

【厚生年金の受給額早見表|年収・加入期間別】受給額の計算方法と年金を増やす方法
»あなたの年金はいくら?老後に不足する金額を3分でシミュレーション
「将来、厚生年金はいくらもらえるんだろう?」と、自身の老後資金に不安を感じていませんか。
本記事では、年収や加入期間に応じた年金受給額の目安がわかる早見表を掲載し、受給額の計算方法や年金を増やす具体的な方法まで詳しく解説します。
- 年収・加入期間別の厚生年金受給額の目安
- 厚生年金の受給額が決まる仕組みと計算方法
- 将来の年金受給額を増やすための具体的な方法
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厚生年金の受給額早見表【年収・加入期間別】

厚生年金の受給額は、現役時代の平均年収と加入期間によって変わります。自身の状況に近いものと照らし合わせることで、将来受け取れるおおよその金額を把握できます。
以下の早見表は、国民年金(老齢基礎年金)と厚生年金(老齢厚生年金)を合算した、65歳から受け取れる年金月額の目安を示したものです。
早見表の見方と前提条件
早見表は、縦軸が「加入期間」、横軸が「年金受給額(月額・年額)」を示しています。それぞれの交差する点が、65歳から受け取れる年金額の目安です。
この早見表は、以下の条件を前提として作成されています。
- 老齢基礎年金を含む: 記載されている金額は、老齢厚生年金に加えて、国民年金部分である老齢基礎年金の金額も合算したものです。老齢基礎年金は、加入期間に応じて計算されます。
- 賞与を含む平均年収: 年収は、毎月の給与だけでなく賞与(ボーナス)も含めた生涯の平均額を想定しています。
- 2003年4月以降の加入を想定: 厚生年金の計算式は2003年4月を境に変わりますが、この表では計算を簡略化するため、2003年4月以降の計算式を基に算出しています。
- 各種加算は含まない: 配偶者や子どもの有無によって加算される「加給年金」や、その他の経過的な加算は含まれていません。
あくまでシミュレーション上の概算値であるため、より正確な金額は後述する「ねんきんネット」などで確認することが推奨されます。
年収300万円の場合の受給額
生涯の平均年収が300万円の人の厚生年金受給額の目安は、以下のとおりです。加入期間が長くなるほど、受給額も着実に増えていくことがわかります。
※老齢基礎年金(満額の25%〜100%)と老齢厚生年金を合算した概算値です
40年間厚生年金に加入した場合、月額約12万円が支給される見込みです。
老後の生活費を考えると、この金額だけでゆとりのある生活を送るのは難しい可能性があり、iDeCoやNISAなどを活用した自助努力も選択肢の1つとして考えられます。
年収500万円の場合の受給額
生涯の平均年収が500万円の人の厚生年金受給額の目安は、以下のとおりです。
年収300万円のケースと比較して、報酬に比例する老齢厚生年金部分が増えるため、全体の受給額も上がります。
※老齢基礎年金(満額の25%〜100%)と老齢厚生年金を合算した概算値です
40年間厚生年金に加入した場合、月額約16万円が支給される見込みです。夫婦2人世帯の最低限の生活費の平均が約24万円であることをふまえると、配偶者の年金と合わせることで、ある程度の生活水準は維持できる可能性があります。
年収800万円の場合の受給額
生涯の平均年収が800万円の人の厚生年金受給額の目安は、以下のとおりです。高所得者層であるため、老齢厚生年金の金額も高くなります。
※老齢基礎年金(満額の25%〜100%)と老齢厚生年金を合算した概算値です
厚生年金の保険料計算の基となる標準報酬月額には上限があるため、年収が800万円を超えても、受給額が青天井で増え続けるわけではありません。
40年間加入した場合、月額約22万円が見込まれ、単身であれば年金収入だけで生活することも十分に可能な水準といえるでしょう。
厚生年金の受給額の計算方法

