストの情報提供に努めてまいります。