将来の年金受給額は、自身で計算することも可能です。
年金制度は「老齢基礎年金」と「老齢厚生年金」の2階建て構造になっており、それぞれの計算方法を理解することで、受給額の仕組みがより明確になります。
老齢厚生年金の計算式
老齢厚生年金の受給額は、主に現役時代の収入(給与や賞与)と加入期間に基づいて計算される「報酬比例部分」が中心となります。計算式は、法改正が行われた2003年(平成15年)3月以前と4月以降で異なります。
【老齢厚生年金の計算式】
A(2003年3月以前の加入期間分) + B(2003年4月以降の加入期間分)
- A:平均標準報酬月額 × 7.125/1000 × 2003年3月までの加入月数
- B:平均標準報酬額 × 5.481/1000 × 2003年4月以降の加入月数
「平均標準報酬月額」とは、2003年3月以前の各月の給与(標準報酬月額)の平均です。
一方、「平均標準報酬額」は、2003年4月以降の給与(標準報酬月額)と賞与(標準賞与額)を合算した総報酬の平均月額を指します。
賞与が含まれるようになった2003年4月以降の計算では、より生涯賃金の実態に近い形で年金額が算定される仕組みになっています。
老齢基礎年金の計算式
老齢基礎年金は、国民年金の加入期間に基づいて計算され、20歳から60歳までの40年間(480ヶ月)すべての保険料を納付すると満額を受け取れます。厚生年金の加入期間は、第2号被保険者として国民年金にも加入していることになります。
2026年度(令和8年度)の満額は年額84万7300円(月額7万608円)です。(※)
※将来の年金額は法改正や物価・賃金の変動により改定される可能性があります。保険料の未納や免除期間がある場合は、当該期間に応じて受給額が減額されます
満額(年額) × (保険料納付済月数 + 免除月数に応じた加算) ÷ 480ヶ月
例えば、保険料を30年間(360ヶ月)納付した場合の受給額は以下のようになります。
- 84万7300円 × 360ヶ月 ÷ 480ヶ月 = 63万5476円(年額)
このように、納付した月数に比例して受給額が決まるシンプルな仕組みです。
※昭和31年4月2日以後生まれの人、または昭和31年4月1日以前生まれの人は84万4900円
(参考:老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額|日本年金機構)
計算例で理解する受給額
具体的なモデルケースで、年金受給額を計算してみましょう。
【モデルケース】
- 平均年収: 400万円(賞与込み)
- 厚生年金加入期間: 40年(480ヶ月、2003年4月以降)
- 国民年金: 40年間全期間納付
1. 老齢基礎年金の計算
国民年金は40年間すべて納付しているため、満額を受給できます。
- 年額:84万7300円
2. 老齢厚生年金の計算
平均年収400万円の場合、平均標準報酬額は約33万3000円(400万円÷12ヶ月)となります。
- 約33万3000円 × 5.481/1000 × 480ヶ月 = 約87万6000円(年額)
3. 年金受給額の合計
老齢基礎年金と老齢厚生年金を合算します。
- 84万7300円 + 87万6000円 = 172万3300円(年額)
このケースでは、月額に換算すると約14万4000円の年金を受け取れる計算になります。
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厚生年金の平均受給額と実態
厚生年金の受給額は、個人の働き方によって異なりますが、全体の平均額を知ることで、自身の状況を客観的に把握する手がかりになります。
ここでは、男女別・年齢別のデータや、夫婦世帯のモデルケースを見ていきましょう。
男女別・年齢別の平均受給額
厚生労働省の調査によると、厚生年金受給権者(基礎年金を含む)の平均月額は全体で約15万円です。しかし、男女別に見ると差があります。
- 男性平均: 約17万円
- 女性平均: 約11万1000円
女性の平均額が低い背景には、出産や育児によるキャリアの中断や、パートタイムなど非正規雇用で働く期間が長いこと、また男女間の賃金格差などが影響していると考えられます。
年齢階層別に見ると、80~84歳の平均受給額が高くなっています。これは、厚生年金額の算出方法の違いが影響しているからです。
これらの平均額はあくまで参考値ですが、自身の将来設計を考える上での1つの目安となります。
(参考:令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況)
(参考:は行 報酬比例部分|日本年金機構 )
夫婦世帯の受給額モデル
老後の生活を考える上では、個人だけでなく世帯単位での収入を見積もることが欠かせません。働き方の組み合わせによって、世帯の年金収入は変わります。
【ケース1:夫婦ともに会社員の場合】
厚生年金に加入する夫と妻がそれぞれ厚生年金受給権者の平均的な年金を受給する場合、世帯の年金月額は約28万1000円と試算されます。
- 夫:約17万
- 妻:約11万1000円
【ケース2:夫が会社員、妻が専業主婦の場合】
夫が厚生年金受給権者の平均的な年金を受給し、妻が40年間ずっと専業主婦(第3号被保険者)だった場合、世帯の年金月額は約24万円となります。
- 夫:約17万
- 妻:約7万円(老齢基礎年金満額)
【ケース3:夫婦ともに自営業の場合】
夫婦それぞれが40年間国民年金保険料を納付した場合、世帯の年金月額は約14万円です。
- 夫:約7万円(老齢基礎年金満額)
- 妻:約7万円(老齢基礎年金満額)
このように、共働きで夫婦ともに厚生年金に加入している世帯が、多くの年金を受け取れることがわかります。
自営業の世帯は国民年金のみとなるため、iDeCoや国民年金基金などを活用して上乗せ分を準備する必要性が高まります。
厚生年金の受給額に影響する要素
厚生年金の受給額は、いくつかの要素が複雑に絡み合って決まります。中でも重要なのが「加入期間の長さ」「現役時代の平均給与」「賞与の有無と金額」の3つです。
これらの要素がどのように年金額に反映されるのかを理解することで、将来の受給額を増やすためのヒントが見えてきます。
加入期間の長さ
厚生年金の受給額を決定する重要な要素は、加入期間の長さです。加入期間が1ヶ月増えるごとに、その分の年金額が積み上がっていきます。
老齢基礎年金(国民年金)の加入期間は最大40年(480ヶ月)ですが、老齢厚生年金には加入期間の上限がありません。
厚生年金は70歳まで加入できるため、定年後も働き続けることで、受給額をさらに増やすことが可能です。
例えば、60歳で定年退職する人と、65歳まで再雇用で働き続けた人とでは、5年分の加入期間の差が生まれ、生涯にわたって受け取る年金額に違いが生じます。長く働くことは、老後の収入を安定させる上で直接的な効果があるといえます。

現役時代の平均給与

厚生年金は「報酬比例」の年金であるため、現役時代の収入が高いほど受給額も多くなります。年金額の計算には、毎月の給与を等級分けした「標準報酬月額」が用いられます。
標準報酬月額は、毎年1回、4月から6月の給与を基に見直される「定時決定」によって決まります。昇進や昇給によって給与が上がると標準報酬月額も上がり、将来の年金額に反映されます。
ただし、標準報酬月額には上限(第32等級・65万円)が設けられています。
そのため、月収が63万5000円以上の人は、それ以上給与が増えても保険料や年金額の計算上の扱いは同じになります。
2025年度の年金制度改正では、将来的に標準報酬月額の上限を段階的に引き上げる方向が示されました。
賞与の有無と金額
2003年4月以降、厚生年金の保険料は毎月の給与だけでなく、賞与(ボーナス)からも天引きされるようになりました。これを「総報酬制」と呼びます。
賞与は「標準賞与額」として扱われ、支給された賞与額から1000円未満を切り捨てた金額が計算の基礎となります。この標準賞与額を基に保険料が天引きされ、将来の年金額に反映されます。
標準賞与額には、1回あたり150万円という上限が設定されています。
年間の賞与支給額が多いほど、年金額の計算基礎となる「平均標準報酬額」が上がり、結果として受給額が増加します。したがって、月給が同じでも、賞与が多い人と少ない人では、将来の年金額に差が出ることになります。
»あなたの老後は年金で足りる?本当の不足額をシミュレーション
厚生年金の受給額を増やす方法
将来受け取る厚生年金の額は、現役時代の働き方や受給開始時の選択によって増やすことが可能です。「もう少し年金を上乗せしたい」と感じる人は、いくつかの方法を検討してみましょう。
主な方法として、「繰下げ受給」「60歳以降の就労」「国民年金の任意加入」があります。
繰下げ受給で最大84%増額
年金の受給開始は原則65歳ですが、66歳以降に遅らせる「繰下げ受給」を選択することで、年金額を増やすことができます。
受給開始を1ヶ月遅らせるごとに年金額は0.7%増額され、この増額率は生涯変わりません。最大で75歳まで繰り下げることができ、その場合の増額率は84%(0.7% × 120ヶ月)にもなります。
例えば、65歳時点で月額15万円の年金を受け取れる人が75歳まで繰り下げた場合、受給額は月額27万6000円に増えます。
- 15万円 × (1 + 0.84) = 27万6000円
ただし、繰り下げている期間は年金を受け取れないため、繰下げ期間中の生活費をどう確保するかが課題となります。
また、長生きをしないと65歳から受給を開始した場合の総受給額を上回れない「損益分岐点」が存在することも理解しておく必要があります。

60歳以降も働いて加入期間を延ばす

厚生年金は70歳まで加入できます。60歳や65歳で定年を迎えた後も、再雇用などで働き続けることで厚生年金の加入期間を延ばし、将来の受給額を増やすことが可能です。
例えば、60歳から65歳までの5年間、平均年収300万円で厚生年金に加入しながら働いた場合、老齢厚生年金が年額で約8万円増える計算になります。
- 300万円 ÷ 12ヶ月 × 5.481/1000 × 60ヶ月 ≒ 8万2215円
この増えた年額8万円は生涯にわたって支給されるため、仮に85歳まで20年間受給すると、総額で160万円(8万円 × 20年)も多く受け取れることになります。
長く働くことは、年金額を増やすだけでなく、勤労収入によって生活に余裕が生まれ、健康維持や社会とのつながりを保つ上でもメリットがあります。
国民年金の任意加入制度を活用
国民年金の保険料納付期間が40年(480ヶ月)に満たない人は、60歳から65歳までの間に国民年金に「任意加入」することで、老齢基礎年金を増額できます。
学生時代に保険料を納めていなかった期間や、経済的な理由で免除・未納となっていた期間がある場合、その分だけ老齢基礎年金は満額から減額されてしまいます。
任意加入制度を利用して不足している期間の保険料を納めることで、満額が受給できる40年に近づけることが可能です。国民年金保険料を1年間(12ヶ月)追加で納付すると、将来の老齢基礎年金が年額で約2万円増えます。
厚生年金に加入している人は対象外ですが、60歳以降に退職して厚生年金に加入していない場合などで、納付期間が40年に満たない人にとっては、年金増額手段の1つです。
自分の年金受給額を正確に知る方法
早見表や計算式でわかるのは、あくまで年金受給額の目安です。自身の正確な加入記録に基づいた、より詳細な見込み額を知るためには、日本年金機構が提供する公式なツールを活用することが適切です。
主な確認方法として「ねんきん定期便」「ねんきんネット」「公的年金シミュレーター」の3つがあります。
ねんきん定期便で確認
「ねんきん定期便」は、毎年誕生月に日本年金機構から郵送される書類で、自身の年金見込み額を手軽に確認できるツールです。
記載されている内容は年齢によって異なり、50歳未満の人には「これまでの加入実績に応じた年金額」が、50歳以上の人には「現在の加入条件が60歳まで続いたと仮定した場合の年金見込み額」が記載されています。
中でも50歳以上の人に届くねんきん定期便は、将来実際に受け取る年金額に近い、より現実的な数字が示されるため、老後資金計画を立てる上で重要な資料となります。
これまでの加入期間や保険料納付額に漏れや誤りがないかを確認するよい機会にもなります。

ねんきんネットで試算

「ねんきんネット」は、スマートフォンやパソコンからいつでも自身の年金記録を確認できるオンラインサービスです。
マイナンバーカードがあれば、マイナポータル経由で連携することで、すぐに利用を開始できます。また、ねんきん定期便に記載されているアクセスキーを使っても手軽に登録が可能です。
ねんきんネットでは、これまでのすべての年金加入記録を一覧で確認できるほか、将来の働き方(年収の変化や退職時期など)をさまざまに変えながら、年金受給額がどう変化するかをシミュレーションする機能が充実しています。
繰上げ・繰下げ受給をした場合の試算も簡単に行えるため、ライフプランに合わせた詳細な検討が可能です。

公的年金シミュレーターを活用
「公的年金シミュレーター」は、厚生労働省が提供するWebサイトで、より手軽に将来の年金額を試算したい場合に便利なツールです。
個人情報の登録は不要で、生年月日や働き方(職業、期間、年収など)を入力するだけで、受給見込み額をグラフなどで視覚的に確認できます。
ねんきん定期便に記載されている二次元コードをスマートフォンで読み取ると、これまでの加入実績が自動で入力されるため、さらに手間なく試算を始めることが可能です。
簡単な操作で「働き方を変えたら年金はいくら変わるか」といったシミュレーションができるため、将来のキャリアプランを考える際の参考にもなります。
厚生年金だけで老後は安心?不足額の考え方
厚生年金は老後の重要な収入源ですが、それだけで安心して生活できるとは限りません。
自身のライフスタイルに合わせた生活費を把握し、年金収入との差額(不足額)を計算することが、具体的な老後資金対策の第一歩となります。
老後の生活費の目安

老後に必要な生活費は、どのような生活を送りたいかによって異なります。生命保険文化センターの調査によると、夫婦2人世帯における老後の生活費の目安は以下のようになっています。
- 最低限の日常生活費: 月額 約23万9000円
- ゆとりのある生活費: 月額 約39万1000円
「ゆとりのある生活」とは、日常の買い物に加えて、旅行やレジャー、趣味、人付き合いなどを楽しむための費用を含んだものです。
また、単身世帯の場合、65歳以上の一人暮らしの平均的な消費支出は約16万1000円というデータもあります。
これらの金額はあくまで平均値であり、持ち家の有無(住宅ローンの返済や家賃)、健康状態(医療費や介護費)などによって個人差が大きくなる点に注意が必要です。
(参考:2025(令和7)年度 生活保障に関する調査 《速報版》)
(参考:家計調査報告 〔 家計収支編 〕 2025年(令和7年)平均結果の概要 )
年金だけでは不足する金額
老後の生活費の目安と、自身の年金見込み額を比較することで、不足する金額が見えてきます。
例えば、厚生労働省が示す標準的な夫婦世帯の年金モデル(夫が平均収入で40年就業、妻が専業主婦)の場合、受給額は月額約23万円です。
- 最低限の生活費との比較
約23万9000円(支出) - 約23万円(収入) = 約9000円の不足
- ゆとりのある生活費との比較
約39万1000円(支出) - 約23万円(収入) = 約16万1000円の不足
このモデルケースでは、最低限の生活は何とか送れるものの、ゆとりのある生活を目指す場合は毎月16万円もの資金が不足する計算になります。
仮に65歳から90歳までの25年間、この不足額が続くとすると、合計で4800万円(16万円 × 12ヶ月 × 25年)もの資金を別途用意する必要があることになります。
もちろん、これはあくまで一例です。共働きで夫婦ともに厚生年金を受け取る場合は不足額は縮小し、自営業で国民年金のみの場合はさらに拡大するなど、働き方によって状況は異なります。
不足分を補う方法
年金だけでは老後資金が不足する場合、不足分を補うための準備を現役時代から計画的に進めることが欠かせません。公的年金を補完する手段として、主に以下のような方法が挙げられます。
iDeCo(個人型確定拠出年金)
掛金が全額所得控除になるなど税制上の優遇措置を受けながら、自分で運用商品を選んで老後資金を準備する私的年金制度です。投資信託などの運用商品には価格変動リスクがあり、元本割れの可能性があります。

NISA(少額投資非課税制度)
投資で得た利益が非課税になる制度です。2024年から新NISAが始まり、非課税枠が拡大され、より柔軟な資産形成が可能になりました。ただし、投資であるため元本割れのリスクがあります。

個人年金保険
保険会社が提供する商品で、保険料を払い込むことで、将来一定期間または終身にわたって年金を受け取れます。

財形貯蓄制度
勤務先が導入していれば利用できる制度で、給与から天引きで貯蓄を進められます。

定期預金
預金保険制度の対象となり、原則として元本1000万円とその利子が保護されるため安全性が高い一方、現在の低金利下では資産を大きく増やすことは期待できません。

これらの方法を組み合わせ、自身のリスク許容度やライフプランに合わせて、早めに資産形成を始めることが、安心して老後を迎えるための鍵となります。
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厚生年金の受給額に関するよくある質問
ここでは、厚生年金の受給額に関して多くの人が抱く疑問について、Q&A形式で解説します。
Q. 月15万円もらうには年収いくら必要?
厚生年金(老齢基礎年金と老齢厚生年金の合計)で月額15万円(年額180万円)を受け取るためには、現役時代の平均年収が約430万円以上必要になるのが1つの目安です。
【計算の内訳】
- 目標年金額: 180万円
- 老齢基礎年金: 約84万7000円(40年加入で満額の場合)
- 必要な老齢厚生年金額: 180万円 - 84万7000円 = 95万3000円
年額95万3000円の老齢厚生年金を受け取るために必要な平均年収を、40年(480ヶ月)加入のケースで逆算すると、約430万円となります。
- 必要な平均標準報酬額 × 5.481/1000 × 480ヶ月 = 95万3000円
- 必要な平均標準報酬額 ≒ 36万2000円
- 年収換算: 36万2000円 × 12ヶ月 ≒ 434万円
加入期間が短い場合や、国民年金の未納期間がある場合は、さらに高い年収が必要になります。
Q. 40年間払ったらいくらもらえる?
厚生年金に40年間加入した場合の受給額は、現役時代の平均年収によって異なります。以下に、年収別の受給額の目安(月額)を示します。
- 平均年収300万円の場合: 約12.5万円
- 平均年収500万円の場合: 約16.2万円
- 平均年収800万円の場合: 約21.7万円
これらの金額は、40年分の老齢基礎年金(満額)と、それぞれの年収に応じた老齢厚生年金を合算したものです。
自身の状況に近い年収のケースを、本記事の冒頭で紹介した「厚生年金の受給額早見表」で確認してみてください。
Q. 5年間だけ加入した場合は?
老齢年金を受け取るためには、原則として国民年金や厚生年金などの加入期間を合計した「受給資格期間」が10年以上必要です。
そのため、厚生年金の加入期間が5年間だけで、それ以外の期間(国民年金の納付期間や免除期間など)を合わせても合計10年に満たない場合、老齢厚生年金も老齢基礎年金も受け取ることはできません。
もし、受給資格期間の10年を満たしている場合は、5年分の厚生年金加入実績に応じた老齢厚生年金が、老齢基礎年金に上乗せして支給されます。ただし、加入期間が短いため、その金額はごくわずかになります。
例えば、平均年収300万円で5年間加入した場合、上乗せされる老齢厚生年金は年額で約8万円(月額約6700円)程度です。
まとめ

本記事では、厚生年金の受給額について、年収と加入期間別の早見表を基に解説しました。自身の将来の年金額を大まかに把握することで、老後資金計画をより具体的に立てる第一歩となります。
受給額は、現役時代の収入や加入期間の長さに比例して決まります。もし見込み額が少ないと感じた場合でも、繰下げ受給の活用や60歳以降も働き続けることで、年金額を増やすことが可能です。
より正確な金額を知るためには、「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」の活用が不可欠です。これらのツールで自身の状況を確認し、必要に応じてiDeCoやNISAなどの私的年金も組み合わせながら、安心して老後を迎えられるよう、今から準備を始めましょう。
自身の老後資金が具体的にいくら必要なのか、専門家と一緒に確認してみませんか?
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※本記事の内容は記事公開時や更新時の情報です。現行と期間や条件が異なる場合がございます
※本記事の内容は予告なしに変更することがあります。予めご了承ください
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監修

西岡 秀泰
- 社会保険労務士/ファイナンシャルプランナー
同志社大学法学部卒業後、生命保険会社に25年勤務しFPとして生命保険・損害保険・個人年金保険販売を行う。保有資格は社会保険労務士と2級FP技能士。2017年4月に西岡社会保険労務士事務所を開設し、労働保険・社会保険を中心に労務全般について企業サポートを行うとともに、日本年金機構の年金事務所で相談員を兼務。
執筆

マネイロメディア編集部
- お金のメディア編集者
マネイロメディアは、資産運用に関することや将来資金に関することなど、お金にまつわるさまざまな情報をお届けする「お金のメディア」です。正確かつ幅広い年代のみなさまにわかりやすい、ユーザーファーストの情報提供に努めてまいります。



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